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2008.04.30

『マーベラス・ツインズ(2)、(3)』を読んだ。

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マーベラス・ツインズ(2)地下宮殿の秘密(3)双子の運命』(古龍/ゲームシティ文庫)を読んだ。

2巻では、花無缺との戦いの後、崖から落下した小魚児のその後。

もちろんわれらが主人公はこんなことでは死ぬはずもなく、その冒険の末に飛び込んだのは十大悪人の一人、色妖女(しかし、名前を聞いただけでどんなキャラかもろバレだよな…)につかまってしまう。同じくつかまっていて美少年だが性情陰険狡猾な江玉郎と力を合わせて脱出する逃亡を企むも、色妖女の罠にはめられて、過去の大達人が作り出した地下迷宮をうろつきまわるという話。

今回の相棒役にあたる江玉郎は、もうなんの躊躇無くどうしようもない悪人であるところが古龍先生の素晴らしいところですね。小魚児の隙があろうものなら躊躇無く殺そうとする江玉郎と小魚児の間の虚実入り混じる駆け引きがあまりに愉快すぎる。切れ味が鋭すぎて半分コントになっているけれども、小魚児が一歩立ち回りをミスっていたら死んでいますよねこれ。己の命を駆けた駆け引きですら楽しんでしまう小魚児の業の深さを垣間見える。あと、今回出てきた秘伝書って、小魚児のパワーアップフラグか?

十大悪人のうちのさらなる1人、軒轅三光は常人とは異なる価値観のもとに行動しているもの、どこか憎みきれないユーモアがあってたまらない。そのユーモアの行き先で善人だろうが悪人だろうが殺されたり手足を引きちぎられたり、逆にお金をもらったり命を助けられたりする。キャラ濃すぎだけど、まあ今に始まったわけじゃないよな、と3巻を読んだあとだとそう思う。

3巻では、それから3年後…ではなく、小魚児と花無缺の間の因縁はいかようにして生まれたのか、という話。どうも話に聞くところだと、原作の1巻目の内容みたいですね。翻訳の段階で、謎を後に引っ張るために3巻目に回したらしい。よって、この間から読み始めるても問題ないようだ。まあ、この巻に出てきた登場人物がほとんど再登場しないことを考えると、編者としてもわりと悩ましいところだったんだろうな。

名前だけは良く出ていた小魚児と花無缺の父親、江楓や、名前だけは有名だった燕南天にいかなる災厄が降りかかったのか、という話。英雄の中の英雄と呼ばれた燕南天の、末路はあまりにも無残であったなあ…。あと、武侠小説での恋愛は命がけの法則にたがわず、江楓は完全に女の嫉妬で殺されました。その嫉妬の念はその子にまで波及するあたり、彼女らの憎悪に限界はないのか…。ヤンデレなんて言っている場合じゃねーぜ。

十大悪人は名前らしくやっぱり極悪非道でした。誤解ではあったけど燕南天に対する手口の残虐さは怖気をふるうぜ。小魚児が爽やかに育ったのは完全に本人の資質の賜物だな…。もしかしたら、廃人となった燕南天がどこかで影響を与えたのかもしれないけど。とはいえ、悪のスーパーエリート小魚児の育児タイムにおいては、それぞれ悪人たちなりの愛情(みたいなの)があって、なんかほのぼのとしてしまう。悪童に手を焼かされつつも、その悪ぶりをお互いに自慢しあったりしてみてらんない。この親バカ共め!!

こういう作品を読むと、善人と悪人の境目なんて、ひどく危ういものであるとつくづく思う。

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