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2007.12.12

『永遠の戦士コルム1 剣の騎士』読了

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永遠の戦士コルム1 剣の騎士』(マイケル・ムアコック/ハヤカワ文庫SF)読了。

まさか『剣の騎士』『剣の女王』『剣の王』の剣シリーズが一冊にまとまっていてお得な感じ。エルリックシリーズでもおなじみのアリオッホ(きちんと新訳になっている)も出てきており、多元宇宙の広がりも感じられますな。もっともエルリック新三部作で多元宇宙をさらに広げた概念を打ち出しているので、今更な感もありますが…。

人類とは異なる種族、ヴァドハー族のコルムが、マブデンと呼ばれる人類に一族すべてを滅ぼされたことから、マブデンの背後に存在する混沌の神々に復讐するのため旅立つ。ムアコックらしい奇妙なな異世界描写がおぞましく、ある意味実に正統なファンタジーになっている。まあムアコックのことだからわかり易い復讐譚にはならないんですが。結局のところコルムのような永遠の戦士たちは、法にも混沌側にとっても切り札的な存在で、同時に盤上の駒でしかないんですよね。この世界においては法は圧倒的に劣勢で(まあ世の中ってのは混沌の方が大抵強いんだけど。エントロピーの問題だし)、コルムは法の味方をすることで混沌を撃ち滅ぼすことになるんだけど、結局それがコルムにとってなんらかの救いになるかと言うと全然そんなことはない。友を失い、同族を殺す血塗られた道を歩みながら、自分の行為に意味を求めて戦い続ける悲劇性が付きまとっているあたり、コルムはエルリックに非常に良く似たヒーローだと思う。そして自分の存在意義を求める行為は、ことごとく無意味に終わってしまうところがやりきれない話ではある。コルムは神を救うけれども、神は人を救ってくれないんだよなあ。

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