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2007.12.08

『さらば、愛しき鉤爪』読了

さらば、愛しき鉤爪』(エリック・ガルシア/ヴィレッジ・ブックス)読了した…んだが、なんだこりゃ、面白過ぎる。

探偵、ヴィンセント・ルビオは、親友でありパートナーでもあったアーニーが謎の死を遂げた後、ケチな仕事で糊口をしのぎながらも、アーニーの死の真相探っていた。あるとき、またしてもつまらない仕事と思われた事件から、陰謀の匂いを嗅ぎ付ける。ルビオはそこに望みを賭けで真相に挑む…と言う話なのだが、それは本題ではない。実はヴィンセント・ルビオは現代まで生き延びた恐竜の末裔だったのです――――(何を言っているのかわからないと思うが、本当だ)。

実は現代を生きる恐竜(ヴェロキラプトル)であるルビオが恐竜社会を揺るがす事件に挑むという話なんだけど、正直なところ一体どういう発想をすればそんなことが考えられるのか理解に苦しみます。まあ、人間に知られぬように社会で生きる異種族のハードボイルドという設定だけ見れば、平井和正のアダルトウルフガイシリーズと言う先例はあるんだけど、その異種族が”恐竜”ってのはまったく想像の埒外だった。いや、まさにコロンブスの卵。こんな使い古されたアイディアから、ここまで新しい発想が出来るんだなあ。

内容はいわゆる伝奇ハードボイルドアクションに分類される(まさにウルフガイと同じタイプ)娯楽エンターテインメントに仕上がっている。ちんけな私立探偵でしかない主人公が、その異種としての力とタフな精神力と洒脱な話術で巨大な陰謀に挑む、と言うのが基本的なストーリーラインなんだけど、どうもこの世界は恐竜が相当数存在しているみたいで、恐竜社会でのみ物語が進行していくのが特徴か。そのために、社会に疎外されるものという印象が少なくて、雰囲気は明るく爽やかでさえある。主人公を始めとするキャラクターも魅力的でいうことねーなー。主人公がサラに対してフォーリンラブに陥って、洒落たセリフも吐けなくなってへどもどしているシーンじゃ主人公に萌え萌え。探偵としては有能なのに、どうにも間抜けな印象を受けてしまうルビオはマジ萌えるぜ。物語中盤から主人公の相棒役を務めるグレンダもいいなあ。全然女らしくないけど、むしろバディものとしてはそこが良いのだ。うむ。

物語そのものも、恐竜と人間と言う異種が存在することをきちんと盛り込んでいるので評価できる。決して思いつきだけで主人公を恐竜にしたわけじゃない(まあ0ではないだろうけど)と思わされた。

まあ、ハードボイルド・パロディの一つではあるんだけど、伝奇アクション的な要素を強く持っている作品なので、むしろライトノベル的な要素が強いのかもしれないなあ、とか今思った。なるほど…(なるほどじゃねえ)。

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