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2008.04.30

『マーベラス・ツインズ(2)、(3)』を読んだ。

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マーベラス・ツインズ(2)地下宮殿の秘密(3)双子の運命』(古龍/ゲームシティ文庫)を読んだ。

2巻では、花無缺との戦いの後、崖から落下した小魚児のその後。

もちろんわれらが主人公はこんなことでは死ぬはずもなく、その冒険の末に飛び込んだのは十大悪人の一人、色妖女(しかし、名前を聞いただけでどんなキャラかもろバレだよな…)につかまってしまう。同じくつかまっていて美少年だが性情陰険狡猾な江玉郎と力を合わせて脱出する逃亡を企むも、色妖女の罠にはめられて、過去の大達人が作り出した地下迷宮をうろつきまわるという話。

今回の相棒役にあたる江玉郎は、もうなんの躊躇無くどうしようもない悪人であるところが古龍先生の素晴らしいところですね。小魚児の隙があろうものなら躊躇無く殺そうとする江玉郎と小魚児の間の虚実入り混じる駆け引きがあまりに愉快すぎる。切れ味が鋭すぎて半分コントになっているけれども、小魚児が一歩立ち回りをミスっていたら死んでいますよねこれ。己の命を駆けた駆け引きですら楽しんでしまう小魚児の業の深さを垣間見える。あと、今回出てきた秘伝書って、小魚児のパワーアップフラグか?

十大悪人のうちのさらなる1人、軒轅三光は常人とは異なる価値観のもとに行動しているもの、どこか憎みきれないユーモアがあってたまらない。そのユーモアの行き先で善人だろうが悪人だろうが殺されたり手足を引きちぎられたり、逆にお金をもらったり命を助けられたりする。キャラ濃すぎだけど、まあ今に始まったわけじゃないよな、と3巻を読んだあとだとそう思う。

3巻では、それから3年後…ではなく、小魚児と花無缺の間の因縁はいかようにして生まれたのか、という話。どうも話に聞くところだと、原作の1巻目の内容みたいですね。翻訳の段階で、謎を後に引っ張るために3巻目に回したらしい。よって、この間から読み始めるても問題ないようだ。まあ、この巻に出てきた登場人物がほとんど再登場しないことを考えると、編者としてもわりと悩ましいところだったんだろうな。

名前だけは良く出ていた小魚児と花無缺の父親、江楓や、名前だけは有名だった燕南天にいかなる災厄が降りかかったのか、という話。英雄の中の英雄と呼ばれた燕南天の、末路はあまりにも無残であったなあ…。あと、武侠小説での恋愛は命がけの法則にたがわず、江楓は完全に女の嫉妬で殺されました。その嫉妬の念はその子にまで波及するあたり、彼女らの憎悪に限界はないのか…。ヤンデレなんて言っている場合じゃねーぜ。

十大悪人は名前らしくやっぱり極悪非道でした。誤解ではあったけど燕南天に対する手口の残虐さは怖気をふるうぜ。小魚児が爽やかに育ったのは完全に本人の資質の賜物だな…。もしかしたら、廃人となった燕南天がどこかで影響を与えたのかもしれないけど。とはいえ、悪のスーパーエリート小魚児の育児タイムにおいては、それぞれ悪人たちなりの愛情(みたいなの)があって、なんかほのぼのとしてしまう。悪童に手を焼かされつつも、その悪ぶりをお互いに自慢しあったりしてみてらんない。この親バカ共め!!

こういう作品を読むと、善人と悪人の境目なんて、ひどく危ういものであるとつくづく思う。

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徒然のこと

・『コードギアスR2』を観ていて。

・「ボロ雑巾のように捨ててやる!」とか言い放つところなんかさすがルルーシュという感じでドス黒いのだが、いよいよとなったら情にほだされて苦悩するんだろうな、ということが目に見えてわかるので、不快感が全然沸かないな。これが人徳というものだろうか。

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メモ

・恐ろしいまでに眠い。寝ようと思うと、1日15時間ぐらい寝てしまっている。

・やっぱり、先日、仕事とは言え完徹をしてしまった影響だろうか。とにかく、眠くて眠くてどうしようもない。

・近況。

・気力体力が底をついた。無意味に忙しい。

・重い本がなかなか読めず、もっぱらライトノベルか漫画ばかり読んでいる。

・アニメについて。

・以前あげた作品(『紅』と『ブラスレイター』と『仮面のメイドガイ』と『コードギアス』の第二期、『RD 潜脳調査室』)に加えて、『マクロスF』、『我が家のお稲荷さま。』、『二十面相の娘』という8作品視聴体制となった。

・『マクロスF』はいままでのシリーズにおけるお約束の集積を踏まえたうえで、いかに独自性を獲得できるかによって作品の評価は変わりそう。今のところはまずまず。ラブコメとしても面白い。

・『我が家のお稲荷さま。』は原作既読、まあ、原作のゆるーさをきちんとアニメにしているところはまず評価。すごく面白いとも思わないのに、何故か見てしまう。…初見の人は、ありがちなアニメだ、と切って捨てる前に、スルメをかみ締めるようにじっくり眺めるのが吉。

・『二十面相の娘』も原作既読。一話だけだと、原作を知っている自分でさえ地味で古臭い演出と感じてしまうのだが、その古臭さを含めて、昔のルパン三世ものを楽しむような気持ちに切り替えると面白く観れる。いい怪盗アニメだ。一方、ヒロインであるチコ(しかし、平野綾の声は存在感がありすぎ。どこが病弱やねん。成長後のチコなら問題ないが。)が、素直で可憐でいて芯の強い女の子が、二十面相のもとで小悪魔的な成長を遂げていくのもすごくいい。順調に悪女の道を歩んでいるようだ。

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冲方丁の『シュピーゲル』シリーズについて感想を書いていない件について

日記にはしばしば言及しているものの『シュピーゲル』シリーズの感想を書かないのは、単に自分がまだこの作品について言及できる領域に到達していないから。本当の意味でこの作品を語るためには、僕には知識が、経験が、何より意思が足りない。

このシリーズは、それぐらいの気持ちで向き合わないといけない作品だと思う。

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2008.04.29

買ったもの

1.『レンズと悪魔Ⅶ 魔神決壊』 六塚光 角川スニーカー文庫
2.『オイレンシュピーゲル肆 Wag The Dog』 冲方丁 角川スニーカー文庫
3.『WORKING(5)』 高津カリノ スクウェア・エニックス
4.『多重人格探偵サイコ(12)』 原作:大塚英志 漫画:田島昭宇 角川書店
5.『起動戦士ガンダムUC(4)』 福井晴敏 角川書店

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2008.04.26

『ねくろま(4)』読了

ねくろま(4)』(平坂読/MF文庫J)読了。

なにはともあれ4巻の壁を突破できて良かった良かった。『サイレントラヴァーズ』の無念があっただけに、喜びもひとしお。僕が。

結局、あれですか。売れるためならなりふり構わぬ、己の魂まで売りさばかんとする平坂読の執念が実った、ということなのだろうか。いや、別に貶しているわけではないんだけど、この作者にしては、かなり手加減している作品ではあるから、窓口は広くなっていると思われる。記号化をしすぎて、もはやなにかを超越している感もある萌え展開も、今のところギリギリのラインで”萌え”に留まっているようだし。

しかし、それゆえに重度のヒラサカヨミストである自分としては、物足りないところが多い。確かに、幼女も裸もエロもいくらでもあるのだが、例えば主人公がよくわからん自意識に振り回されて暴虐魔王となって必然性のないエロスに学園を叩き込んだり、前巻ですわラスボスか!?とおもわされたある人物(+四天王と八鬼将と三人衆と十二魔将)が冒頭で瞬殺されたりするシーンは強制的に脱力させられてしまうほどの凄みを感じないでもないのだが、全体で見ると非常に当たり前のラブコメで処理されてしまうところ、やや物足りなさを感じてしまった。

もっともこれは、繰り返しになるが、重度のヒラサカヨミストである自分だからであって(実際、先述した冒頭のシーンや、なんの意味もなくエロを叩き込むシーンのくだらなさなど、良い点はいくつもあるし、平坂読の独特なセンスは出てきている)、一般的に見れば十分に逸脱しているとも思う。とは言え、どこか足りない、という感覚は拭いがたく、いかな冒険精神とて資本主義の厳然たる理に逆らうことが難しいと言うことに、わずかに寂莫を覚えるのだった。

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2008.04.25

買ったもの

1.『紅~醜悪祭~(下)』 片山憲太郎 スーパーダッシュ文庫
2.『戦う司書と終章の獣』 山形石雄 スーパーダッシュ文庫
3.『よくわかる現代魔法(1) new edition』 桜坂洋 スーパーダッシュ文庫
4.『地を駆ける虹(3)』 七位連一 MF文庫J

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2008.04.24

『サイレントラヴァーズⅣ 真実を君に』読了

サイレント・ラヴァーズⅣ 真実を君に』(吉村夜/富士見ファンタジア文庫)読了。

またしても4巻で完結か。どうにも吉村夜は4巻の壁が破れないらしい・・・。まあ、当初からの予定通りだったのかも知れないけれど。

前回の引きで現れたもう一人のセツナの存在は、まあそれしか無いよなと言うところで落ちた。まあ魂の唯一絶対性なんて、いまどき流行らないしな。そんなの信じている人もいないだろ、たぶん。<偏向しています。これは、アンタレスの悲劇性をあおる意味と同時に、きちんと物語を落とす以上、そして、これで人間に戻れてめでたしめでたしなんてことがあるはずもないことも考えれば、実にどこも丸く収まるわけで、まあ、それはそれでいんじゃね。

結局さ、この作品で言い続けていることってのは、どんなひどい状況にあったとしても、それはなんのいいわけにもならないし、してはいけないということなんだよな。体が機械になっちゃった。ああ大変だ。恋人とも添い遂げることが出来ない。悲劇だ。でも、そんな悲劇に撃ち折られるのではなく、それでも、そんな体でも、何か出来ることがあるはずだし、何かが出来るのなら、それは不幸なことではないはず、なんだろうよ。個人よりも、より大きなもののために生きる。それは、個人としての行き方ではないけれども、決して貶めてはいけないもののはず(この辺の価値基準って、現代ではわりと転倒しているよな。個よりも全を優先することが、悪いことだと思われている。それはあまりにも乱暴すぎる)。

だからまあ、このラストは、たぶん、ハッピーエンドと言っていいんじゃないかな。別に格好付けでもなく、いや、ちょっとぐらい痩せ我慢はあるかもしれないけど、それだって自分で選んだことだもんな。

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『円環少女(7) 夢のように、夜明けのように』読了

51th76wu4nl__ss500_ 円環少女(7) 夢のように、夜明けのように』(長谷敏司/角川スニーカー文庫)を読んだのだった。

魔道師たちにとっては”地獄”に相違ない世界で生きるのは大変何だろうな、と同情する環境は揃っているのに、事態がそれを許さない。あまりにもアホな状況にただただあっけにとられるばかり。これは良いびっくりドッキリ魔法人間ですね。わかります。

各短編の合間に全体をつなぐショートストーリーが入っているという作品を読むとなぜか思い出すのが牧野修の『忌まわしい匣』だったりするのだが、なんでなのか自分でも分からん。なんか強烈に印象が残っているんだよなあ。

はいはい、何の関係もありませんね。すいません。

以下各話感想。

「しあわせの刻印」
刻印魔道師の悲惨な人生と、その中でも幸せをつかみとろうと人はもがく。今までわりとありえなかった、フツーの刻印魔道師と言うやつがどんなものなのか、その一つの姿を描いていると同時に今作における唯一のシリアス作品。まあ、仁とメイゼルにとっては、それは一つの希望でもあるんだよな。ある意味、フツーに良い話。

「つながれる愛のしるし」
しりとりで魔法を発動させる天盟体系ってマジで使い難くね?その分、発動したときの問答無用さは突出しているが…(認識されたら魔法が破壊されてしまうのなら、認識されない概念そのものを魔法にすればいいじゃない、と言う理屈か?・・・間違ってるような気もする)。それにしても近接戦闘では使いたくない。だからこそ”愛”なんてものに拘っているんだろうが。てゆか、インマラホテプはいったいどうなったんだ!?放置か!

「薔薇はうつくしく散る」
小学校にも生徒会ってあるところにはあるんだなー。それにしたって、”選挙活動”をしようと言う発想を小学生がすること自体がすごい。確かに、常にトップに立とうと考えている人間しか出来ないよ!すごいなあメイゼル。まあ、結局それもきっと本題ではなくて、犬…じゃなくて、賢猟大系の魔道師が今回のびっくりドッキリ魔法人間です。うーん…匂いと味から魔法を引き出す魔法体系か。結局、メイゼルの犬(そのままの意味です)になりたがったのは、魔法と関係があるわけじゃなくて、コイツの趣味か…。あまりにも脈絡が無さ過ぎるけど、メイゼルには女王役がこの上なく似合っているので不自然さが無いのが問題だ(いや、冷静に考えれば不自然極まりないんだけど)。

「ハダカのこころで」
はいはい、口絵に出てくるセラに仰天した人も多いでしょう。しかし、いまだに錬金体系で”全裸”という相関関係がさっぱり分からんのだが…(以前、理屈は説明されたけど、納得しがたいというか…)。まあ、ひどい目に合う担当である寒川さん家のお嬢さんが主人公でした。なんか魔道師に好かれる体質なのかしらね。セラは常識は無いが良識はある人らしく、紀子(寒川さん家のお嬢さんの名前です)の陥った困った事態を何とかしようと奮闘するわけですが、その困った事態のほとんどの原因がセラ自身であるということが問題だ。まあ「紀子の母です」と言ったときには、正直感心したが(服を着ていたしな)(←重要)。ともあれ、ここで再登場と言うことは、今後も出てくる目もあるのかな。

なにやら新しい敵も出てきて、次の巻への前ふりもばっちり。相変わらずきずなと同棲している仁には正直殺意しか抱けないんですが、組織の後ろ盾を失った彼が、どこまで状況に抗えるのか、次回を楽しみにしましょう(でもきっと抗えないで押しつぶされてしまうんだろうな。きっと)。

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2008.04.23

買ったもの

1.『マーベラスツインズ(3)双子の運命』古龍 GAMECITY文庫
2.『永遠の戦士フォン・ベック(2) 秋の星々の都』マイケル・ムアコック ハヤカワ文庫SF
3.『新しい太陽の書(1) 拷問者の影』ジーン・ウルフ ハヤカワ文庫SF
4.『エマ(10)』森薫 エンターブレイン

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メモ

・メモ
忙しくてずいぶんサボってしまった。体力的に既に限界を突破。危うく倒れるかと思った。

スプライトシュピーゲルが恐ろしく面白いなあ。特に、”ライトノベルとしても”面白いというところに作者の特異性が現れている。ライトノベルとして読まなくても(つまり、キャラ萌えとかしないでも)面白いし、そうでなくても面白い。というか、キャラ萌えと言うものを、ここまで自分のものにしているとは、冲方丁、おそるべし…。冒頭のエピソードなんて、ラブコメのような軽さと障碍差別の問題を融合して、感動的な物語になっていて、涙が出そうになった。年を取ると涙もろくなって困る。TRPG!?ドラマガだからこそのネタだなあ。

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2008.04.19

買ったもの

1.『ハヤテのごとく!(15)』 畑健二郎 小学館
2.『結界師(20)』 田辺イエロウ 小学館
3.『ヨルムンガンド(4)』 高橋慶太郎 小学館
4.『ZETMAN(9)』 桂正和 集英社
5.『魔法先生ネギま!(22)』 赤松健 講談社
6.『スプライトシュピーゲルⅣ テンペスト』 冲方丁 富士見ファンタジア文庫

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『デュラララ!!×4』読了

51p89e5iaql__ss500_デュラララ!!×4』(成田良悟/電撃文庫)読了。

なんか…非常に感想を書くのに困るのは一体どうしたことなのだろうか…。面白いか面白くないかで言えば面白いのだけど、読み終えた後になんにも残らない。まあ、今にはじまったことではないのだけど、インパクト重視と言うか、読み終えた後に、「結局、どういう話だったの?」と問われたときに、「えーと…恋するセルティは新羅のことを思うとなぜかトラブルになっちゃうの?」としかいえないあたりに成田良悟らしさ出ているというか…。あ、殺人鬼の彼女と感情の無い男のラブストーリーみたいな読み方も出来ないこもない…か?あとはネタとパロディのオンパレードで、まあ相変わらずお祭りの前日を描くのは上手いよね。いい加げん、お祭りを描いて欲しいんだけど…と思わず品の無い皮肉も言いたくなってしまうが。というか、シリーズを広げすぎで、全体の展開が遅くなっているような気がするのが気にかかる。どうも、一冊読んでも、全然それで物語が終わった気がしなくて、平然と次回に続くになっているのはどういうことなのか…って、あ、分かった。書きながら腑に落ちた。これ、要するに雑誌連載の漫画と同じなんだな。一話ごとに山場があるけど、物語は次回に続くんだ。だから、この不消化感は、読み方を間違っているということなのか。一冊を話の一区切りと考えるからおかしくなるんだろう。だから、大切なことは物語を追うことだけじゃくて、その瞬間での最大風速のインパクトを素直に受け取っておく、と言うことなんだろうか…(あまり自信がない)。

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な、なにぃ!

http://www.honeykicker.com/2008/04/post_197.html

TYPE-MOONの新作の一つのシナリオライターが星空めておと茗荷屋甚六だと!?

月姫のリメイクの話題もついに来たか、と言う感じだが、それらをすべてぶっ飛ばすこの衝撃…。

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2008.04.18

『さよならピアノソナタ2』読了

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さよならピアノソナタ2』(杉井光/電撃文庫)読了。

どこのエロゲか、という浅薄な感想を口走りそうになったのは主人公のあまりのハーレム体制に正直嫉妬したからに他ならない。腕力バカな幼馴染とセンシティブ音楽少女に飽き足らず、無敵系先輩までフラグを立てるだと…。なにをするだァ―――!許さん!!などと意味もなく激怒したジョナサン・ジョースターっぽい台詞を口走ってみる(自分、紳士ですから)。

それはともかくとして、今まで組んだバンドが全部解散してしまったのって、先輩が毎回こういうことをやっているからじゃないのか?と思わずつっこみたくなったが、まあ感情を完全に制御下おけるとは限らないよね、人間として。まあしょうがない。

でもまあ、それがトラブルの種であることには違いなく、今回はまさに部活内部の微妙な恋愛(未満)関係のこじれが中心となっている。しかし、音楽と恋と革命の物語とはよく言ったもので、恋愛模様の中にも、音楽をテーマに、そのきしむ人間関係を超克していく志向があって、実にさわやかであるなあ。音楽は、人と人の間に横たわる巨大なディスコミュニケーションを乗り越える力がある、という”幻想”(そう、それは幻想なのだ。そんなものでは人間同士が分かり合うことなど出来ない)を”真実”にしようとすることが重要なのだ、と作品を読んで思った。

幻想でもなんでも、とにかくそう信じなくてはなにも始まらない。信じてしまえば、あとはそれを本当のことになるように、”自分自身が動く”ことが必要なんだよな。その意味では、音楽とは祈りに似ているのだな、と思う。届くかどうか分からない誰かに向けて放たれるもの。それは、生きることすべてを嘲笑するニヒリズムに対するアンチテーゼとして機能しているようにも思えるし、きっとそれは音楽だけではなくて、さまざまなアプローチがあるんだろうな、というようなことも思えるのだった。

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買ったもの

1.『人類は衰退しました(3)』 田中ロミオ ガガガ文庫
2.『月光のカルネヴァーレ(3) ~白銀のカリアティード~』 J・さいろー ガガガ文庫
3.『角獣の書 暁と黄昏の狭間Ⅲ』 西魚リツコ トクマ・ノベルズEdge
4.『ホワイト・ファング 狼よ、月影に瞑れ』 麻生俊平 トクマ・ノベルズEdge
5.『GENTE〜リストランテの人々〜(2)』 オノ・ナツメ 太田出版

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メモ

・最近、忙しいというより生活が乱れており、体調が激悪。とにかく眠いのに眠れねえ。

・『マルタ・サギー』が死ぬほど面白くて困る。なんというか、マジックというか、魔法的空間の香りが非常に強い。

・カード戦争という設定は、あくまでもミステリの体裁を整えるためのガジェットに過ぎないなこれ。カードを普通に魔法と言い換えても何にも困らない。

・たまにはアニメについても。
 今見ているのは『紅』と『ブラスレイター』と『仮面のメイドガイ』と『コードギアス』の第二期、『RD 潜脳調査室』といったところ。

・『紅』。これは素晴らしいアニメだと思います。いや、別に7歳ヒロインが可愛いとかそう言うことじゃなくて(無い訳じゃないけど)、なんか、作品としての「格」が違うかな、と。PVを観たときから面白そうだと思っていたけど、これほどとは…。傑作になるかもしれん。そういや、この作品の監督って『ローゼンメイデン』のアニメを作ったひとなんだね。納得。

・『ブラスレイター』。まあ虚淵玄が関わっている時点で観ない選択肢はなかろう。内容はアメコミっぽいダークヒーローもの、になると見せかけて、そういったお約束をことごく打ち破る展開に驚きを隠せません。ゲルトの転落人生っぷりに涙が…。虚淵玄がシリーズ構成という時点でバットエンドは確定しているので、これからどんな残酷な展開が待ち受けているのか心配だ。

・『仮面のメイドガイ』。いや、これはもうメイドガイことコガラシに、小山力也をあてた時点で成功を約束されてね?というのは半分戯言ではあるが、あまりのハマり具合にびっくりですよ。あくまでも真剣に主人のことを考えている真摯さと、変態性あふれる行動が見事に調和しておる…。

・『コードギアス』の第二期。面白いですねえ。個人的には、一期を反復するような展開でありながら、ルルーシュとカレン、ルルーシュとスザクなど、関係性が激変しているところが興味深い。カレンはルルーシュの正体を知ってしまっているから、今までとは同じ態度ではいられないだろうし。ルルーシュとスザクについては、実は立ち位置が一期と逆転しているんだよね。ルルーシュは『なにかを捨てるという発想ではブリタニアには勝てない』と、ある意味目的のための手段を選ぶ発言をしたし(まあ、どこまで本気か分からんが)、スザクは逆に、目的のためには友達を売る、つまり目的のためには手段を選ばない行為に手を染めたあたり、同じように見えて、実は立ち位置が真逆。なんなんだろうなあ、これ…。

・『RD 潜脳調査室』。上山徹郎キャラデザのむちむちアクションがたまらない…のはおいておいて。やっぱ時代はジジイ萌えだよな!という僕の持論に時代が追いついてきたようだ。ごめん、嘘だ。

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2008.04.14

『メグとセロンⅠ 三三〇五年の夏休み(上)』読了

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メグとセロンⅠ 三三〇五年の夏休み(上)』(時雨沢恵一/電撃文庫)読了。

『リリアとトレイズ』シリーズのスピンオフシリーズ。リリアの級友であるメグと、彼女に恋焦がれるセロンの、ひと夏の冒険物語。

メグとセロン、というタイトルだけど、今回は実質的にセロンの視点から物語はつづられる。容姿端麗、頭脳明晰な彼の、好きな女の子に告白どころか話しかけるきっかけすらつかめず悶々としたり、親友にからかわれたり、せっかくお膳立てしてもらったチャンスすら”もの”に出来ないと、恋する駄目男子のヘタレっぷりを遺憾なく発揮させており、端的に言って大変に萌えー。恋愛下手男子萌えーはわりと一般的なのではないでしょうか。主に腐女子的に(偏見)。僕はわりと腐女子的観点からも萌えられるタイプであるのでなんの問題もないけれども、それを除いたとしても、かのセロンのおたおたぶりは、男子諸兄にも大いに共感を寄せられることでありましょう(何言ってんだこいつ…)。しかも、そんな情けないセロンくんが、メグのことからちょっとでも離れれば、その明晰なる頭脳を駆使して謎に立ち向かうヒーローぶりを発揮することにより、感情移入をさせた読者の爽快感をうながすことにまで繋がっており、実に技巧的な作品である。天然っぽいメグ嬢も、読者に反感をもたれ難い造型をしており、時雨沢恵一隙無し!の印象をますます高めている。

ただ、非常に技巧的であるがゆえに、僕程度の読者にすらその作品の構造が透けて見えてしまっているところがやや惜しいところもあって。これは時雨沢恵一作品全般に言えることなのだが、作品のテーマに対して、作者が非常に冷静な視点を常に保持している点があり、作者が冷静で、技巧的である分、読者もそのテーマをトレースしやすく、構造を理解しやすいということでもある(もっとも、これが果たして欠点であるのか、という点には一考の余地がある。少なくとも、その明確さが、良い意味での”軽み”を物語に付与している点は認められる)。

まあ、こんなことをぐだぐだ言う必要はあんまりなくて、少年少女たちのひと夏の恋と冒険物語という点で極めて普遍性を保っており、なつかしきジュヴナイルを思わせる作風が好ましく感じられるのであった。

だったらいちいちケチをつけるなよ、と自分でも思わないでもないのだが、上記の記述はあくまでも、自分が時雨沢作品にたいして感じていたものの、現時点での一つの表明であり、自分自身への備忘録として、一応記す。わざわざこんなこと断りを入れている時点で極めて姑息だなあ、と自分でも思うのだが、姑息な発言をして困るのは自分だけなんでまあいいだろう。

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買ったもの

1.『マルタ・サギーは探偵ですか?(6) オスタスの守護者』 梨原花南 富士見ミステリー文庫
2.『ツマヌダ格闘街(1)』 上山道郎 少年画報社
3.『ツマヌダ格闘街(2)』 上山道郎 少年画報社
4.『ツマヌダ格闘街(3)』 上山道郎 少年画報社

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2008.04.12

『新興宗教オモイデ教外伝(2) ~夜考事件~』読了

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新興宗教オモイデ教外伝(2) ~夜考事件~』(原田宇陀児/ガガガ文庫)読了。

ミステリで言うところの事件編のようである。つまり、続き物の一巻と言うことだ。…その事実に読み終わるまで気がつかなかった自分に腹が立つ!なぁんてこった!続きが、続きがー!今回は、前巻で重要な役目を果たしたヒロインが主人公となって事件に関わってくるのだけど、前巻で力を失ってしまっているので、基本的に事件に翻弄されしまうのだけど、まあ一巻の主人公がそのまま出てくると、事件は始まる前に終わってしまうから、仕方の無いことなのかな…。全体的に、土着の血縁、伝統をモチーフとした陰惨さを扱っている作風で、まさしく横溝正史っぽい。ただ現代的な軽さも併せ持っていて、非常に面白く読めた。原田宇陀児って不思議な作家だなあ…と思った。

そして事件に巻き込まれるヒロインだけど、結局、例によって探偵Zが介入して(こいつら、いつもこんなことやってんのか。本当に正義のヒーローになるつもりか…)、事件は無理矢理収束されてしまうのであった。これだから超越メタ探偵は困る…。ヒロインに(読者にも)なんの解説もないまま解決されてしまっても、凡俗としては途方に暮れるしかないんですが…。とはいえ、自分自身に疑いを覚えてしまったヒロインは、ついに、我らが真の主人公であるヤツを召喚する!…のかな?一巻の時点の能力を保持しているのなら、基本的に最強にして無敵だからな…。メタ探偵VS無敵探偵の対決かよ…一体、物語はどこに言ってしまうのかしら。まあそんなことはどうでもいいから早く続きを出してくださいお願いします。

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2008.04.11

メモ

http://d.hatena.ne.jp/flow2005/20080407/p1

筒井康隆がライトノベルに挑戦!という話は前から聞いていて、まったく、わざわざ”ライトノベル”なんて但し書きをつけなくてもいいのになあ、いつもどおりの筒井康隆になるんだろうし、とか思っていたのだけど、まさか挿絵が”いとうのいぢ”だとは、そのあまりの本気ぶりに愕然とした。ライトノベルを過剰に語ろうとする太田編集長は、個人的にはあまり好きになれない(やり方があざとすぎる)のだが、この徹底ぶりには、ある種の敬意を払わざるを得ないなあ。まあ、これを受け入れた筒井康隆もすごいが。

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『零崎曲識の人間人間』読了

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零崎曲識の人間人間』(西尾維新/講談社ノベルス)読了。

この零崎シリーズは、どうも焦点がはっきりしないというか…アクションを楽しむのか、それとも純粋にキャラ萌えをすればいいのか、それともメタに読むべきなのか、難しいよね。まあ考えてみれば、西尾維新はいつもそんな話ばかり書いているような気もするけどさ。隙(と言うか空白)がありまくるくせに、読み方だけは多様、と言うか。小細工、と言うのではないんだけど…なんか、読者に対してフェアじゃねえ作家だと思うんですよ。考えすぎ?たぶんそーだろーなー。

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2008.04.10

『アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭』読了

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アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭』(須賀しのぶ/コバルト文庫)読了。

須賀しのぶってこういうのも書くんだなあ、とちょっと感心したものの、よくよく読んでみると、学園異能ものっぽく始まっておきながら、強固な世界観が全体を覆い始め、少女の日常をからめとっていくという展開で、やっぱり須賀しのぶの描くものは、どうしても個人のみの視点ではなく、より広い方向に開けているんだな、と感じた。

どういうことかと言うと、まあ、人類の敵と戦っている現実とはことなる現代において、その戦いに巻き込まれる主人公、と言うテンプレートを取ってみるといかにもな作品なんだけど、彼女自身がいかに努力しようとも、運命という理不尽で、不条理な出来事に翻弄されてしまうため、なかなかカタルシスを得られない。と言うか、そもそも勝利することなど、土台が不可能なことなんだよね、彼女の巻き込まれたことは。彼女が巻き込まれた時点で、すでに決定的なことは終わっていて、彼女はその最終段階を追認したに過ぎない。ひどい話ですよ本当に。やってられないよ。

『だけれども』、と言うところから、須賀しのぶの作品は始まるんだよね。絶望の確認からのスタート。その絶望を追認するまでに支払った犠牲の大きさに、主人公は、決して逃れようとはせず、受け止め、立ち向かおうとする。そのためには、小さな、学園のような世界では、決して起こりえないもっと広い、政治的、社会的な視野を持つことが必要で、それがなくては、大人にいいように利用されてしまうだけなんですよ。もちろん、そんなこと、ついこの間まで、友達の輪から外れたら世界が終わったような気分になってしまう主人公が、そんな視点を持てるわけないじゃないですか。無いんですよ。

『だけれども』、とさっき書いたけど、それが無くては、結局、いつまでも、どうしようもないんだよね。否応なしに、彼女は、日常の裏で動いていた出来事に関わっていかなくてはならない。それは、大人の社会に組み込まれ、駒として扱われることを意味するけれども、それまでは、駒ですらなかった。その自覚(子供の世界からの目覚め)を促し方が、ちゃんと社会と言うか、”大人”の世界の背景が感じられるところが、この作品を凡百の学園異能にとどめることなく、オリジナル(と言う言い方も変か?)なものを保持しているところなのだろうと思うのです。

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2008.04.09

買ったもの

1.『ミステリクロノⅢ』 久住四季 電撃文庫
2.『剣の輪舞(増補版)』 エレン・カシュナー ハヤカワ文庫FT

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『マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス(1) 朧月の衛士』読了

51tlrcpptkl__ss500_マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス(1) 朧月の衛士』(吉宗綱紀/ファミ通文庫)読了。

なんつーか…濃いなこれは…。もう、唯々月たすくがイラストを描いていなかったら、本当にただの架空戦記ものというか、ようするにトップガンじゃねえのよ。文章も端整だし、巻末の設定資料も詳細だし、ものすごいストイック。マブラヴは、実はかなり噛み砕いて作品を作っていたということがよくわかりますな。あれはかなり啓蒙的と言うか、熱いテーマが込められていたけど、こっちはある意味、各国の冷たい駆け引きの中で生まれる人間関係を、淡々に、冷酷なまでに突き放した描写になっている。明らかに対象読者を変えてきているな…。マブラヴと言う世界をより幅広い方向にアピールするという側面もあるのか?ともあれ、原作ゲームが出て一年以上たっているのに、外伝がいまだに出ているのが奇跡的だと言えることなんですが、これを読んで、マブラヴのことをより多くの人が知ってくれるのであれば何も言うことはありませんね。

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メモ(愚痴とか)

・マルタ・サギーの6巻が見つからないんだが…。発売から中途半端にタイミングが悪かったか。

・てゆか、野梨原花南すげえええええ!

・『マルタ・サギー』って、ちょ、おま、これ完璧にファンタジーの文法で描いているじゃん!?ミステリー文庫なのに、ミステリじゃない、などと言うレベルじゃなくて、完全にファンタジーじゃないですか!

・一巻冒頭数ページを読んだだけで、ひしひしと伝わる現実否認から生じる異世界のイメージ。となると、いつかはその帰還まで描かれるのであれば、完全に”行きて還りし物語”の原型を使用しているようだ…。

・冒険の出発がコンビニだったり、冒険の手段がカードゲームだったりするのは、召還の方法と、主人公の魔法の力を現代的に語りなおしただけで、ストーリーから構造的にもファンタジーだよなあ。

・大体、開始すぐにカード関係なくなっているし…。

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買ったもの

1.『マルタ・サギーは探偵ですか?』 野梨原花南 富士見ミステリー文庫
2.『マルタ・サギーは探偵ですか?(2)冬のダンス』 野梨原花南 富士見ミステリー文庫
3.『マルタ・サギーは探偵ですか?(3)ニッポンのドクトルバーチ』 野梨原花南 富士見ミステリー文庫
4.『マルタ・サギーは探偵ですか?(4)恋の季節』 野梨原花南 富士見ミステリー文庫
5.『マルタ・サギーは探偵ですか?(5)探偵の堕天』 野梨原花南 富士見ミステリー文庫
6.『マルタ・サギーは探偵ですか?A collection of s.』 野梨原花南 富士見ミステリー文庫
7.『マルタ・サギーは探偵ですか?A collection of s.2』 野梨原花南 富士見ミステリー文庫
8.『世界平和は一家団欒の後に(4)ディア・マイ・リトルリトル・シスター』 橋本和也 電撃文庫
9.『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん4 絆の支柱は欲望』 入間人間 電撃文庫
10.『七姫物語第五章 東和の模様』 高野和 電撃文庫
11.『とらドラ7!』 竹宮ゆゆこ 電撃文庫
12.『福音の少年 時の神に抗いて』 加地尚武 デュアル文庫

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2008.04.08

『七本腕のジェシカ』読了

51ldjsy2brpl__ss500_七本腕のジェシカ』(木村航/MF文庫J)読了。

うへへへへ…たまらんなあ…これはもう純度100%の木村航じゃのう…むふふふ(キモイ)。と久しぶりに狂喜した木村航でありました。最近、hatikadukiさんといくつか意見交換をしたときに僕が勝手に定義した『己の内面世界をダイレクトに反映』させるタイプであるとともに、その内面世界、すなわち妄想を論理的に積み上げていく、ある種古橋秀之と同じ方向性を持っている人なんだよなー。ただし、木村航の場合、物語が進んで行くうちに世界観が登場人物たちの情念によって変質し、崩壊し、蹂躙されるのが特徴なんでございます。

この作品で言えば、もちろん異常なイメージの産物である”汎不死社会”と呼ばれる世界観があるだけど、これはつまり吸血鬼に支配された社会なんですね。ただし、作中では吸血鬼のきの字も出てこないところが徹底していて、つまり、そこで生きる人々にとっては、吸血鬼は吸血鬼ではなく、単に使えるべき存在、”貴族”でしかない。人間は、彼らに血を吸われることを名誉として、そうした人間は特別な存在”瀉血奴隷”として不死の恩恵を得る、といった、読者に対してノー説明で世界観に叩き込む力伎もまた木村航の特徴よなあ。なんにもわからんのに、とにかく凄いものを見せられたような気がしている。素晴らしいわー。

んで、瀉血奴隷として貴族の僕として生きるエドガーの住む街に、七柱の魔王をその身に宿し、貴族の魂の”刈り入れ”する(おそらくは”汎不死社会”における抑止者、審判者のような存在であろうと思われるが)”七本腕”のジェシカがやってくる。(我らの視点では)異常な世界において、しかし、汎不死社会に対する当たり前の疑問の根を抱くエドガーと、己のありかた、審判者としての責務に疲弊したジェシカが、お互いの中に同質の疑問、すなわち『我らは、なぜ、このようにして生まれ、このように生きなくてはならないのか』を見出すボーイミーツガールでもあるのだ!

わりとリリカル、ロマンティック。しかし、根本にあるのは狂気ともいえる人間の情念、否、情念こそ人間の本性であり、その想いが世界を変えていくのだ、と言う強い信仰。そして暴力的なまでもイメージの乱舞。やっぱ、木村航のこういうところが好きなんだよなー(古橋秀之から情念を増やして、論理性を減らした感じの作風、っていうと通じ易いのかな?)。

一巻でこれなんだから、さらに情念をねじ込んでくる二巻以降が嫌が応にも気になってくるってもんだ。とりあえず、一巻を読み返して、もう一度世界観を理解して待つことにするぜ!

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2008.04.06

『ギャルゴ!!!!(2) 地域限定焼餅大全』読了

51dcau3jzbl__ss500_ギャルゴ!!!!!2 地域限定焼餅大全』(比嘉智康/MF文庫J)読了。

主人公のクラスがいつのまにか、ギャルゲーゴッドからギャルゲットゴッドにチェンジしているのにびっくりした。なんだお前、人間の女の子にもフラグ立てまくりじゃねえか、と思ったところでちょっと思い出すが、考えてみれば”普通じゃない女の子”と言うカテゴリで考えれば、まあ許容範囲なのか。柄の悪い男に囲まれた女の子をさらりと助けようとしたりなんて、お前はどこまでギャルゲー主人公なの。しかし、ギャルゲーと違って、女の子を助けるためには不良どもと殴り殴られ、基本は殴られ必死に逃げ出すことが必要になるわけですけれどもね。この調子で無自覚に好感度フラグを立てまくって、ギャルゴの名を欲しいままにしていただきたい。

今回、新ヒロイン登場の巻ではあったものの(ライムはヒロインだよなあ)、セクハラセクシーフィギュア(ただし喋って動く)エリアスや、”和服の女性”の存在やら、ギャルゴをめぐってさまざまなな葛藤があるという展開で、まあ完全に怪談の話はどうでも良くなっているんですが…。このままラブコメ路線で行くのだろうか。まあ、元々そういう話だったような気がしないでもない。

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『えむえむっ!(4)』読了

51qrlgq8ljl__ss500_えむえむっ!4』(松野秋鳴/MF文庫J)読了。

今回は短編集…だがやっていることは今までとなんにも変わっておりません。もはや永遠のマンネリズムの領域(黄金パターン)に到達しようかというところ…と言うのはさすがに褒めすぎか。でも心情的にはそれくらい褒め称えたいところだなあ。

もう、マゾ主人公の非常に微妙な変態ぶりを基点に、よくもここまで話が転がせるものだと感心。ただ、今回はメインヒロインである嵐子はあまり表には出ないで、もう一方のヒロイン(と言うには描写が無さ過ぎるが…)である美緒に焦点が当たっているような気がする。

自分のことを神様と称し、誰かを助けようと暴走する(そして大抵上手くいかない)美緒が、なぜそうなってしまったのか、と言うことが、未だ明示はされないものの、表に出てきたようだ。

そして、そんな彼女になにやら含みのありそうな人物が、美緒様ファンクラブを利用してなにやら暗躍をしているようなのだが、そんなところに我らが変態…じゃねえ熱血主人公である太郎がとにかく熱い魂でぶつかっていくという、あれ?これって普通に良い話じゃね?と読み終わった後に爽やかな気分になれるおかしな読後感も健在であった。

まあ、作者の新しい領域(もう変態エロ熱血ヒーローものの領域)はよくわかったので、そろそろ別の方向性も見てみたいなーと思う。この作品、続けようと思えば延々と続けられそうなんで、どこかで区切らないといけないと思うんですよね。

まあ、美緒関係でもっと話が動いてきそうであるので、期待したいところであります。

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2008.04.05

『アレクシオン・サーガ <橋の都市>にて』読了

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アレクシオン・サーガ <橋の都市>にて』(五代ゆう/GA文庫)読了。つか、大分前に読んでいたのを忘れてた。

のだが…はあ…。なんでこの作品が打ち切りになるのかなあ…。いや、いろいろの事情はあるんだろうけどさ…。これでまた世界は絶望に一歩近づいた。五代ゆうのHPで文庫化されない部分が読めるので一応張っておくでよ…。

http://www011.upp.so-net.ne.jp/godai/

2巻目にしてエピックファンタジーの格調も高く、現代でここまで壮大極まるファンタジーを書く人も珍しいといわざるを得ない五代ゆうの作品でございます。これなー、橋の都市という舞台設定もいかにも昔ながらのヒロイックファンタジーと言う感じで良いのだけど、今のところアレクシオン自身にまつわる話が一向に明らかにされず、それらしいものを匂わせるだけで終わってしまっているところがあんまりだと思う、と、いかんいかん、またしても愚痴ってしまった。

作品そのものについて。アレクシオンが立ち寄った橋の都市で出会った少年を軸に、都市に渦巻く腐敗を暴き、陰謀を打ち砕くアレクシオン一行の活躍を描いている。どっちかと言うと、アレクシオンは自体にきっかけを与えただけで、未熟でおさない少年の健やかな成長を見守る部分のけっこう大きくなっている。いかにもヒロイックファンタジーの中篇と言う感じで、よく出来ておりますなあ。あとヘロディア可愛いよヘロディア(お約束を言ってみた)(こういうのラクでいいね)。

ようやく話が次で動くらしいのだが…なんか勿体無くて、作者のHPにあるやつが読めない。どーすっかなー。

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メモ

・本日の教訓。

・寝る前に、金庸読むな、読んだら死ぬぞ(明日が)

・これから寝よう、と言うときに『倚天屠龍記』の最終巻なんぞ手に取るんじゃなかった…(うなだれる)。

・最後まで読んじゃったよ…。

・あ、そーだ。

・『倚天屠龍記』は、金庸版『いちご100%』だと思っていた時期がオレにもありました。

・ごめん、ありゃ嘘だった。

・本当は『倚天屠龍記』は金庸版『School Days』だったようです。

・全編修羅場!ヤンデレ!というか完全に常軌を逸しています!この主人公である張無忌…なんというか…なんていう伊藤誠なのかと…。

・この凄まじさは、是非一度ご覧あれ…。

・全然関係ないんですが、『Y十M』のおゆらはエロ過ぎると思います。

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買ったもの

1.『倚天屠龍記(5)選ばれし者』 金庸 徳間文庫
2.『銀魂(23)』 空知英秋 集英社
3.『アイシールド21(29)』 原作:稲垣理一郎 漫画:村田雄介 集英社
4.『魔人探偵脳噛ネウロ(16)』 松井優征 集英社
5.『バスタード(25)』 萩原一至 集英社
6.『Y十M(10)』 原作:山田風太郎 漫画:せがわまさき 講談社

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2008.04.03

『マップス・シェアードワールド -翼あるもの-』読了

51hsdu77kwl__ss400_マップス・シェアードワールド -翼あるもの-』(長谷川裕一等/GA文庫)読了。

た、たまりませぬ…ッ。わたくしとしてはもう悶絶するとしか。もう書いているやつらはみんなマップスが大好きなのな!オレも好きだぜ!

えーと、書いている人たちは、小説が中里融司、新城カズマ、重馬敬、秋津透、古橋秀之、笹本祐一、でイラストが長谷川裕一本人、村枝賢一 、麻宮騎亜、三浦建太郎。…あらためて見ても凄いメンツだな…。村枝賢一のリプミラとか、なんかすげえものを見たような気が…(そこか)。

各話感想。

「迷子の宇宙戦艦」(笹本祐一)
冒頭に持って来るだけあって、ものすごくストレートなノベライズ。このままマップス本編のどこかに置いてもいいくらいに”いつものメンツ”が”いつも通り”の活躍をする話だった。おかげで、本編ではありえない”電子戦”と言う新機軸に取り組んだ作品であったことに読み終わってから初めて気がつきました。そりゃ、本編は20年ぐらい前の作品なんだから、インターネットも一般的ではなかったんだよなあ…。

「流星のジュディ」(中里融司)
”ぼくのかんがえたりーぷたいぷ”キターー!絶対誰かがやると思ってたけど、中里融司がやりましたか。長谷川裕一が絶対描かないマッチョ美女とか、わりと欲望がストレートなのが微笑ましい。かなり地味に登場人物を原作から捏造しているし、さすがわベテラン作家の伝奇脳っぷりは半端ないゼ!

「ソフティカ・リップ放浪記」(秋津透)
そーですか、秋津透はソフティカが好きなんですか…。いや、僕も好きですが。仲間を探して放浪するソフティカが、とある惑星にやってきてなんやかやと活躍するという、とりあえず作者のソフティカ好きっぷりがよくわかった作品でした。

「町からきた先生」(古橋秀之)
メアリー・ポピンズがキターー!おおおお、おま、フルハシさん、なんでアンタ、オレがメアリー・ポピンズが好きなの知っとんねん!?(知らねえよ)
まあ、実際は違うんだけど、リリカルかつちょっと切ない童話系のお話で、要するに白いほうのフルハシが存分に堪能できる作品でござった。女教師って…いいよね(うるせえ)。

「宙(そら)に往く船」(重馬敬)
やっちゃった!あーあーやっちゃった!どえらい捏造をやらかしちゃった!誰だよ!重馬敬に仕事を任せたのは!!本編からは近くて遠かった”ある人物”が主人公の作品なんだけど…重馬敬は、原作のキャラをどこまで自分の好き勝手にやらかしていいと思っているのか、いっそ問い詰めたい。小一時間ほど問い詰めたい(古い)。これ、どう考えても短編一作で終わる作品じゃねー…。

「さよなら三角、また来てリープ」(新城カズマ)
………最後にこんな変化球が。新城カズマって本当に”あの頃の僕ら”と言うテーマが大好きね!まあSFと言うジャンルが、そのテーマを内包しているという側面もあるのだろうが…しかし、一応、マップスがテーマのシェアードワールドなのにいいのかなこれ…。

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2008.04.02

メモ(備忘録みたいなもの)

エイプリルフールの影響か、今日はびっくりしてばかりだ。

・オイレンシュピーゲルの新刊は5月か…。

・小林泰三の新刊を書店で見つけて仰天する。

なんだこりゃ。↓
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ハヤカワのライトノベル的フォーマットの波はついに小林泰三にまで普及したのか…。昔はこんな表紙の作品ばかりだったのになあ。↓
41hz2p9bfdl__ss500__2

 

 

 

 

・これを見たときは絶対エイプリルフールだと思っていた。

http://key.visualarts.gr.jp/rewrite/rewrite.html (激烈に重い)

Keyから、田中ロミオや竜騎士07がシナリオを書いているゲームとか…普通に考えてありえないだろ!?でも4/2にも発表されているから間違いないんだな、これが…。

・秋田禎信が、士郎正宗とProduction I.G原作のアニメのノベライズとか…。およそ接点がみつからねえぜ!?

http://www.motsunabenohigan.jp/work/workinfo.htm

・『荒野の恋』の新作キターーーーーって文藝春秋かよ…。

http://ranobe-mori.net/news/2008/04_001768.php

たぶん、既存の2部に未刊行の3部を加えて完全版にするつもりなんだろうけど…。だが、なんだこの納得のいかない感は…。買うけど。

・なんだこの中途半端なサプライズ感は…。

http://d.hatena.ne.jp/giolum/20080402

谷川流+武田日向、と言うだけならなんかものすごいびっくりだが、原作じゃあなあ。

いや、別に悪いは言わないけど、谷川流が『普通』に面白い作品を書くと、本当に『普通』だからなあ。萌えと言う形骸をツールとして使うだけになる予感。

やるなら絶望系まで突き詰めてくれないと。

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買ったもの

1.『天体の回転について』 小林泰三 早川Jコレクション
2.『たま◇なま ほしいものは何ですか?』 冬樹忍 HJ文庫
3.『ドアーズⅡ 新たなる敵を修繕せよ!』 神坂一 角川スニーカー文庫
4.『帝冠の恋』 須賀しのぶ コバルト文庫
5.『マリア様がみてる マーガレットにリボン』 今野緒雪 コバルト文庫
6.『氷室の天地(1)』 原作:TYPE-MOON 漫画:磨伸映一郎 一迅社

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メモ

エイプリルフールだったけど、そんな事をしている暇は無いのであった。と言うか、家に帰ったらあと15分で終わってしまう4月1日でどうしろと。なんか悔しい。悔しいが疲労しすぎているのですぐに寝ゆ。

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『瞬撃のヴァルキリィ』読了

31edebxqkml__aa200_瞬撃のヴァルキリィ 』(深見真/ファミ通文庫)読了。

SF武侠アクション(レズもあるよ!)と言う内容だった。もうこれだけですべて説明し尽くせるのが深見真の恐ろしいところである。世界に対してマジで正義を振りかざすものすごい青臭い倫理と言うのは、正直、ものすごく危険だし、そもそもそんなもん言葉だけじゃねーか、とか思うものの、やっぱり一定のカタルシスはあるんだよなあ。ようするに、馬鹿は死ね、肥えたブタも死ね、クズも死ね、と言う話なわけで。まあオレのような人間は真っ先に殺されそうな世界観ではあるなあ…。なんつーか、本当に深見真を読んでいると、ルサンチマンに溢れた自分の青春時代を思い起こさせられる…。あの頃の自分の思考回路をぶちまけられているようで、非常に恥ずかしくもあり、情けなくもある。けど、深見真の作品を読んでノスタルジーに浸るやつは、間違いなくろくな青春を歩んでないよね!(はいはいすいませんでしたー)

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2008.04.01

『フルメタル・パニック!せまるニック・オブ・タイム』読了

51xjvyiwnyl__ss500_フルメタル・パニック!せまるニック・オブ・タイム』賀東招二/富士見ファンタジア文庫)読了。

わーい、作中のとある主要人物が盛大に死亡フラグを立てに立てまくっていたので、こりゃやべーなーと思っていたらやっぱりかよ!賀東招二は人員整理に容赦が無いなあ…。ちょっと読者にショックを与えようと言う意図が透けて見えるのがなんともかんともだけれども、”彼”のラストショットの描きこみはなかなかハイテンションな書き込まれているのでそこは良いかな。ただまあ、どうも上手さよりもあざとさを感じてしまうのは、伏線の張り方がやや唐突で、しかも、わかり易すぎるせいかな…。お約束を安直に使い過ぎ、と言うのは自分でも批判として適当なのか分からないのだが、そんな感じだ。”彼女”とのロマンスが、前の巻あたりで行われていたら、もしかしたら気にかからなかったかもしれない…。

あと、レナードは悪役としてはちょっと安くなりましたね。頭を撃たれて人格変貌、ってのも良くある話のような気もするが、単に破壊願望に執りつかれただけではただのチンピラだぜ…。もうちょっと、彼の動機をはっきりさせて欲しかったところ。まあ、最終巻がまだあるから、そこでひっくり返す可能性もあるので保留にしておこう…。

ともあれ、この作者のことだから、王道で一直線に行ってくれる可能性が高い。今回登場した”ラスボス”も含め、納得の行く爽やかな結末になるであろうことは間違いないだろう(ここでひっくり返したら、作者はものすごく性格が悪いことになるが…)。この作品を評価出来るようになるのはそれからかな。なんにせよ期待だ。

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