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2008.12.28

『<本の姫>は謳う(4)』読了

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<本の姫>は謳う(4)』(多崎礼/Cノベルスファンタジア)読了。

本の姫シリーズもついに完結編。最後まで付き合ってきた限り、見事に伏線を回収して、美しい物語になったと思う。相変わらず良く出来た工芸品のような作品を書く作家だなあ…。ただ、全体的に見ると、敵役にあたるレッドが今ひとつキャラクターが弱いというか、アンガスとの因縁のからみが薄い感覚があったり、ジョニーやアークが最後で役割がはっきりと出てきたものの、その役割のために用意されたキャラクターという感覚があって、あまり生きてこなかったように思う。物語が優先されすぎて、キャラクターが犠牲にされているような印象が強いのだな。果たして4巻も必要だったかと疑問なところもあるし。もうちょっと途中の緊張感を維持する方法があったのではないかと思える。だが、4巻に至り、それまでいくつもはりめぐらされていた伏線が、一点に収束していくところを見せ付けられてしまっては、それらすべてを許さざるを得ない。過去と未来。それらがお互いに作用し合い、新しい世界を紡ぎだす。まわる輪廻と希望が出会った物語だったのだ。良い作品を読ませていただきました。

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