« 日々の雑記 | トップページ | 最近のアニメ »

2009.04.15

『僕僕先生 胡蝶の失くし物』読了

51lf2bac6ucl

僕僕先生 胡蝶の失くし物』(仁木英之/新潮社)読了。

美少女仙人とニート青年のぶらり旅も第三作までになりましたか。非常にけっこうなことです。今回は暗殺者に狙われることになって微妙に緊迫した展開になったような気がしたが、ぜんぜんそんなことは無かったぜ!僕僕先生にかかっちゃあ、暗殺者さえも手玉にとってしまうんだな。まあやり口が暗殺者の母親の命を人質にとるとか、かなりえげつないような気がするんですが…まあ、その命を救ったのも僕僕先生なわけですけど…。

今回登場した暗殺者、劉欣は、みかけは骸骨の如き風貌で陰鬱な男だけど、内面では両親に対する深い愛情を秘めた人間らしさがあるところが良いですね。なんと言うか情が深すぎる。暗殺者なのに。その情の深さが仇となって、暗殺者として生きることになり、そして僕僕に付き従うことになってしまうところが生粋のハードボイルドと言う感じだ。この劉欣をめぐる物語はかなりハードで、これまでの物語と比較するとやたらとクールで陰鬱で渋い。なんかこの人、出てくる物語を間違えているような気がするのだが、そんな劉欣をも受け入れてしまうところにこの物語の鷹揚さを見出すことが出来るかもしれない。

前巻では中途半端に終わっていた薄妃の恋についても、ある結末がもたらされる。まあこのタイプの異類婚物語の定型として幸福な結末は得られないのだが、彼女の物語がこれで終わったとも思えないので、今後、なんらかのフォローがなされることになるのだろう。まあそれも薄妃が望めばの話なので、現時点ではなんとも言えないところだが…。なんとかなるのかな…。あと関係ないけど、薄妃に戦闘美少女属性が付くとは思わなかったな。僕僕の気の力でそんな副次効果があったとは…。なにやら薄妃の立ち位置も明確になってきて、なんとも魅力的なキャラクター(やや記号的だが)になってきており、好感度が高い。

しかし、王弁は人外の女性に好かれる性質なんだな…。僕僕にはあいかわらず絶妙にえろい感じで挑発され、薄妃には弟のように可愛がられ、蚕の姿をしたお嬢さま、その名も蚕嬢(そのまんまだ)にもなつかれるとは、まるでハーレム主人公じゃないか。彼の持つ特殊な技能も明らかにされ、なんかだんだん男を上げてきましたよ。…まあハードボイルドな劉欣からの評価は最低なんだけど…。つーか、世界観的にハードボイルドアクションの主人公たる劉欣と、美少女ときゃっきゃうふふするラノベ主人公の王弁の気が合うわけがないのは当然と言える。ジャンルエラーってやつだよなこれ。

そんな感じで道連れも増えて、ますますにぎやかになる僕僕一行の先行きは…さっぱり分からんのだが、まあ楽しそうな集団だよなー。僕僕が決まった目的も持たずにさすらっているのも、この楽しい時間を少しでも引き延ばそうという意図なのかもしれないな。読者としてもそれは望むところで、次巻を楽しみに待つとしよう。

|

« 日々の雑記 | トップページ | 最近のアニメ »

コメント

こんばんは。
トラックバックさせていただきました。
表示されないようなので、URLを置かせていただきますね。
http://1iki.blog19.fc2.com/blog-entry-860.html

トラックバックいただけたらうれしいです。
お気軽にどうぞ。

投稿: 藍色 | 2009.05.08 02:55

トラックバックが表示されませんか?おかしいなあ、特にフィルタリングはかけていないんですが…。

ともあれ、コメントありがとうございました。

投稿: 吉兆 | 2009.05.08 23:50

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29313/44680570

この記事へのトラックバック一覧です: 『僕僕先生 胡蝶の失くし物』読了:

« 日々の雑記 | トップページ | 最近のアニメ »