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2008.04.18

『さよならピアノソナタ2』読了

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さよならピアノソナタ2』(杉井光/電撃文庫)読了。

どこのエロゲか、という浅薄な感想を口走りそうになったのは主人公のあまりのハーレム体制に正直嫉妬したからに他ならない。腕力バカな幼馴染とセンシティブ音楽少女に飽き足らず、無敵系先輩までフラグを立てるだと…。なにをするだァ―――!許さん!!などと意味もなく激怒したジョナサン・ジョースターっぽい台詞を口走ってみる(自分、紳士ですから)。

それはともかくとして、今まで組んだバンドが全部解散してしまったのって、先輩が毎回こういうことをやっているからじゃないのか?と思わずつっこみたくなったが、まあ感情を完全に制御下おけるとは限らないよね、人間として。まあしょうがない。

でもまあ、それがトラブルの種であることには違いなく、今回はまさに部活内部の微妙な恋愛(未満)関係のこじれが中心となっている。しかし、音楽と恋と革命の物語とはよく言ったもので、恋愛模様の中にも、音楽をテーマに、そのきしむ人間関係を超克していく志向があって、実にさわやかであるなあ。音楽は、人と人の間に横たわる巨大なディスコミュニケーションを乗り越える力がある、という”幻想”(そう、それは幻想なのだ。そんなものでは人間同士が分かり合うことなど出来ない)を”真実”にしようとすることが重要なのだ、と作品を読んで思った。

幻想でもなんでも、とにかくそう信じなくてはなにも始まらない。信じてしまえば、あとはそれを本当のことになるように、”自分自身が動く”ことが必要なんだよな。その意味では、音楽とは祈りに似ているのだな、と思う。届くかどうか分からない誰かに向けて放たれるもの。それは、生きることすべてを嘲笑するニヒリズムに対するアンチテーゼとして機能しているようにも思えるし、きっとそれは音楽だけではなくて、さまざまなアプローチがあるんだろうな、というようなことも思えるのだった。

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