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2008.09.19

『メタルギアソリッド GUNS OF THE PATRIOTS』読了

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メタルギアソリッド GUNS OF THE PATRIOTS』(伊藤計劃/角川書店)読了。

おお、メタルギアソリッドだ。当たり前だが。しかし、伊藤計劃がここまで当たり前にメタルギアソリッドを書くとは、意外なようでもあり、意外なようでも無しと言った感覚だ。しかし、ほぼ原作の脚本そのままであるはずなのだが、作者の分身として設定された語り手たるオタコンの視点から見ているためか随分印象が変わっているように思う。ソリッド・スネークは英雄である。本人はそう認めないであろうが、紛れも無く英雄なのだ。ゲームにおいては、プレイヤーはその英雄に成り代わって行動するがゆえに、逆説的にスネークの英雄性が際立たないのだが、今作ではオタコンの視点から見るがゆえに、スネークの英雄性が理解出来るようになっている。戦争に翻弄される凡人である我ら(≒オタコン)には、強大な暴威を前に何ほどの行動を起こすことは出来ないのだが、スネークには出来る。老い、朽ちて、滅びつつある一人の男には出来るのだ。挫折を噛み締め、敗北を味わいながら、それでもなお不屈。これは、そんな男が”戦争”に対して為す、わずかな、しかし、乾坤の一滴を描いた、希望の物語であるのだ。たとえ結果は何ほどのことは無かったとしても、その行為こそが希望であり、祈りのようなものであるのだろう。これはそんな物語であると思うのだった。

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