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2009.04.17

『アスラクライン(2)夜とUMAとDカップ』読了

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アスラクライン(2)夜とUMAとDカップ』(三雲岳斗/電撃文庫)読了。

ひどいタイトルだなあ…。しかも、このタイトル通りの話だと言うんだからさらにひどい。まあそんなコメディチックなストーリーの中にも、物語手としての作者の手腕は巧妙の一言だ。一応、今回の話を読み終われば、悪魔と契約者、そして使い魔の関係がきちんと理解できるようになっているんだもんなあ…。複雑な世界観を順次明らかにしているわけだが、その理解をきちんと読者に浸透させていく手順をきちんと踏んでいるところが見事と言うほかは無いなー。

全体的にコメディ色が強くなっており、1巻では敵役だった佐伯兄の人格がどんどん壊れていって変な人になっていたり、佐伯妹の重度のツンデレぶりが明らかになって来たり(ほとんど告白しているも同然なのに気がつかない智春の罪は重いぞ…)、操緒は相変わらずにぎやかしていたり、朱浬さんはいつも通りだったりと、とりあえず楽しい。もっとも作者のタイプとして、それほどキャラクターには興味がないようで、それほど記号的にキャラが立っているわけではないと思う。奏などは、どうにも動かし難いヒロインだなあ、と思うのだが、同様のヒロインとしての動きにくさとしては、操緒も朱浬も似たようなものと言えるので、好みの別れるところだろうか(ただし、それは作品評価の問題ではないところに注意)。

これは以前から感じていたことなのだが、三雲岳人の文章は、非常に端正で隅々まで神経の行き届いた文章なのだが、その分、テンションに流されるのを良しとしない生硬さも垣間見える。アクションシーンや葛藤のシーンでそれは顕著で、非常に淡白な印象を受けてしまう。しかし、それは明快で論理的という意味もあり、一概には欠点とは言えない部分なのだな、と言うことを強く感じるのだった。理知的と言う言い回しがぴったりくる、そんな文章だと思う。引っかかるような箇所がまったく見受けられないと言うのは、(わかりやすくは無いが)素晴らしい長所なのではないか、と思うのだった。

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