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2009.01.20

『鬼切り夜鳥子(4) 聖邪が街にやってくる!!』読了

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鬼切り夜鳥子(4) 聖邪が街にやってくる!!』(桝田省治/ファミ通文庫)読了。

楽しい作品。楽しいだけの作品とも言えるが、それは批判するべきところではないだろう。エンターテインメントとして唯一正しいことがあるとすれば、面白いかどうかと言う一点だけで、それ以外のことはすべて些事とさえ言える。この作品は、読者を楽しませようと言う意思が極めて強固にあり、次から次に繰り出されるガジェット、健全な(それゆえ甘酸っぱくもエロい)登場人物、惜しげもなく繰り出されるイベントを詰め込み、快楽原則にのみ忠実に物語を紡いでおり、とても楽しい。読みながら良い気分になれる作品であると言える。

ただ、ぼくはちょっとこの作品は読者にわかりやすく書きすぎなんじゃないかと思う。以前の作品でも同じことを思ったのだが、このシリーズは物語の流れが非常にスムーズで、シームレスだ。ただ、そのスムーズさに、逆にすごくご都合主義的な印象を受けてしまう。物事が全体的に主人公たちに都合よく回りすぎているように感じられる。言い換えると、作者にこの物語の楽しみ方はこうこうこうなのでこういう解釈しか出来ません、と言う感じで畳み掛けられて、読者として他の楽しみ方が出来ない窮屈さがある。ようは遊びが少なすぎと言う言い方も出来るかもしれない。

たぶん、作者はすごく論理的にこの作品を設計しているんだと思う。イベントごとの因果関係もはっきり決めてあって、流れがすごく綺麗だから。ただ、綺麗な水を好む魚ばかりではないということなんだろうなー。実のところ、ぼくは小説は別に読者にわかりやすく書く必要はないんじゃないか、100%理解出来るようにつくらなくてもいいんじゃないかと思うので、その辺の価値観の問題なのかもしれない。まあ判断は続巻を見てからかな。

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コメント

 月末をお楽しみに。
 最近、いわゆる「どんでん返し」のテクニックを習得中。
 でね、どんでん返しをうまく決めるには「わかりやすさ」が大事なんですよw。
 次回作をすでに書き終えたんだけど、それは夜鳥子の実験成果を生かして「必殺の大どんでん返し」が決まっています。
 タイトルは「透明の猫と年上の妹」
 そっちもお楽しみに

投稿: shoji mas | 2009.01.21 02:03

>でね、どんでん返しをうまく決めるには「わかりやすさ」が大事なんですよw。

その考え方はわかります。ミスリードは気が付かれなければ意味ありませんものね。

>タイトルは「透明の猫と年上の妹」

こんなところで次回作のタイトルが判明ー!?ともあれ、楽しみにしております。

投稿: 吉兆 | 2009.01.21 21:18

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