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2009.01.31

『静野さんとこの蒼緋(ふたご)』読了

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静野さんとこの蒼緋(ふたご)』(水鏡希人/電撃文庫)読了。

悪くは無い。とつぜんやってきた双子の妹に困惑し、ドタバタと騒がしくなっていく主人公の日常。科学部の愉快な仲間たちとの楽しいやりとり。学園で起こる事件に立ち向かう主人公たち。それぞれの要素は決して悪いものではなく、それなりに良く出来ていると思うのだが、どうも全体としてみるとちぐはぐな印象を受ける。どこに物語の中心があるのかわからない。あえて中心を作らず、平行して進めるという方法もあるにはあるが、これはそのタイプの作品ではないと思うしなあ。物語の冒頭は双子の妹とのドタバタが中心で、後半は事件の比重が大きくなっていくのだが、前後のつながりがあまり取れていないような。つなぐのが妹の”力”だけと言うのがいかにも弱い。さらに言うと、本来はもう一つの軸となるはずの学園生活における主体である科学部が、ある意味完全に”死んでいる”。物語になんら寄与していないので(ラストで事件に関わりがあることが分かるが、単に情報だけを提供されても、それで?とか思ってしまう)、お前らは一体なんのために出てきたのか、と言いたくなってしまった。単なるにぎやかしか、と言うにはキャラ付けが弱いしなあ。結論としては、面白いと言えないことはないが、あまりにまとまりが無い印象が強い。強い惹きを作らない、ある意味フラットな作風はこの作者の持ち味だと思うので(前作は物語的な強さよりも世界観とキャラクターの関係性を見せていた)、世界観そのものを見せない学園異能(世界観そのものは既存のものを流用している)とは相性が悪いのだろう。いろいろと勿体無いなーと言う印象だった。

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