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2008.12.12

『Gunning for Nosferatus(1) 此よりは荒野』読了

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此よりは荒野 Gunning for Nosferatus(1)』(水無神知宏/ガガガ文庫)読了。

オモチローイ。物語としては非常にシンプルで、復讐のために力を求める少年の成長物語であるのだが、少年の葛藤と成長を丹念に、そして伸びやかに描いており、非常に好感度が高い。なんと言うか、どこにも隙が無い印象を受けるのだ。この一冊に、少年が、復讐に焦がれ、一人前の男になりたいの願いながら、現実の前に挫折を味わい、苦悩する姿と、そこから”強さ”と言うものを身に着けていく過程のすべてを描ききっている。どこが面白い、と言うとけっこう言葉に詰まるタイプとも言える作品なのだが、とにかく物語の動かし方にまったくケレンが無いと言う点は考慮に値する。奇を衒わず、淡白さよりも物語の重厚さを思い知らされるというのは見事と言うほかは無い。うーん、なんか本当にケチをつけるところがねーな…。まあ、ケチのつけようも無いということそのものが、ライトノベルとしてはフックが弱いといえなくも無いが、そんなもんジュブナイル小説として読む分にはなんの弱みにもならないしな。キャラクター小説としては、決してキャラ立てをしているわけではないない。むしろキャラ小説としてはわかりやすい記号を使用していないせいでとっつきは悪いかもしれない。それでも、一人の少年の瑞々しい成長物語としての完成度は高く、評価するべきであろう。ああ、なんか絶賛してしまっているような。いや、別に決してなにかが突出しているわけではないのだけど、トータルでの総合点が非常に高い作品で、ツッコミ難くてしょうがない。つまり良い作品だということです。

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