『ミスマルカ興国物語Ⅲ』読了
『ミスマルカ興国物語Ⅲ 』(林トモアキ/角川スニーカー文庫)読了。
相変わらずどうしようもないひどさだった。物語は超行き当たりばったりで、キャラの立て方も方向性がさっぱり見えない無節操さもあり、相変わらず強引極まる手腕を発揮してると感心した(そうとしか言いようがない話ではあります)。結局、今回の黒幕が何をしたかったのか。単に大騒ぎしただけで、話の内容は恐ろしく空疎に思えるのだが、例えばチカの演説だけで収まってしまう決着とか、強引にもほどがあるだろ!と思った。主人公の打つ策略も、行き当たりばったりと言うか、運を天に任せすぎという感じだし、対する敵もお前ら全員かぼちゃかと言わんばかりの脳筋ぶり(それでも外交官か)。などとツッコミどころをあげればきりが無いというかツッコミどころしかないのだが、それさえも味わいとして消化できてしまうのが林トモアキ厨ではあるわけで。なんだかんだでテンションの高い会話は楽しく、クライマックスは躍動的。と言うわけで相変わらずたのしゅうございました。おわり。
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コメント
勘どころは押さえてるのにプロットの練り込みが足りないと言うか、実力がその域に達していないにもかかわらず書くべきものだけが見えてしまうと言うか、目だけよくて体がついていってないて感じがちょっとばかししますね。そういう作家を指して勝手に魔眼持ちのひとって呼んでます。林トモアキと穂史賀雅也のことですが。
もちろん2人とも、体の出来だってそこらの作家よりずっとしっかりしてはいるのですが。
投稿: hatikaduki | 2008.10.27 00:45
いや、嫌いじゃないんですよ。嫌いじゃ。ただ、本当に勘とテンションで書いているっぽくて、物語としては不都合が多すぎるように思えるだけで。それでも面白いのだから、足りないところをあげつらうのではなく、それでもなお読ませる筆力を評価するべきなのでしょう。プラス面とマイナス面のふり幅が大きすぎる作家ではあります。
>林トモアキと穂史賀雅也のことですが。
なるほど。林トモアキはともかく、穂史賀雅也が“魔眼持ち”という印象はありませんでした…。まあ、この人、ライトノベルを書く気が無いんだな、とは思いましたけど。
投稿: 吉兆 | 2008.10.27 22:42
林トモアキは、ヒゲの格を下げないところとか“億千万の刃”とか、「実にもののわかったやつだ!」という感じ。なかでも“億千万の刃”は、ひとりシェアードワールドの活かし方としてすごく適切で、調子のいいときの成田良悟でもそうはできない好判断だと思います。
一方で穂史賀雅也は、ヤギ1巻ラストのエピローグ削除や3巻のルート変更と無理の出た部分のアクロバティックな処理など、「この男は見えんでもいいものが見えてるなあ(だがそれがいい)」と言う感じです。
実力以上の思いつきを、ついついやってしまう気骨のある危うさは、好感がもてますし将来が楽しみかもしらんなあと思います。
投稿: hatikaduki | 2008.10.30 00:12
ああ、なるほど。自分の勘違いに気がつきました。hatikadukiさんの言うところの魔眼もちと言うのは、眼高手低とはちょっと異なる言葉なんですね。同じ意味に捉えていました。
目だけ肥えてて手が拙い、と言うわけではなく、ちょっと常人よりも違うものを見えてしまってるタイプの事を指すわけですね。それならば二人が該当することも理解出来ます。
億千万の刃はなかなか驚かされました。そこに持ってくるかーという。今まで存在意義は良く分からなかった彼女が役割が固まってきたように思います。どこまで計算しているかわからないけど…。
穂史賀雅也は…まあ、あれは打ち切りっぽい感じもするので…。しかし、そこであの展開にするのには仰天と言うか、感動的でした。
投稿: 吉兆 | 2008.10.31 00:26
>魔眼
普通の人には見えないものが見えていると言う点と、目の付け所がハイレベルすぎて逆に不利益を発生させてる(作者の力量に余る、読者がついてこれない等)点が、“魔”の字の所以ですかね。フィーリングに後付で説明してますけど。
なんですかね。有能すぎて自爆してる人を見ると、柴田ヨクサルのマンガみたいな面白みを感じます。燃え・感動+笑い。
>億千万の刃
空白期間に思いを馳せさせる仄めかしとして、ヴィゼータを持ってくるのはすげー上手いですよね。“億千万”て。ラスボス並みか。カッコにいったい何が。
若干、シスマゲドンのラストを思い出したりもしました。ケモノ妹がちゃっかり航空妹より強くなってると言う。ドラマを感じさせます。
>暗ヤギ3巻
ミラクル面白いですよね。
誰かミュージカルとかにしないかなこれ。
どうもお邪魔しました。
投稿: hatikaduki | 2008.10.31 01:05
>魔眼
やりたいことはわかるんだけどね、って感じですか。まあ、ヘンにセーブして安全なものを書くより、どんどんおかしなことをやってくれた方が嬉しい!って言う重症患者である自分は勝ち組かも。作者は売れなきゃ大変だろうけど…。
>億千万の刃
つーか、このワード一つでそこまで妄想(失礼)出来るhatikadukiさんがすごいや。いや、あまりにも格好良すぎる伝承に、実物を知っている読者がひっくりかえることを予測して作者が仕掛けているんだろうなあと思いつつ見事にはまっている自分であった。
>暗ヤギ3巻
ミュージカルとか…その発想は無かった…。
またいつでもお相手くださいー。
投稿: 吉兆 | 2008.10.31 22:54