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2007.12.19

『サイレントラヴァーズⅢ 作戦名<大蛇>』を読んだ

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サイレントラヴァーズⅢ 作戦名<大蛇>』(吉村夜/富士見ファンタジア文庫)読了。

連合軍VSカイオン軍の戦いもいよいよ佳境といったところか。戦況を決定付ける作戦に挑むクロスナイフ小隊の前に、一人の復讐鬼が立ちふさがる…と書くと本当にベッタベタな展開だ。だがむしろそこがいい。戦いの前に一致団結して盛り上がったり、それまで積み重ねてきた努力が少しずつ実ったり、決戦を前に揺れ動く心や、さらにセツナの正体バレの危機、そして激戦に次ぐ激戦と、誰ひとり勝者のいない戦争の苦さなど、まさに王道中の王道展開をケレン抜きで堂々と描きぬいている。いやーここまで積み上げられると”ベタ過ぎ”とかそういう感想も無意味。堅実も極めれば重厚さをまとうようになると言うもので、ただ圧倒させられる。面白かった。ただソウルドレインを初めとするシステムと言うか思想には倫理的な危うさが見え隠れしてきた。要するに、他に多くの人間が塵のように死んでいくというのに、”彼”を助けようとするのはエゴでしかないと個人的には思うのだが。今後、どのような倫理的説明を付けていこうというのか興味深い。おそらく作者はそのあたりの答えも織り込んでいると思われるので、今後の展開に注目していきたい。

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