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2008.06.29

『黒水村』読了

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黒水村』(黒史郎/一迅社文庫)読了。

楽しいのう、面白いのう。まさかここまで純然たるB級ジュヴナイルホラーが出てくるとは驚きだったのう。まあ、おそらく創刊直後ゆえの方向性の定まらなさゆえの産物であって、おそらく続編は出ないのだろうな。などどあまりにも悲観的な予想をしてしまったが、これをライトノベルとして売り出すと言う試みは意欲的であるし面白いと思うのだが、どう考えてもライトノベル嗜好者の多数派(なにそれ…とか言わないで。僕もそう思っているから)を満足させることは不可能であろうと思われる。だってグロくて厄くて不愉快で執拗な細部の描写に好感のまったく持てない自己中心的な登場人物ばかりなんだよ!?…大好き(なんかブログ人格が最近崩壊気味なのはきっと疲れているからだろうたぶん)(もともとじゃねーの)

まあ、ライトノベルホラーとして見事なのは、牧野修を思わせる厭な描写をしながらも、一握の希望を思わせる善性が描写されているところ。単純に不快さを売りにする刺激物ではなく、ジュブナイル的なよさがある。例えば主人公が、ごく平凡なホラー好きな少女で、それなりに身勝手なことがありつつも、気に食わない友達を最後には助けようとしたり、一応ヒーロー役のお金持ちのお坊ちゃんが、マジでムカつくスレスレの鼻持ちなら無さがありながらも、その無神経さゆえに急場での行動力につながるなど、人間を一面的(こういう言い方も、人間を限定的に描写するような言い方だけど)に描いていない。何よりも、フリークス(化け物)に落ちた”彼女”の存在は、この作品の善性を象徴しているかのようだった。もっともだからこそ、もっともつらい存在なのだが(彼女の各種描写はこの作品中、もっとも身体的に痛い。惨いとさえ言える。それゆえに彼女の想いは美しい)。

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