« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »

2007.12.31

『とらドラ6!』読了

51uhx66eifl
とらドラ6!』(竹宮ゆゆこ/電撃文庫)読了。

今年最後の本の感想はこの作品。竹宮ゆゆこ女史には、『わたしたちの田村くん』を読んだ時に仰天してひっくり返った(比喩的表現)(使い回すな)ころから、ずいぶんと遠くに来たように思います。あとはアニメ化だけですね。

青春絵巻もついに6巻になって、ついに色々なものに決着が着きつつある。北村がひたすら憧れて追いかけている相手である生徒会長、狩野すみれの発言により、多大なショックを受けた北村がどん底に落ちぶれながらも、竜児たちの励ましでもってギリギリで踏ん張る話…のように見せかけて、完璧超人であった狩野すみれの内面を、強気な言動がほつれていく様を描くようにして明らかにする話…でもあると同時に竜児を巡って、大河、実乃梨、亜美の間にある微妙な感情のもつれがついに表面化してくる話である。実乃梨の言動と行動はかなり分かりやすくて、親友の裏切っている(と思い込んでいる)ことで自分に対する嫌悪と苦悩があるのだけど、それを助長しているのが大河の竜児に対する感情の不明瞭さ。大河の気持ちは、僕は竜児に対する恋愛と言う方向には現時点では行っていないと思っていて、彼女と竜児はこの世界で生きる上での”同士”であり”戦友”であるのだが、その絆を周囲から見たときどう思われるのかと言うことにあまりにも大河も竜児も無自覚すぎるのが問題なのだ。その問題を亜美はよくわかっていて非常にもどかしい想いを抱えているのだけど、それを実乃梨に伝えてしまうところが亜美の根本的なお人好しさを現している。この3人の関係はかなり複雑なものになっているのだけど、その関係にまったく気がついていないのが竜児の罪深さだ。竜児は色々なことにあまりに無自覚なんだけど、もし実乃梨のために大河を切り捨てなくてはいけなくなったとき、彼は一体どうするんだろうね?亜美が心配(まあ本人は認めないだろうし、嫉妬とか苛立ちの気持ちもあるんだろうけど)しているのはまさにそこで、亜美が後一歩を踏み込めない理由もたぶん同じなんだろうと思う(…そう考えると亜美って本当に良い子だなあ。彼女の凄さと良い子ぶりに初めて気がついたよ…)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

今年の最後に

長いようで短く、やっぱり長かった今年もついに終り。そんな日に吉兆さんはコミケへ出陣してズタボロの状態であります。つ、疲れた…。

ひたすら本の感想しかやってこなかったこのブログですが、正直、色々と限界のようなものを感じてきまして考えるところがあります。何がって毎日本の感想を書いても全然読むスピードに追いつかないんですよ。現時点ですでに一ヶ月遅れ…感想を書くべき本が20冊以上たまってしまっている。もーなんともまわらんね。

ちなみに2007年に書いた感想の数を調べてみると…どうやら250冊前後の感想を書いている。月20冊ペースで書いても間に合わないとすると、こりゃ、感想を書く本をもうちょっと選別した方がよさそう。また、小説だけじゃなくて、漫画とか映画の話題など、幅広い話題(笑うとこ)を扱って行きたいとも思うので、ここら辺が検討事項かなー。

よし!来年は本の感想を200冊以下に抑えるぞ!

なにか間違っているような気がしないでもない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『プリンセスハーツ ~両手の花には棘がある、の巻~』読了

513ozesukzl
プリンセスハーツ ~両手の花には棘がある、の巻~』(高殿円/ルルル文庫)読了。

ツンデレ仮面夫婦シリーズの2巻目。相変わらずお互いの気持ちを決定的に誤解していることから生じるドタバタを描いている。こう書くとまるでラブコメのように思えるけど、そのドタバタは国家の浮沈に関わるドタバタなんだけどな…。お互い、相手の気持ちだけじゃなくて、自分自身の気持ちさえ誤解(と言うより真実を知りたくないのか)したままいがみ合うことで、どんどん状況を悪くしていくこの夫婦は本当に似たもの同士だよ!少しは大人になれ!そんな中学生の恋愛みたいな二人の間隙をぬって繰り広げられる陰謀劇が今回の主眼になるわけだけど、正直、この二人の間は隙だらけなので、今まで無事だったほうが不思議な気もする…。今回は一方的にしてやられた展開に終始したけど、ここから仮面夫婦の反撃があるのかな。反撃のついでにお互いの溝を修復して、歩み寄っていく展開になるのがラブコメの王道だと思うだが、作者はどのようにしていくのかなー。とりあえず次巻を待とう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

年末だというのに相変わらず本ばかり買っている

毎日毎日、他にやることはないのかと自分でも思わないでもない。

1.『鋼の錬金術師(18)』 荒川弘 スクウェア・エニックス
2.『武林クロスロード(1)(2)』 深見真 ガガガ文庫
3.『朝霧の巫女(5)』 宇河弘樹 少年画報社
4.『くじびきアンバランス(2)』 原作:木尾士目 漫画:小梅けいと 講談社

鋼の錬金術師は購入したんだけど書くのを忘れてた。
あと、ボンクラ小説愛好者の端くれとして、深見真は基礎教養だと確信する自分自身のゴーストの囁きにしたがって各所で話題の『武林クロスロード』を買ってみた。おどろいたことに僕が理想とする作品がそこにはあったのだった。これはすごいものですよホント。
朝霧の巫女は久しぶりすぎて前巻の内容を忘れてしまったのだが、とにかくビジュアルのもつ殺気はただごとではない。間違いなく作者は魂を削って描いているよこれ…。
『くじびきアンバランス』は完結編。面白かった…のだが!伏線を大量に放置してあってものすげー納得いかねー!律子の許婚の話はどうなったんだよー!一年間を2巻で終了とか早すぎるよー!あー!(落ち着け)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.30

『アカルイミライ』を観た

5171tsbp4yl
アカルイミライ』(監督:黒沢清)をDVDをレンタルして観た。

年末の部屋の片付けをしたのだけど、どういうわけか片付ける気力がどうしても継続できなかったので、気分転換のつもりで観てみたのだが、開始10分ぐらいで画面に釘付けになった。当然片付けはまったく進んでいない。困ったことだ。

この作品には、いわゆる『物語』と呼べるものは何一つ無い。起伏も無ければ山場ないし、最後のクラゲの群れのシーンがクライマックスと言えなくも無いが、そのクライマックスも藤竜也(どうでもいいが、僕は映画だと役名をどうしても覚えられない。役者でしか覚えられない)にとってのもので、オダギリジョーにとってはすでに終わってしまったことを繰り返しているに過ぎない。オダギリジョーにとってのクライマックスは、実はその直前の藤竜也による”許し”ですでに終わってしまっている。こんなところにも、この作品のテーマである人と人の分かりあえなさ、理解の難しさが現れているのだと思う。結局、人生にはそんなわかり易い(他者と共有出来る)試練も、克服もなく、すべては個人的な体験でしかない。ただ、この作品は、その絶望を描きながら、それを否定するものではない。笑みを浮かべながら静かに絶望していた浅野忠信が、それでもなおオダギリジョーを気にかけ、最後には背中を押したように、また息子を理解できず上っ面の会話しか出来なかったこと藤竜也が、自分の現実の存在をオダギリジョーに対して叩きつけるシーンに、僕は単に分かりあえないだけではない、そう(我ながら気恥ずかしいことなのだが)”愛”と呼ぶべきものがそこにはあるように思うのだった。ただし、この作品の中で愛は何かを救うわけではない。世界はなにも変わるわけではない。屋根の上に立ってみても、多くの家(他者)に囲まれたそこには、どこまで行っても何もない閉塞そのものだ。ただ、その光景からは「もしかしたら」と言う希望がある。この家々の向こう側には何かが存在しているような。川の向こうには、海の向こうには、なにか明るいものがあるのではないか。生きることとは、何も見えない目隠しをされたような閉塞の中で、それでも何かを信じ、期待していくことが必要なのではないか、と僕には思えるのだった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『ドラゴンキラー売ります』読了

51f2cahur8l
ドラゴンキラー売ります』(海原育人/C・ノベルスファンタジア)読了。

『ドラゴンキラー』シリーズの完結編!?らしい。いや”!?”は本当にそう書いてあるんだって。本当に終わるのかヒジョーに疑わしい限りですが、まあ少なくともこれで一区切りらしい。ドラゴンキラーを2名も抱えておきながら貧困にあえぐココの不器用さはある意味ハードボイルドと言えなくも無いが、アルマに対しては甘いパパ状態になってしまうあたり、ココもすっかり丸くなりましたなあ…。もちろんリリィとの漫才会話も相変わらずで、罵倒が紡がれる日常会話は見事と言うしかない。しかも、今回は二人の関係にも変化が現れてきて…グッド!グッジョブでございます。男女間のバディものでこれをやらなくっちゃ嘘だよな!(なに興奮してんだお前)いやー素晴らしいですね。

今回はアルマを狙って現れるドラゴンキラーたちに追い詰められていくクライシスがあるのだけど、この話の面白いところはバトルシーンそのものは重要視されていなくて、圧倒的な戦闘力に特殊な能力を持ったドラゴンキラーたちをどのように組み合わせて行くのかと言う、戦略の妙が重視されているところなのだよなあ。ドラゴンキラーは一般兵に対しては無敵だが、同じドラゴンキラーでは特殊能力の相性が重視されてくる。そこの駆け引きにココの活躍しどころがあるわけだ。しかし、本当にバトルシーンが無いな…。パン屋でアズリルとココがバトルするシーンがあったんだけど、なんかものすごく新鮮な気持ちになったくらいだった。面白かった。

ところでアルマはやべえ!天然自然の魔性の女だ!将来がいろいろな意味で頼もしすぎる!ココは相変わらず苦労しそうですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.29

『ミステリクロノⅡ』を読んだ。

51sh2balbxml
ミステリクロノⅡ』(久住四季/電撃文庫)読了。

例によってミステリとしての精度を評価することは非常に難しいのだけど(しかし…なんで自分はこんなにもミステリをきちんと読めないのに、それらしいものを数だけは読んでいるのだろう…。結局、僕はミステリと言う形態に愛がないんだろうな。関係ない話だけど)、主人公の内面に存在する闇と、ヒロインのまっさらな無邪気さが対比されて非常にエキサイティングな物語になっている。読んでいて思うのは、この主人公は頭が良すぎで、自分や周囲の人間を非常に分析的に捕らえているのだが、それゆえに己の闇さえも分析し、理解してしまっているがゆえに、いつ、その闇に囚われるか分からない危うさを抱えてしまっている。僕が見るところ、このシリーズにおける最後の敵は主人公自身である。それも、敵は自分という意味合いではなく、己の闇を受け入れ、望みを果たそうと策謀する主人公そのものがヒロイン達の敵になるのではないか。主人公は、己の渇望を拒否する理由として人間としての倫理を掲げているのだけど、逆に言えばその倫理が崩壊したとき、彼をおしとどめるものはない。そして、彼の倫理は事件を解決して行くごとに揺らいでいく。さまざまな人間のエゴと欲望、あるいは恐れや怒り。そうした人間そのものに触れて行くことにより、彼の倫理は常に試されているのだ。現時点の問題は、彼を守るものは彼自身しかなく、彼の仲間たちは(少なくとも現時点では)彼を支える存在にはなっていない。むしろあまりにも残酷な現実から仲間たちを守る防波堤の役目を、主人公は担ってしまっている。このシリーズは、主人公が己の倫理を疑い始めたとき、仲間たち(特に無垢なヒロインである”るちや真理亜”)(間違えた。るちやはどちらかと言えば、彼を試す側の存在だ)が彼を支えられるかどうかが最終的な結論になるのではないかと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.28

買うたった

コーエーから新しいライトノベルレーベルが出るらしいという話は聞いていたのだが、これを見て仰天した。古龍に藤田香のイラストをつけてライトノベルとして売り出すのかよ!まあ『聖白虎伝』と言う前例(これ、りんしんがイラストを描いていたんだぜ?)があるので、誰かがやるだろうとは思っていたが…本当にやられるといろいろショックだ。ま、この調子で、いっそのこと武侠小説をかたっぱしからライトノベルとして売り出せばいいじゃない?

1.『たま◇なま 生きている、理由』 冬樹忍 HJ文庫
2.『ゆうなぎ』 渡辺まさき HJ文庫
3.『マリア様がみてる キラキラまわる』 今野緒雪 コバルト文庫

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.27

『福音の少年 王立図書館十字軍』読了

51oekbd2bp9l
福音の少年 王立図書館十字軍』(加地尚武/デュアル文庫)読了。

この作品の前身にあたる『図書館にキス』については、読んだ記憶こそあるもののあまり感心しなかったような気がする。リメイクするにあたって、眼鏡ロリ司書さんやラヴクラフトさん(!?)など新キャラを投入するなどさまざまにテコ入れをされているものの、本質的に続巻への橋渡しのおはなしであるという位置づけは変わっておらず、結果、活劇としても、歴史改変ものとしても、SFとしても、ラブコメにしても中途半端となってしまったように思う。あまり前回と印象は変わらんなあ…。まあ、今回の黒幕は近いうちに決着が付くはず(前身と構成が変わっていなければ)。この次は(うろ覚えだが)不満を解消してくれた印象があるので、それまでの辛抱ですな(何が?)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

買ったもの

1.『“文学少女”と月花を孕く水妖』 野村美月 ファミ通文庫
2.『薔薇のマリアVIII ただ祈り願え儚きさだめたちよ』 十文字青 角川スニーカー文庫
3.『戦闘城塞マスラヲ Vol.3 奇跡の対価』 林トモアキ 角川スニーカー文庫

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『時載りリンネ!(2) 時のゆりかご』を読んだ

512bcmsbhtil
時載りリンネ!(2) 時のゆりかご』(清野静/角川スニーカー文庫)読了。

ライトノベルである以前に、ジュブナイルファンタジーとして成立しているのがこのシリーズの良いところだと思っているのだけど、今回もまさしくそんな感じ。少年と少女の冒険譚として成立しているのが良いのです。時載りの力と言うのは、まさしく子供が子供であるがゆえに世界と対峙出来る力であるのだよなあ。そしてそんな子供と対峙するのは、子供の世界を脅かす、”悪い魔法使い”。悪い魔法使いに対して、知恵と勇気と(もちろん友情とバトルも)で立ち向かうあたり、完璧にジュブナイル。とても懐かしい気持ちを呼び起こされます。ライトノベルとしてもある意味類型的な部分もあるんだけど(未到ハルナのキャラはどう考えても某赤い人だよなあ)、逆にジュブナイルの部分とライトノベルとしての部分が不思議な融合を果たしているとも取れる。面白い事をやっているなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.26

『氷の海のガレオン/オルタ』読了

5158xbztnzl
氷の海のガレオン/オルタ』(木地雅映子/ピュアフル文庫)読了。

久しぶりに僕の魂にヒットする作品だった。素晴らしい。素晴らしいという言葉だけで済ませたくないぐらいに素晴らしい。

自らを天才だと信じて疑わないひとりのむすめがいました。斉木杉子11歳。――わたしのことです。

人よりも深く思考するがゆえに、”当たり前”を受け入れられずに、クラスメイトとの共有するものを失っていく主人公がそれでもなお生きていこうとするならば、それは孤高を貫くしかないのだけど、人間の心は人間知らず。彼女自身が自分を孤高にする行為は、彼女を孤独にさせ、あるいは他者を誤解をさせる。自分自身であるというだけで他者と軋轢を生んでしまう不器用さと、それでもなおそのようにしか生きていけない諦念。それでもなお傷ついていく心。これは一人の少女の戦いの物語でもあり、孤独と誤解の海の中を果敢に切り開いていこうとする人間への賛歌だ。そこには許しはなく、癒しもなく、ただ現実だけがごろりと横たわり、彼女の孤独はいや増すものだが、”そうである”ということへの圧倒的な肯定があり、僕はただその力強さに感銘を受け、そして何一つ変わらない孤独と誤解の海への共に漕ぎ出す同胞の姿をそこに幻視するのだった(それはまさしく杉子にとってのガレオンと同じことなのだろう。現実と対峙するための幻想)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.25

買っちゃった…

1.『地を駆ける虹Ⅱ』 七位連一 MF文庫J
2.『学園創世猫天!(3)』 岩原裕二 秋田書店
3.『罪と罰(2)』 落合尚之 双葉社

本屋のライトノベルコーナーにて怪しげな男が一人立つ。言わずと知れた吉兆である。この男、どうやら『地を駆ける虹』の2巻目を買うべきか否やを悩んでいるようで、時折「ううむ」だの「あー」だの奇声を発し、平積みを睨んでいる。誰がどう見ても不審な人物であるに相違ない。しかし、本人は周囲の視線など露ほども気にかけず、己の内面に没頭しているようだ。ある意味、見上げた集中力であると100歩譲って感心してやらんこともやぶさかではないような気がしないでもない。「よし!」と意味合いがとんと掴めぬ掛け声にも似たそれを発するや、ついに本を手に・・・ッ!「いやでもなあ…」いいから買えよ(なおこの文章はフィクションであり、嘘が少しだけ含まれているような気がしないでもありません)。と言うわけで買ってしまった。まあ…別に面白いかどうかは、この作品に限ってはあまり重要ではないんで。で、ついでといっちゃあなんですが、『猫天』の続きが出たので買いつつ、思わず落合尚之の『罪と罰』を買ってもーた。猫天は普通にエンタメでありますので素晴らしいのですが、『罪と罰』はまともに読めねえ!うぎゃぎゃぎゃ。なんだこの痛くて苦しい話は…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ふと気がついた

いつの間にか40万ヒットを達成しているのだがまあどうでもいいや。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『The MANZAI(4)』読了

51isckwjs2bl
The MANZAI(4)』(あさのあつこ/ピュアフル文庫)読了。

トゥーピュアピュアボーイズ&ガールズが繰り広げる物語も4巻か。歩くんの超センシティブ思考がものすごい純粋なので、おにーさんは恥ずかしくなっちゃうなー(キモい)。好きな子に好きと言えなくて、なぜなら彼女は彼の友人が好きで、彼は彼の友人とは憧れと嫉妬を覚えて、思考はグルグルまわっていく。そのことで悩む歩くんが本当に真面目で良い子ななもので、これは母性本能を掻き立てられますこと請け合いでございます。まあ当方、男であるからして、バッカだねえゲラゲラ、とひとしきり大笑いをさせていただきました(最悪だ)。物語としては大きな動きらしいものは無いけれども、いったんここで人間関係の見直しをする巻になっているようで、わりと重要なところだろう。彼女の気持ちを(なりゆきで)伝えてしまったこともあるけど、なにより歩にとって、秋本と言う人間がどのような人間なのか、と言う点を掘り下げつつあるみたい。果たして自分が今まで見てきた秋本は、その通りの人間だったのだろうか?本当は、もっと暗くて冷酷なところも持った人間だったのだろうか?人の心の内などは決して分からない。他人の心など自分がそうであれば良いと願った心を反映させているだけに過ぎない。”本当の秋本”への疑いが少しずつ歩の心に現れている兆候がある。まあこれは、歩が秋本のことを興味をもってきたと言うことでもあるので、むしろ健全極まりないことなので、そんなに悩まなくていいのになあと、バッカだ(以下略)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.23

『紅 ~醜悪祭~(上)』読了

51pjtwiot1l
紅 ~醜悪祭~(上)』(片山憲太郎/スーパーダッシュ文庫)読了。

今回は『電波的な彼女』の一巻でわりと重要な役割を果たした”あのアイテム”が鍵になっている(きちんと明確になっているわけじゃないけど、そう判断してもさして的外れではない…と思うんだがどうか)。両作品の関係もだんだんとリンクが深まってきたような気がするのだが、むしろ『紅』シリーズと言うのは『電波的な彼女』の新たな新展開へと続く橋渡し的な作品なんじゃないかと思いついた。『電波~』を展開していく上で、世界観をよりアンダーグラウンドの方向に掘り下げて行く必要が生じた結果、『紅』シリーズが始まったんじゃねえかなあ、とか。むしろそのうち柔本人が出てきて雨との関係の根っこが語られることがあるのかもしれん。本編で匂わされているけど、柔と雨が子供の頃に出会っていたとしたら、時期的にはちょうどこの頃だったりして…まあ妄想だけどな。『紅』完結後、舞台が『電波~』に戻って登場人物引継ぎとかになったらどうしよう。成長した真九郎や紫が出てきたりして。…妄想が止まらん!

えーと、展開の方は、相変わらず自分が未熟だと分かっているくせに無茶をする真九郎が、おっかねえ巨悪に手玉に取られてぼろぼろになっております。本人がぼろぼろになる分には自業自得なんだけど、周囲にまで迷惑をかけているところももうどうしようもないな。柔に比べると戦闘能力においてははるかに上にも関わらず、どうも真九郎は危なっかしいというか、自分を理解していないというかムカつくんだよてめえ!ちょっとは周囲に目を向けろやボケ!!(落ち着けよオレ)…本当に、この真九郎ってのは、空気が読めない人の話を聞かない、後悔はしても反省はしない、場当たり的に判断して事態をややこしくするといった風に、もう本当にいい加減にして欲しいといいますか…。読めば読むほど腹が立って来るのだが、まあ、実はこれ、近親憎悪と申しまして。僕が自分自身で嫌いな部分に、この真九郎、実に良く似ている。自分さえ責任を取ればなんとかなるなんて思っておいて、自分だけが責任を取れる事態でおわるわけないじゃんねー、とか、どうしても(嫌な)過去の自分を振り返りつつ読んでしまうので、読めば読むほどグロッキーになってくるという(僕にとっては)恐ろしい作品なのであった。あーしんどい。

内容については、まだ上巻なので特に言うことは少ないっす。なんかラスボス級の人が出てきたけど、この先の展開はどうするんですか?とか紅香さんが死ぬわけないじゃんねー(だって未来で生きているし…)とか年上の女房は借金してでももらえ、と言うのが常識らしいとか、また幼女ヒロインか!とか細かい部分は面白かったけれどもね。まだお話はほとんど動いていないしなー。下巻でどのようにまとめていくのかに期待します。これで完結して『電波~』につながったりしないかなあ(まだ言っている)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

最近の読書

最近一冊の本をひたすら読み続けることが出来なくなっていて、あっちの本を読んだと思えばこっちの本に浮気したりとふらふらと平行に読んでしまっている。集中力が足りていないのかもしれん。ここ一ヶ月ほどはドフトエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を基本的に読みつつ、ちょっと集中力が無くなってきたところで気分転換のためにエリック・ガルシアなど翻訳物のSF(?)で脳をほぐしてやって、さらにその合間にライトノベルを読んでリフレッシュをするというローテーションになっている。本を読んで疲労したら本を読んでリフレッシュするのはジャンキー的には当然至極のことだと思うんだ。よね?(同意を求めるな)

しかし、新訳の『カラマーゾフの兄弟』は、さすがにライトノベルとまでは行かないが、異常に読みやすくなっているなー。


買ったやつ。並びは適当。
1.『探偵綺譚』 石黒正数 徳間書店
2.『Danza』 オノ・ナツメ 講談社
3.『銀河北極 レギュレーション・スペース(2)』 アレステア・レナルズ ハヤカワ文庫SF
4.『超人類カウル』 ニール・アッシャー ハヤカワ文庫SF
5.『無限の住人(22)』 沙村広明 講談社
6.『クロスボーンガンダムX 鋼鉄の7人』 長谷川裕一 角川書店
7.『シュヴァリエⅥ』 原作:冲方丁 漫画:夢路キリコ 講談社
8.『怪物王女(6)』 光永康則 講談社
9.『機動戦士ガンダムUC(3) 赤い彗星』 福井晴敏 角川書店
10.『ファンタジーの魔法空間』 井辻朱美 岩波書店

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『村田エフェンディ滞土録』読了

51xuubdayl
村田エフェンディ滞土録』(梨木香歩/角川文庫)読了。

1899年、土耳古(トルコ)を舞台に、考古学研究のためにイスタンブールへ留学してきた村田が異なる文化、異なる習俗を持った人たちの交流を鮮やかに描いている。梨木果歩特有の幻想のこだわりも見所の一つだけど、やはりこれは、イスタンブールと言うさまざまな文化が混在する国で、主人公の村田が異文化に触れていくというのが主眼だと思う。梨木果歩のとっては異文化の交流は”人”との交流そのものであって、さまざまな事情を(そして日本人からしてみると異質な)しがらみを抱えた人々の姿を見せている。もっとも、その交流自体が村田に何かを与えたかと言うと、そんなことはもちろん”無い”。異文化に触れることそのものには何も意味はないのだ。意味があるとすれば、そこには自分とは”違う”人間がそこにいるのだということ、自分とはまったく異なる”歴史”をかかえた世界があるのだということを”知る”こと。それだけが『異文化交流』において受け入れることが出来る(もしかしたら唯一の)ものなのだ。日本人である村田にとって、イギリス人の未亡人が抱えた哀しみも分からない、トルコ人の召使の屈託も遠い、ドイツ人、ギリシア人の考え方だって完全に理解できるものではない。だが、それは悲しむべきものではない。なぜなら、彼らは、同じ下宿で寝泊りをしていた彼らは、その交わした言葉を積み重ねていった分だけ、確かに”友”であったのだ。少なくともその瞬間だけは、あらゆる差異を越えて”友”であった。たとえそれが歴史における一瞬の交差であったとしても。異なる国の言葉を話し、異なる神を信仰し、異なる価値観を含有し、異なる歴史を背景に持つ。それでも同じ世界に生きている。それは違い受け入れ、許容していくことだ。ギリシア人は古い言葉を引用してこう言う。「私は人間だ。およそ人間に関わることで私に無縁な事は一つもない」。人間であること。共有するものはそれだけでいいのだ。別れ、二度と会うことはないであろう友に対して、村田はただ共有した日々を背負って、それでも生きていくことになるのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.22

『薔薇色にチェリースカ(2)』読了

517r5vaqjpl
薔薇色にチェリースカ(2)』(海原零/スーパーダッシュ文庫)読了。

学園伝奇かと思ったら実は異世界ファンタジーだったのだ、と言う展開には正直ひっくり返った(比喩的表現)。なるほど…一巻を読んだ時に感じていた作品全体のとらえどころの無さ、物語の定まらなさと言うのは、実は”世界観についての説明が、一巻の時点では何一つなされていなかったから”だったんだな。作品内で何が出来て何が出来ないのかが分からなかったため、物語上の常識(お約束と言い換えても良い)が上手く落とし込めていなかったためだったのだろう。面白いことに、この作品は『ファンタジー』なんだということが理解できるようになると、登場人物たちの演劇じみた仰々しい立ち振る舞いが気にならなくなってくるのが不思議だなあ。しかし、普通この手の世界観説明って、最初にやるよな…。ライトノベル的なお約束事項を片っ端からぶち壊しているなあ。海原零って、本当に変な作家だぜ!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.21

『クジラのソラ04』を読んだ

51qs5ugsl
クジラのソラ04』(瀬尾つかさ/富士見ファンタジア文庫)読了。

ついに完結か。相変わらず書きべきことが多すぎであらすじを追うだけで精一杯と言う感じなの本編なのだが、気ちんと雫と冬湖の関係を軸にして、お互いの信じるべきものをぶつけ合って、葛藤を消化しているから別にいいのかなあ。まあエンターテインメントとしては物語の運び方が凡庸だとか、批判することは簡単だけど、でもそういう批判はちょっと勿体なくもある。だってよー、3巻でもいい加減凄まじい勢いでインフレしていく物語を、まったくのノーブレーキでさらに拡大させていくんだぜ!銀河を超越して更なる宇宙の果てまでぶっ飛んで行くんだぜ!?もう僕様ちゃんめろめろ…。もちろんミクロな部分でも、超シスコン兄貴たちが暗躍した結果さらなる試練が降りかかりつつも、女の子たちが少しもひるまず屈せず立ち向かっていていて格好良いんだけど、その格好良さってのが後に続くさらなる天才児(=新たなる人の形)へつながる未来への架け橋になっているところもなんか、もう俺様背筋がゾクゾクですわ。なにこれ?これってどんなSFよ、と思いつつ、この作品には(まあハードSFじゃねえかもしれねえけどさ)、SF的ロマンが死ぬほど詰まっていて、SFが好きな奴らがこれを否定できるわけねえだろッ!!って感じの話になっているわけよ。まあライトノベルとしてはアレだけどな。バトルはほとんどねえし。テンションのふり幅もゼロに近いし。果たしてライトノベル読者のどれだけの部分にラストのビジョンの美しさが届くのかが分からん。まあオレは大好きだったよ!ありがとう!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

本屋に寄ったら新刊がざくざくと出ていた

なんか買いすぎだよな…オレ…。と言う自覚症状はあるものの改善できないのはたぶんする気が無いからだぜファック!もう死んじゃえばいいのに。うーそだよーん。と言うわけでまず漫画コーナーを眺めてみるとあるよあるよあるではないですか。まず0.5秒の無意識で『銃夢外伝』を手に取る。でかいので目に付き易いのだ。ほふー外伝っすか(手に取ってから気がついた)。獲物を手に取るな否やさらに我輩の視線は次の獲物をヒット。『ハチワンダイバー(5)』ワイルダネス(6)』『CLOTHROAD(5)』を続けざまに手に取る。とりあえず柴田ヨクサルの新刊をこんなにもコンスタントに読める幸せをみんなももっと感じたほうがいいと思うんだ。あとワイルダネスってひょっとすると完結してから読み直したほうがいいんじゃねー?話の相関がわかんねー。『バッカーノ!』かこれは。あとはOKAMAの絵は素晴らしいのう。美しいだけじゃなくって、異形で奇形さを内包しているところがいいと思うんですが、みんなはどう思う?どうでもいい?あっそ。漫画の方はこれくらいでいいかにゃーと言うことで文庫本のコーナーに向かう。そろそろMF文庫とスーパーダッシュ文庫と富士見ファンタジア文庫が発売している頃だ。ふっ僕ぐらいになれば近所の本屋の仕入れ時期も調査済みよッ!と言うわけで『ゼロの使い魔(13)<聖国の世界扉>』と『ねくろま3』と『修道女エミリー』と『ダークエルフの口づけⅣ』を買う。うひひ。ほうほうゼロ使も新展開かしらー?すばらしーね。ねくろまはきっといつもの通りなんだろうなあ。無論何も考えずに買うけど。エミリーは続きが出るのかッ!?と言うことに一番驚愕した。あとダークエルフの口づけは、まあ大好きなんですよこれが。つーことでここまでは0.5秒の無意識で(しつこい)購入したのだが、ここで、ちょっと悩む。いや…『地を駆ける虹』の2巻が出ていたんですよこれが。どーしよー(びくびく)。本屋で挙動不審になる吉兆<手の中にいっぱいの本を抱えている時点で手遅れだろーがよ。買ってもいいが…もし目も当てられない内容かも知れぬと思うと。ぬぬぬぬぬう。1分ほど苦悩した後、決断。「だれかの感想を読んでから買おう」超チキンヤローだなお前。

と言うわけで買ったものは以下の通り。
1.『銃夢外伝』 木城ゆきと 集英社
2.『ハチワンダイバー(5)』 柴田ヨクサル 集英社
3.『ワイルダネス(6)』 伊藤明弘 小学館
4.『CLOTHROAD(5)』 原作:倉田英之 漫画:OKAMA 集英社
5.『ゼロの使い魔(13)<聖国の世界扉>』 ヤマグチノボル MF文庫J
6.『ねくろま3』 平坂読 MF文庫J
7.『修道女エミリー』 八薙玉造 スーパーダッシュ文庫
8.『ダークエルフの口づけⅣ』 川人忠明 富士見ファンタジア文庫

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.19

『サイレントラヴァーズⅢ 作戦名<大蛇>』を読んだ

51gp2308al
サイレントラヴァーズⅢ 作戦名<大蛇>』(吉村夜/富士見ファンタジア文庫)読了。

連合軍VSカイオン軍の戦いもいよいよ佳境といったところか。戦況を決定付ける作戦に挑むクロスナイフ小隊の前に、一人の復讐鬼が立ちふさがる…と書くと本当にベッタベタな展開だ。だがむしろそこがいい。戦いの前に一致団結して盛り上がったり、それまで積み重ねてきた努力が少しずつ実ったり、決戦を前に揺れ動く心や、さらにセツナの正体バレの危機、そして激戦に次ぐ激戦と、誰ひとり勝者のいない戦争の苦さなど、まさに王道中の王道展開をケレン抜きで堂々と描きぬいている。いやーここまで積み上げられると”ベタ過ぎ”とかそういう感想も無意味。堅実も極めれば重厚さをまとうようになると言うもので、ただ圧倒させられる。面白かった。ただソウルドレインを初めとするシステムと言うか思想には倫理的な危うさが見え隠れしてきた。要するに、他に多くの人間が塵のように死んでいくというのに、”彼”を助けようとするのはエゴでしかないと個人的には思うのだが。今後、どのような倫理的説明を付けていこうというのか興味深い。おそらく作者はそのあたりの答えも織り込んでいると思われるので、今後の展開に注目していきたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.18

買ったりしたもの

以下リスト。コメントは気が向いたときに。

1.『続々 殺戮のジャンゴ害伝 地獄のビッチハイカー』 佐藤大とストーリーライダーズ ガガガ文庫
2.『人類は衰退しました(2)』 田中ロミオ ガガガ文庫
3.『スクールランブル(19)』 小林尽 講談社
4.『クロスゲーム』 あだち充 小学館
5.『ブラッドハーレーの馬車』 沙村広明 講談社
6.『魍魎の匣(1)』 原作:京極夏彦 漫画:志水アキ 角川書店

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『戦塵外史(4) 豪兵伝』を読んだ。

51gofuh1gkl
戦塵外史(4) 豪兵伝』(花田一三六/GA文庫)読了。

花田一三六の考える”男の美学”が無茶苦茶くっせえええええええ!いやー昔はそんなに強くは思わなかったけど、このあたりの花田一三六って、とにかく登場人物を格好良くしよう、信念を持った男にしよう、ダンディで渋い物語を紡ごうとしているのだけど、そのことごとくがもう気恥ずかしくなるぐらいに”10代の視点から見た大人の格好良さ”に満ち溢れていてオレが死ぬわ!(恥ずかしくて)、と、のた打ち回りたくなったが、しかし、まさしくぼくが10代に読んで感動した部分はそこにあるわけで、それは欠点ではないだろう。むしろここまでありえないほどに(神話の時代に匹敵するほどに)気高く理想的な人間像には確かに魅力がある。ライトノベル的な肉体的な超人と言うわけではなく、むしろ精神性、人間性そのものに超人性を付与させようという意図があるのだろう。たしかこの頃は10代むけ(いわゆるライトノベルの読者層へ)の純文学を書けば良いんだ、と思ってたという話を作者がどこかでしていたような気がするのだが(うろ覚え)、花田一三六ってつくづくオンリーワンの発想をする人だったんだな…と感心することしきり。しかし、それゆえに作者の若さが思いっきり紙面に溢れており、良くも悪くも並大抵ではない勢いが生み出されているように思うのだった。これは今の作者には絶対にかけないタイプの作品だと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.17

『ネクロダイバー 潜死能力者』読了

51jsgdyiw0l
ネクロダイバー 潜死能力者』(牧野修/角川ホラー文庫)読了。

死と言う夢を見ることで死の痕跡を読み取るネクロダイバーとなった主人公が、非業の死を遂げた人々の暴走する想いを消去するスイーパーとして戦う作品。人の死に潜る能力者である主人公は、人間の悪そのものと向き合いことを余儀なくされ、葛藤していく。物語としては退魔ものとしてのジャンルの王道である展開なのだけど、”死に潜る”という能力のビジュアル的なカオスぶりが格好いい。非常にグロテスクでおぞましく異界的な代物になっている。エンタメ的にも存分にサービス精神旺盛で、死そのものを弄ぶ”死神”たちとのバトルやすっとぼけたオタク的なセンスを持つヒロイン、死の問題にかかる倫理的葛藤など、巧みな筆致で描かれている。牧野修のストーリーの紡ぎ方は、実のところ極めてまっとうでオーソドックスで力強い。今作においてはきちんとエンタメとしてまとめようという意識があるのか、オーソドックスさが堅苦しさや不自由さを感じさせはするもののきちんと面白くなっている。まあ、ドロドログチャグチャな妄想的酩酊を求めるタイプの作品ではないけれども、その分ホラーが苦手な人でも楽しめそう。わりと気楽に読める作品ですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

買ったもの(と言うか買いすぎた)

秋葉原の書泉をぶらぶらしていたらものすごい勢いで本を買ってた…自分でもびっくりした…。これ以上本屋にいたら際限なく本を買い続ける自分が容易に想像できたのであわてて店を出た。どういう罠だこれは…(新刊が出ていただけです)。

1.『デトロイド・メタル・シティ(4)』 若杉公徳 白泉社
2.『夜刀の神つかい(12)』 原作:奥瀬サキ 漫画:志水アキ 幻冬舎
3.『桃色シンドローム(1)』 たかさきゆうき 芳文社
4.『成城紅茶館の事情』 スエカネクミコ 少年画報社
5.『略奪都市の黄金』 フィリップ・リーヴ 創元SF文庫
6.『鉤爪プレイバック』 エリック・ガルシア ヴィレッジブックス
7.『スコッチに涙を託して』 デニス・レヘイン 角川文庫
8.『秋の牢獄』 恒川光太郎 角川書店
9.『ギリシア神話(上)(下)』 呉茂一 新潮文庫
10.『護樹騎士団物語Ⅶ 白銀の戦う姫』 水月郁見 徳間ノベルス
11.『ドラゴンキラー売ります』 海原育人 C・ノベルスファンタジア
12.『創世の契約(3) 傭兵王』 C・ノベルスファンタジア
13.『史上最高の弟子ケンイチ(27)』 松江名俊 小学館
14.『ワルキューレの栄光(1)』 富士宏 マックガーデン
15.『おと×まほ(1)』 白瀬修 GA文庫
16.『超鋼女セーラ(1)』 寺田とものり HJ文庫
17.『地獄に墜ちた者ディルヴィシュ』 ロジャー・ゼラズニイ 創元SF文庫
18.『萌えで読みとく名作文学』 牧野武文

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.16

『暗黒は我を蔽う 夜の騎士』読了

51x0nrw4x4l
暗黒は我を蔽う 夜の騎士』(朝松健/GA文庫)を読んだ。

マジカル・シティ・ナイトシリーズの完結編。紆余曲折あったりしたがまずはめでたいことであります。前回で狂天使との決着をつけたと思いきや、マジカルシティに突然やってきた脅威(簡単に言うとガンダム)に対して泣き言をもらしつつドンパチする話になっている。もうひたすらドンパチして行間で何十人死んでいるのか良く分からんぐらいに殺伐としているのだけど、主人公のベンがあくまでもライトハードボイルドを貫いてくれるので良くも悪くも気が抜けている。なんかベンって全然活躍しないよね…。有能なのか無能なのかわかんないしさ…。まあそれは置いておくとしても、いろいろのライトさを志向するあまり、ちょっと筆が滑っているところもあるのはあまり良い印象を受けないのだけど(トベラのキャラ作りがあまりにもわかり易い萌え造詣なのはいかがなものか…)、”暗黒”と言う設定を使って現実をどんどん改変していくぶっ飛んだ展開はなかなかに好ましかった。ただ全然最終回じゃないのんだがこれ…。ドタバタと殺したり殺されたり(えー)しながらなんとなく最後にメア市長が事態を収拾するあたり、なんかいつも通りのマジカル・シティ・ナイトだった。ただ、そこがこの作品らしい気の抜けぶりであると思うので、読者としては不満は無いな。なんかツッコミどころは満載なれど、そこも含めて楽しめるシリーズだったと思う。

お疲れ様でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.14

『ジョン平とぼくと(4) ジョン平とぼくときみと』読了

51e1npqiddl
ジョン平とぼくと(4) ジョン平とぼくときみと』(大西科学/GA文庫)読んだ。

なんかノリにのってんなー…オレが。いや何がっつーとアレよ。もうオレは『ジョン平とぼくと』はそれがただ『ジョン平とぼくと』であるだけで面白がれると言うことが判明したのですよ。もはや重とジョン平がのほほんと会話しているだけで面白いし、寧先生が冷静にボケるだけで萌え萌えだし、トバルディンのツンツンお嬢様猫ぶりも楽しいし、三葉はいい子だし、雨弓じゃ可愛いし、魔法と科学の扱い方が格好良いしでもう駄目だ。批評的な読み方が出来ない。もうありとあらゆる要素を肯定せざるを得ない。3巻を読んで、大体自分の中でこの作品の面白さが理解できたこともあって、4巻目は思う存分楽しむことが出来た。つくづく完結してしまったのが惜しまれる…。何とか続きを書いてくれないものかしら。あとどうでもいいんですが表紙のディフォルメ具合が絶妙すぎる。今までジョン平はこんなにかわいくなかったぞ。とても良いですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.13

『柳生薔薇剣』読了

51r4vxn3k4l
柳生薔薇剣』(荒山徹/朝日新聞社)読了。

これは酷い…などと言う気もあまり起こらない。むしろ荒山先生ならこれくらいは当然だよね、と言う諦観と言うかむしろそこが良いというかそれすらも言うまでも無いというか。まあオレ柳生と朝鮮妖術が炸裂するのは読む前からの了解事項であって、まあツッコんだら負けかなと思ってる。相変わらず文体は格調高く、資料の読み込みは深く、歴史にリスペクトしないことおびただしいだけど、この作者にしては割合まっとうなチャンバラ小説。単に超強い柳生女剣士を書きたかっただけなんじゃないかと言う疑いも覚えるものの、沈着冷静で重厚な宗矩が腹黒く活躍してくれるのでそっちの方面の嗜好もキャッチしている様子。そんなことで喜んでしまう自分は相当に安い人間だな、と思うのでした。ところで主人公にして最強オレ柳生の女剣士、柳生矩香と我らが柳生十兵衛のやりとりを始めとして、やたらと文体のテンションがおかしくなっているような気がする。ぶっちゃけるとライトノベルなみのテンション。もうつるつる。作者がこのあたりで何も考えずに書いているのが丸分かりで、作者の欲望がストレートに表出しているように思える。なんか(柳生と朝鮮と読者に対する)ツンデレ作家、荒山徹とも思えない素直ぶりだ。なにかあったのだろうか…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.12

『永遠の戦士コルム1 剣の騎士』読了

51qdunnoxl
永遠の戦士コルム1 剣の騎士』(マイケル・ムアコック/ハヤカワ文庫SF)読了。

まさか『剣の騎士』『剣の女王』『剣の王』の剣シリーズが一冊にまとまっていてお得な感じ。エルリックシリーズでもおなじみのアリオッホ(きちんと新訳になっている)も出てきており、多元宇宙の広がりも感じられますな。もっともエルリック新三部作で多元宇宙をさらに広げた概念を打ち出しているので、今更な感もありますが…。

人類とは異なる種族、ヴァドハー族のコルムが、マブデンと呼ばれる人類に一族すべてを滅ぼされたことから、マブデンの背後に存在する混沌の神々に復讐するのため旅立つ。ムアコックらしい奇妙なな異世界描写がおぞましく、ある意味実に正統なファンタジーになっている。まあムアコックのことだからわかり易い復讐譚にはならないんですが。結局のところコルムのような永遠の戦士たちは、法にも混沌側にとっても切り札的な存在で、同時に盤上の駒でしかないんですよね。この世界においては法は圧倒的に劣勢で(まあ世の中ってのは混沌の方が大抵強いんだけど。エントロピーの問題だし)、コルムは法の味方をすることで混沌を撃ち滅ぼすことになるんだけど、結局それがコルムにとってなんらかの救いになるかと言うと全然そんなことはない。友を失い、同族を殺す血塗られた道を歩みながら、自分の行為に意味を求めて戦い続ける悲劇性が付きまとっているあたり、コルムはエルリックに非常に良く似たヒーローだと思う。そして自分の存在意義を求める行為は、ことごとく無意味に終わってしまうところがやりきれない話ではある。コルムは神を救うけれども、神は人を救ってくれないんだよなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ごちゃごちゃと買った。活字なら何でも良かった。後悔はしていない。

1.『冥王計画ゼオライマー 完全版』 ちみもりを 徳間書店
2.『神太刀女(1)』 タクスオーナ メディアファクトリー
3.『このマンガがすごい!2008』 宝島社
4.『不確定世界の探偵物語』 鏡明 創元SF文庫
5.『新訳 ゲバラ日記』 チェ・ゲバラ 中公文庫
6.『秘曲笑傲江湖(6) 妖人東方不敗』 金庸 徳間文庫
7.『秘曲笑傲江湖(7) 鴛鴦の譜』 金庸 徳間文庫
8.『プリンセスハーツ ~両手の花には棘がある、の巻~』 高殿円 ルルル文庫
9.『死刑執行人サンソン 国王ルイ十六世の首を刎ねた男』 安達正勝 集英社新書
10.『幼年期の終り』 クラーク 光文社古典新訳文庫
11.『冷たい校舎の時は止まる(上)(下)』 辻村深月 講談社文庫

1.はロボット+美少女の元祖。これが成人コミックとしてかかれていたってんだからなんかなー。2.奈須きのこのコメントがかかれた帯を見て買いました。ミーハーですね。3.なんかランキングが僕が作ったのかと思えるほどのシンクロっぷり…。4.SFミステリの元祖。鏡明は初めて読むなあ…。5.たぶん旧版は持っている。衝動買いに理由はいらない。6と7.笑傲江湖もこれにて完結。東方不敗の扱いがなんと言うかどうしようも無い。8.ツンデレカップルの関係性だけ。ほぼお城の中だけで話が進む。9.荒木飛呂彦が帯を書いていたので買った。ミーハーですね。10.なぜファーストネームとミドルネームが省略されるのだろう…。11.いつの間にかライトノベル認定されてた。辻村深月は違うと思うけどなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.11

『さよならピアノソナタ』読了

51cc9oslxwl
さよならピアノソナタ』(杉井光/電撃文庫)読了。

これなんてエロゲ?とか一瞬言いたくなってしまったが、なんか瀬戸口廉也シナリオでこういうのがあるような気がする…もちろん『キラ★キラ』をやっている影響です。まあ世間から外れた女の子(もちろん美少女でツンツン)になんとかコミュニケーションを取ろうとする。まあ要するにハンディを持っている愛に飢えた美少女を嫌いな人間なんていないよねーとか書いてしまう自分がちょっと嫌。ちょっと『とらドラ!』とも似たところがあるんだけど、とらドラ!と大きく異なるのが、主人公がいわゆる”駄目”な側の人間であるということだろう。ここで言う駄目な人間と言うのは、いわゆる他者とは共有するものが無いアウトサイダー敵な感覚を強く持っている人間のことで、まあ社会不適合者のこと。他人が楽しいと思うのものが楽しめない、他人が悲しいと思うものが悲しめない。そんな人間の悲哀と傲慢を描くのが、この作家はつくづく上手い。ただ、『神様のメモ帳』と比較すると、そう言った部分は抑え目になっていて、また女性キャラが多くなって華やかになっているような気もするのでいいんじゃないでしょうか。まあ僕は『神様のメモ帳』の方が好きだけど、それは僕は駄目人間レベルが高いからかな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.09

『ツァラトゥストラヘの階段』を読んだ

51t9iszedrl
ツァラトゥストラヘの階段』(土橋真二郎/電撃文庫)読了。

精神寄生体"パルス"に取り付かれた主人公が、自分自身を賭けたゲームに挑むと言う作品。『扉の外』シリーズに良く似ているけれども、よりギャンブル的な騙しあいゲームの側面が強くなった。誤解を恐れずに言うのなら、ライトノベル版カイジと言ったところか。失踪した姉を追い求めて、自分自身を賭けたゲームに挑む主人公の姿を描くと同時に、そのようなゲームに参加せざるを得なくなってしまった少年少女の青春とでも言うべき痛みを描く。あるものは破滅し、あるものは生き延びる。またあるものは傍観し、またあるものは渦中に身を投げ出す。そうしたさまざまな選択と過程を繰り返していくことを、冷酷な計算によって成り立つ”ゲーム”の最中に、計算では計りきれない感情を描くところはまさに土橋真二郎の真骨頂といえるだろう。同時に、人間性と言うものへのシニカルな認識もまた健在だ。物語後半においては、なんと少女たちを使ったカードバトルゲームの様相を呈し、エンターテインメントとして他者を消費する姿を描いている。そこにはエンターテインメントと言うものの根本的な醜悪さ(本質的に他者の不幸を喜ぶものとしての娯楽、そして抵抗できない弱いものに対する傲慢と呼ぶべきもの)があるように、僕には思えるのだった。また、この作品は、前作『扉の外』シリーズとも深い関わりをもっているようだ。おそらく同じ世界観に基づくものであろうことが予測される場面がそこかしこにあり、今シリーズが進むにつれて、以前は明らかにされなかった背景状況も明かされてくるのかもしれない。そういった面でも期待していきたい(これもまたエンターテインメントとして消費する行為そのものではあるのだが)。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.12.08

買ったり読んだり

『ゴッドオブウォーⅡ』のGODモード(ハード)をクリアしたー。すげー。あからさまに次回に続くだったことには言いたいことも無いではないが、クライマックスのあまりのテンションに体温が2、3度ほど急上昇。クレイトスさんの持つ獣性には男としての本能が刺激されるなあ。あとはタイタンモード(ベリーハード)に入るか否か…。さすがに疲れたぜ。

買ったもの。
1.『異国情緒のクロワリーゼ(1)』 武田日向 角川書店
2.『ミステリクロノⅡ』 久住四季 電撃文庫
3.『とらドラ6!』 竹宮ゆゆこ 電撃文庫
4.『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん(3) 死の礎は生』 入間人間 電撃文庫
5.『狼と香辛料Ⅵ』 支倉凍砂 電撃文庫
6.『福音の少年 王立図書館十字軍』 加治尚武 デュアル文庫
7.『神様の悪魔か少年』 中村九郎 富士見書房

全然関係ないんだけど、最近、ライトノベル界隈を眺めていると、西尾維新の『刀語』の完結が話題になっていた。どういうわけかみんな絶賛している…。そうか面白いのか……それなら読んでみようかな…などと言うと思ったか!騙されん、騙されんぞー。絶対に読むものか!などとツンデレしてみる。と言うか、読んだら負けかな、と思っている。

えー、それはともかく1.は『GOSIC』シリーズでも有名な武田日向の新刊。相変わらず緻密に描き込まれたすごい絵だ。一コマ一コマがイラストに匹敵するようだ…といえば僕の驚きが少しは理解してもらえるだろうか。2.は天使が出てくるタイム・ミステリの2巻。この調子だと4~5巻くらいで終了すると美しく終わりそう。この作者ならきちんとやってくれるかな。3.不器用な少年少女のドタバタ。みんなすごく頑張っているなあ…。4.若い!この作品のセンスは若いよ!なんと言うか、世界すべてにハリネズミのように自意識を尖らせている時代にしか書けない作品だよなあ…。もう主人公の喋り方は鬱陶しいのだが、それが無くなったらこの作品の肝がなくなってしまうのだな。5.アニメ化らしいけど、そっちの方はどうなんでしょうね。ちなみに僕はアニメの絵よりも原作のイラストの方が好きです。6.…なんか昔読んだ『図書館のキス』と話が全然違うんですが!?なんですかこのナイス眼鏡ロリ幼女は…。7.中村九朗を買うのを忘れとった。ちなみに僕はあまり中村九朗のすごさは良く分かっていないんですが、最近の作品はあまり評価出来ないと思う。だって明らかに手を抜いているんだもの。まあそうしないと読者を置いてきぼりにしてしまうんだろうけどさ、『黒白キューピッド』の頃の凄まじいソリッドな感触はなくなっちゃったなー。自分でも言っている意味が分からんが。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

『さらば、愛しき鉤爪』読了

さらば、愛しき鉤爪』(エリック・ガルシア/ヴィレッジ・ブックス)読了した…んだが、なんだこりゃ、面白過ぎる。

探偵、ヴィンセント・ルビオは、親友でありパートナーでもあったアーニーが謎の死を遂げた後、ケチな仕事で糊口をしのぎながらも、アーニーの死の真相探っていた。あるとき、またしてもつまらない仕事と思われた事件から、陰謀の匂いを嗅ぎ付ける。ルビオはそこに望みを賭けで真相に挑む…と言う話なのだが、それは本題ではない。実はヴィンセント・ルビオは現代まで生き延びた恐竜の末裔だったのです――――(何を言っているのかわからないと思うが、本当だ)。

実は現代を生きる恐竜(ヴェロキラプトル)であるルビオが恐竜社会を揺るがす事件に挑むという話なんだけど、正直なところ一体どういう発想をすればそんなことが考えられるのか理解に苦しみます。まあ、人間に知られぬように社会で生きる異種族のハードボイルドという設定だけ見れば、平井和正のアダルトウルフガイシリーズと言う先例はあるんだけど、その異種族が”恐竜”ってのはまったく想像の埒外だった。いや、まさにコロンブスの卵。こんな使い古されたアイディアから、ここまで新しい発想が出来るんだなあ。

内容はいわゆる伝奇ハードボイルドアクションに分類される(まさにウルフガイと同じタイプ)娯楽エンターテインメントに仕上がっている。ちんけな私立探偵でしかない主人公が、その異種としての力とタフな精神力と洒脱な話術で巨大な陰謀に挑む、と言うのが基本的なストーリーラインなんだけど、どうもこの世界は恐竜が相当数存在しているみたいで、恐竜社会でのみ物語が進行していくのが特徴か。そのために、社会に疎外されるものという印象が少なくて、雰囲気は明るく爽やかでさえある。主人公を始めとするキャラクターも魅力的でいうことねーなー。主人公がサラに対してフォーリンラブに陥って、洒落たセリフも吐けなくなってへどもどしているシーンじゃ主人公に萌え萌え。探偵としては有能なのに、どうにも間抜けな印象を受けてしまうルビオはマジ萌えるぜ。物語中盤から主人公の相棒役を務めるグレンダもいいなあ。全然女らしくないけど、むしろバディものとしてはそこが良いのだ。うむ。

物語そのものも、恐竜と人間と言う異種が存在することをきちんと盛り込んでいるので評価できる。決して思いつきだけで主人公を恐竜にしたわけじゃない(まあ0ではないだろうけど)と思わされた。

まあ、ハードボイルド・パロディの一つではあるんだけど、伝奇アクション的な要素を強く持っている作品なので、むしろライトノベル的な要素が強いのかもしれないなあ、とか今思った。なるほど…(なるほどじゃねえ)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.07

『バッカーノ!2002【B side】 Blood Sabbath』読了

51gileu8kal
バッカーノ!2002【B side】 Blood Sabbath』(成田良悟/電撃文庫)読了。

2002年編の完結。なんとなく21世紀編の登場人物紹介みたいな話だったな。これで大体主要キャラが把握できたので、次回以降に本格的に話が動いてきそうだ。20世紀編から貼ってきた気の長い伏線がようやく回収されて、真のラスボスがその姿を見せてきた模様である。今回から始まった21世紀編もかなり重要な展開を見せてきたので、外伝的な扱いではなく、両方とも本編と言う扱いになるのかな(20世紀編が交互にザッピングしていくのかもしれない)。で、内容の方だけど、正直2巻かける必要があったとはとても思えないんですが…。要するに表の計画の裏では、変な教団がさらに計画を練っていたわけだけど、それって前巻を読んだだけでは全然サプライズになってないと思うのです。いきなり、「裏ではこんなことが起こっていた」と説明をされても…。表裏の思惑が絡み合うまでものすごく時間をかけているので、そこに行き着くまでがつらい。その分、状況が錯綜してきてからのクライマックスまで一気呵成の展開は相変わらず楽しいのさすがだった。危険に次ぐ危険の中で、どんどん開き直っていくキャラクターたちがおかしくも格好良い。このテンションは成田良悟の持ち味ですな。

AsideとBsideを縮めて一冊にしてくれればもっと良い作品になったと思うのだが…。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.06

『円環少女(6) 太陽がくだけるとき』を読んだ。

51iszhwjasl
円環少女(6) 太陽がくだけるとき』(長谷敏司/角川スニーカー文庫)読了。

長谷敏司の濃密な文体が生み出す緊張感が凄まじい。前回まででひたすら主人公を(そして読者を)抑圧し続けた展開から、爆発を起こしたかのようなハイテンション。もー全編クライマックスだなこりゃ。世界は理不尽で残酷であるけれども、少しでもより良い世界を小さな少女に見せてあげたいと言う切なる想いを胸に足掻いてきた主人公、仁がとりあえずとの留保付きではあるものの、ついに成果を得ることが出来たということがとにかく感動的だった。その成果と言うのは、ある意味においてもっとも過酷な選択を選び続けた仁の無意味で無謀で無茶な行動によって手に入れたもので、彼が今まで行ってきた選択は無駄では無かったのだなあ。正直なところ、この主人公は何かを得るために何かを失うと言うことに覚悟がもっとも定まっていない人間だと僕は思っていて、つまり、優柔不断でお人良しで判断力皆無のどうしようもない駄目人間なんですよね。作中でもメイゼルを救うために地下の魔法使いたちを殲滅しようと行ったはいいけど、魔法使いたちに感情移入しちゃって後先考えず味方をしちゃったり、メイゼルが敵として現れたら今度はメイゼルと戦うことを拒否して逃げ回ったり、メイゼルがピンチになったら、今度も公館(仁の所属先ね)の魔法使いと戦ったり(つまり裏切り)…。もう、こいつは、何一つ主義主張がねえっ…!あっちにふらふら、こっちにふらふらと、もうどうしようもないヤツだ。一番どうしようもないのが、こいつはそれが分かっててやっているってことだが…。救われねえ。でも…そうやって、すべての人を救おうと足掻きに足掻き、そして当然のように敗北を重ねてきた仁の、初めての勝利の日になったわけですよ。6巻目にしてはじめての。…これまで、戦いに勝ったことと仁の望んだ結末はイコールではなかったからなあ。

もちろんそのカタルシスも素晴らしかったのだけど、相変わらず豪奢にして大伽藍を思わせる文体は健在で、その濃密さを持って、凄まじい勢いで人間の葛藤を描きぬいている。仁もそうだけど、自らの信仰を見出したエレオノールの決着と決別やメイゼルとの感情のやりとりとか、もうどこまで煮詰めているんだか…。なんかもう、文章を読むだけで飲み込まれそうな印象を受けたのも久しぶり。いいものを読ませてもらいました。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.12.05

『桜ish -推定魔法少女-(2)加速連鎖は恋心』を読んだ

51cxp3qcfdl
桜ish -推定魔法少女-(2)加速連鎖は恋心』(一肇/角川スニーカー文庫)読了。

これはけっこう好きな作品だなあ。後ろ向きで人生を全然楽しめない主人公が、魔法少女となることでポジティブなあり方を学んでいくとも取れるけど、変身前と変身後で別人格的に描かれるようになって(と言うよりも、ヒーローとヒロインが同一人物的な描かれ方をしているのだな)、なかなか複雑な面白さが出てきたように思う。ネガティブではあるけど、それでもヒーローに憧れる気持ちをなくしてはいない主人公は好感が持てるし、変身後の姿である魔法少女の元気爆発の前向きさは無条件に好ましい。同時に、そういったポジティブさに対して、主人公がネガティブな視点からカウンターとして機能していて、単なるポジティブさそのものを肯定しているわけでもないところもいいなあ。もちろんそういった細かいところも抜きにしても、身体だけ女の子になってしまった主人公が困惑してハラハラわくわくだったり(阿呆)、クライマックスにおけるテンション急上昇で疾走するバトルシーンも格好良いし、あれ?実はこの作品、隙が無くね?オレ、絶賛してね?

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007.12.04

ゲームについて一言と購入記録

ああ…クレイトスさん、アンタはなんでそんなにクレイトスさんなんですか。ペルセウスのあまりな死に方に半笑いになりつつ、空を華麗に滑空するハゲヒゲマッチョと言うものすごい図が出てきた時は笑いを通り越して呆然としてしまったよ。クレイトスさんはマジフリーダムだぜ。

買ったもの。
1.『時載りリンネ!(2) 時のゆりかご』 清野静 角川スニーカー文庫
2.『プルートゥ(5)』 原作:手塚治虫 漫画:浦沢直樹 小学館
3.『まりあ十ほりっく(1)(2)』 遠藤海成 メディアファクトリー
4.『医龍(15)』 乃木坂太郎 小学館
5.『魔人探偵脳噛ネウロ(14)』 松井優征 集英社
6.『銀魂(21)』 空知英秋 集英社
7.『D.Gray-man(13)』 星野桂 集英社
8.『スティール・ボール・ラン(14)』 荒木飛呂彦 集英社

| | コメント (0) | トラックバック (1)

『流血女神伝 喪の女王(8)』の完結編

51rhajokthl
流血女神伝 喪の女王(8)』(須賀しのぶ/コバルト文庫)読了。

長い間続いた流血女神伝もこれにて完結。いやめでたい。作者もお疲れ様でした。それで内容のほうだけど、ものすごいアクロバットをかまして驚くべきことに物語を着地させたことには賛嘆の念を禁じえない。あそこまで錯綜した状況を、ドーンの決断を中心にして無理矢理纏め上げている…。まあその弊害も大きくて、カリエとドーン以外の登場人物たちの動向を地の一文だけで終わらせたりしていて、それぞれが主役級の存在感を持ちながら、物語上の必要性のみで整理されてしまった感がある。具体的にはランゾット・ギアスの一代記には別にシリーズ化してもいいだろう!?と言うのが我輩の切なる願いである。グラーシカの退場の仕方もひどかったし…。まあ、風呂敷を畳むのに精一杯だったんだろうなあ。物語の舞台を広げすぎてしまったのが原因だろうけど、ここまでシリーズが長期化すると、それもどうしようもないことかも知れないが。ザカリア女神が正しい意味でデウス・エクス・マキナとして物語を強引に神々の終焉として決着させたあたりはさすが神様であるなあ。なんか貶してしまったけれども、別に面白くなかったわけじゃなくて、だからこそもうちょっとつっこんだところを読みたかったわけだけど…まあ、ここまで長大化した物語をとにかく決着させたのはえらかったと思う。今回が一区切りと言うことで、次代の子供たちも物語も読んでみたいので、その辺のところもよろしくお願いします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.03

『彩雲国物語 隣の百合は白』読了

51ztud7adxl
彩雲国物語 隣の百合は白』(雪乃紗衣/角川ビーンズ文庫)読了。

今回は短編集と言うか外伝集らしいのだが、「恋愛指南争奪戦!」のあまりのくだらなさに度肝を抜かれた。ここで言うくだらなさと言うのは、よくも自分の作品をここまでオモチャに出来るものだなあ、と言う呆れ混じりの感心するもので、決して否定的な意味合いではないが。まあ、ここまでやっちゃった感のある小説を読んだのは、最近だと『学園キノ』以来かも知れぬ。とにかくひどかった(無論、いい意味で)。「お伽噺のはじまりは」については、邵可の過去の話が語られているんだけど、ちょっと話が短すぎでなんともいえないかな。「地獄の沙汰も君次第」は、黎深の結婚話なんだけど、初登場の百合姫と黎深のお互いにあまりにも鈍すぎるやりとりが面白かった。百合姫はなんか良い人と言うか、可愛い人ですよね。でも、黎深ってどう考えてもただの性格破綻者なんだけど、女性ってこういうところが好むのかなあ。一緒の暮らすのは大変だと思うんだけど。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.12.01

『レンズと悪魔(5)魔神陥落』を読んだ

51e5q8osgcl
レンズと悪魔(5)魔神陥落』(六塚光/角川スニーカー文庫)読了。

”税騎士”なるバカバカしい字面と、その実態との乖離はこの作家らしいユーモアか。徴税に関する下りなどは、まったくどこの口から言い出してやがるんだこの大法螺吹きが、とツッコミを入れたくてしょうがない。もっともらしく法螺を吹くと言うのは、いわゆる最悪なタイプの嘘つきですよねー。もっとやってください。税騎士たちのフリークスぶりがなかなかグロ楽しい。実はフォーク使いがお気に入りだったりして。おめー、もうちょっと人の話を聞け。この作品には悪人のキャラクターが実にユーモアたっぷりで個性的なんだけど同時に最悪と言うにも生ぬるい外道も多くて、と言うかユーモアたっぷりの愉快なクソ外道の描写が最高に素晴らしいのだけど、この巻で最高潮に達した感じだ。微笑ましくもコメディタッチで殺戮を繰り広げる外道どもの姿を見ていると、なんと言うか、人間性と言うものへの根深い恐怖が感じられてくるような気がするから不思議だ。外道が外道らしく振舞うのは別に当然なのだが、真に恐ろしいのは優しくフレンドリーな外道と言うことだな。あーおっかねえなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

なんかいろいろ買った

『ゴッドオブウォーⅡ』をひたすらプレイしている。クレイトスさん・・・なんと言うか、人間としてやっちゃあいけないことって言うのがあると思うんだ。百歩譲って鍵だけ奪って生存者を突き落とすと言うのは良いことにしよう(良くない)。しかし、なんだ、瀕死の兵士を門の歯車に噛ませて破壊するっていうのはどう考えても駄目だと思うんだ人として…。クレイトスさんは善悪と言う概念を超越しておるなあ。まあそこに痺れる憧れるわけですが。あとテセウス…イアソン…お前らギリシャ神話の英雄なのになんつー…。クレイトスさんにはギリシャ神話を終わらせるつもりなのだろうか…。

1.『ベルセルク(32)』 三浦健太郎 白泉社
2.『ホーリーランド(16)』 森恒二 白泉社
3.『バガボンド(27)』 井上雄彦 集英社
4.『ガンスリンガーガール(9)』 相田裕 メディアワークス
5.『氷の海のガレオン/オルタ』 木地雅映子 ピュアフル文庫
6.『The MANZAI(4)』 あさのあつこ ピュアフル文庫
7.『人を殺す、と言う仕事』 大石圭 光文社文庫
8.『禍家』 三津田信三 光文社文庫
9.『カッティング ~Case of Tomoe~』 翅田大介 HJ文庫
10.『護樹騎士団物語Ⅶ 白銀の戦う姫(上)』 水月郁見 TOKUMA NOVELS

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年11月 | トップページ | 2008年1月 »