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2008.07.31

アニメとか

・『薬師寺涼子の事件簿』の4話を観たが…これはちょっと…。涼子がかなりヒステリックになっているのは、まあ機嫌が悪いの一言ですむが、泉田くんの描写がいけませんよ。この脚本では泉田くんがただの凡人になってしまっている…。涼子はすさまじくエキセントリックだけど、泉田くんも、実は十分に超人なのよ?

・『夏目友人帳』が実に良いです。良いとしかいえないくらい良いです。

・『コードギアス』はすっかり言及するタイミングを失った。とりあえずディートハルトがやべえ!

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買ったもの

1.『医龍(18)』 乃木坂太郎 小学館
2.『GUNNER QUEEN 復讐の女王陛下Ⅱ』 R-Ex キルタイムコミュニケーション
3.『薔薇のマリア Ⅹ.黒と白の果て』 十文字青 角川書店
4.『戦闘城塞マスラヲ(4) 戦場にかかる橋』 林トモアキ 角川スニーカー文庫
5.『オトナリサンライク』 竹岡葉月 ファミ通文庫
6.『SAS(4)』 鳥居羊 HJ文庫
7.『小説 無限の住人 人獣異聞』 著:大迫純一 原作:沙村広明 講談社

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2008.07.30

『マーベラス・ツインズ契(1) だましあい』読了

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マーベラス・ツインズ契(1) だましあい』(古龍/ゲームシティ文庫)読了。

やべー。何がやべーって、このシリーズをライトノベルとして読むことになんの違和感も感じなくなってきていることがやべー。読んでいる時の脳内のモードが、完全にラノベモードになっているよ!?ここまで古龍作品とライトノベルに親和性があったとは、ちょっと想像以上だったなあ。今更といえば今更だけど、あまりの読みやすさ、キャラクターの魅力、展開の破天荒さを前に、改めてそんなことを思った。とりあえず藤田香のイラストは最高ですね!と言っておく。この調子で古龍作品を全部ライトノベルにしてしまえばいいと思うよ。買うから。

自信満々傲岸不遜だった小魚児が、その鼻っ柱をへし折られてしまったのが前回まで。自分など、本当の達人、悪人の前にはただの小僧に過ぎなかったのだ、と衝撃を受けてしまった主人公がどん底に落ちる展開は王道です。でも、きちんと修行しているところが偉すぎる。本当に駄目人間なら落ちるところまで落ちるところだ。そういや前巻の巻物はやはりパワーアップフラグだったのね。

冒頭は、とにかく小魚児が自分を駄目だ駄目だと自虐している(主人公のこんな姿を観るとは一巻読んだときは想像もしなかったな…)んだけど、「五大悪人たちも自分を馬鹿にしていたんだ」(大意)と言い出したときは、思わず「そんなわけないだろ!あいつらは親馬鹿なだけなんだよ!!」と思わず五大悪人を弁護したくなった。弁護になっているかどうかは知らん。

解き放たんと欲すればまず封じよ、とばかりに落ち込み続ける小魚児が、ついに宿願の悪党、江別鶴とあいまみえ、活動を再開する後半の躍動感はただ事ではありません。不敵で無敵な姿がやはりこの主人公には良く似合う。

江別鶴とは違った意味で因縁の相手である花無缺もまた、もう1人の主人公として動き始めてきた感じ。愛を知ることを許されなかった人形が、愛を知ることで人となる。今までと異なり、怒ったり、焦ったりと、大分人間らしくなってきた印象がある。これはひょっとして、小魚児との和解フラグだろうか?まあ、現時点では三角関係のドロドロな関係だけどな…。

そんで三角関係の頂点にあたる鉄心蘭。いやー出番はほとんどないのに、彼女の存在感はすさまじいですな。小魚児にとって、生まれて初めての恋の対象であり、命の恩人でもある彼女は、既に彼の生きる目的そのものになりつつある。彼女もまた、小魚児にけなげに想いを寄せ続け、なんというかラブいっす。激烈に萌えと言うやつです。小魚児と過ごした時間は短いのに、ここまでけなげだとは…。まあ小魚児は超絶かっこ良いヒーローなので、無理もないが。

その小魚児の周りには、これまた美少女だらけのオンパレードなんだけど、彼自身も一途なものだから、登場する美少女はすべて振られるために存在するみたいな展開に…。なんとストイックな男よ。どこかの伊藤誠は見習うがいい(書きながら思い出したが、声優が同じだ…)。

というわけで、瞬読!次巻が待ち遠しい!というコンボでかなりつらい状況に。次は8月か…早くでないかなあ。

そういえばコミック化もされるらしい。そんなに売れているのか。驚きだ。このままついでにアニメ化もしてしまって、日本に武侠小説のライトノベルブームを巻き起こして、未訳の作品もどんどん翻訳されるといーなー。

それって天国じゃね?

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メモ

・ホーリーランドがついに完結。なんとも感慨深い。最後の最後まで作者の自分語りが挿入されているのはさすがだった。最初は、作者の自己主張の強さに戸惑ったものだが、読み進めるうちに、作者の情念と言うか、暴力的なまでの繊細さがにじみ出てきており、読者である自分の感情を揺り動かしていく凄みがあった。いろいろな意味で稀有な作品であったと思う。

・舞城王太郎の新刊が出ていることを知らなかったため、書店見つけたときは驚愕した。いや…その、分厚くて。しかも2冊。なんの鈍器だこりゃあ。

・小川一水の新刊を買う。『時砂の王』のスピンオフ作品があるらしい。外伝でも後日談でもなくスピンオフ?

・『PSYCHE (プシュケ)』を書いている唐辺葉介と言う人物、瀬戸口廉也であるらしいとの噂があったので買った。2chなんで信頼性は疑問だが。そんな疑問に踊らされたのも、それだけ瀬戸口信者である自分としては当然の行動であると思いねえ。とにかく読んでみれば分かるはずだ。たぶんな。

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買ったもの(書き忘れを含む)

1.『フリーランチの時代』 小川一水 ハヤカワ文庫JA
2.『ホーリーランド(18)』 森恒二 白泉社
3.『翡翠の封印』 夏目翠 Cノベルズファンタジア
4.『水滸伝(2)』 北方謙三 集英社文庫
5.『ディスコ探偵水曜日(上)(下)』 舞城王太郎 新潮社
6.『PSYCHE (プシュケ)』 唐辺葉介 スクウェアエニックスノベルス

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2008.07.29

『処刑御使』読了

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処刑御使』(荒山徹/幻冬舎文庫)読了。

文庫化されていたものをようやく読んだ。ジャンルを無理やりつけけるとSF伝奇なんだけど、SFと伝奇の食い合わせほど悪いものは類を見ないよな。山田風太郎の『柳生十兵衛死す』にを例にとるまでもなく、良く言って怪作になるしかない。なぜかというと、結局SF部分はあくまでも伝奇部分に侵食され、伝奇部分を支える屁理屈に堕してしまうわけで、まあ荒山徹の作品はみんなそんなもんだと言われれば、その通りだ。でも、荒山徹の性質の悪いところは(褒め言葉)、そんな食い合わせのわるいものをくっつけて、ハリウッド的エンターテインメントにしてしまうところなんだよな。

今、ハリウッド映画って書いたけど、本当にそのまんま。荒山伝奇臭を取り去ってみれば、残るのは美女とロマンスとアクションしか残らないハリウッド(別にハリウッドを貶しているわけではありませんよー)。未来から主人公を守るためにやってきた導き手と、殺害を目的としている刺客がやってくるというのもターミネーターだし…。まあ刺客が火を吹いたり電気大ムカデに変化したり(←これがわけわからん。何でだ)するけども。

しかし、主人公である伊藤博文よりも、朝鮮刺客側の描写がイキイキとしていたなー。伊藤博文への憎悪をたぎらせながらも、過去の己の国家の貧しさに悲しみ、自国の現状へほのかな揺らぎを覚えていたり、今までの朝鮮側の描き方からすると大分人間らしいというか、自己批判的なナイーブさを持っている…と言えないことも無いかもしれない…ような気がする(魔風海峡の臨海君は例外)。短銃の使い手、応七なんて、わりと義に厚いナイスガイだしね。

まあ、その分、腐った両班は実にいやらしく描かれているわけですが。ろくでもねーなー。

まあ細かいことを気にしないで、ノンストップエンターテインメントとして楽しめばいいんじゃないでしょうか。まあ他の人の感想を眺めていると、伊藤博文が嫌いという理由で虚心に読めないという意見が散逸されます。これは歴史上の人物を扱った伝奇小説では避けられないことなので、無理も無いですね。まあ、これは荒山宇宙での伊藤博文なので、現実とは異なっている、という読み方が出来ればいいのだけど。そんだけー。

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大惨事

本の山が雪崩を起こした…。部屋一面に本がばら撒かれ、もはや床に座るところも無い。途方にくれた自分は、なすすべもなくベットに非難するしかないのだった。

あまりの崩れっぷりに、逆に整理整頓意欲がふつふつと。(ペルソナ4をやっていて)時間が足りないので、ちょっと手が空いたらやっつけてやろう。

目標は、本のシリーズごとにまとめることだな(当たり前のことです)。

それにしてもペルソナ4が面白すぎる。落日の悲愴曲の最高難易度をようやくクリアしたので(むちゃくちゃ苦労した。ラスボスとか絶対クリア無理だろ、と、くじけそうになった。が、まあ、それは別の機会に)、これから本腰を入れられるな、と言っている傍からすでに30時間ほどやっている。はまりすぎじゃろ、オレ。

というようなことを、本の海を漂う小島(=座布団)でやっておりましたとさ。なんというロビンソンクルーソー(謝れ!ダニエル・デフォーに謝れ!)。

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2008.07.28

買ったもの

1.『機動戦士ガンダムUC(5) ラプラスの亡霊』 福井晴敏 角川書店
2.『雪山飛弧』 金庸 徳間書店
3.『磨道』 原作:パーダ 作画:五十嵐洋平 スクウェア・エニックス
4.『変ゼミ(1)』 TAGRO 講談社
5.『百目の騎士(2)』 原作:小池倫太郎 作画:村崎久都 メディアワークス

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2008.07.27

『ANGEL+DIVE 1.STARFAKE』読了

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ANGEL+DIVE 1.STARFAKE』(十文字青/一迅社文庫)読了。

現在において僕がもっとも愛するライトノベル作家である十文字青の待望の新シリーズ。期待せずにはいられない想いで読んだ。なかなか説明し難い作品だが、非常に面白かった。主人公の夏彦は、”優しい”少年と評されているけど、これは明らかに欠落しているだけだよな。そんな夏彦の視点から物語られているためか、彼の目に映る世界が、非常に冷たく、乾いた、薄暗いものになっている。それはどこか妖しく、不健全な美しさで惹き付けられた。反面、彼を取り巻く人々は必ずしもそうであるわけではなく、幼馴染で”陰猫師”の希有や、表紙にもなっている真鳥姉妹のキャラクターは、独特で強烈なエネルギーを持っており、夏彦の”世界”と微妙な齟齬があって、興味深い。明らかに夏彦の持っていない、と言うか欠落した部分を持っていて、夏彦はその欠落を理解していないので、彼女らとの会話は明らかにピントの外れたものになるわけですな。その会話はボケとツッコミの繰り返しになっていて、読んでいて面白いと言えば面白いのだけど、それは夏彦とそれ以外の人々との断絶を表しているわけで、単純に面白がっていていいのか、悩むところだ…。

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2008.07.26

買ったもの

1.『戦場のエミリー 鉄球姫エミリー第四幕』 八薙玉造  スーパーダッシュ文庫
2.『氷と炎の歌4 乱鴉の饗宴(上)(下)』 ジョージ・R・R・マーティン
3.『新装版ローゼンメイデン(4)』 PEACH-PIT 集英社

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2008.07.25

『七本腕のジェシカⅡ』読了

51hfsn9fzl__ss500_七本腕のジェシカⅡ』(木村航/MF文庫J)読了。画像が無いのが残念だが、この表紙はエロすぎじゃろ?と反応をしておく。

まず大前提として各キャラクターのモチーフ(動機)を書く。これを頭の片隅に意識していないと、物語が一体どういうことになっているのかさっぱり分からない。さらに、木村航は、読者に分かりやすくキャラクターのモチーフを描いてくれるほど親切な作家ではないので、一読してつまらん!ゴミ!と思った人は、一度このキャラクターは何を考えているのかと言うことを意識して読み直してみると幸せに慣れるかもしれません。責任は持てませんが。

まずエドガー。献身士として、貴族(吸血鬼)に血を捧げる奴隷なんだけど、彼自身はその立場に不満は無い。むしろ、貴族に仕えることそのものは名誉あることである、と言う認識があることを忘れてはならない。そうでないと、彼の葛藤のほとんどが意味不明になる。同様に汎不死社会(永遠の生命を持つ吸血鬼が統治し、有限の寿命を持つ者たちは厳しく淘汰される)の意義についても、そうしなくては生きていてない世界であるとして認めているものの、「他者を切り捨てる」と言う行為そのものにどうしようもない抵抗があり、内心では汎不死社会に対して疑いを抱いている。そのあたりの疑問が、”裁定者”であり”か弱い少女”であるジェシカを前にして噴出してくる、と言うのが彼の葛藤なのね。この葛藤について、ほとんど作中では言及されていないので、エドガーがものすごく優柔不断に見えてしまうのが問題と言えば問題だけど、それくらい読み取れと言うのが作者の姿勢なんでしょうがないかな。

で、次はジェシカ。彼女の葛藤は分かりやすいかな(エドガーに比べれば)。望まずにして裁定者としての役目を押し付けられ、七柱の魔王をその身に宿し、世界を滅ぼすためだけに生きる彼女は絶対の孤独の中にある。彼女は(彼女の妹たちを除いて)あらゆる貴族、人間から憎まれ畏れられる存在なわけで、その人生に彼女は疲れ切っている。孤独の内で彼女が思うことは”死”のみとなっていくのは無理も無い話だ。彼女が緩慢なる死を求めていく過程で、エドガー(彼女を拒否しない、ただの少女として接する)に出会ったことで、彼女はエドガーを失うことの恐怖に苛まれることになるわけだ。

ジェシカを助けたいが、己の義務(と言うか命だな。献身士だし)に縛られているエドガーと、エドガーを助けたいが、己の中の魔王を抑えることしか出来ないジェシカの、双方の葛藤が主軸になっているわけですね。基本的にはボーイミーツガールなストーリーなんですね。あとは汎不死社会という思想が強く根付いているエドガーの迷いはきちんと理解しておく必要があるでしょうね。

ああ、そうそう。忘れてはならないのが、エドガーの主人である女貴族、エルマーですね。彼女はこの地方の領主であるわけで、裁定者たるジェシカとは敵対関係(と言うほど単純なものでもないが)にあるわけで、ある意味、作品上の悪役としての立場にあるわけですね。でも実際にはそんな単純なものじゃないよね。彼女は領主であるからして、彼女の臣民を守る義務があり、絶大な能力を持つ魔王に対抗するためには、手段を選んでいる余裕はない。だまし討ち、人質、エドガーを利用した罠などさまざまな手段をとる。その手腕は外道の一言だけど、決して悪とは言えない。むしろ彼女自身も矢面に立って魔王と戦っているところを見ても、立派な領主であると言えると思う。まあ、彼女の場合、自己の欲求のために戦っているところもないでもないが、と言うか実際に知識欲優先のマッドな人なんだけど、まあ、それぐらいの欲深さがあるほうが人の上に立つ者としてはいいのかも知れんがね。あるいはこの人も、ある意味汎不死社会の異端者なのかもしれない。永遠の命を持ちながら、知識に、世界に飢えている。まるでただの人間のようだ。と言うわけで僕はこの人けっこう好きです。

キャラの話ばかりしてしまったが、世界の成り立ちと言うものが少しずつわかってきたところなので、これで打ち切りにならないといいんだけどなー。もっとこの世界のことを知りたいよ。

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買ったもの

1.『七本腕のジェシカⅡ』 木村航 MF文庫J
2.『ギャルゴ!!!!!(3)』 比嘉智康 MF文庫J
3.『ねくろま5。』 平坂読 MF文庫J
4.『ブラスレイター ジャッジメント』 百瀬千代 角川スニーカー文庫

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『創世の契約4 巡歴者<ゲイザーシャフト>』読了

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創世の契約4 巡歴者<ゲイザーシャフト>』(花田一三六/C・ノベルスファンタジア)読了。

前巻において傭兵王国の建国と崩壊をめぐる陰謀劇が中心となっていて、レスティ(ベルネ)もまた政治的な動きが中心になっていたけど、今回は傭兵団を離れ、元聖騎士団長ブロンデルとともに龍族を追う冒険行となっている。なんか巻ごとに読んでいると同じ作品とは思えんほどに趣向が異なるなあ…。いや、面白いから別に良いんだけど。連作短編集としての形式は変わらないけど、仲間を集めてさまざまな困難をかいくぐっていくオーソドックスな冒険ファンタジーは、花田一三六らしい切り詰めた文体と相性が良いのか、やたらと面白くなっているのが興味深かった。キャラクター的にも女科学者やたらと魅力的なのを始めとして、なつかしい人物が登場したり、なにかと目が離せなくなっている。でも、あと一巻でどういう決着を着けるつもりなのだろう…。今のところ、世界観そのものの謎にせまる方向性に入っているけど、まだほとんど明らかにされていないよな。唐突な展開にならなければいいのだが…。

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2008.07.23

『死図眼のイタカ』読了

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死図眼のイタカ 』(杉井光/一迅社文庫)読了。

残酷にして無残な杉井光だった。冒頭から重苦しい伝統的なしきたりに支配された旧家、朽葉嶺家のおどろおどろしくも妖美な雰囲気に満ちていて、魅了される。当主にして主人公の義母にあたる女性の、美しくもおぞましさを秘めた姿は、これこそ伝奇推理、と感嘆するのみである。

ところが一方で、四人姉妹と許婚と言う主人公の立場とか、あまりにもキャラクタナイズされた(また適当に言葉を使っているよ…)(うるさいな)姉妹たちの、まあようするに、それなんてエロゲ、みたいなキャラ設定とか、なんか杉井光は本当にわけわかんねーもんを書くな、と思った。

タイトルにもなっている”イタカ”と、文字通り一心同体である”藤咲”がメインヒロインとなっているのだが、このイタカも、いわゆる陰陽道を近代的に体系化しなおした術を使うわけだけど、このあたりの設定の作り込みも、単なる異能ものを超えた本格的なもので感心した。

さて、こうやって書いてみると、この作品を構成する要素がどれだけさまざまなものでつぎはぎにされているのか分かる。それも、どの欠片も、相当に本格的に設定がなされており、ここに杉井光の世界とでも言う他無いものが形成されている。杉井光は、極めて優れたアレンジメントの手腕を持っており、アレンジすることで新しい何かを生み出す稀有な能力を持った作家である、と思うのだった。

さて、内容の話。

まさしく、残酷と言う他ない内容だった。残酷と言うか、無残と言うか…。物語としては、旧家で突然起こった猟奇殺人事件を前に、主人公が自分の家族を守るために事件を追う、と言うストーリーラインこそ普通に始まるものの、物語が進むうちに、どんどん嫌な予感が膨れ上がっていくこの感覚。途中でひょっとしてと思いつつ、もしその想像が当たっていたとしたら、主人公は、そしてイタカの運命はあまりにもひどすぎることになる。ここまで読者に推理が的中して欲しくないと思わせる推理ものもそう多くは無いと思わされた。これはネタバレになってしまうのだが、なぜなら「犯人」の動機は、ライトノベル的な異能ものとしては実は珍しくないからだ。いや、珍しくないと言うか…その、普通、なんだよな。他のライトノベルだったら、陰陽道ものだったらいくらでもやっていることなのである(うーん、我ながらすごいネタバレだ。動機をすべて語ってしまった)。だからこそ、残酷さが際立つ。生きるために他者を犠牲する”化け物”。そんな存在がいたとして、人間はそれをどうするのか。主人公の大切なものと、出会ってしまったイタカと”藤咲”。それぞれの行動の真意が明かされるラストの凄絶さは、予想通りの、最悪の結末だった。予想通りであるからこそ、最悪の結末。主人公は結局何一つ守ることは出来なかったのだ。それでも、残酷な現実を受け入れて、その上で自分が大切なもの守る事を誓った主人公の存在が、残酷さが支配するこの物語を、どこか救いのあるものにしているように思え、すごくホッとさせられるのだった。許す、と言う選択を出来た主人公の壮絶な決意は、この物語の中で、一際強く、輝いている。

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2008.07.22

最近のアニメ

・『ストライクウィッチーズ』は軍事考証がしっかりしていて、特に発砲音とかも作り込んでいるという話を聞いた。そういうものか、と思いSEに少し注意して聞いてみた。…!?ほ、本当だ!武器ごとに発砲音が全然違う上に、心なしか着弾音まで違うような…?ぱんつ(じゃないけど)アニメかと思って油断していた!すげえ!

・それはそれとして、このアニメを見ていて、”尻は口ほどにものを言う”と言う妄言を思いついた。なんか、執拗なまでの尻や股間をアップにする作劇にはひどいの一言なのだが、同時に表現方法の一つでもあるのよね。上官に意見しようとした女子のお尻がきゅっと引き締まるところなんて感心するとともに、製作者たちは変態だなと言う思いは確たるものとなった。

・『夏目友人帖』は相変わらず良い。上手くいえないが、ある種の幻想が間違いなくそこにはあるように思う。

・最近『ef-a tale of memoried』の再放送をやっているので見てみた。超びっくり。なんだこのアヴァンギャルドな画面作りは!凄まじい映像センスと脚本の精緻さに、最初は流し見から始めたところが、見終わったときには正座をしていた。そんな自分にもびっくりした。

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2008.07.21

『SH@PPLE(1)』『SH@PPLE(2)』読了

51cfdyd7owl__ss500_51g9q72jjfl__ss500__2SH@PPLE(1)』『SH@PPLE(2)』(竹岡葉月/富士見ファンタジア文庫)読了。

表紙デザイン、いいね。富士見ファンタジア文庫も、客をひきつける努力をするようになってきた、と言うことか。パッケージで客をひきつけるのは戦術として(戦略としても)正しいよなー。

作品について。

『SH@PPLE(1)』
双子の姉の女子高の女の子に一目惚れした弟と、学校生活に疲れた姉が、お互いの立場を交換して学生生活を送る、と言うあらすじから受けた印象からは、良い意味で裏切られた。もっと軽い話になるかと思っていたけど、存外に真面目な作品。女装した弟は、好きな女の子のために行動し、男装した姉がしがらみから解き放たれて己の心のままに行動したことが、それぞれの学校に良い影響をもたらし、さらに一学校の枠内を越えて、相互に影響を及ぼしていくと言う展開には膝を打った。これは正しい。双方とも物語中で起きた事件に対してすべてに影響を及ぼすことは出来ないのだけど、二人が(意識せず)協力しあうことで生まれるダイナミズムが物語に大きな影響を及ぼしている。群像劇としての側面もあるのではないかな。また女装ものはライトノベルに数多くあれども、男女双方の立場の変化を描いた作品は寡聞ながら初めて読んだ、ような気がする。しかも、キャラクター小説としてもなかなか優れていて、良いライトノベルだと思いました。

『SH@PPLE(2)』
前回の事件の解決後、相変わらずお互いの立場を交換している姉弟のドタバタ。深刻な問題は前回で大方片付いてしまったので、本来の目的である弟の恋愛話に物語がシフトした。これも正しい、と言うかこれを忘れてはいかんよな。ただ、姉の存在意義が、弟のフォロー役になっているのだが、これはキャラクターの格の問題もあって、仕方が無いか(基本的に、この姉のキャラクターは物語中最強で、弟はやっぱり対等の存在ではないんだよね。まあ、姉とはそういうものなんですが)。そのためか、主人公としての視点は弟に集中していて、一目惚れした彼女との関係性の構築が主眼となっている。子供の頃の話など、着実にエピソードを積んでいっているなーと思った。しかし、一目惚れの彼女は、確実に主人公を意識しているのだけど、それは彼女の姉に対するものなのか、弟に向かっているのものなのかと考えるとややこしいことになってきた(いや、最終的には外見よりも心となって、弟くんとくっつくのだろうけど)。ずいぶん特殊な三角関係だな…。あと、今回出てきたヒロインは、どういう存在になるのだろう。この巻だけのキャラクターとは思えないので(主人公の正体を知っていることもあるし)、動向には注目。まさか三角(四角…五角?)関係になったりはしないと思うが…。いや、無いわけじゃないのか?

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2008.07.18

買ったもの

1.『ブラックラグーン(8)』 広江礼威 小学館
2.『スクールランブル(21)』 小林尽 講談社
3.『灼熱のエスクード(2) LADY STARDUST』 貴子潤一郎 富士見ファンタジア文庫
4.『さくらファミリア!』 杉井光 一迅社文庫

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『カーマロカ-将門異聞』読了

513njxwq2bl__ss500_カーマロカ-将門異聞』(三雲岳斗/FUTABAノベルス)読了。

なんとエロましい表紙か。エロましい表紙かー!(大事なことなので2回言いました)

ライトノベルと一般小説の越境作家と言う意味では、三雲岳斗はいわば野茂のような存在であると言える。まだまだライトノベルと言う言葉が一般に浸透していなかったころ(10年ぐらい前か?)、ライトノベルとSFやミステリを同時に書いていた人だから、ある意味、ラノベ史上(なにそれププッ)重要な位置にいる作家であろう。

ところが僕は、ライトノベル作家としての三雲岳斗には、さっぱり興味が無い人なのである。と言うか、三雲岳斗が書くライトノベルは、僕にはさっぱり面白くないのである。自分でもびっくりくらいさっぱり分からん。分からんがおどろくほどつまらない。不思議である。

それなのに僕は、SFもしくはミステリ、あるいは伝奇作家としての三雲岳斗は、とても好きなんである。『M.G.H. 楽園の鏡像』や『海底密室』など、SFとミステリを融合させながらバリバリの物理トリックに挑んだ意欲作は、もはや愛していると言っても過言ではない(ところでこれを書いている時に見たウィキペディアで、三雲岳斗が『メタルギアソリッド ポータブル OPS』のシナリオを書いているとあった。マジか!今プレイしているよ!)。ライトノベルを離れた三雲岳斗は、自分でもびっくりするくらい好きなんである。不思議である。

これについては、自分の中である程度結論は出ていて、結局のところ、三雲岳斗は、ライトノベル作家としては、あまりにも論理的過ぎるのが問題なのだろうと思うのである。論理的過ぎると言うのが欠点と言うのもあれであるが、ようするにハッタリ下手で、物語を逸脱できない作家なのであり、それは僕がライトノベル作家に対するものとしては、致命的であると思うんである。本当にひどい話である。

ところが、ライトノベルから離れてみれば、その欠点は長所に変わる。過剰なまでに論理的で、物語のあるべき方向性に固着する性質は、ミステリを書けば精緻な論理性に、SFを描けば系統立ちながら異形の論理性にたどり着く。物語の定型にこだわりすぎるところも、むしろ骨太な物語に通じてくるのである。同じ人間が書いているのに、なぜここまで面白さが異なるのかと言うのは、これは持論であるところの、結局、小説の面白さとは読み方の問題に過ぎないと言うところに繋がってくると思うのであるが、話が脱線するので言及しない。まあ、要するに世の中にはつまらない小説など無く、小説の面白さとは、読み手の問題に過ぎない、と言う話である。さして論拠のあるものではなく、個人的な意見に過ぎないので大きな声に主張したことはないのであるがな。どうでも良い話である。

さて、前置きが長すぎた。『カーマロカ-将門異聞』について書く。

もっともこの感想の流れとして既に予測できるであろうが、ようするにもの凄く面白かった、と言うことを伝えたいだけなんである。どういったところが面白いのか、と言う点を解説するのも野暮ではあるのだが、野暮を垂れ流すのがこのブログの本筋であるからして書くのだが、平たく言えば、論理性を信奉する三雲岳斗が、非論理の極みである山風的な伝奇小説を書こうとしたらどうなるか、という見本である。そも、山田風太郎忍法帳において、奇奇怪怪な忍法、妖術は数あれど、それが発生する理屈というものはもの凄く怪しげな屁理屈になることが多い。無論、山風的にはそれは狙ってやっているのである。その嘘くさい屁理屈が、作品全体を覆うあやかしに満ちた幻想を、どこか現実に引き止める作用があり、現実とも虚構ともつかぬ世界構築を成す。僕はそれを伝奇、と呼ぶのである。フィクションでありながら、現実への介入を果たそうとする試み。まあ要するに現実をファックしようということであり、実に背徳的な行為であるわけで、おやおや伝奇作家とはすべからく背徳的であるということが証明されてしまったのだが、まあ、それはさておく。

そういった先人に対して、三雲岳斗のアプローチの仕方がまた、なにやら伝奇小説の新しい地平、すなわち新たな現実へのファックのやり方を生み出していると言っても良く、それが素晴らしくスリリングなのだ。

先ほど、論理性の信奉者たる作者が、非論理の極みである伝奇小説を書いた、と表現した。それはどういうことかというと、伝奇的な嘘、ハッタリ、屁理屈を、作者は徹底的に論理的に、あるいは科学的に解体してしまうんである。もう、陰陽師の操る陰陽道も、修行僧のあやつる法力も、弓矢をはじく将門の武運も、稲妻を放つ力も、奇門遁甲、不死の女も、ありとあらゆる伝奇的な大法螺が、三雲岳斗によって解体されてしまう。論理的に説明をつけられてしまう。無論、三雲岳斗の論理もまた、伝奇小説の常として怪しげなのであるが、少なくとも今までの伝奇小説の説明よりもはるかに現実的にありうる”本当の”陰陽道とは、あるいは法力とは、あるいはこうではなかったか、と読者に思わせかねないほどの論理性である。というか、僕は思った

そんな、まるで本当のような大法螺(でも、もしかしたらひょっとして…?)を見事に突き通した点において、伝奇小説の新たな領域に到達していると共に、伝奇小説の嘘を見破るという点でミステリをしてもいる、という奇跡のような作品である、と僕は思うんである。この作品はもっと評価されてもいい。伝奇小説としても、こういうアプローチ(ファック)があるという、新たな可能性への証左であろう。作者にはただ感謝の念を捧げたい。

ところで、この文体は普段よりも疲れるので、もうやらないと思う。

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メモ

・幸せだあ…。

・オレ、ガガガ文庫ってめっちゃ好きなんですよ。

・まあ?人によってはガガガ文庫は微妙な文庫だと言っているようですが?オレのようなガガガ文庫好きに言わせてもらえば甘い甘い杏仁豆腐のように甘いぜ(微妙だ)。

・ガガガ文庫ってのは、ようするに手加減無用!作者のパッションが迸っている作品しかない!と言うのがポイントなんですよ!良い意味で無法地帯。悪い意味でも無秩序。だから極端な作品が多くて、さらに言えば読者を無視した作品も多い。

・それは確かに欠点もある。オレもすべての作品が楽しめるというわけではないし、さっぱり理解出来ないものもある。

・だからこそ楽しい。少なくとも、電撃文庫のように毎月10作品以上発売されているけれども、ほとんどが同じようなパターンの作品ばかり、と言うのよりもはるかにスリリングだ。なにが出てくるか分からないよさがある。何より、作者が自分の面白い!と思うものをノンフ ィルターで叩きつけてくるところが素晴らしいと思う。

 

・まあ、今日は、深見真と田中ロミオと虚淵玄が発売されたという神降臨しただけの話であって、別にガガガ文庫がどうと言う話ではないのだけどね。

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買ったもの

1.『武林クロスロード(3)』 深見真 ガガガ文庫
2.『AURA~真竜院光牙最後の戦い~』 田中ロミオ ガガガ文庫
3.『ブラックラグーン シェイターネ・バーディ』 虚淵玄 ガガガ文庫

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2008.07.17

メモ

・書き忘れていたが、『ゴッドオブウォー 落日の悲愴曲』を購入していたのだった。クレイトスさんが、未だ神々の戦士としてさまざまな冒険を繰り広げていたころの外伝ですな。

・正直なところ、クレイトスが神々の戦士として戦っていた10年間とは非常に”美味しい”設定で、いろいろな冒険が想像できていたので、正直、こういった外伝はうれしい。今後も外伝シリーズとして確立していかないかなあ。本編の方は、ある意味ハルマゲドンに突入しているから、こういったオーソドックスな冒険譚は描けなくなってしまっているものなあ。

・で、サクっとノーマルでクリア。ふはは。伊達に最高難易度でのクリア経験者をやっているわけではない。

・まあ、外伝だけに本編と比べるとボリューム的には小粒だけど、携帯機とは思えぬ超絶グラフィックと爽快なアクションは健在だった。超面白かった。

・次は積ゲーになっていた『ペルソナ4』でもやってみようかな、とちょっと手をつけてみた。

・とりあえず山口勝平がすげえ。さすが超…といほどではないがベテラン。

・あとなんだかやたらとエロい。

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『僕がなめたいのは、君っ!』読了

31tuplynjql__sl500_aa204_僕がなめたいのは、君っ! 』(桜こう/ガガガ文庫)読了。

いやー…まさか、おかゆまさきのフォロワーが出てくるとは思わなかったわー。と、内容とは全然関係の無いところでびっくりしてしまった。おかゆまさきはライトノベルの極北で、おかゆまさきの前におかゆまさきはなく、おかゆまさきの後におかゆまさきは無いものと思い込んでいたのだが、まさか同じ方向性で作品を作る人が出てくるとは思わなかった。茨の道を進んでいるなあ…。

同じ方向性と言うのは(あくまでも僕が感じたことでありますよ)、ハイテンションで躁的な文体と、真面目なんだかギャグなんだか分からない展開に、くだらないネタを交えつつ、根本的なところではシリアスに締める、と言う方向性かな。

最初は、なんか変な話だなあ、と思っていただけだったんだけど、やたらとハイテンションな主人公(とヒロイン)が、真面目にバトルしているはずなのにギャグにしか思えない(または逆)ところにやたらと既視感を感じてしまった。ああ、これドクロちゃんと同じなんだと気がついた時には、非常に納得したのでした。

以上、内容には関係ないけどものすごく驚いたのでした。

たぶん、好きな人と嫌いな人に分かれる作品だろうなーと思う。かなり癖が強いかも。僕はわりと面白がれたけど、それでもひっかかるところは多かったしなー。

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買ったもの

1.『鈴木先生』 武富健治 双葉社

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2008.07.15

『ベン・トー サバの味噌煮290円』読了

51jtfvc9xol__ss500_ベン・トー サバの味噌煮290円』(アサウラ/スーパーダッシュ文庫)読了。

ああ…作者は頭が気の毒な人なんだな…と言うのが第一印象だった。コメディを書け、と編集に言われて出てきたのがこれかよ!明らかにおかしいよ!特に石岡くんに対して嘔吐をもよおすごとき悪意を感じるのだが、これは一体…。作家と言うのは悪意で営める職業と言うのは本当ですね(引きつった笑顔で)。

あと、おそらくは作者としてはギャグとしてやっているであろう部分のセンスがいちいちおかしい。おかしいといっても可笑しいわけではなく、ただ頭がおかし・・・いや気の毒なようだ。白梅の白粉(どっちも人名ですよ)に対する執着はもはやストーカーに等しく、人格の破綻ぶりは理屈では説明しきれぬ。白梅の家に監禁された白粉が、相手がトイレに行っているうちにメールを出しているなんて、お前はミザリーか!笑えねえよ!!

さて、こういった作者の悪意的な分野に着目していると話がいっこうに進まないので、それ以外の部分にも言及しなくては、などとわざとらしく話題を変えてみるけど、これが驚くほどまっすぐで爽快な話になっていて驚いた。まあ半額弁当をめぐって繰り広げられるバトルと言うありえない状況設定なのだけど、面白いことに前述のありえないキャラクター、状況、何よりも特異なギャグセンス(笑えない)が前提とあるためか、最初こそ戸惑うものの、読み進めていくうちに、己の信念と誇りを胸に戦いに挑む人々を熱い筆致で描いており、ページを捲る手が止まらなくなってくる。ひょっとしてこいつはすごい作品なんじゃねえか?「お前にとって半額弁当はただ売れ残って古くなった弁当でしかないのか?」と言う台詞がなぜかあまりにも熱く格好良い台詞に聞こえてきた自分は一体どうなってしまったのか、自分でもよくわからん。よくわからんがとりあえずそれに力強く”否”を唱える主人公がマジで格好良く思えてしまった自分は、目医者に行った方がいい。むしろ脳か。

この現実にはありえない状況設定の中で熱いストーリーを語ると言う設定に、思わず『学校の階段』と比較してしまった(もっとも僕は『学校の階段』がかなり嫌いなタイプなのだが)。比較することによって違いが浮き彫りになってきた感じ、と言えるだろうか。まあ単純に言えば、ベン・トーは物語にナルシズム的な部分が少ないということなんだと思う。僕が階段シリーズが嫌いな理由は、あれって主人公にもの凄く都合の良い世界で出来上がっているところ。主人公を襲うあらゆる葛藤は、すべては彼によって解決されるために存在する、とでも言うような。主人公に(そして読者に)キモチノワルイ要素を限りなく省いている。主人公とそれを取り巻く世界の無謬性とでも言うのかな。それがもっともキモチワルイことである、と言う視点を欠いていると感じられるところがどうしても好きになれないところなのだ。

それに対して、このベン・トーは、最初からその目的が”くだらないこと”である認識がある。主人公も、ヒロインも、あらゆる登場人物たちは、”たかが半額弁当”と言う認識がある。しかし、そんなどうと言う事はないくだらない目的であろうとも、そこに強靭な意志があれば、目的の価値など些細な問題なのだ。正確には”目的の価値は自分が決める”と言う強烈な指向だ。自分の目的の価値は、誰かに決めてもらうものではない。自分で本気で、全身全霊で取り組んだ行為は、誰にも否定をさせない。つまり、この作品には普遍性がある。状況と舞台設定とキャラクターは頭がおかし…いや気の毒なのだが、物語が主張することは当たり前のもの。それがこの作品を単なるバカ小説ではなく、普遍性のある熱い青春小説に昇華させているように思うのだ。

まあ、ギャグはまったく笑えないがな(むしろ顔が引きつってくる)。

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最近のアニメ

・「乃木坂春香の秘密」を観てみる。これまた渾身の安さだな…。まあ僕が観る必要はなさそうだ。

・「鉄腕バーディ DECODE」の2話も視聴。なんかうねうね動いていてすごいことになっていた。なんか異常じゃないかこのバトル?すげえ。一話を見た限りだと、つとむが物分りがよくなっていた(クールだった)のに違和感があったが、今回は存分に小市民ぶりを発揮してくれてほっとした。物分りの良いつとむなんてつとむじゃない。このあたりは原作準拠か。

・「ブラスレイター」の残酷物語はさらに最高潮。子供たちの美しい愛に満ちた行為が更なる悲劇をもたらしてしまう展開には、ただ哀しいというよりも、もっと深い絶望がある。善意が報われず、正しいものが報われない。まさにこれこそが残酷と言うものだ。

・「薬師寺涼子」は巨大大蛇でビル崩壊とか、もう何と言っていいのやら・・・。

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買ったもの

1.『神曲奏界ポリフィニカ ジェラス・クリムゾン』 榊一郎 GA文庫
2.『晴れた空にくじら 浮船乗りと少女』 大西科学 GA文庫

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2008.07.14

『マブラヴオルタネイティヴ トータル・イクリプス(2) 宿命の動輪』読了 

51l6znfxdwl__ss500_マブラヴオルタネイティヴ トータル・イクリプス(2) 宿命の動輪』(吉宗綱紀/ファミ通文庫)読了。

あまりにもトップガン的にストイックだった前巻に比較すると、ずいぶん変わったなあ…。いや、萌え的な観点で。や、唯依姫がいずれデレるのは予想がついていたが、ここまで早かったとは。あと、イーニャとクリスカがここまで作品のマスコット的立場を確立してくると言うのはまったく予想外だった。なんか唯依がメインヒロインとするにはキャラが弱いかなと思っていたので、実はイーニャがメインヒロイン格なのかなーとは思っていたが、クリスカまで…。攻撃的になるのはイーニャに関することだけで、それ以外では人間的未熟な部分が表面化してくるわけね…。なんだよこのツンデレ(まだデレが無いが)。

メインヒロインとしてはキャラが弱いか、と(僕に勝手に)思われていた唯依の、ユウヤとの関係性強化が相当に強引だったのは笑った。これまであまりにもストイックにトップガンをやっていたことでストーリーに萌え成分欠乏が欠乏していたことに対するテコ入れだろうか?と思わず邪粋してしまった。ひょっとして1巻の内容を連載していたときは評判悪かったのかな…。まあマブラブファンの大半は”軍事もの”なんて望んでいないのは間違いないだろうけど。偏見だろうか?タリサもむちゃくちゃラブコメってるし、もうどういう路線変更なのか丸分かりだな。まあよにかく唯衣がものすごいラブゆかったので悪いわけではないが。

後半のユウヤの初陣編は、あまりにも順調すぎて、これは次の巻以降の絶望的展開への布石なんだろうなあ、とまたしても邪推。だってソビエト連邦のおっさんの態度とか、あからさまに怪しいし…なにやら陰謀の予感ですよ。

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2008.07.13

メモ

・『神のみぞ知るセカイ』をつい買ってしまった。

・連載はそれほど真面目に読んでいなくて、たまにぱらぱらめくるぐらいだったのだが、表紙があまりにも格好良すぎたので買った。

・ひさしぶりの表紙買いである。
ちなみにその表紙はこれ↓
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ちょ、おま・・・女の子攻略漫画なのに、表紙に主人公オンリーってどんだけストイックなのよ!感動した!

・読んだ。超びっくりしたことに、すげえ面白かった。

・まあ、オレが面白いと言うだけで、一般的にはどうだか知らないけどな…。

・帯の「2D世界の絶対神降臨!!!」というコピーだけでこの作品の厄さは分かってもらえると思う。

・今日の購入物のうち、5~8は虐殺器官を読んだことに触発されたのと、シュピーゲルシリーズの感想を書くためのお勉強。現代の戦争について学ばなければ、感想なんて書けない(虐殺器官は書いちゃったけど…)。

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買ったもの

1.『この世界の片隅に(中)』 こうの史代 双葉社
2.『結界師(21)』 田辺イエロウ 小学館
3.『ハヤテのごとく!(16)』 畑健二郎 小学館
4.『神のみぞ知るセカイ(1)』 若木民喜 小学館
5.『戦争における「人殺し」の心理学』 デーヴ・グロスマン ちくま学芸文庫
6.『カラシニコフ(1)(2)』 松本仁一 朝日文庫
7.『戦争請負会社』 P・W・シンガー NHK出版
8.『子ども兵の戦争』 P・W・シンガー NHK出版
9.『箆棒な人々 戦後サブカルチャー偉人伝』 竹熊健太郎
10.『ハローサマー、グッドバイ』 マイクル・コーニイ 河出書房

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2008.07.11

『虐殺器官』読了

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虐殺器官』(伊藤計劃/ハヤカワJコレクション)読了。

これは現代の戦争について書かれた作品なんだな。9.11以降の戦争を描いた、という世間のキャッチフレーズにようやく納得。つまり民族的文化的対立に伴うテロリズムを”戦争行為”と規定すれば、すなわち現代は”常時戦争状態”にあり、戦争は限りなく矮小化し、普遍化する。それは戦争と平和という対立項が存在しなくなっていく世界。戦時中であり平和でもあるという狂った世界なのだ。…なんとも背筋がぞっとする。この作品はフィクションではあるが、同時に強烈な同時代性があって、おそらく、現実のどこかで起こっていることでもあるのだ。

冲方丁の『シュピーゲル』シリーズ、あるいは小島秀夫監督の『MGS』シリーズと比較されるのもむべなるべきかな。おそらく、これらの作品は同根の思想から始まっている。”現代”を描こうとしていると言う点で。”戦争”を描いていると言う点で。・・・これをきちんと評価するには現代の戦争について勉強が必要であろうな。いずれ必要だとは思っているので、読んでみるか。

こんな書き方をしてしまうと、どれだけストイックな作品なのかと思われるかもしれないが、実のところそんなことはない。これははなはだ”悪趣味”なエンターテインメントだ。人が人を殺すと言うことを、過剰にメッセージを込めることなく、内相的に閉じこもるでもなく、淡々と描いている。そしてそれがもっともおぞましい。人が人を殺すことに、殺意はいらない。憎悪も必要ない。意思さえも必要ない。ただその必要があるから殺すし、死ぬのだ。われわれは戦争すら消費しようとしている。否・・・すでに消費してしまっているのか。人が死ぬことはただの現実であるだけなのだが、しかし、遠いどこかで起こっている死に対して、常時戦争状態となっている現代において、”われわれ”にとって戦争は現実ではないが常にそばにあるものとなっている。”われわれ”はなんの悪意もなく戦争に加担し、なんの敵意もなく人を殺す。それは、この作品の主人公のように任務として殺すと言う意味ではなく、”無関心であるゆえに”、そして”無理解であるがゆえに”に殺す。テロの報復、国際平和のためという目的のため、善意の中から戦争を支持する。無関心の善意こそが最大の悪なのか。平和は戦争の上に成り立つ。そんなグロテスクな世界が、現代の戦争だと言うのか。

本当に、ひどく、ひどく、恐ろしく思う。

追記。
こんな真面目な感想を書いたあとで不謹慎だが、あちこちに過去作品へのオマージュが感じられて、ちょっとにやりとする。MGS4のノベライズを作者がやっていると言う情報を得た後だと、主人公たちが自分の部隊のことを”蛇食らい(スネークイーター)”と呼称しているのには思わず笑ってしまった。やはり、あのシリーズを強く意識をしているのだな。

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最近観たアニメ

・「夏目友人帳」を観る。あー。なんか優しい感じ。なんだろう?一瞬のはかなさ、みたいなものを描いている、のか?たぶん続けて視聴する。あと井上和彦がすげえ。さすが超ベテラン。

・「ワールド・デストラクション ~世界撲滅の六人~」を観る。こういう坂本真綾の使い方もあるのか。なんか新鮮な気もする。いや、キャラとしては普通のバトルメインヒロイン(なんだそりゃ)なんだけど、坂本真綾が演ずると言うところが…。あと古谷徹がすげえ。さすが超ベテラン。

・「セキレイ」とか「魔法遣いに大切なこと」とか。とくに観るともなしに観る。セキレイのあまりに安い作りに逆に感動。魔法遣い~は、ほとんど美術鑑賞アニメだな。なんだかんだで続けて観そう。

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2008.07.10

メモ

昨日に引き続き頭痛がひどいので二回休み。

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2008.07.09

メモ

今日は頭痛がひどくてものが上手く考えられない。一回休み。

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買ったもの

1.『きみとぼくが壊した世界』 西尾維新 講談社ノベルス
2.『地球人類最期の事件』 浦賀和宏 講談社ノベルス
3.『シフトⅡ -世界はクリアを待っている』 うえお久光 電撃文庫
4.『メグとセロンⅢ ウレリックスの憂鬱』 時雨沢恵一 電撃文庫
5.『世界の平和は一家団欒のあとに(5) 追いかけてマイダーリン』 橋本和也 電撃文庫

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2008.07.08

『カンピオーネ!神はまつろわず』読了

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カンピオーネ!神はまつろわず』(丈月城/スーパーダッシュ文庫)読了。

これはかなりの力作ではなかろうか。アイディアの着眼点もいいし、そのアイディアの転がし方も見事だった。キャラクターのいちいち芝居がかったやりとりも良いほうに働いている。一作目としては意外性があってとても良いのだが、むしろ2作目以降をどのようにしていくのかが手腕の分かれ目でしょうな。主人公の持っている制約は、非常に厳しいものがあるので、使いどころが限定されてしまっているため、その能力をどのように駆け引きを生み出していけるのかに注目。神話や歴史を伝奇的に独自に解釈しなおしているところもなかなかに面白い。神話、文化の変遷と言うのは非常に面白い話なので、その点をバトルに利用するアイディアは見事だった。ただ、実際にそのアイディアを活かしきっているかというと、まだまだかなと思う。特に”剣”の扱いはいただけないなあ。いや本当にアイディアは面白いのだけど、論理構築がちょっと甘い。例えれば、このシーンは京極堂シリーズの”憑き物落とし”に該当する部分だと思っていて、つまり、神の、と言うか神話の持っている文化的な意味を解体し、再構築していくことそのものが必殺技の威力と連動しているんですよね。非常に面白い試みだと僕は評価しているんだけど、結局のところ、とおり一遍の説明で終わってしまった感があるなあ。神話の背景説明に従事してどうする。そこに意味と解釈を加えることで、それまでの神を別の神に語りなおすことが出来れば、もの凄く格好良い必殺技になったと思うのだが…。まあそれは無いものねだりと言うものか。全体的にみて、良く出来ているライトノベルだと思いました。

それにしても、この世界では神とはどういう存在なんだろうなあ…。一神教とか、どういう扱いになっているのかしら。

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2008.07.07

先週のブラスレイター

突然だが『ブラスレイター』13話「遠い記憶」面白かった…とは言えないが、なんとも言えず感情を動かされたので書く。

貧困、移民差別など、ブラスレイターでよく強調される社会的弱者に対する絶望感が強く出ていた。そして、同時に絶望に抗おうとする人々の気高さも現れており、まさにこれはブラスレイター全体の縮図であると思う。

絶望に抗った人々が全員死んでしまっているところも、現在の物語へ繋がっているよなあ…。

 

!神父さまの声って、ランバ・ラルかよ!?全然気がつかなかった!

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メモ

・最近観た新アニメ。

・『ストライク・ウィッチーズ』は業が深すぎるアニメだと思うんだ。小説を読んでいても、実際に軍服スク水イヌミミ尻尾な女の子が空を飛ぶというビジュアルを観て絶句した。う、うーん。

・千葉妙子だった坂本美緒は、豪快な兄貴らしい性格で格好良いのだが、そんなハレンチな格好で格好いい兄貴をやられること自体が業が深すぎる…。

・『薬師寺涼子の怪奇事件簿』…まさかこれがアニメになるとはなあ。原作どおり、非常にアンニュイかつアダルティな生天目仁美の演技が良かった。女王様と下僕…だけどそれだけではすまない涼子さんと泉田くんの関係って、実はけっこう関係性萌えポイントじゃね?とか思った(原作を読んだときから思っていたが)。

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『ふたかた』読了

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ふたかた』(わかつきひかる/一迅社文庫)読了。

こいつぁろくでもねえや(褒めているつもり)。

お姉ちゃんの幽霊が自分にとりついてしまった!死んだと言うのに全然神妙になるつもりも恨みを晴らすでもなくお姉ちゃんが望んだことは、単に弟の体でもう一度学園生活をエンジョイすることだったのだ!女装で!

というわけで、一迅社文庫標準のバカバカしさ120…いや150%増しで送る実にろくでもない…くだらない…アホらしい…まあそういう感じの話だ。てっきりエロ関係に行くのかと思ったら全然そっちに行かなかったのは驚きである。むしろ、お姉ちゃんの我儘で女装をすることになってしまった主人公が、だんだんと女装に慣れていって、というか積極的に快感を覚えるといった変態描写がなかなか効いており、まあ要するに変態小説ですよね。もう何を書いているのか自分でも良く分からないが、ろくでもない(褒め言葉)作品であることは間違いない。

キャラクターのありえない行動も多く、こいつらもう少し脳みそ使おうぜ!お前らは全員かぼちゃか!と言わざるを得ない展開が多々あり(連絡網とか、こりゃ自殺もんのいじめだ!)、なるほどこれが超展開と言うものか、と変なところで感心してしまったのだが、別に超展開と言うのも刺激的で面白いものだな、と言う結論に達したのでとくに問題はない。怒った方が心が狭いと思われかねん。そんなことはどうでもよくて、まあとりあえずアホな小説だったなあと思いました。ぼくは嫌いじゃないですよ。

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『死神のキョウ』読了

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死神のキョウ』(魁/一迅社文庫)読了。

寡聞にして『CLANNAD』をやったことは無かったので、この作者には初めて触れることになる。なるべく先入観を抜きに読もうと思ったけど、感想を書こうとするとどうしても『アネモイ』と比べてしまうな。いけないこととは思うが難しい。開き直って書いてしまうと、『アネモイ』に比べるとずいぶん地に足が着いていると感じる。物語の手続きをきちんと踏まえていると言うか、伏線とミスリーディング、そして意外性の演出をきちんとやっている。その分、ライトノベル的なお約束に縛られているように感じるのだけど、まあこれはたぶん先入観のせいだろう(良し悪しの問題ではない)。作品としては十分に面白く読めた。前半はドタバタ劇で奇矯な登場人物が織り成すコミカルな日常劇を描きつつ、後半から突如として失われてしまったことから日常が一転し、深い喪失を味わってしまった人々の痛切な想いを描きながら、最終的に物語に関わったものたちを救済へ導く物語は非常に強靭だった。表面的な派手さと反して、非常に王道的な物語を書く作者なんだな。

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メモ

HJ大賞大賞受賞作の『スクランブル・ウィザード』を読んでいたら、小粒ながら予想以上に面白かったので、HJ文庫の新人賞を全部買ってみることにした。なんか感覚に引っかかるものがあればいーな。

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買ったもの

1.『RDG(レッドデータガール) はじめてのお使い』 荻原規子 角川書店
2.『彼女は眼鏡HOLIC』 上栖綴人 HJ文庫
3.『ミスティック・ミュージアム』 藤春都 HJ文庫
4.『アニスと不機嫌な魔法使い』 花房牧生 HJ文庫

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今週のコードギアス

・「過去からの刺客」というタイトルだったけど、これはまさに(C.Cが冒頭に話していた)業の話だったね。

・どういうことかと言うと、かつてルルーシュがシャーリーに対して、あるいはスザクに対してやってしまったことである、”かけがえの無い存在を奪われる”と言う行為が自分に跳ね返ってしまったわけだ。まさに因果応報。

・ここで面白いのは、それに対するシャーリーとスザク二人の回答が明示されていると言うこと。シャーリーはすでに許した。スザクはまだ許したくない。ではルルーシュの回答は?

・ルルーシュは、自分の行為に対して、謝罪はしない、償うことも出来ない、だから行動するしかない、と言うことを選択したわけだけど、そんなものは奪われた者にとってはなんの慰めにもならない。

・それでも相手を許せるのか?そして受け入れることが出来るのか?ルルーシュがロロに対して下す決断によって、彼の業が試される。

・それは、スザクとの和解、共闘の可能性でもある。

・それはそれとして(自分、ちょっと多用しすぎ)、致命傷を負ったシャーリーが、自分が助からないことを悟って、助けを呼ぼうとしたルルーシュの手を止めるシーンは、あまりに切なかった。ただ、最期の言葉を伝えたかったんだね。。

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2008.07.05

『ミスマルカ興国物語Ⅱ』読了

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ミスマルカ興国物語Ⅱ』(林トモアキ/角川スニーカー文庫)読了。

あらゆる意味でひどい。絶体絶命の危地に陥った主人公が、状況を打開するためにとった行動が”ゼンラーマン”というのがあまりにもひどすぎて泣けてくる。それすらも策の内だったら嫌だなあ。素晴らしいですよね(マジか)。全体的に『お・り・が・み』や『マスラヲ』とのリンクが深くなってきて、細かいキーワードにあれあれと思ったり、このキャラはどうみても…いやしかし…と思ったり、まあやっぱり、『マスラヲ』の遠未来世界ということはほぼ確定事項か(個人的にはまだ考慮の余地はあると思うけど)。まあ別にどうでもいいんだけど。特に分析も考察も必要の無い作品ではあるし、作者も整合性とか気にしてなさそうだし、とにかくやりたいようにやってくれるのがもっとも幸福なことだろう。作者にも読者にも。その結果がゼンラーマンだとしても、なあに、林トモアキを好むような輩はむしろ大喜びさ。変態だな(お前がな)。

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買ったもの

1.『魔人探偵脳噛ネウロ(17)』 松井優征 集英社
2.『銀魂(24)』 空知英秋 集英社

銀魂…表紙、誰?

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メモ

・暑くて眠れやしねえ。

・アニメがいろいろ始まっているので観た。

・セキレイはいろいろな意味で開き直っているというか…わかり易いというか。作画は充実していたけど。

・魔法使いに大切なことの新しいやつ。なんかオレにはあまり必要の無いタイプのアニメかもしれん。絵としては美しい。

・スレイヤーズのアニメか…。つーか、オレはNEXTもTRYも観ていないことに今頃気がついたよ。

・ノイタミナ枠は…まあ、これもオレには必要の無いアニメか。

・鉄腕バーディー。原作をものすごく改変している。これは大胆な行為だ。超人アクション描写がナイス。千葉妙子がメインヒロインやっているのって初めて観たような…。

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2008.07.04

『零と羊飼い』読了

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零と羊飼い』(西川真音/一迅社文庫)読了。

SFかと思ったらメタフィクションだった。これはギャルゲーの構造にずいぶん自覚的な作品でありますね。東浩紀の著作を読んだ人なら一度は想像するやつ。でも実際にやってしまう人は多くないな。クライマックスを畳み掛けるように繰り返されるところなどはかなりの緊迫感あってよかったのではないでしょうか。計画に選ばれたもの、計画を遂行するものたちのそれぞれの物語は、まあぶっちゃけ感動系ギャルゲーの領域を逸脱していないわけだけど、そのテンプレートをいくつも重ね合わせることによって、その状況そのものの醜悪さを明らかにしている。状況が醜悪と言うのは、つまり感動系のギャルゲーが持つ世界の醜悪さだ(ちょっと言葉が強いかな…)。ただ、そのような”泣ける結末”そのものに、登場人物たち自身が”否”を唱える作品であるわけだから、作者はその構造には自覚的であろうとおもうのだが…どうなんだろうな。

でもこれ、SFだと思っていた人(いないと思うが)が読んだら怒りそうな気もする。だってお前、隕石を跳ね返すのに、リフレクト専門超能力者を数人打ち上げて跳ね返すとかそりゃSFじゃねえだろ!まあSFじゃないんだが。

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2008.07.02

メモ

・荒木飛呂彦が表紙を書いているのを見かけたら…買わないわけにはいかねえだろう(伊豆の踊り子のことです)。

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買ったもの

1.『フリージア(10)』 松本次郎 小学館
2.『フリップフラップ(1)』 とよ田みのる 講談社
3.『たま◇なま こわいものはありますか?』 冬樹忍 HJ文庫
4.『スクランブル・ウィザード』 すえばしけん HJ文庫
5.『鳥類学者のファンタジア』 奥泉光 集英社文庫
6.『伊豆の踊り子』 川端康成 集英社文庫
7.『ショート・トリップ』 森絵都 集英社文庫
8.『モンティニーの狼男爵』 佐藤亜紀 光文社文庫
9.『水滸伝(1)』 北方謙三 集英社文庫

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『ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。』読了

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ある夏のお見合いと、あるいは空を泳ぐアネモイと。』(朱門優/一迅社文庫)読了。

夏が舞台であると言うところを見ると、作者がシナリオライターをつとめたゲーム『いつか、届く、あの空に。』の変奏曲的な意味もあるのかなあ、と一瞬考えたのだが、考えて見れば、このゲームをまだクリアしていないことに気がついた。うぬう。

それはともかく。ゲームをやっていても感じるのだが、この作者の描く世界は不思議なリアリティの感覚がある。それは現実感がある(リアル)と言う意味ではなく、僕が知るリアルとは異なる別のリアル(≒世界、法則)を構築していると言うことだ。そのリアルは僕の許容するリアルとは似ているようでどこか現実感に欠けており、白昼夢めいた印象を与える。しかし、それが単純にリアリティが無いということとは異なっている。確かに僕にとってのリアル、つまり現実とは明らかに異なっているのだが(例えば祭りの設定など明らかに常識的におかしいと思うのだが。)、その作品世界に生きる登場人物にとっては、それは平凡な常識であり当たり前のことなのだ。この読者と登場人物の間にあるズレは読み始めたときにはそれほど気がつかないのだが(なんかヘンだな?とは思う)、読み進めていくうちにどんどん乖離が激しくなり、地に足の着かない不安感とでもいう奇妙なリアリズムの無さに繋がっていると思う。

ただ、この作者に対しての評価が定められない点もまさにそこである。果たして、作者はこれを計算してやっているのか、それとも天然なのか。あるいは表現技巧を凝らしているのか、単に表現技巧の拙さなのか。その点が、この作者とはわりと長く付き合っている自分でも、未だに把握出来ていない(余談だけど、僕が初めて朱門優の作品に触れたのは『黒と黒と黒の祭壇』から。エロゲーです)。この独特の空気感は嫌いではないのだけど、感覚のズレそのものはやはり引っかかるものがある。単なるご都合主義のようにも思えるけど、何かしら僕の知らない文法でもって書かれているようにも思える。

なんなんだろうなあ…などと結論を放棄するオレ。この、ある種のエロゲーに存在する文法の違いを上手く言語化が出来ないのは今に始まったことではない上に、いくら考えても分からないので、たぶん、僕とは違う国から来たライター書き手なんだろうな、としか解釈出来ないんですよ。まあこういう作品もあって良いとは思うが。

しかし、本当になんなんだろうなあ…(まだ言っている)。

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2008.07.01

今週のコードギアス

・咲世子さんッ…!この人、天然に見えて、ちゃんと分かってやっている…。まあ、天然と言うのも嘘ではないのだろうけど、最後のミレイへかけた言葉と言い、きちんと状況を掌握している。きっと天然に見えるのは、スペックが高すぎるゆえに常人の発想、行動をたやすく凌駕するため…というのは穿ち過ぎか。

・オデュッセウス(凡俗)(仮)は、とりあえず”器だけは底なしだ”と言うことを理解した。だって、この人を軽んじている奴(ルルーシュとか)はいても、憎んでいる人間が1人もいないよ!?結婚式を潰されて、文字通り面目丸つぶれになっても、「まあまあ、僕は気にして無いよ」とかのたまえるこの男は一体なんだ?逆に怒り狂う妹弟たちをなだめるわ、遠いエリア11のナナリーまで気遣うわ、どこまでお人好しなんだよ!?シュナイゼルとは違った意味で底が見えねえ…。

・オデュッセウスを見ていると、劉邦を思わせる。自分は何も出来なくても、まわりが優秀で、その意見を適切に聞けば王は務まる。するとシュナイゼルは張良か?項羽はルルーシュだったりして。

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