だらだらしつつゼロの使い魔を再読
ゼロの使い魔を久しぶりに読んでいたら(初再読かもしれん)、物凄く面白かった。ひょっとして傑作なんじゃないか(今更なにを言っているんだ)。
・イーヴァルディの勇者って一巻ですでに名前が出ているよ!10巻の伏線が1巻で出ているとは!
・シナリオライター出身だけあって、ヤマグチノボルには文章に対するフェティッシュなこだわりと言うのが欠片も感じられない。むしろ、文章としてはすごく粗いのだが、反面、映像化した場合のシチュエーションに対するこだわりが物凄く強い。
・シーンの状況設定が恐ろしく格好いい。具体的に好きなところは、魔法学院に敵襲があって、コルベール先生が己の過去を呪いながら生徒を守るために戦うシーンは、セリフのやりとりやそれぞれの登場人物の感情の流れといい、超絶的にかっこいい。描写自体はさらっとしているのだが、もしこれがアニメになったらかっこいいだろうなあ、と思わせられる。しかし、どうやらアニメ版にはこのシーンは無いらしいので、現在のスタッフは呪われればいいと思う。このシーンに限らず、ゼロの使い魔は、映像的にかっこいいシーンが多く、きちんと脳内で映像にしてみると、すごく面白い。自分はあまり文章を脳内で映像化しない(文章をただ文章として受け取る)ので、いままでは気がつかなかったのだが、これは驚きだった。
・アルビオンとの戦争描写など、分量としてはそれほど割いていないものの、描写自体は濃い。脇役の一人であるギーシュが士官として配属されたときに、ボンクラ愚連隊の中隊長をなし崩しに拝命し、恐怖に震えながら初陣を果たすなど、作品としてのバランスを大きく崩しかねないほどに描いている。作者はわりとミリタリー系も好きなのかも。
・あまりラブコメっぽいところは多くないような。むしろ少年のビルドゥンクスロマンを描いている作品のような気がする。
・マリコルヌはほぼ皆勤賞なのに、扱いが不憫すぎる…。イラスト化されたことも無いとは…。
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