ぼくが点数付けをしない理由
本の感想を真面目に書き始めてそろそろ4年になろうとしているが、ぼくの感想文は、自分で言うのもなんだけど、すごくわかりにくい。面白いのか、面白くないのかをはっきりと断言しない上に、他の作品と比較してどちらが優れているのか、まったくわからない書き方をしている(自覚はある)。他のラノベ書評サイトを見てみると、点数を付けたり、評価軸をもうけて相対的な評価をつけているところもある。ああいうのがあれば、その作品が自分の中でどのような位置づけになるのか、ブログを読んでいる人にもわかり易かろうなー、と思う。思うのだが、どうも自分の中で、素直に評価を形にしたくないという気持ちがあり、二の足を踏んでしまう。実は、点数を付けるという行為は苦手なのだ。自分が本を読んだ時生じる感想と言うのは、実は単純なものではない。たんに面白い、という言葉だけでは括れない衝動があるのだ。例えば、物語に対する喜びであったり、作者の技巧への賛嘆であったり、美しいものを見た感動であったりと、さまざまなものがある。それを5段階評価で付けてみよう、と思うと、途端に困難な問題になる。物語の構成が素晴らしい!と思ったときと、美しい文章を読んだときの感動を同列に扱ってよいものか…?評価軸を増やしてみるというのも一つの方法であろう(例えば、文章A、構成B、キャラBなど)。だが、いちど評価軸を増やすと、際限なく項目が乱立し、作品同士の相対評価を見え難くしかねない。そのところを上手く妥協する必要があるのだろうが、その落とし所が見えてこないのです。というわけで、今のところぼくは点数付けをしたくないのです。
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コメント
始めまして吉兆さん。mameと申します。いつも楽しく拝見させております。
この感情はよく分かりますね。ベクトルが違うので大きさだけでは評価できないって感じでしょうか・・・
若輩者ですがこれからもよろしくお願いしますぅ><
投稿: mame | 2009.01.06 23:17
はじめましてmameさん。ありがとうございます。
まあ、単純に評価を形にするのが苦手なんです。価値を点数には出来ないんですよね。点数では単純過ぎて、取りこぼすものが多すぎるように思えるもので。
投稿: 吉兆 | 2009.01.07 21:24