« 『ツァラトゥストラへの階段2』読了 | トップページ | 『トポロシャドゥの喪失証明 -ソウルドロップ彷徨録』読了 »

2008.03.10

『柳生百合剣』読了

51x4ycudtl__ss500_
柳生百合剣』(荒山徹/朝日新聞社)読了。

今更ながらだけど読んだ。……何と言うか……たしかに世の中には悪意で営める職業というか、己のエゴで営める職業が存在するのだな、と思った。ここまで己の欲望、嗜好、好悪、愛憎を赤裸々にぶちまけている作家は、正直なところ他にそれほど多くは知らないのだが(ベクトルは違うけど古川日出男くらいかもしれん)、この『柳生百合剣』もやはりひどかった。もちろん単純に奇想とかスケールの大きさと言う点においては荒山徹作品の中ではわりと大人しい…と言うか、普通に面白い伝奇小説の範疇に収まっているのだけど、この作品は、もう単純に作者の大人気なさ大爆発と言う点でひどい。

いや、何が言いたいかというともちろんウラギリジョーのことなんですがね。なんつーか、『SHINOBI』に恨み骨髄、末代まで祟らんとでも言うべき吐き気を催す執念を感じたよ。そこまでオダギリジョーが嫌いかと。いや、嫌いなんだろうけど、自作の中でパロった上にそのプライドをズタズタにするようにぶち殺したあたり、本当に恐怖いたしましたよ僕は!そもそも、このウラギリジョーって、ストーリー上でまったく存在の必要の無いキャラであることが明らかである以上、本当に私怨を晴らすためだけに登場させたんだろうな…。

なんと言うか、本当に荒山先生は小説家になって良かったですよね!他の職業についていたら大変なことになっていたよね、きっと!!

あとは…まあ大体において普通に面白い伝奇小説であったと言って良いんじゃないかと思いました。まあ敵の(例によって朝鮮妖術ですよ)仕掛けた柳生断絶の妖術がノー伏線ノー説明であるあたりはいつものことだし、百合剣の意味が分かった瞬間に”アホか!”と思わずつぶやいたりするのも荒山作品なら普通だし、石破ラブラブ天驚拳だったりするのも、まあ荒山徹だしなあ・・・で済ませられるし。うん、何も問題はないな。

|

« 『ツァラトゥストラへの階段2』読了 | トップページ | 『トポロシャドゥの喪失証明 -ソウルドロップ彷徨録』読了 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/29313/17449301

この記事へのトラックバック一覧です: 『柳生百合剣』読了:

« 『ツァラトゥストラへの階段2』読了 | トップページ | 『トポロシャドゥの喪失証明 -ソウルドロップ彷徨録』読了 »