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2008.09.15

『サラン・故郷忘じたく候』読了

41gp0gingtl

サラン・故郷忘じたく候』(荒山徹/文春文庫)読了。

文庫化されていたのでようやく読んだ。なるほど、ひどいひどいとは聞いていたが、こういう作品だったか。確かにひどい。良い意味で(たぶん)。

以下各話感想。

「耳塚賦」
ちょっぴりいい話のように見せかけて最悪の読後感を演出する作者の手腕に痺れた。直接的な表現でないところも良い。本当にろくでもない。

「何処の是れ他郷」
男同士の熱い友情が文化の枠に囚われ崩壊していく姿を描く。文化的対立って恐ろしいですわホンマ…。最後の、己の人生すべてを否定されてしまった男の放つ絶望が恐ろしい。相手に対する無理解こそが真の悪意か。

「巾車録」
SFかよ!と思わずツッコミ。とある朝鮮官吏が日本に渡り、艱難辛苦に耐え、日本に仇なそうとする(ある側面からは)美談になるところを突然のSF展開で全部ぶち壊しになる話。ようするに作者はぶち壊す事が主題だったんだよね!ぶち壊すためだけに日本の政情と朝鮮の高慢を微にいり細に渡り描いていたんだよね!凄いや!(ヤケクソ)

「故郷忘じたく候」
これは…えーと、あれ?普通に良い話?たぶん間違っているが、荒山伝奇に犯されたわが身では判別つかぬ。たぶん、良い話…なわきゃねーぞ。まあ毎回のことだけど両班はクソの中のクソであると言うことはよくわかりました。あと、故郷ってのは場所だけではなく人も意味するのだ、という文化、国家を超えた思想もまた、荒山伝奇にはあるのだ、と言うことを思いました。考えすぎかも。

「匠の風、翔ける」
これは熱い。匠の業にかける男たちと、それを阻む国家権力との戦い。立ち向かうことなどありえないはずの身分差の中で、それでも誇りを貫こうとする意地。素晴らしい。……まあ、相変わらず両班はク(略。

「サラン 哀しみを越えて」
この短編集中、最大の問題作…怪作?まあネタバレすると大変なことになってしまうので何も言えない。とにかく、えーと、オマージュと言うかなんと言うか。パロディか?なんにしても厄いなあ。

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