『マーベラス・ツインズ契(1) だましあい』読了
『マーベラス・ツインズ契(1) だましあい』(古龍/ゲームシティ文庫)読了。
やべー。何がやべーって、このシリーズをライトノベルとして読むことになんの違和感も感じなくなってきていることがやべー。読んでいる時の脳内のモードが、完全にラノベモードになっているよ!?ここまで古龍作品とライトノベルに親和性があったとは、ちょっと想像以上だったなあ。今更といえば今更だけど、あまりの読みやすさ、キャラクターの魅力、展開の破天荒さを前に、改めてそんなことを思った。とりあえず藤田香のイラストは最高ですね!と言っておく。この調子で古龍作品を全部ライトノベルにしてしまえばいいと思うよ。買うから。
自信満々傲岸不遜だった小魚児が、その鼻っ柱をへし折られてしまったのが前回まで。自分など、本当の達人、悪人の前にはただの小僧に過ぎなかったのだ、と衝撃を受けてしまった主人公がどん底に落ちる展開は王道です。でも、きちんと修行しているところが偉すぎる。本当に駄目人間なら落ちるところまで落ちるところだ。そういや前巻の巻物はやはりパワーアップフラグだったのね。
冒頭は、とにかく小魚児が自分を駄目だ駄目だと自虐している(主人公のこんな姿を観るとは一巻読んだときは想像もしなかったな…)んだけど、「五大悪人たちも自分を馬鹿にしていたんだ」(大意)と言い出したときは、思わず「そんなわけないだろ!あいつらは親馬鹿なだけなんだよ!!」と思わず五大悪人を弁護したくなった。弁護になっているかどうかは知らん。
解き放たんと欲すればまず封じよ、とばかりに落ち込み続ける小魚児が、ついに宿願の悪党、江別鶴とあいまみえ、活動を再開する後半の躍動感はただ事ではありません。不敵で無敵な姿がやはりこの主人公には良く似合う。
江別鶴とは違った意味で因縁の相手である花無缺もまた、もう1人の主人公として動き始めてきた感じ。愛を知ることを許されなかった人形が、愛を知ることで人となる。今までと異なり、怒ったり、焦ったりと、大分人間らしくなってきた印象がある。これはひょっとして、小魚児との和解フラグだろうか?まあ、現時点では三角関係のドロドロな関係だけどな…。
そんで三角関係の頂点にあたる鉄心蘭。いやー出番はほとんどないのに、彼女の存在感はすさまじいですな。小魚児にとって、生まれて初めての恋の対象であり、命の恩人でもある彼女は、既に彼の生きる目的そのものになりつつある。彼女もまた、小魚児にけなげに想いを寄せ続け、なんというかラブいっす。激烈に萌えと言うやつです。小魚児と過ごした時間は短いのに、ここまでけなげだとは…。まあ小魚児は超絶かっこ良いヒーローなので、無理もないが。
その小魚児の周りには、これまた美少女だらけのオンパレードなんだけど、彼自身も一途なものだから、登場する美少女はすべて振られるために存在するみたいな展開に…。なんとストイックな男よ。どこかの伊藤誠は見習うがいい(書きながら思い出したが、声優が同じだ…)。
というわけで、瞬読!次巻が待ち遠しい!というコンボでかなりつらい状況に。次は8月か…早くでないかなあ。
そういえばコミック化もされるらしい。そんなに売れているのか。驚きだ。このままついでにアニメ化もしてしまって、日本に武侠小説のライトノベルブームを巻き起こして、未訳の作品もどんどん翻訳されるといーなー。
それって天国じゃね?
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