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2008.06.29

『黒水村』読了

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黒水村』(黒史郎/一迅社文庫)読了。

楽しいのう、面白いのう。まさかここまで純然たるB級ジュヴナイルホラーが出てくるとは驚きだったのう。まあ、おそらく創刊直後ゆえの方向性の定まらなさゆえの産物であって、おそらく続編は出ないのだろうな。などどあまりにも悲観的な予想をしてしまったが、これをライトノベルとして売り出すと言う試みは意欲的であるし面白いと思うのだが、どう考えてもライトノベル嗜好者の多数派(なにそれ…とか言わないで。僕もそう思っているから)を満足させることは不可能であろうと思われる。だってグロくて厄くて不愉快で執拗な細部の描写に好感のまったく持てない自己中心的な登場人物ばかりなんだよ!?…大好き(なんかブログ人格が最近崩壊気味なのはきっと疲れているからだろうたぶん)(もともとじゃねーの)

まあ、ライトノベルホラーとして見事なのは、牧野修を思わせる厭な描写をしながらも、一握の希望を思わせる善性が描写されているところ。単純に不快さを売りにする刺激物ではなく、ジュブナイル的なよさがある。例えば主人公が、ごく平凡なホラー好きな少女で、それなりに身勝手なことがありつつも、気に食わない友達を最後には助けようとしたり、一応ヒーロー役のお金持ちのお坊ちゃんが、マジでムカつくスレスレの鼻持ちなら無さがありながらも、その無神経さゆえに急場での行動力につながるなど、人間を一面的(こういう言い方も、人間を限定的に描写するような言い方だけど)に描いていない。何よりも、フリークス(化け物)に落ちた”彼女”の存在は、この作品の善性を象徴しているかのようだった。もっともだからこそ、もっともつらい存在なのだが(彼女の各種描写はこの作品中、もっとも身体的に痛い。惨いとさえ言える。それゆえに彼女の想いは美しい)。

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買ったもの

1.『つぐもも(1)』 浜田よしかづ 双葉社
2.『JINKI-真説-(2)』 綱島志朗 メディアワークス
3.『足洗邸の住人たち(8)』 みなぎ得一 ワニマガジン
4.『未来日記(6)』 えすのサカエ 角川書店
5.『夜は短し歩けよ乙女第二集』 原作:森見登見彦 漫画:琴音らんまる 角川書店
6.『鉄球姫エミリー第三幕 花園のエミリー』 八薙玉造 スーパーダッシュ文庫
7.『薔薇色にチェリースカ(3)』 海原零 スーパーダッシュ文庫

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2008.06.28

買ったもの(書き忘れ)

1.『ジャバウォッキー』 久正人 講談社
2.『ローゼンメイデン新装版(3)』 PEACH-PIT 集英社
3.『Landreaall(12)』 おがきちか 一迅社
4.『ストライクウィッチーズ参ノ巻 スオムスいらん子中隊はじける』 ヤマグチノボル 角川文庫
5.『時載りリンネ!』 清野静 角川スニーカー文庫
6.『レンズと悪魔Ⅷ 魔神変光』 六塚光 角川スニーカー文庫

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2008.06.26

『傷物語』読了

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傷物語』(西尾維新/講談社BOX)読了。

『化物語』の前日譚に当たる今作だが、暦くんの目的意識とストーリーラインがはっきりとあるため、キャラクターの奇抜さと会話に奉仕していた前作と比較すると、ややノイズが多くなっているような気がする。前回は、ほぼストーリーを語る事をやめて、最低限のストーリーに際限なくキャラクター性を詰め込んだストイックさと、物語がどこに転がっていくか分からないスリリングさがあったのだが、やはりゴールがすでに分かっているためか、そこから逆算してストーリーが規定されてしまっており、個人的にはわりと普通のライトノベルであると思う。

どうも西尾維新は、”物語を語ろうとすると面白くない”と言う印象がある。そもそも、この人はあまり物語そのものには興味が無いのだろうとも思うのだが、つまり、この人の作るストーリーそのものは、基本的に忠実と言うか、忠実すぎる、教科書的過ぎる作劇をしている。ところが、西尾維新はキャラクターを作っているうちに、どんどんキャラクターに感情移入してしまうのか、どんどんキャラがストーリーを逸脱し始めていって、物語は迷走、暴走、逆走を繰り返し、なんだかよくわからないところに到達していくところが僕が好きなところなのだ。逆に言えば、逸脱の無い西尾維新は普通のライトノベル作家とさして変わらない。むしろ物語そのものは陳腐ですらある。『刀物語』が僕にとってつまらなかったのもおそらく同じ理由で、おそらく西尾維新は何らかの縛りがあると(『刀物語』では12ヶ月刊行)、その持ち味を発揮できない作家である、と改めて思うのだった。

まあ、これも面白いんだけどね。前作のユニークさからすると、普通の面白さではあると思う。

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メモ

・ゲームシティ文庫は…まあ、歴史が浅いからしょうがないのかもしれないが…どうもスマートじゃねえなあ。第二部と言うことを強調してタイトル変更って、どんだけ必死なんだよ(言いがかりです)。

・『えむえむ!』のリーダビリティは驚異。なんか本能で読めてしまいますね。

・『新しい太陽の書』は全部出てからまとめて読む。

・海原育人の新刊を買ったのは、別にリビングデッドに惹かれたわけではない。念のため。

・『ヴィンランド・サガ(6)』が圧倒的に面白い。面白すぎる。面白すぎてヤバイ。歴史とフィクションのせめぎ合い。歴史漫画(小説もそうだけど)の醍醐味だぜ。

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買ったもの

1.『マーベラス・ツインズ契(1) だましあい』 古龍 ゲームシティ文庫
2.『えむえむ!(5)』 松野秋鳴 MF文庫J
3.『薔薇色にチェリースカ(3)』 海原零 スーパーダッシュ文庫
4.『ベントー(2) ザンギ弁当295円』 アサウラ スーパーダッシュ文庫
5.『十三の呪』 三津田信三 角川ホラー文庫
6.『新しい太陽の書(3) 警士の剣』 ジーン・ウルフ ハヤカワ文庫SF
7.『<本の姫>は謳う(3)』 多崎礼 Cノベルスファンタジア
8.『誰かのリビングデッド(1) 【不浄】』 海原育人 Cノベルスファンタジア
9.『ヴィンランド・サガ(6)』 幸村誠 講談社
10.『無限の住人(23)』 沙村広明 講談社

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2008.06.24

『ゼロの使い魔(14)<水都市の聖女>』読了

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ゼロの使い魔(14)<水都市の聖女>』(ヤマグチノボル/MF文庫J)読了。

サイトが元の世界に戻される、と言う強い引きで終わった前巻は、離れ離れになってしまうことで、お互いが(と言うよりもルイズが)どれほどに大事な存在であったのかを再確認する会ですね。二人とも両想いであることが確定してきていたところで、望郷の念という、恋愛とはまた違った意味での、自分の居場所への希求を持ち出すところが見事だった。ここまでが前回の話。

この世界の悪役であるジョゼフ王の存在感は異常なことになってきた。狂気と理性を兼ね備えたジョゼフ王があまりにも格好良すぎる。対するは若き教皇ヴィットーリオで、この教皇様もまた清新過ぎて狂った正義と信仰を持ったキャラクターで、これもまた凄まじい。アンリエッタも多少は成長したけど、ヴィットーリオの本質をここまで見抜けずにいたあたりは、やはり経験の差か。圧倒的な存在感を撒き散らす二人の支配者を前に、アンリエッタはあまりにも手痛い教訓を与えられてしまったが、ここが彼女の分水嶺となるのであろうな。ここで生き残れば、あるいは。他にも完全に迷走している感のあるルイズやティファニアを尻目に、生きて帰れる事は諦めつつ、それでも希望は捨てないギーシュたち水精霊騎士隊のメンツの格好いいこと。こいつら、なんだかんだと言って実戦を経験しているんだよな…さすが肝の据わり方が違う。ヤマグチノボルは、こういう脇役や悪役を絶対に捨てキャラにしないで、必ずどこかで救い上げるところがえらいと思う。まあ、あざといと言えなくも無いけど。

さて、悪役好き、脇役好きとしては、いくらでも語ることが出来るほどに素晴らしい展開だったのだけど、肝心のルイズとサイトの関係は、なんだか上手くごまかされた感じ。まあ、ヒロインの危機のためならば、たとえ火の中水の中、時空の壁だって越えてしまうのがヒーローってもんで、まさにサイトはヒーロー以外の何者でもありませんな。あまり使いたくない言葉だけど、まあ、その、あー…愛の奇跡ってやつ?きゃ!言っちゃった(死ぬと良い)。まあそういう話でした。

ブリミルの話はとりあえず保留。そもそも、あの世界が本当に過去の世界なのか、あるいは夢と言うか仮想空間なのかが分からないので、判断は出来ないかな。ただ、この真実がいわゆる”戦争を終わらせるほどの宝”(By 『アリソン』)となるであろうこと間違いないと思われる。戦争にひと段落ついたら、また過去への旅が始まるのではないかな。

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2008.06.23

メモ

・みた森たつやはホンマフリーダムやで…。これ、成人指定がついていないのが本当に信じられません!オチもものすごい。吹くなんてレベルじゃなくて、マジでのけぞった。

・『百舌谷さん逆上する』は…個人的には爆笑につぐ爆笑の大ヒットなんだけど、人さまにはオススメ出来ない…。ツンデレと言うものに対する深い考察から生まれる、普通の青春。びっくり。こんな作品もあるんだな…。

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買ったもの

1.『僕と彼女ホント』 みた森たつや 秋田書店
2.『鋼殻のレギオス CHROME SHELLED REGIOS (1)』 原作:雨木シュウスケ 漫画:深遊 角川書店
3.『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド(5)』 環望 メディアファクリー
4.『無限の住人(23)』 沙村広明 講談社
5.『百舌谷さん逆上する(1)』 篠房六郎 講談社
6.『XBLADE(4)』 原作:イダタツヒコ 漫画:士貴智志 講談社
7.『将国のアルタイル(1)』 カトウコトノ 講談社

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最近のコードギアスを観て思ったこと

・ポールギャグとか拘束具とか拘束具とかポールギャグとかは一体だれの趣味なのだろう・・・。

・保志キャラと緑川キャラは、谷川監督ワールドでは常に敵対する運命(さだめ)なのか。

・あの一瞬のカットだけでアーニャ妹説を妄想できるような人のことを正しい意味でのインテリと呼ぶのだろうな、と思った。

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『DRAGONBUSTER(1) 龍盤七朝』読了

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DRAGONBUSTER(1) 龍盤七朝』(秋山瑞人/電撃文庫)読了。

冒頭から凄惨かつ妖美極まりない惨殺行が繰り広げられていて、思わずハートをがっちりキャッチされてしまう。やはり、秋山瑞人は文章が上手すぎる。文章を読むと情景が視覚的に立ち上がる、と言うタイプではなくて、むしろ、語るべき事を深く深く掘り下げていくことで生まれる厚みに圧倒されてしまうと言うか。それでいて”くどさ”は欠片も無い滑らかな語り口。一体、どうすればこんな文章を紡ぎだせるのだろう…。

本編については、現時点では社会の底辺で虐げられる少年と、やんごとなき身分でありながら日陰者であることを押し付けられた少女が出会うと言う話であって、単純化してしまうとすごく簡単に説明できてしまう。でも、シンプルな物語に見えて、少年の学んできた武術にまつわる因縁や、少女の周囲でうごめく陰謀らしきものもあり、と思えば、人々が日々暮らす雑踏の猥雑さや平凡な日常にも視点があたっており、細部が非常に豊かで、少女が友人をなんやかやと雑踏を歩いている場面だけでも面白い。

もう、何を読んでも面白いツボにはまったみたいなんで、もう何を読んでも面白い。素晴らしいね。でも、2巻で完結らしいけど、一体、どこで終わるんだ?描写がすごく面白い半面、物語がどこに向かっているのかよくわからない。物語がどこで”落とされる”のかが分からないんだよな・・・。物語を駆動させる鍵がどこにあるのか、ちょっと分からない(たぶん、爺さんの因縁が一つの要素ではあるのだろうとおもうけど、果たしてそれがどこに行くのか…)。まあ、続きがでれば分かることですが。と言うわけで続きを下さい(雛鳥が餌をねだるが如く)。

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メモ

しまった。

日曜の夜になってから『ストレンヂア』を観始めてしまったら、これが傑作。やめられない。これは映画館で観るべきだった…。

また寝不足だ。

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買ったもの

1.『ICO 霧の城』 宮部みゆき 講談社ノベルス
2.『藤井寺さんと平野くん 熱海のこと』 樺薫 ガガガ文庫
3.『サムライガード 警護寮から来た少女』 舞阪洸 GA文庫

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2008.06.22

『L 詐欺師フラットランドのおそらく華麗なる伝説』読了

L 詐欺師フラットランドのおそらく華麗なる伝説』(坂照鉄平/富士見ファンタジア文庫)読了。

これは…あー…何と言うか…。タイトルから主人公のピカレクスロマンを想像していたのがまずかった…。全然ピカレスクロマンでも何でもないじゃないか。だけど、これは悪いのはオレか?オレなのか?オレなんだろうなあ…。くそー仕方が無い。

しかし、それだけでは何か悔しいので、オレが読み間違えたところを書いておこう。

つーか、主人公はまったく詐欺師じゃないじゃん!ただの駄目男じゃん!大体だな…一応詐欺師を名乗っているのに、ポーカーフェイスの一つも出来ない、駆け引きも出来ないなんて、そんなの詐欺師とは言えないだろ。それで詐欺師を名乗るってのは、明らかに現実と理想の一致が出来ていない夢追い人としか思えねえ…。女に貢がせてその日暮らしをしているだけなので、こういうのをただのヒモと言います。つまり・・・タイトルの”おそらく”と言う部分を見過ごすべきではなかったのだな。これは、一流の人間になりたい、と言う希望と野心だけは人一倍の、単なる駄目男に不思議な力が宿り、ついでに元に美少女がやってきてラブコメするというフォーマットに則っている作品だったわけで、主人公のヘタレ具合はスルーすると言うか、むしろ、現実を認識できていない”イタさ”と捕らええるべきだったのだな。ここで読み取りを間違ってしまったのが痛恨のミスだった。反省。

まあ、そのわりには主人公がその認識不足ゆえに陥る苦難に、インパクトが欠けているので、結局、主人公にすごく都合の良いナルシズム的世界が形成されてしまっているので、非常に問題なんじゃないかと思うのだけどなあ。これはオレの潔癖がすぎると言うものだろうか?まあ、そうなんだろうなあ。しょうがないよなあ。

まあそんな感じで、久しぶりに読み方を間違えてしまった作品でした。残念。

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2008.06.21

メモ

・今月の一迅社文庫は、小林めぐみのみ。他は…まあ。

・とりあえず『され竜』の何に驚いたって、作者のブログで一字一句打ち直していると書かれていることだよな…。そ、それはたしかに、まったく別物になると言うことは納得できる…。

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買ったもの

1.『鋼殻のレギオスⅨ ブルー・マズルカ』 雨木シュウスケ 富士見ファンタジア文庫
2.『月光条例(1)』 藤田和日郎 小学館
3.『絶対可憐チルドレン(13)』 椎名高志 小学館
4.『SH@PPLE(2)』 竹岡葉月 富士見ファンタジア文庫
5.『されど罪人は竜と踊る(2) Ash to Wish』 浅井ラボ ガガガ文庫
6.『片手間のヒロイズム』 小林めぐみ 一迅社文庫
7.『学園創世猫天!(4)』 岩原裕二 秋田書店
8.『ルー=ガルー(3)』 原作:京極夏彦 作画:樋口彰彦 徳間書店

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2008.06.20

『大久保町は燃えているか』読了

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大久保町は燃えているか』(田中哲弥/ハヤカワ文庫JA)読了。

ようやく読んだ。面白かった・・・としか感想が出てこない話でございますね。

ナチス占領下の大久保町、って何?とかツッコミを入れてはいけない。これはボケではなく、大真面目な舞台設定なのだ。まさに言ったもん勝ちの世界である。大久保町はナチスの占領下にあるのだ!あるったらある!と作者に断言されてしまえばそれが真実。ツッコミを入れた読者の方が悪いのだ。ひどい話である。ひどい話と言っても別にこの作品がひどいというわけではなく、いや、ひどいと言えばひどいのだが、良い意味でひどい話で、どういう意味か分からんというツッコミに対しては、御説ごもっとも、と頭を下げるしかないのだけど、興味のある方はだまされたと思って読んでみるとよろしい。責任は持ちませんが。でも大丈夫。設定は奇抜だけど、いわゆる非日常に間違って巻き込まれてしまった主人公が、かわいいヒロインとロマンスしたり、タフ…でもない悪党とわたりあったり、格好良くアクション…はあまりしないけどたまにはしたりする超エンターテインメントであるからして、愉快な話が好きな人には断然おススメ。ばかばかしいけど、ワイルドなハードボイルドの空気、シリアスな雰囲気もあるのがたまらないが、シリアスな空気は数ページしか持たないのがこの世界の素晴らしいところですね。とりあえず河合さんは最強というかデウスエクスマキナというか、物語を神のごとき偶然さでもって支配していくところなどギリシア喜劇のごとき風格さえ漂う。つまり行き当たりばったりということです。嘘です。どっちが。

しかし、こうなると電撃文庫版のイラスト付バージョンも欲しくなる。おお、昔の自分よ、大久保町シリーズを買わずにいたとはなんとなさけない!

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2008.06.19

いつもと同じ日々

ふと気がつけば50万ヒット越え。

ただひたすら散漫に垂れ流していた妄想と駄文がどこまで意味があるのかと問えば、おそらくそこには意味など何一つ無いにせよ、まあ、別にそれでもかまうまいと考えるだけの悟りに到達するほど恬淡には生きられず、かといって、別にだれかに届けたい言葉があるわけでもなく、あえて言うのなら、なにかの表明をするというただそれだけの行為を、楽しいときもつらいときも更新したりしなかったりを繰り返しつつ、これからも出来るといいなと思う。

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2008.06.16

『メグとセロンⅡ 三三〇五年の夏休み(下)』読了

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メグとセロンⅡ 三三〇五年の夏休み(下)』(時雨沢恵一/電撃文庫)読了。

メグとセロンとその仲間たちの物語はひとまず終了・・・に見せかけて、ようやく序章が終わったと言うところみたいだ。アリソンから始まる”大陸シリーズ”(今、1秒で考えたシリーズ名)の中では、どうやらジュブナイルミステリの方向性で行くらしくあることを考えると、これは作者の新しい挑戦かも知れぬ。むしろ少年少女探偵団か?物語のとっかかり役(”古典部シリーズ”の千反田えるの役回り)のメグミカと、探偵役のセロン、荒事担当のラリーなど、それぞれの特技を生かした謎解き、冒険が主体になっていくのかもしれない。考えてみれば、物語が徹頭徹尾、学園と言う狭い空間で推移していったのも、このシリーズでは初めてかもしれない。少なくとも、1巻冒頭のシーンまでは続編が出ることは決定事項であるようななので、そこまでどのように物語が作られていくのか楽しみにしたい。

本当に、続きが出ることが確定されているシリーズっていうのは、それだけでありがたいよな・・・。

察してください。

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メモ

・なッ・・・?『ブラックベルベット』が打ち切りだと・・・!そ、そんなバカな・・・。一応の完結さえさせることも無く、中途半端なところでぶった切りですと・・・。

・世界はまた一歩絶望に近づいた。

・『メタルギアソリッド』のノベライズを買ったのだが、これ、ゲームをやるなら読むわけにはいかないよなあ・・・。さて、PS3を買うべきかどうか・・・。

・ところで伊藤計劃が書いていると言うのもすごいよな(『虐殺器官』は早く読まねば)。

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買ったもの

1.『サラン・故郷忘れじたく候』 荒山徹 文春文庫
2.『メタルギアソリッド GUNS OF THE PATRIOTS』 伊藤計劃 角川書店

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2008.06.15

『ダブルブリッドⅩ』読了

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ダブルブリッドⅩ』(中村恵里加/電撃文庫)読了。

この物語には、意外な展開と言うものは何一つ無い。ただ、物語はあるがままに、登場人物たちがそれぞれに与えられた役割(≒運命)を忠実に、そして十全に果たし切った末に辿りついた、当然の、そしてあるべき物語があるだけだ。

過酷な運命に対して、泣き言を漏らすことも無く、逃れようとするのでもなく、ただ受容する。押し付けられた運命に対して、泣き喚くことも無く、誰かに押し付けることも無く、背負い続ける。たとえ、その結末が悲劇でしかなかったとしても。悲劇的な運命を抗うことなく受け入れ、悲劇的な結末になった。果たしてそれは運命に対する敗北であろうか?運命に流された結果の無力さでしかないのだろうか?

その答えは、否、だ。

それはたぶん、僕が言うべきことではないのだろう。ただ過酷な道を歩むことになった人々にしか語ることを許されない事柄なのだろう。だが、僕は否であろう、と思う。

運命から逃れることは、実は簡単なことなのだ。ただ、すべてを投げ捨てればいい。責任も、しがらみも、役割も。その背負わされたものは、実のところ背負わされた本人には何一つ非があったわけではないのだから。ただ、そのように生まれてしまっただけ。本人の意思を無視して、無理矢理押し付けられただけ。そんなものをわざわざ背負う必要がどこにあるのだろう?放棄したとしても、誰に責められる筋合いではないではないか?

だが、”彼女”はそうしなかった。与えられた運命を甘受した。なぜなら、彼女がすべてを投げ出せば、彼女の愛する人達が不幸になることを知っていたからだ。時に運命と呼ばれるものは、一度逃げ出せばツケがたまる。ツケは利子をつけて必ずどこからか現れる。彼女はそれを承知していた。自分が逃げ出せば、更なる不幸が”自分以外の人達”にさえ降りかかるであろうこと。

だから”彼女”は運命を受け入れた。それがもっとも不幸が少なく、哀しみが少なく、わずかな希望があったから。そこに自分自身が無かったとしても。

いや、もしかしたらそうではなかったのかもしれない。不幸が少なく、哀しみが少ないことそのものが彼女の幸福であったのかもしれない。それは本人以外はだれにもわからないことだ。

そして彼女はわずかな希望にすがりつき、そしてわずかな幸福を救いあげた。それはとてもとても幸運なことのように見えて、とてもとても哀しいことだった。そしてとてもとても勇敢なことだった。そこには愛があった。運命に対する怒りは無く、出来る限りの事をやったと言う感慨だけがあった。押し付けられた理不尽に対する恨みは無く、与えられた命に感謝していた。奪われ続けたことに対する哀しみは無く、得ることが出来たわずかなものを愛おしんでいた。

つまるところ、彼女は幸福に生まれた。幸福に生きた。そして、幸福なまま死んだ。

つまるところ、彼女は歪んでた。狂っていた。そして、とてもとても気高かった。

ふざけるんじゃねえ、と思った。

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メモ

・アニメ化やらなにやらでやたらと評判のいい『鋼殻のレギオス』を読んでみた。すごく面白い。と言うか、これはすごい。作品の持っているポテンシャルとしては、個人的印象だと『オーフェン』に匹敵するかも。富士見ファンタジアは、まだこんな作品を抱えていたのか…。

・世界観も独自に作り込んでいるいるし、いわゆるライトノベルにありがちな設定のための設定じゃなくて、ちゃんと物語に奉仕している設定になっているのが素晴らしい。

・またキャラクター的にも興味深い。最強の実力を持つ主人公が失われた戦う理由を取り戻すと言うビルドゥンクスロマンと、そんな天才である主人公に対するヒロインたちの凡人であることへの葛藤が両軸となっている。その両軸が物語を強く駆動させていて、とにかく読んでいて感心すること仕切りである。

・才能のあることがイコール強いとは限らないんだよね。この天才と凡人の描き方は良いなあ。

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買ったもの

1.『アンゲルゼ 最後の夏』 須賀しのぶ コバルト文庫
2.『処刑御史』 荒山徹 幻冬舎文庫
3.『文学賞メッタ切り! たいへんよくできました編』 大森望/豊崎由美 PARCO出版
4.『鋼殻のレギオス』 雨木シュウスケ 富士見ファンタジア文庫
5.『鋼殻のレギオスⅡ サイレント・トーク』 雨木シュウスケ 富士見ファンタジア文庫
6.『鋼殻のレギオスⅢ センチメンタル・ヴォイス』 雨木シュウスケ 富士見ファンタジア文庫
7.『鋼殻のレギオスⅣ コンフィデンシャル・コール』 雨木シュウスケ 富士見ファンタジア文庫
8.『鋼殻のレギオスⅤ エモーショナル・ハウス』 雨木シュウスケ 富士見ファンタジア文庫
9.『鋼殻のレギオスⅥ レッド・ノクターン』 雨木シュウスケ 富士見ファンタジア文庫
10.『鋼殻のレギオスⅦ ホワイト・オペラ』 雨木シュウスケ 富士見ファンタジア文庫
11.『鋼殻のレギオスⅧ ミキシング・ノート』 雨木シュウスケ 富士見ファンタジア文庫
12.『レジェンド・オブ・レギオス リグザリオ洗礼』 雨木シュウスケ 富士見書房
13.『レジェンド・オブ・レギオスⅡ イグナシス覚醒』 雨木シュウスケ 富士見書房
14.『サーベイランス・マニュアル2』 関涼子 GA文庫
15.『神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・リザレクター2』 大迫純一 GA文庫

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2008.06.13

『狼と香辛料Ⅷ』読了

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狼と香辛料Ⅷ 対立の町』(支倉凍砂/電撃文庫)読了。

エーブ萌え!最高!!・・・と言うオレは異端だろうか?いや、そんなことは無い!(反語)

いいじゃないですかエーブ。タフでクールで手段を選ばない女商人で、狼を思わせる孤高を秘めているなんて最高です。ほんのちょっとだけどロレンスに興味を持って、ほのかな共感をお互いに感じ合っているシーンなんて、まるでロレンスの浮気を見ているみたいで背徳感があってたまりません(とたんに昼メロの様相)。あと、ロレンスとホロのコルの3人は誰がどう見ても親子にしか見えませんね!ホロとはいちゃいちゃバカップルぶりを繰り広げながらもコルの目を気にして正しい大人として振舞おうとするロレンスはすっかり男親の心境だよ。ホロは以外と過保護な母親になりそうな。いや、一見ではやさしく、その実は鬼のように厳しく、でもやっぱり過保護、みたいな。なにそれ。しかし、物語はそんなほのぼのファミリーアニメを駆逐せんとする魑魅魍魎の魔窟に陥ったロレンスの絶体絶命のまま次回に続く。ロレンスの苦境が非常に嫌な意味でリアリズムがあって最悪に素晴らしかった。勘弁してくれ。

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2008.06.12

『カッティング ~Case of Mio Entanglement~』

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カッティング ~Case of Mio Entanglement~』(翅田大介/HJ文庫)読了。

まさかミオとカズヤの話の続きが読めるとは思わなかった。てっきりオムニバス形式で行くのかと。

当初は相思相愛だった二人の間に、葛峰姉弟が関わりを持ってきて、誤解が誤解を呼びすれ違っていく話だった。そのまんまだ。ええと、要するに、どんなに相手のことを理解しようとしても、完全に相手のことを理解できるわけではなくて、理解しようという行為そのものが、相手を傷つけることものある、という話、か?

カズヤの妹がにぎやかしとして出てきた序盤のほのぼのさは心地よい反面、相手が好きだからこそ、恋人に疑心暗鬼になっていくカズヤの心象は冷たく不快なリアル感があったなあ。その疑いこそ、冥府魔道の惑いというやつで、どこまで行っても切りの無い迷路のようなものなんだけど、そこから抜け出すのは、言うは易し、だよな…。それが最終的な悲劇に繋がってしまうわけだけど、これは一体どうなるのかな。まさかカズヤも…?なんにせよ、そうなったときの二人の関係の行方が分からない・・・。

ところで、高校生の初心な恋愛感情を描きながら、性的な事柄をがっちり書いているところが興味深い。たぶん、己の実存への曖昧さを、手の届く物質で形作ろうという欲求があるのだろうけど、その点をきちんと描いている作品は、ライトノベルとしては非常に珍しいと思うのでした。

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2008.06.11

『戦う司書と終章の獣』読了

51trjodtcvl__ss500_戦う司書と終章の獣』(山形石雄/スーパーダッシュ文庫)読了。

前回までの伏線を、引っ張らずに一気に大放出してきた。本当に驚くほどの凄まじい急展開。ちょっとインターミッション的な話を挟んだあとに、いきなり”世界滅亡”にたどり着いていしまうこの速度は素晴らしいとしか言い様が無い。なんだろう、これ・・・。ライトノベルとして、なにか新しい地平に到達しそうな勢いだ。思わずコードギアスを連想してしまう。けっこう共通項があって、読者の予想をはるかに上回る速度で物語を語る(しかも情報量は大量に仕込みながら)と言うところなどは、僕がコードギアスに感じる印象に良く似ていると思う。

わずか一巻の間に、伏線、溜め、爆発、意外性などなどありとあらゆる展開が詰め込まれていて、もう読んでいるこっちはどうしたらいいのか分からん!ただ一読者である僕は翻弄されるばかりだ。もう何も言うことは無い。今巻の衝撃的なラストを、更なる衝撃が塗り変えるであろうことを予想しつつ、次巻を待つことにする。

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2008.06.09

『紅~醜悪祭~(下)』と『紅 公式ファンブック』読了

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紅~醜悪祭~(下)』と『紅 公式ファンブック』(片山憲太郎/スーパーダッシュ文庫)読了。

醜悪祭が決着つかず、公式ファンブックにエピローグを書き下ろし、と言う方法がずいぶん叩かれているようだけれども、醜悪祭をきちんと結末をつけていればここまで叩かれずに住んだのだろうな、と思うとそれをさせなかった要因と言うものが、すこし気にかかる。作者のスランプか、アニメ化に合わせた強引な刊行計画か、はたまたその両方か(その可能性が高そう)。結論を出すのは難しい。内部事情の分からない部外者の身では、結局は推測でしかないものだし、推論で決め付けて、それを振りかざしたくも無い。しかし、納得の行かないもやもやは残る…。

すでにあちらこちらで、”醜悪商法”なる用語まで生み出されて、一時期は僕も興味深く傍観していたけど、結局、実情が分からない以上、広げようも無い話題ではあるしなあ。すでに下火になった印象もある(今は小学館の方が旬の話題か。これも難しい。一読者としては正義の漫画家、悪の小学館と決め付けたいところだが、そんな単純なものとも思えないし…。まあそれはさておき)、とは言え、やはり読者としては納得しがたいものがある。きちんとした説明がされることはとても期待できないしなあ。

ええと、本編の話。

事前に覚悟していたほどどうしようもないものではなかった。少なくともプロットは明快で、一度コテンパンに敗れた真九郎が、自分の戦う動機と言うものを見出し、再び絶奈に戦いを挑むという流れそのものには文句のつけようもない。問題はそこに至るまでのディディールの絶望的な足りなさだけだ。真九郎の意思を固めるまでの描写と、戦いの中で目覚める決意の描写が無く、ただ行動と結果だけが示され、読者にその意味が開示されることは無い。これでは読者に理解させようと言う努力を放棄していると捕らえられても仕方の無いところだろう。その点は不満ではあるが、逆に絶奈との戦いそのものは重要ではないと言えるので、決着が描かれないことそのものには不満はない。そういうやり方もあるのは理解できる。しかし、そのためには読者に納得させられるだけの、真九郎の決意の描写が必要になるわかで、その意味での批判は免れないのだろうなあ。

ファンブックの内容は、本当にエピローグと言う感じで、正直、必要性はあまり感じられない。後日譚と言うのが適当な表現か。まあ、物事を収めるべきピースに修めるという意味では必要な内容なのかもしれない。ファンブックに入れる内容なのか、と言うと、やはり疑問ではあるが。まあ、何らかの事情があるのだろう。

結論としては、やはり小説としては足りないものが多い。ファンブックの存在も不確定で、最初にも書いたけど、作家の不調と、制作進行のスケジュールの狭間で出した苦肉の策と言う印象が強い。しかし、それならば、もう少しスケジュールを遅らせることは出来なかったのか、とか、いろいろ思うこともあるのだが、少なくとも、作者が作品のことだけを考えられなかった可能性を考えると、気の毒だな、と思う。

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買ったもの

1.『紅 kure-nai(1)』 原作:片山憲太郎 漫画:山本ヤマト 集英社
2.『アイシールド21(30)』 原作:稲垣理一郎 漫画:村田雄介 集英社
3.『D.Gray-man(15)』 星野桂 集英社
4.『永遠の戦士ケイン 野獣の都』 マイケル・ムアコック ハヤカワ文庫SF
5.『シフトⅠ-世界はクリアを待っている-』 うえお久光 電撃文庫
6.『神様のメモ帳3』 杉井光 電撃文庫

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2008.06.08

『SAS(3)』読了

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SAS(3)』(鳥居羊/HJ文庫)読了。

うはうはハーレムものではあるものの、あまりそちら方面にはっちゃけないで、落ち着いた語り口になっているのが好ましい。ラブはあるけど、コメはない、けれども甘々な描写がたまりませんな。僕は基本的にラブコメそのものは好きでも嫌いでもないのだけど、この作者の作品に対する距離のとり方はすごくいい。一歩引いた目で物語の推移を見ている(計算している?)冷静さがある・・・ような気がする。立夏と紗友とアナスタシアの三角関係が、リヴォニアの王位継承権をめぐる政治的な問題として浮上してきて、恋愛感情としてだけではなく、王として人の上に立つ人間としての問題につながるというのはすごいと思った。個人の問題と社会の問題が密接しているという点では、これはセカイ系と言えなくもないような気もするのだけど、その間に政治と言うワンクッションが置かれているからことで、単に三角関係を楽しめば良い、というだけではすまない凄みを感じる。

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2008.06.06

『機動戦士ガンダムUC(4) パラオ攻略戦』読了

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機動戦士ガンダムUC(4) パラオ攻略戦』(福井晴敏/角川書店)読了。

良い意味で非常にガンダム。それでいて福井晴敏。とか書くと単純すぎるか?

前回で敵に捕らわれたナイーブな少年が、単純に敵と味方ではなく、生活、政治の問題で否応なしに争わざるを得ない、つまり戦争そのものを知っていくという成長譚となっていて良い。頑なな少年が、少しずつ敵であるハイネマンやマリーダに心を開いていく過程が、丁寧であると同時にものすごく滑らかな”速さ”が感じられて、まさにトミノガンダムらしい。一方、マリーダの苦難と言うのは、いわゆる”子供を戦争に借り出すことの悪”そのものをついていて、ああ、福井晴敏だなあ、と思うのだった。あと根本的なところで浪花節が飛び出してくるのも福井晴敏バナージとリディやりとりとか、お前らどこの任侠だ。

まあ、それはそれとして。

バナージとリディのダブル主人公制が確立してきたような印象。ミネバさまはリディについていってしまったけど(語弊がある)、そのまま思惑通りに行くとはとても思えないし、まだまだ苦難が続きそうだ。ユニコーンに搭載されたラプラスシステムの謎も少しづつ明かされ、ガンダムなのにガンダムっぽくない陰謀論的な展開があって、非常に興味深い。俺、何を読んでいるんだろう…という不思議さ、と言うか。

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2008.06.05

『レンズと悪魔Ⅶ 魔神決壊』読了

51dmjntqjdl__ss500_レンズと悪魔Ⅶ 魔神決壊』(六塚光/角川スニーカー文庫)読了。

中篇集・・・というか、中篇が二つ入っているという不思議な構成。これは一体どういう流れだ・・・?別にどこかで連載されていたというわけではないよな。わりとライトノベル的には珍しいような気もする。

中篇だと、物語をかなり圧縮しなくてはいけないので、普通の長編と比べると作家の手腕が問われる。スピーディーかつ物語を薄くならないというのが良い中篇であると思っているのだけど、それゆえに中篇はライトノベル的には嫌われるのかも。同じアイディアでも2篇書かないと本が出ない。

短編だと書き方自体が違う(と思う)ので、また話は変わってくるのだろうけど。

内容について。

「魔神決壊」
これは本編とほぼ地続きの作品。八眼争覇そのものからは少し外れるけれども、「結晶連鎖法」なる悪魔を破壊する力をめぐって、駆け引きが繰り広げられる。「結晶連鎖法」は極めて強力な能力なので、相手の油断と能力の隙をつくようにするバトルが繰り広げられる。本当にジョジョバトルになっていてなにかと楽しいです。ただ、不満点も個人的にあって、隙の突き方に、もっと破天荒さというか、意外性があればさらに良かったと思う。六塚光の合理性を重んじ、冷静な筆致は長所だと思うのだが、もっとはっちゃけてしまっても良いのではないか、と思わざるを得ない。個人的な感想だけど。

「結晶連鎖法」とアードレーというキーワードは今後の伏線かも。チェック。

「とげとオレンジとジャッジメント」
などと思っていたら凄まじいハイテンションなバカ話が出てきてびっくりした。完全にこっちは番外編の様相。スパイクボールなるこの世界のスポーツの、マフィアがからんでいるので、非常に血生臭い勝負を描く。「魔神決壊」もそうだったけど、どっちにもマフィアが絡んで来ていて、異能力マフィアものとしても読めなくも無いな。バベルハイズ自然史博物館の連中は、マフィアとつながりが強すぎる…。

とりあえずトゲトゲのボールを奪い合い、ある時には殴り合い、ある時には蹴り合い、ある時は殴る、と言うスポーツ。ルール無用の残虐スポーツですねハイ。こうした決闘と言うのは、紳士協定のようなもので、組織だったマフィア同士の抗争を避けるための代理戦争となる側面が多く、否定しきれない。(とはいえ、多くは血と鉄の掟がその裏ではあるものだが)。マフィアとつながりが強くなったせいで、このような組織抗争にも巻き込まれるようになってしまって、バベルハイズ自然史博物館の未来は波乱万丈だな。

しかし、そんな血生臭いスポーツが舞台で、しかも人の命がかかっているというのに(だからこそか)、狂騒に満ちたテンションで挑むエルバたちの凄まじさには呆然。敵対するマフィアのボスのバカ息子が実にクソ外道なので、そのクソ野郎のクソ悪巧みをぶち壊すべく奔走することはまあいいしても、絶対にエルバたちのせいで死人が出ているよな。良くても重症。とくにテッキの拷…いや、尋問は洒落になりませんから。なんという残虐ファイト。わたくし、残酷でしてよ。

バベルハイズ自然史博物館のメンバーは本当に恐ろしいやつらだと言うことが判明。むしろこいつらこそがマフィアみたいな存在だ。

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2008.06.03

『月光のカルネヴァーレ(3) ~白銀のカリアティード~』読了

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月光のカルネヴァーレ(3) ~白銀のカリアティード~』(J・さいろー/ガガガ文庫)読了。

ニトロプラス原作ゲームの外伝ストーリー、の完結編。全編クライマックスと言うか、疾走感に満ちたテンションが最後まで維持されていた。暗黒の崖っぷちへのチキンレースにも似た破滅的なテンションと、美しくさえある恋情が絡み合い、最後の悲劇へ物語はなだれ込む。

J・さいろーがノワールアクションを書くというのを初めて聞いた時は、一体どんなものが出てくるのか想像もつかなかったけれども、予想以上であったということは言えるだろうな。

バロットラの子供たちを失い、マスケリーノへの復讐も無意味で、圧倒的な喪失感を抱えたアレッシオが、最初から剥奪されていたノヴェラと情を交わす。そうして得た束の間の平穏を、決してアレッシオは受け入れることが出来ない。最後に、子供たちを殺した人浪だけは、八つ裂きして叩き潰し、必ず銀の弾をぶち込まないでは一歩も前に進むことは出来ない…。

そうして、すべてを失った男と、これから手に入れる男がぶつかり合い、女はただ男のそばに、奪われるだけの人生の中で、初めて自分の意思で、抗い戦う。

復讐を果たした先には何があるのか。抗ってなにが得られるのか。そんなことには関係なく、ただただ戦い続ける人と狼と人形のおはなし。

その結末は、めでたくもあり、めでたくもなし。

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メモ

・『プリズマ☆イリヤ』・・・これはひどい(良い意味で)。衛宮さん家のイリヤさん・・・の派生で出来た魔法少女もの・・・これ『Fate』だよな?

・『マブラヴオルタネイティヴ トータル・イクリプス』の新しいの。ラブ分が抽出されるととたんにえろげーっぽくなってしまうのは、やはりカラーと言うものか。

・『荒野』が出ていたので買った。ファミ通文庫版を購入していた身としては、非常に複雑な気持ちだが…まあ完結したということで文句は言うまい。

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買ったもの

買ったけど書いていなかったものばかり。

1.『プリズマ☆イリヤ(1)』 企画原案:TYPE-MOON 漫画:ひろやまひろし 角川書店
2.『マブラヴオルタネイティヴ トータル・イクリプス(2)』 吉宗綱紀 ファミ通文庫
3.『新しい太陽の書(2) 調停者の鉤爪』 ジーン・ウルフ ハヤカワ文庫SF
4.『黎明の星(上)(下)』 ジェイムス・P・ホーガン ハヤカワ文庫SF
5.『円環少女(8) 裏切りの天秤』 長谷敏司 角川スニーカー文庫
6.『惑星のさみだれ(5)』 水上悟志 少年画報社
7.『今日の早川さん(2)』 COCO 早川書房
8.『Tesoro オノ・ナツメ初期短編集』 オノ・ナツメ 小学館
9.『荒野』 桜庭一樹 文藝春秋
10.『ブラックジュース』 マーゴ・ラナガン 河出書房新社

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2008.06.02

『ミステリクロノⅢ』読了

51tadjx31kl__ss500_ミステリクロノⅢ』(久住四季/電撃文庫)読了。

今度は倒叙ミステリときたか。真里亜が消滅してしまうという衝撃的な冒頭から始まって、その地点まで物語がどのように到達していくかを描くわけだけど、ちょっと叙述トリックも入っているような。時間を遡ったり進めたり止めたりと、クロノグラフを使用したトリックはやたらとややこしい。主人公側にもいろいろと手札が増えてきたということなんだろうけど、これから、もっとクロノグラフが増えてくると、使用できる手段の増加は半端なことじゃないぞ…。今回は犯人側ではなく、主人公側がクロノグラフを使用させて、その問題の回避を行っているあたりはさすがだった。もっとも、これからがどうなるのか分からないが…。

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