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2008.07.08

『カンピオーネ!神はまつろわず』読了

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カンピオーネ!神はまつろわず』(丈月城/スーパーダッシュ文庫)読了。

これはかなりの力作ではなかろうか。アイディアの着眼点もいいし、そのアイディアの転がし方も見事だった。キャラクターのいちいち芝居がかったやりとりも良いほうに働いている。一作目としては意外性があってとても良いのだが、むしろ2作目以降をどのようにしていくのかが手腕の分かれ目でしょうな。主人公の持っている制約は、非常に厳しいものがあるので、使いどころが限定されてしまっているため、その能力をどのように駆け引きを生み出していけるのかに注目。神話や歴史を伝奇的に独自に解釈しなおしているところもなかなかに面白い。神話、文化の変遷と言うのは非常に面白い話なので、その点をバトルに利用するアイディアは見事だった。ただ、実際にそのアイディアを活かしきっているかというと、まだまだかなと思う。特に”剣”の扱いはいただけないなあ。いや本当にアイディアは面白いのだけど、論理構築がちょっと甘い。例えれば、このシーンは京極堂シリーズの”憑き物落とし”に該当する部分だと思っていて、つまり、神の、と言うか神話の持っている文化的な意味を解体し、再構築していくことそのものが必殺技の威力と連動しているんですよね。非常に面白い試みだと僕は評価しているんだけど、結局のところ、とおり一遍の説明で終わってしまった感があるなあ。神話の背景説明に従事してどうする。そこに意味と解釈を加えることで、それまでの神を別の神に語りなおすことが出来れば、もの凄く格好良い必殺技になったと思うのだが…。まあそれは無いものねだりと言うものか。全体的にみて、良く出来ているライトノベルだと思いました。

それにしても、この世界では神とはどういう存在なんだろうなあ…。一神教とか、どういう扱いになっているのかしら。

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