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2008.10.18

『ゼロの使い魔(15) <忘却の夢迷宮>』読了

51mhiicovl

ゼロの使い魔(15) <忘却の夢迷宮> 』(ヤマグチノボル/MF文庫J)読了。

いやー、ゼロの使い魔にしては読むのに時間がかかったよ。読んでいるときの精神状態も荒み気味だったせいもあるけど、ジョセフ王とタバサ関連がひどくダメージを食らってしまって…。なんか自分の中の弱いところを刺激されてしまった。

ジョセフ王は、ただ弟と対等に接したかった、もっとも愛する存在と、引け目なく、負い目なく向き合いたかっただけの、ただの哀れな男だった。自らの手で失ってしまった願いを求めて、代償行為として世界に破滅をもたらそうとした、ただの男だった。その望みはひどく儚く、ささやかで、それゆえに彼には代え難い望みであったのだな。ヴィットーリオ、かの無垢なる狂気、峻烈なる教皇は、彼の望みを唯一叶えることが出来る力を持っていた。ジョセフ王には、決して抗うことの出来ない力。勝敗は最初から決まっていたのだ。そのあまりの人間性ゆえに。儚き思いがゆえに。だが、哀れ、とは思わない。彼の望みはすべてかなったのだから。永遠に手に入らなかったはずの望みを手に入れた、孤独な子供は、満たされて死んだのだから。

そしてタバサ。初めての恋に翻弄され、権力ゲームに取り込まれる。生まれてはじめての感情に、彼女は抗う術を知らぬ。なぜなら、それは彼女が決して手に入れることは無いだろうと考えていたはずのことだから。手の届くところに”それ”が来たとき、手を伸ばした彼女をだれが責められよう?しかし、それこそが真の罠。少女の心を玩弄し、己の目的のために利用する。利用される。何者かの目的が、彼女の恋を貶める。そのことに気がついた時は、もう遅いのか。それに気がついた彼女の憎悪が恐ろしい。打ち折れるのではなく、むしろ憎しみを募らせる彼女の強さ、そして脆さを感じるのだった。

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