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2008.10.16

『七歳美郁と虚構の王』読了

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七歳美郁と虚構の王』(陸凡鳥/ガガガ文庫)読了。

いやーセカイと主人公が直結しているなあーと言うわけで見事にセカイ系。主人公の決意がそのまま物語のクライマックスになっているもんなー。セカイは変わる。本人の意思の力で、って言うのはある意味真実ではあるものの、外部の存在を考慮していないところが問題になると言うところがある。まあおおむねそのように言ってしまえる作品なのだが、ちょっと一風変わっていて看過しえぬところが、この作品にはある。タイトルにあるとおり、”虚構の王”と言うのがこの作品における主人公格ではあるのだけど、実は”虚構の王”自身は物語に直接関わっていない。彼は彼自身の物語を生きており、物語の紡ぎ手であることは間違いないのだけど、しかし、この物語は”彼の物語ではない”のだ。ではだれの物語であるのか、というと、彼とは別の、”彼の物語を傍観するもの”の物語である、と言うことが出来る。この作品は、傍観者によって語られ、傍観者自身の意思によってセカイは形作られている。それがどのような意味を持つのかは、今作だけではなんとも言えない。しかし、それこそ物語るということの意味なのだろう。つまり、ある人間やセカイを物語ることよって人間を、セカイを意味付け、価値を与えるということなのだ。

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