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2009.02.17

『パララバ-Parallel lovers-』読了

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パララバ-Parallel lovers-』(静月遠火/電撃文庫)読了。

電撃大賞<金賞>受賞作。すこし不思議(SF)な恋愛ミステリだった。携帯電話でつながること以外は超常的な要素が一切出てこないのが品が良い。文体もリリカルさを追求している感じで作品の方向性を徹底しているのも好ましかった。もっともエンターテインメントとしては、あまりにもシンプルすぎる文体と物語で、普段ジャンクなライトノベルを読んでいる身としては少々食い足りないところもあった。普段ファーストフードばかり食っている人間が和食を食べたみたいな感じかなー。もちろんこれはこれでよいものです。もうちょっと距離の近くて遠い二人の関係性をつっこんでくれるともっとよかったかなーとは思う。二人がそれぞれの世界で協力して捜査を進めていくのだけど、お互いの捜査があまりリンクしていない感じがあるのですね。結局、それぞれ個別に行動していて、お互いの捜査が影響していない感じがあったので、二人の関係が最後の離別の感傷を見せるためだけのものに思えてしまうところがある。そこがちょっと気になるけれども、もっともこれは先入観の問題かもしれない。あとがきを先に読んでしまったもので、念頭に『タイム・リープ』があり、同じ方向性の作品だと思ってしまったこともそのように感じる原因かもしれない。先入観を排すれば、物語を綺麗に閉じきった作品と言えると思う。ラストシーンは、あえて描写しないことによって、おそらく”向こう側”でも同じような場面があるのだろうと”想像させる”ところが大変に良い描写でした。

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