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2008.10.31

『ツァラトゥストラへの階段(3)』読了

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ツァラトゥストラへの階段(3) 』(土橋真二郎/電撃文庫)読了。

考えてみれば、ニーチェは精神とは肉体の玩弄物に過ぎないと言っているのに、この作品では反対のことを言っているような。肉体は精神を運ぶ船でしかないんだっけ?と言うのは作品とはあまり関係ないので言及しない。今後に関わってくるかもしれないけど…(今後があればな)。

一巻で重要な役目を担ったオリビアがメインとなってくれるのは読者としては嬉しい。以前のままでは彼女に救いが無さ過ぎた。そんな彼女を救おうをする主人公だけど、コイツは本当にキザだなあ。しかも、自分がキザと言うことを自覚していないキザ野郎なので、あっちこっちの女の子に誤解(でも無いのか)をばらまき過ぎだぜ。大体、主人公のオリビアに対する行為ってのは、単なるすれ違った相手に対するものとは思えん。ほんの少しであっただけの相手に、ここまで自らの犠牲を払えるものなのか?…払えるんだよねえ、この主人公は。この主人公、実は滅多に本当の内心を読者にさえ明かさないけど、自分の関わった存在に対して、とりわけ庇護すべき存在に対しては、無私とさえいえるほどの献身を見せるくせに、同時に非常に高いレベルの計算高さ、狡猾さが同居していると言う実に特異な性格をしている。普通、これぐらい頭が廻れば、自分の行為の無意味さ(あくまでも計算上の話)を良く理解しているであろうに、その上で自己犠牲を選択する。まあ、正確には、相手を助けて自分も助かる道をギリギリまで探すんだけど、たぶん最後の最後では相手を優先してしまう。面白いね。

今回の結末も、そんな主人公らしさが存分に発揮されていた。おそらく今回のゲームは、頭の回転だけでも、情の深さだけでも、そのどれかに偏っていてはクリアできない。計算高くなければ生き残れず、優しくなければ行動できない。それを満たした主人公だからこそ、最後まで”剣”に見捨てられることは無かったのだ。

この特異な主人公が、どのような結末を辿るのか非常に興味深く思うので、何とかして続刊を続けていただきたい。まるで完結のように綺麗なエピローグだったが、当初の目的はなにも果たされていないんで…頼むぜー。3巻で完結なんてことだけはないよーに…。

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