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2009.02.07

『ダンタリアンの書架(1)』読了

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ダンタリアンの書架(1)』(三雲岳斗/角川スニーカー文庫)読了。

三雲岳斗の新シリーズ。アスラクラインでこの作者のライトノベルの良さを認識したので、他の作品も読んでみようかなーと思っていたのだけど、どうもあと一押しが足らず手が出ないでいた。そんな時に、これを貸してくれるとの申し出があり、ありがたく好意に甘えることにしたのだった。

さて、結論から言うと、事前の期待を十分に満たしてくれる作品だった。幻書のめぐる奇譚とでも言うような内容になっており、単純なハッピーエンドにはならない不思議な物語に対する距離感があるのが好ましい。幻書の禁じられた知識によって、自分の望みを叶えるべく行動し、その結末を迎える。それらが単純に因果応報的な結末や、欲望の暴走などと言った展開をこの作者は取らない。また憎悪や哀しみなどの負の感情だけが愚かさにつながっているのでもない。作者は、人間とは他者に対する”愛”でさえ、破滅を迎えることがあるのだ、と言うことを語っているように思うのだ。愛も、憎悪も、人間がもたらすすべてのものは等しく愚かで、哀しい。しかし、そのように人間の愚かさによって破滅する物語を描きながら、その愚かさを否定していないところもまた面白い。第三話にあたる「叡智の書」においては、唯一、幻書の使用者が破滅しない展開であり、それをもたらしたものは”賢さ”であるのだけれども、同時にその賢明さの不毛さも描かれている。人間とは賢明であるだけでは生きている意味がなく、時に人間の素晴らしい部分と言うものは、愚かさからしか生まれないのだと言うことを語っているのだ。つまり、この作品の中では、人間は愚かであり、その愚かさを哀しみながら、しかし、それを否定しない。むしろ、愚かさの中に人間と言うものが詰まっていると言うことを語っているように思うのだった。

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