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2009.03.05

『秋期限定栗きんとん事件(上)』読了

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秋期限定栗きんとん事件(上)』(米村穂信/創元推理文庫)読了。

小鳩くんと小佐内さんの互助関係が崩壊した後、二人はどうなったか…と、恐ろしいところで終わった前回。はたして秋の物語ではどのような展開に…と固唾をのんで読み進めたところ、二人にそれぞれ彼女と彼氏が出来ました!と言う展開にひっくり返った。な、なるほど…小市民への道はまだ諦めていないのだな…。こうやって彼氏彼女を作ってしまえば平凡な日常に向かうことが出来ると…。でもねえ、結局のところ、すでに二人とも気がついていると思うんだよね。持って生まれた自分の性(サガ)には抗いがたいと言うことに。むしろ不可能であることに。小鳩くんは、日々の日常の中からさえ謎を呼び覚まし、小佐内さんは己の衝動のままに暗躍する。お前らもうすでに小市民なんて無理じゃん!単にカモフラージュしているだけじゃん!と言うわけで、羊の皮を被った探偵と狼として行動する二人なのであった。

あらゆる日常からでさえ謎を見出せる小鳩くんは、ある意味では人生の達人だよなー。単にバスに乗車するだけでも、彼にとっては謎の宝庫。ちょっとしたパズルが生み出される。どっかの魔人探偵じゃあないけど、人間と言うのは、存在するだけで謎が生み出されてしまうのだな。こういう思考を常にしていると、すごく人生が楽しくなりそう。小鳩くんの場合は自然にそういう思考をしてしまうようだけど…。あと小佐内さんの行動はすっげー不気味。小佐内さんの彼氏に納まった瓜生くん初めとする周囲のあらゆる人間を手玉に取っているよー。こええ。魔性としか言いようの無い女の子だなー。上巻ではまた状況はあきらかではないが、小佐内さんが黒幕っぽいよなー。小鳩くんが探偵となって、小佐内さんを追い詰める展開を妄想してしまったぞ。さすがにそれはなさそうだけど。と思うけど。

最後の引きも気になる終わり方だけど、正直なところ、それは一体、事件とどんな関係があるの?と小鳩くんと一緒に呆然としてしまった。…あ、ないのか。まったく関係のない話だったのね。知的なパズルを解いていたはずなのだが、人間が関わるところには、常にイレギュラーな要素が存在するわけですね。なるほどなー。

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