『七姫物語 第五章 東和の模様』読了
『七姫物語 第五章 東和の模様』(高野和/電撃文庫)読了。
戦乱の世の大河ドラマを、一人の少女の視点から見るという基本ラインをそのままに、それ以外の人々のドラマを描く、群像劇としての側面がますます強くなってきた。お互いに異なる正義、思想を持ち、確固たる理念に基づいて行動するものもいれば、流されるままに生きるものもいるけど、それぞれが精一杯に生きようとしているところが伝わってくる。七都市以外からの戦乱分子が介入を始めて、東和の未来はきな臭さを増す一方なんだけど、そんな中、主人公の少女は、自分に出来ることを、自然体にやろうとしているところが爽やかである。そんな彼女が、厳しい戦乱の中で、何を思い、どんな行動をとっていくのか、非常に楽しみである。おそらく、物語的には、主人公は、己の保護者であり共犯者でもある二人から、自立と言うか、己の意思と言うものを確立させていくことになるかと思うのだけど、逆にそういった方向に行かず、まさしく飄々として物語るやもしれず、とにかく予測しがたいところもあり、一筋縄ではいかない。とても良いものですなあ。
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