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2008.03.15

『under 異界ノスタルジア』読了

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under 異界ノスタルジア』(瀬那和章/電撃文庫)読了。

かなりハードにして本格的な伝奇アクション小説。物語の舞台や土台を、学園異能などで良くあるテンプレートでごまかさずに、独自に構築しようとするあたりに作者のこだわりが感じられる。僕はわりと設定厨なんで、”死”そのものを理論的に系統立てて、バトルアクションを成立させているところなんか、読んでいるだけで楽しくなってしまった。また、異界の設定とビジュアルイメージがなかなかおぞましくも美しく(死と言うものの唯一性を冒涜しきったこの設定をみよ!まるでブロイラーハウスみたいじゃないか!)、素晴らしかった。

ただ、まだまだ荒削りな点も非常に多くて、設定が設定のまま放置されていて、物語そのものにはあまり関係がない点が、僕の趣味とは微妙に外れてしまった感がある。まあ、魔界都市新宿のように、異界を設定し、その異界でも冒険譚を描こうとしているのかもしれないけど、ややセリフに説明的過ぎる点があることと、そもそもストーリーそのものにあまりピンとこなかった点が残念だった。どっちかと言うと、異界[死]を強烈にイメージさせるドロドログチョグチョな描写がなかなかにおぞましく僕の好みだったので、そっちの方に持って行ってくれると、牧野修みたいな感じで楽しくなりそうなのになあ(今思ったけど、この作者って、わりと牧野修とタイプが似ているかもしれない。ストーリーそのものよりも、細部へのこだわりが強い点なんか特に)。

と言うわけで、牧野修好きなライトノベラーであれば、わりと抑えておいたほうが良いんじゃないかと思う一作でした。電撃文庫で出ているのは、たぶん出す会社を間違えている。

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