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2009.02.22

『ラプンツェルの翼』読了

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ラプンツェルの翼』(土橋真二郎/電撃文庫)読了。

戦闘美少女+バトルロイヤルと言うわけで、いつもどおりの土橋だった。面白いんだけど、正直、作者はこんなことやってないで『ツァラトゥストラの階段』の続きを書いて欲しいと切に願う。が、それはまた別の話。

自分の人生に無関心な主人公のところにトランクに入った美少女がやってきた、ってそれなんてエロゲ?な展開も、作者の手にかかれば平凡な少年と美少女に似た異生物とのディスコミュニケーションバトルになってしまうのが作者らしい。

そう、今作の特徴は、一件ラノベナイズされた設定の上で繰り広げられる、人間とは異なる異生物との交流を描いていると言うことである。ぶっちゃけた話、寄生獣の美少女版といってよい。これは、作中に寄生獣ネタがちりばめられていることからしても、おそらく作者は意識していることであると思う(奈々の言葉を覚えるエピソード、主人公に天使の力が流れ込むこと、人を食う本能などなど)。

突如やってきた人間とは種も考え方も異なる異物と、否応なく共同生活を送ることになった主人公が、自分の生活を守るために”人を食う存在”戦う、と表現すればまさに寄生獣。一応、主人公のパートナーとして存在する奈々も、会話をしていると明らかに人間性を欠いた精神の持ち主であることはすぐにわかる。彼女は、人間というにはあまりに合理的でありすぎるのだ。社会的な生物である人間と異なり、あまりに生きることに純粋すぎるとも言える。

そう言った舞台設定をすることによって、当然のように主人公とヒロインのディスコミュニケーションの物語となり、二人が生き残りをかけて戦う過程で、お互いを理解していくという流れになる。

ただ、ちょっと引っかかるのが、主人公とヒロインの間に起こるディスコミュニケーションが、ヒロイン側が主人公に一方的に感化されるという展開で、主人公側がなにがしかのアプローチを行ったように感じ取れないところだ。なんか適当にバトルっているうちに、ヒロインが勝手に(と言うのもどうかと思うが)人間化し、恋愛感情を芽生えさせていったように感じ取れるので、異生物との交流ものとしてはあまりよくないのではないか。違うものは違うものとして受入れつつ、その上で手を取り合えるように努力するのが異文化コミュニケーションの基本ではないかと自分は思うのだ。

おそらく1冊でまとめるのにそこまでは突っ込めないという作者の判断は理解出来るものの、納得しがたいものがあるのだった。

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