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2007.12.31

『とらドラ6!』読了

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とらドラ6!』(竹宮ゆゆこ/電撃文庫)読了。

今年最後の本の感想はこの作品。竹宮ゆゆこ女史には、『わたしたちの田村くん』を読んだ時に仰天してひっくり返った(比喩的表現)(使い回すな)ころから、ずいぶんと遠くに来たように思います。あとはアニメ化だけですね。

青春絵巻もついに6巻になって、ついに色々なものに決着が着きつつある。北村がひたすら憧れて追いかけている相手である生徒会長、狩野すみれの発言により、多大なショックを受けた北村がどん底に落ちぶれながらも、竜児たちの励ましでもってギリギリで踏ん張る話…のように見せかけて、完璧超人であった狩野すみれの内面を、強気な言動がほつれていく様を描くようにして明らかにする話…でもあると同時に竜児を巡って、大河、実乃梨、亜美の間にある微妙な感情のもつれがついに表面化してくる話である。実乃梨の言動と行動はかなり分かりやすくて、親友の裏切っている(と思い込んでいる)ことで自分に対する嫌悪と苦悩があるのだけど、それを助長しているのが大河の竜児に対する感情の不明瞭さ。大河の気持ちは、僕は竜児に対する恋愛と言う方向には現時点では行っていないと思っていて、彼女と竜児はこの世界で生きる上での”同士”であり”戦友”であるのだが、その絆を周囲から見たときどう思われるのかと言うことにあまりにも大河も竜児も無自覚すぎるのが問題なのだ。その問題を亜美はよくわかっていて非常にもどかしい想いを抱えているのだけど、それを実乃梨に伝えてしまうところが亜美の根本的なお人好しさを現している。この3人の関係はかなり複雑なものになっているのだけど、その関係にまったく気がついていないのが竜児の罪深さだ。竜児は色々なことにあまりに無自覚なんだけど、もし実乃梨のために大河を切り捨てなくてはいけなくなったとき、彼は一体どうするんだろうね?亜美が心配(まあ本人は認めないだろうし、嫉妬とか苛立ちの気持ちもあるんだろうけど)しているのはまさにそこで、亜美が後一歩を踏み込めない理由もたぶん同じなんだろうと思う(…そう考えると亜美って本当に良い子だなあ。彼女の凄さと良い子ぶりに初めて気がついたよ…)。

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