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2008.10.21

『たま◇なま 生きている、日々』読了

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たま◇なま 生きている、日々』(冬樹忍/GA文庫)読了。

面白い。物語は進んでいるうような、そうでもないような気もするという微妙なものですが、キャラクターがやたらと魅力的な作品だけあって、主人公たちが会話しているだけで楽しいと言う、わりあい貴重な作品になっている。主人公と由宇はもうすっかりラブラブの状態なのだが、主人公がなかなかそれに向き合おうとしないので、現状のハーレムは継続かな。いろいろエロスなのも読者としては嬉しい。

今回出てくる”敵”は、ものすごく”痛い”。謎めいた導入、大仰な名称、大層な伽藍を見せながら、すべてが明らかになったときの空虚さはただ事ではない。超越性への憧れと、当たり前に過ぎる日常。非日常なんてものに憧れた人間など、日常からはじき出されたコンプレックスに過ぎない。そこには矮小な欺瞞が残るだけ。そんな大仰でありながら矮小な”敵”の存在は、実のところ”主人公たちにさえ相手にされていない”と言うところに凄まじい悲哀を感じる。この”敵”は、結局、主人公たちに本当の意味で”認識されること”さえなかった。ただの通りすがりの一人でしかなかった。

あまりに矮小な存在の、哀れさと惨めさを、これでもか、と描いている作品であるのだが、同時に、主人公たちの可能性の多様さと、可能性のどん詰まりを同時に描いているところにこの作品のバランス感覚の確かさが読めるように思うのだった。

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