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2008.09.05

『コピーフェイスとカウンターガール』読了

312soyqfwal

コピーフェイスとカウンターガール』(仮名堂アレ/ガガガ文庫)を読んだー。

わかる、わかるぞ!この作者、実は森見登美彦を目指しているだろう!?詭弁論部とか出した時点でハッキリとわかったもんね!間違いないね!と勝手にヒートアップするオレ。文学なのかライトノベルなのかさっぱりわからん曖昧なところとか、もうオレの大好物よ!作者も編集者も好きなようにやってくれれば良いと思う。オレはこの方針を支持するからさ!うひひ、こういう作品が出るからガガガ文庫はやめられんのじゃあ!

内容について。”コピーフェイス”のくだらなさ、バカバカしさはなかなか好みなのだが、もう少し、とぼけたユーモアを追求した方が良かったのではあるまいか。僕は文学とライトノベルの融合という点について、肯定的に捉えているのだけど、この設定はややライトノベル的作風から浮いてしまっている。ラノベ的文脈から外れているとも言える。そのあたりが、前半をちょっと変わったラブコメと捉えていた読者には、ウケが悪くなってしまうのではないかと心配になってしまうのだ。だって理由がないんだもんなあ。文学では、雰囲気と文体で押し切ることが可能なのだけど(森見登美彦はその典型的な例だ。あの人のデビュー作品も、ストーカー小説と思ったら幻想小説だったしな。未読の人は何を言っているのかわからないと思うが、本当だ)、ラノベ読者は、背景に奇妙にこだわるタイプが多いので、マイナスになってしまうかもしれない。文体で押し切るにしても、ラノベ的簡潔な文体になってしまっていることもあり、難しい。まあ、繰り返すが僕は凄く面白いんだけどな。くだらない想像力(褒め言葉)を見事に作品に昇華していて、一風変わったラブコメに仕立て上げている。見事なセンスだ。

”カウンターガール”のラブリーさもなかなかのもので、これはラノベ的にもウケが良さそう。もっとも、この”カウンターガール”という設定が生きているかというと…まあ生きていないわな。これまたラノベ的文脈から外れてしまっている。だって普通(とも言い切れないが)の女の子じゃん。まあ普通なところが可愛いんだから問題ないんだけど、この辺も設定が生きていないという人が多そうだなあ。そこら辺を突っ込ませないだけのオレワールドが展開されていないところが、その辺の説得力の無さにつながってしまっている可能性はあるかも知れない。

だから、作者の次回作以降は、ラノベ的文脈を受け入れるのではなく、より一層文学方面の方向を強くして、オレワールドを展開していただきたい。いっそ、田中哲也レベルで突き抜ければ、さらに面白くなるんじゃないかな(オレにとっては)。

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コメント

文学とライトノベルの融合といいますと、暗闇にヤギを探して的な作品なのでしょうか。

投稿: hatikaduki | 2008.09.05 22:57

悪くは無かったけど特別いい作品と言うほどでもなかったかな。
私が気になったのは最後の主人公の驚きぐらいですかね?
見破ってるならあそこで驚く必要はなかったし(状況的に騙されたフリをする余裕はなかったはず)、あんなに驚いていたのなら結局騙されたけどギリギリ気付いたってことか?そこがちょっと筋が通ってなかったなと思う。

あと気にはならなかったけど表題であるコピーフェイスもカウンターガールも正直無くても話作れたような気がw
私にはこの作品は十分ありですが、読む前に想像してたのは”カウンターガール”の騒動物かな?だったので期待はずれではありましたね。

投稿: HT | 2008.09.06 13:53

ミス送信^^;
コピーとカウンターはラノベっぽくするためにムリに入れたって感じもするけどそれはそれでよかった。

ガガガ文庫はまだ方向性が定まってない気がするけど、その分他の文庫でもあまりみない感じの作品もちらほらあるのがいい感じですね。

投稿: HT | 2008.09.06 13:58

>hatikadukiさん

そうですね。自分はライトノベル的なフォーマットを用いて、ライトノベル以外の事をしようとしている作品を好む傾向があるようです。あと『ROOM NO.1301』なども好きな作品ですね。

投稿: 吉兆 | 2008.09.06 22:20

>HTさん

まあ、結局設定が全然生きていないんですよね。僕のようないいかげんな読者だと、別に設定が生きてなくても全然かまわないんでスルーできるんですが、そうでないと厳しいかも知れません。…無理に設定なんて作らなければ良かったのになあ…。

まあ、自分はこういう変な作品が好きなんです。

>私が気になったのは最後の主人公の驚きぐらいですかね?

なるほど。まあ、主人公にとっては、あそこで早苗が出てくるとはまったくの想定外だったはずなので、可能性が提示されただけでも仰天ものでしょう。そんなはずは無いと思っていても、一抹の疑いは捨てきれない。

個人的な解釈ですが、エピローグのあれも、正体を見破っていたわけではないと思っています。ただ、早希であると信じたかった。もし、ここで信じなかったら、どちらにしても3ヶ月間積み重ねてきたことをその5分間で否定されてしまうことになる。主人公には、信じるしか三ヶ月間を肯定する方法がなかったのだ、と。まあギリギリの選択ですね。一瞬でも不信に支配されていたら、早希との絆はアレで終りだったかもしれません。

投稿: 吉兆 | 2008.09.06 22:52

読んだ。
難しいことは判らんがw、楽しく読めた。

投稿: みしまっち | 2008.09.07 22:13

さすがです。勝ち組ですね。

投稿: 吉兆 | 2008.09.08 12:12

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