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2008.06.05

『レンズと悪魔Ⅶ 魔神決壊』読了

51dmjntqjdl__ss500_レンズと悪魔Ⅶ 魔神決壊』(六塚光/角川スニーカー文庫)読了。

中篇集・・・というか、中篇が二つ入っているという不思議な構成。これは一体どういう流れだ・・・?別にどこかで連載されていたというわけではないよな。わりとライトノベル的には珍しいような気もする。

中篇だと、物語をかなり圧縮しなくてはいけないので、普通の長編と比べると作家の手腕が問われる。スピーディーかつ物語を薄くならないというのが良い中篇であると思っているのだけど、それゆえに中篇はライトノベル的には嫌われるのかも。同じアイディアでも2篇書かないと本が出ない。

短編だと書き方自体が違う(と思う)ので、また話は変わってくるのだろうけど。

内容について。

「魔神決壊」
これは本編とほぼ地続きの作品。八眼争覇そのものからは少し外れるけれども、「結晶連鎖法」なる悪魔を破壊する力をめぐって、駆け引きが繰り広げられる。「結晶連鎖法」は極めて強力な能力なので、相手の油断と能力の隙をつくようにするバトルが繰り広げられる。本当にジョジョバトルになっていてなにかと楽しいです。ただ、不満点も個人的にあって、隙の突き方に、もっと破天荒さというか、意外性があればさらに良かったと思う。六塚光の合理性を重んじ、冷静な筆致は長所だと思うのだが、もっとはっちゃけてしまっても良いのではないか、と思わざるを得ない。個人的な感想だけど。

「結晶連鎖法」とアードレーというキーワードは今後の伏線かも。チェック。

「とげとオレンジとジャッジメント」
などと思っていたら凄まじいハイテンションなバカ話が出てきてびっくりした。完全にこっちは番外編の様相。スパイクボールなるこの世界のスポーツの、マフィアがからんでいるので、非常に血生臭い勝負を描く。「魔神決壊」もそうだったけど、どっちにもマフィアが絡んで来ていて、異能力マフィアものとしても読めなくも無いな。バベルハイズ自然史博物館の連中は、マフィアとつながりが強すぎる…。

とりあえずトゲトゲのボールを奪い合い、ある時には殴り合い、ある時には蹴り合い、ある時は殴る、と言うスポーツ。ルール無用の残虐スポーツですねハイ。こうした決闘と言うのは、紳士協定のようなもので、組織だったマフィア同士の抗争を避けるための代理戦争となる側面が多く、否定しきれない。(とはいえ、多くは血と鉄の掟がその裏ではあるものだが)。マフィアとつながりが強くなったせいで、このような組織抗争にも巻き込まれるようになってしまって、バベルハイズ自然史博物館の未来は波乱万丈だな。

しかし、そんな血生臭いスポーツが舞台で、しかも人の命がかかっているというのに(だからこそか)、狂騒に満ちたテンションで挑むエルバたちの凄まじさには呆然。敵対するマフィアのボスのバカ息子が実にクソ外道なので、そのクソ野郎のクソ悪巧みをぶち壊すべく奔走することはまあいいしても、絶対にエルバたちのせいで死人が出ているよな。良くても重症。とくにテッキの拷…いや、尋問は洒落になりませんから。なんという残虐ファイト。わたくし、残酷でしてよ。

バベルハイズ自然史博物館のメンバーは本当に恐ろしいやつらだと言うことが判明。むしろこいつらこそがマフィアみたいな存在だ。

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コメント

いまさらですが
片方はザ・スニーカーに連載されていました
ですので、単行本化の際に後半を書き下ろしたのでしょう

投稿: | 2008.07.24 16:50

なるほど、そう言うことですか。納得。

情報ありがとうございました。

投稿: 吉兆 | 2008.07.24 18:13

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