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2009.04.09

『烙印の紋章Ⅲ竜の翼に天は翳ろう』読了

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烙印の紋章Ⅲ竜の翼に天は翳ろう』(杉原智則/電撃文庫)読了。

いかん、面白過ぎる。帝国皇子の偽物として振る舞うしかないオルバだが、彼には本物の軍才があった…と言うわけで、剣闘士奴隷に過ぎなかったオルバが、その才幹を思う存分振るっていく展開には心が躍る。その活躍を疎む皇帝により寡兵にしてアプター砦を防衛する任を帯びた偽皇子が、いかにして侵攻をもくろむタウーリアの兵を退けるのかという展開。豪商、不穏な動向を見せる同盟国との綱渡りのような交渉を経て、タウーリアに立ち向かう。そして炸裂するオルバの奇策。うーんファンタジー戦記としては完璧だなー。婚約者であるビリーナ姫との関係も少しずつ近づきつつあり、まさに彼の絶頂期と言えるだろう。ただし、今巻にてついに彼の前途に不穏な影がちらつき始める。偽皇子の真相に近づきつつあるイリーナ姫により、決定的な証拠はないまでも、疑いは色濃く漂い始める。彼の未来に向けて波乱を含ませながら終わるため、読者としては、ただ続きを早く読ませろという他ない。と言うわけで早く続きを下さい。

戦記ものとして以外にも、群像劇としてもなかなかレベルが高いような気がする。ほんのちょっとした脇役でさえ魅力的に生き生きと描く手腕は実に堅実で手堅い。女嫌いの色男のくせにビリーナだけは崇拝している感のあるシークや、親バカの一面をみせるゴーウェン、美しくも野生的な竜使いのラン、そしてもちろんオルバに対して複雑な心境にあるビリーナ姫。さらには敵であるタウーリア領主アークスでさえ、奇妙な愛嬌を見せる。彼らに割かれている描写自体は少ないのだが、描写の背景に彼らの人生を垣間見せる(圧縮されている)ところは見事と言うほかはない。その一方で、確かにオルバの物語にもなっているところもいい。彼の兄、ロアンにまつわるエピソードはとても切ない。本当に作者は今ノッているんだなーと思う。

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コメント

三巻が無事出たことにまず安堵。ところが読んでいるうちに、そんなことを忘れるくらい引き込まれました。まさしく息もつかせぬ展開の連続。

頑張れ作者。今度こそ四巻の呪縛を超えられるぞ。

投稿: 暗黒ファンタジー | 2009.04.10 21:22

これで急展開!と言うことにならなければ4巻は超えそうですね。というか、そこまでこの人、シリーズが続いていなかったのか…。不憫な…。

投稿: 吉兆 | 2009.04.11 08:40

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