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2008.06.12

『カッティング ~Case of Mio Entanglement~』

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カッティング ~Case of Mio Entanglement~』(翅田大介/HJ文庫)読了。

まさかミオとカズヤの話の続きが読めるとは思わなかった。てっきりオムニバス形式で行くのかと。

当初は相思相愛だった二人の間に、葛峰姉弟が関わりを持ってきて、誤解が誤解を呼びすれ違っていく話だった。そのまんまだ。ええと、要するに、どんなに相手のことを理解しようとしても、完全に相手のことを理解できるわけではなくて、理解しようという行為そのものが、相手を傷つけることものある、という話、か?

カズヤの妹がにぎやかしとして出てきた序盤のほのぼのさは心地よい反面、相手が好きだからこそ、恋人に疑心暗鬼になっていくカズヤの心象は冷たく不快なリアル感があったなあ。その疑いこそ、冥府魔道の惑いというやつで、どこまで行っても切りの無い迷路のようなものなんだけど、そこから抜け出すのは、言うは易し、だよな…。それが最終的な悲劇に繋がってしまうわけだけど、これは一体どうなるのかな。まさかカズヤも…?なんにせよ、そうなったときの二人の関係の行方が分からない・・・。

ところで、高校生の初心な恋愛感情を描きながら、性的な事柄をがっちり書いているところが興味深い。たぶん、己の実存への曖昧さを、手の届く物質で形作ろうという欲求があるのだろうけど、その点をきちんと描いている作品は、ライトノベルとしては非常に珍しいと思うのでした。

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