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2007.11.30

『黄金の王 白銀の王』読了

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黄金の王 白銀の王』(沢村凛/幻冬舎)読了。一言で言うと傑作と言っていいでしょう。けど一筋縄ではいかない作品。

沢村凛の描くファンタジーは非常に特異なところがある。なにしろ主人公たちがいかに努力しようとも”ビルドゥンクス”が達成できないのだ。ビルドゥンクスとは、ここでは成長物語と言う意味と、その成長も社会なり他人なりに承認され、その成員として受け入れられるところまでを指す。ところが沢村凛のファンタジーにおいて、主人公は自分の正しいと考える行為を為し、事実その行為は気高く、多くの人の幸福につながる道を歩んでいくのだが、その行為はあまりにもマクロの視点に基づいた思想であるがゆえに、ミクロの視点しか持ち得ない(普通の)人々にとっては何一つ理解出来ない行為なのだ。主人公の選択は、実は周囲の人々の”100年先の幸福”をめざした行為なのだが、それを理解出来ない人々は、主人公を疎み、あるいは憎悪し、排斥する。つまり、主人公の属する社会の成員としても承認を受けることなく、あらゆる意味で拒絶される。そして、物語が進むにつれて、主人公は次々に大切なものを失っていく。言うなれば”アンチビルドゥンクスロマン”とでも名付けられる壮絶な人生を、穏やかに静かに、儚いまでに美しく描いていくところに、ただただ絶句するしかない。

主人公を理解するものは誰ひとりとしていないまま、憎まれ石をもて投げつける人々のために、彼はは身も心もぼろぼろにして道を進む。あくまでもマクロの視点で行動する主人公は、しかし、彼がもっとも大切にしているのは、ミクロの、つまりごく当たり前の平凡な日常でもある。あらゆるすべてから排斥される主人公を、最後に受け入れてくれたのは、手を握ってくれた女性と、その子供たちだ。そのためにこそ、彼はすべてを、自分すら捨てて歩み続ける。自らが擦り切れて摩滅するその時まで。その道は英雄の道ではない。聖者の道である。だが、彼が聖者の道を歩んだのは、妻の、そして息子の、そして孫のため。地位も名誉も栄光も人並みの幸福さえも捨て、社会的にも歴史的にも何一つ事跡を残さなかった男が望んだものは、ただそれだけなのだった。そこには自己憐憫も独善も憎しみも無い。ただただ、与えられた運命を受け入れ、その上で全力で物事を成し遂げようとした人間の、深い満足感に満ちた境地があるのだった。

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2007.11.29

『時砂の王』を読んだ

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時砂の王』(小川一水/ハヤカワ文庫JA)読了。

2300年後(だっけ?)の地球に襲来した異星の戦闘殺戮兵器(ET)と絶望的な戦いを続ける人類が見出した賭け。それは過去に遡り、ETたちの襲来を事前に防ぐこと。その任務のために生み出されたメッセンジャー(人造人間)たちの壮絶な戦いを描いた作品。このあらすじの凄まじい骨太さに比較してあまりに本が薄くて一体どうなることかと勝手に心配していたものだけど、見事に物語を綺麗に決着させているところがえらい。小川一水さいこー。はるか未来からどんどん時を遡って、たどり着いた最終防衛ラインが邪馬台国の時代という発想がまた面白いなあ。また使いの王オーヴィルが元の時間軸に残してきた女性との想いや、邪馬台国の女王卑弥呼との間に生まれる情愛を初めとする個人レベルのミクロな領域と、個人の想いをすべて飲み込む大きな時間の流れが同時に語られているところが感動を呼び覚ましていると思う。とても面白かった。

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2007.11.28

『<本の姫>は謳う(1)』はまだまだ序章と言う感じ

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<本の姫>は謳う(1)』(多崎礼/C☆NOVELSファンタジア)を読んだ。『煌夜祭』にてかなり度肝を抜かれてしまった作家の待望の新作。『煌夜祭』において、なによりも魅力的な”物語”と、それを生み出す”世界”の調和が美しかった作家だけど、現時点において、いまだ物語と世界が結びついていない。しかし、作者がなんらかの仕掛けを施していることは、一巻を読んだ時点でピンとくるものがあるので、まったく持って続編が待望されるところである。”現在”パートと”過去”パートが交互に語られていくと言うトリッキーな構成が結びついていく今後の展開に期待。そしてその期待は裏切られることは無いだろうという確信が、この本を読んでいるうちに湧き上がってきた。これはもしかしてすごいものになるような気がする。

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『キラ☆キラ』を進めてみる…つもりだったのだが。

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なぜか手元にあった『ゴッド・オブ・ウォーⅡ 終焉の序曲』を手に取ってみたらさあ大変。どうしようママン!神様になったハゲマッチョと巨大神像が超絶バトルを繰り広げ始めたよ!と言うわけで止めようがなくなったのでした。どうやら僕の中の優先順位として、クレイトスさん(ハゲ、ヒゲ、マッチョ)が最優先事項に位置づけられた様子です。本当は一作目をゴッドモードでクリアして、さすがに疲れたので後回しにするつもりだったのが…。ええい、女の子と戯れている場合じゃねえ!時代はハゲマッチョがトレンドだ!(たぶん)

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2007.11.27

『ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険(2)』を読んだ

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ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険(2)』(ヤマグチノボル/MF文庫J)を読んだ。これ、続き物だったのか…とまず驚いた。なるほど、本編ではいまひとつ物語に関わってこないタバサが、サイトたちの活躍の裏でどのような活動をしていたのか、と言う話らしい。学園での戦いの後、コルベール先生がどこに連れて行かれたのとか、キュルケの気持ちとか、きちんと本編の補完になっているところも良いですな。タバサは主人公としては自己主張をまったくしないので非常に動かし難いタイプだと思うんだけど、一見、感情表現をしない中でも、中身はわりとお人よしだったり、むきになったりするところもあるなど、作者の計算通りだとは思うのだけど、ずいぶんキャラクターに幅が出てきたものだと思う。これは本編の影響かもなあ。あと、キャラクターの魅力は本編と遜色無いにしても、キャラ小説と言うよりは、普通のエンターテインメントの方向性(例えばサスペンスだったりミステリだったり)を持っているところもわりと嫌いじゃないですね。

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2007.11.26

『ドアーズ(1)』を読んだ。

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ドアーズ(1)』(神坂一/角川スニーカー文庫)を読んだ。神坂一を読むのなんて何年ぶりのことであろうか…。スレイヤーズの10巻あたりから読んでいないから、たぶん10年以上前か(適当)。一時期、神坂一の平易さが気に入らなくて別の作品に流れていったものだけど、今読んでみると、神坂一の平易さと言うのは、読者を考慮した計算に基づいたものだったんだなーと言うことが良く分かる。マニアックにならず、かといって安易でもない、エンターテインメントとして絶妙なところをついているんだなー。必ず作品に読者を惹き付けるフックを用意しているところも良いですね。基本的にセオリーに忠実なのに、ほんのちょっとだけ”捻る”。そのわずかな捻りが料理における素スパイスのように作品に切れを与えている。例えば『妹が触手になっちゃった』とか(そこかよ)、ファンタジーの世界で魔王と戦ったり(そして一瞬で決着したり)。若さがもたらすドロドロとした熱情はそこには無いけど、ベテランの持つ円熟した技量があって、実に好ましいと思えた。読んでいてまったく不快感を受けないのは素晴らしいなあ。良い意味で力が抜けている。多様な価値観(作者にとっても読者にとっても)を受け入れる懐の深さがあると思うのでした。

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久しぶりに自分自身を褒めてやりたい

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『ゴッドオブウォー』のゴッドモード(ベリーハード)をクリアした…。(公式は例によってこっちです。宣伝宣伝)。ついでにチャレンジオブゴッド(エクストラステージ)もクリア…。シークレットメッセージも見たし、隠しコスチュームも出した…。燃えたよ…燃え尽きたよ…真っ白にな…。

最初はイージーでやってて、クレイトスさんの爽快アクションを堪能していたんですが(ちなみにこの作品、イージーモードだと適当にボタンを押しているだけでも大体クリアできると言うモード。ストーリーを追いたい人向け)が、一応、そっちでは大分前にクリアしていたんです。2週間ぐらい前に。これだけでも、ああ良いゲームをやったなあと爽やかな達成感を味わっていたんですが、ベリーハードでクリアするといろいろ特典があるらしいと言う話だったので、駄目元でちょっとやってみたわけです。まあ腕試しと言うか、イージーとは言え一応はクリアしたわけだし、少しずつやればいいかな、と。

開始5秒で死亡。

もうわたくし、何が起こったのか理解できませんわ。目が点というヤツですよ。とりあえずもう一度やり直して(ちなみにこのゲーム、コンティニューが直前から再開できるところも素晴らしい。ストレスレスです)今度は気合を入れてトライ。

開始3秒で死亡。

なんで前より死ぬのが早いんだよ。
大袈裟に言っていると思うかもしれないけどマジです。大体、開始直後の雑魚戦(5~6体が同時に出てくる)で3回切りつけられたら死亡ってどういうバランスなんだよ、と強く主張したい。一度に斬りつけられたら即座に死亡じゃねえか(死んでます)。

この雑魚がまた固い。こっちは3回切りつけられた死ぬのに、雑魚は10回ぐらい切っても死なないってのはどういうことだ…。つまり、相手の攻撃はすべて回避し、こちらの攻撃はすべて当てるプレイを推奨と言うことなんですな。なるほど、つまりモハメド・アリになればいいんだ。納得だな。

…クリアできるビジョンが全然思い浮かばねえ…(つか、無理)。

まあそこで諦めてしまえば早かったんですが、なんとか進めてみようといらないゲーマー魂が燃えてきてしまったんですな。ほら、オレってマゾだから。苦しいの大好き(場合にもよるが)。

で、そこからが悪戦苦闘の毎日ですよ。何度も何度も死亡→コンティニューを繰り返しつつ、ようやく必勝パターンをつかんで先に進むとまた新たな苦難が。さらに死亡→コンティニューの永劫地獄…。難易度は鬼だが、コンティニューやロード時間の短さ(と言うか無さ)などユーザーフレンドリーなシステムのおかげもあって、毎日毎日、一日30分とか一時間とかコツコツと時間をかけて、ついに本日クリアをいたしました。

今はとにかく披露困憊。オレってスゲエ。こんなに努力をしたのは久しぶりのことじゃないかしら。

そういう努力はもっと別のものに(以下略)

まあ、とにかく疲れたので、詳しい感想は後にするけど(書かない可能性が高いが)なんつーか、一言で言って、このゲームはアクションゲーム史上に残る最高傑作と言っていいですな。ストーリーもグラフィックも音楽もシステムもありとあらゆる面で隙がねえや。アメリカ人すげえ。この作品を知らないでいるのは、物語や映画等を好み、アクションゲーム好きな人ならこのゲームを目にしたことが無いというの勿体無い、と断言してしまおう。まあ、僕が損していたと思っているんだけなんだけど。

クレイトスさんのアクションはいちいち残虐ファイトでたまらんなあ。敵を引きちぎったり、顔面に双剣をぶち込んだり、目玉を抉り取ったり…大量流血大盤振る舞いだ。やっぱアメリカ人はすげえな。肉食文化だけのことはある(不当な偏見)。

これでようやく『キラ☆キラ』がプレイできるぜ!

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2007.11.24

『ギャルゴ!!!!!-地方都市伝説大全-』を読んだ

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ギャルゴ!!!!!-地方都市伝説大全-』(比嘉智康/MF文庫J)を読んだ。

女の子がいっぱーい出てきて主人公と関わって、なんだかんだと苦労しながらもさまざまな事件を解決しようと奔走する主人公の話。主人公が、平凡ながらも素朴な正義感が行動の基盤になっているところが実に好ましく、良いと思った。女の子のために体を張ったり、困っている人を助けようとする気持ちってのは、とても正しい気持ちだと思う。それだけに、その気持ちだけで貫き通すことは難しいのだけど、そこを頑張ろうとする主人公の気持ちは尊重してあげたくなる。なんか気分が良くなるっていうか。誰かのためのヒーローになりたいと言う、ある意味において非常に幼くも正しい気持ちが素直に肯定されているのが疲れた心を癒してくれる。物語の中くらい、正義の味方になりてえぜ!また主人公を取り巻く女の子たちも魅力的で(まあ犬だったり人形だったり、人間の女の子がほとんどいないんだけどさ)、いわゆる良い意味で嫌味が無いのも良い。すわ、この作品は桃源郷かエリュシオンなのか。まあ、口汚く言ってしまうと、そんな良い意味で現実感の無い話で、ストレスが一切存在しない物語作りをされていて、僕のような心の汚れた大人の心を癒してくれるような、そんな話なのでした。ジュブナイル的な側面を強く持ったライトノベルと言えるのかもしれんね。

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2007.11.23

まあ僕は瀬戸口廉也のファンと言うより信者なんで買わないという選択肢は無かったんだけど

抱き枕なんてもらっても処理に困るぜブラザー。知り合いに見られたらどうしてくれるんだい?(しらねーよ)

1.『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド(4)』 環望 メディアファクトリー
2.『どろろ 梵(1)』 原作:手塚治虫 漫画:道家大輔 秋田書店
3.『触手姫(1)』 黒葉 キルタイムコミュニケーション
4.『The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day』 原作:荒木飛呂彦 著:乙一 集英社
5.『薔薇色にチェリースカ(2)』 海原零 スーパーダッシュ文庫
6.『紅 ~醜悪祭~(上)』 片山憲太郎 スーパーダッシュ文庫
7.『ばいばい、アースⅢ 爪先立ちて望みしは』 冲方丁 角川書店
8.『ネクロダイバー 潜死能力者』 牧野修 角川ホラー文庫 
9.『きら☆きら』 OVERDRIVE
10.『世界で一番NGな恋』 HERMIT

1.人外ロリ漫画の王道。いちいちエロくてたまりませんな。我らがミナ姫さまに更なる屈辱が迫るッ…ってどんな漫画だ。2.お、おれたちの手塚先生がファックされているッ!!!こんなことが、これをどろろの続編と言ってしまうことが許されていいのだろうか…。百鬼丸が女の子になって舞台が現代になっています。おいおい。3.どうも僕はヴァルキリーコミックスが好きすぎるらしい。変態ですいません。4.何年ぶりかは忘れたが乙一の新刊。今度はジョジョのノベライズだ!しかも、僕が一番好きな第四部!第四部は、いわゆるわかりやすい悪が存在しなくて、人間そのものの暗部を描いているところがいいと思うのだ。5.海原零の新刊。なんか不思議な作品だよなあ…。6.なんか…この作品の主人公である紅真九郎くんのありとあらゆる面がムカつくことに気がついた。こいつ…俺、大嫌いだわ。その理由も分かっている。こいつは、”俺が大嫌いな俺”をかき集めたような人間なんだ。このあたり、詳しくは感想にて。7.すっかり月間ウブカタが復活しちゃっているなあ…。来月で一応一区切りかな?8.牧野修は普通にエンタメを書くとあまり面白くならないので、これが面白いのかどうか、不安なところがある…。なんかライトノベルっぽい表紙だしなあ…。9、はい、瀬戸口廉也です。ロックンロール鳴り響く青春ものらしい。瀬戸口廉也で青春ものか…(しばらく考えて)…うん、それは素晴らしいな!10.実は自分、丸戸史明もわりと評価しているんです。いわゆる職人気質で、きちんとした”物語”描けるエロゲーシナリオライターですね。

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『えむえむっ!(3)』については特に言うことが思いつきませんね

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えむえむっ!(3)』(松野秋鳴/MF文庫J)読了。面白かった。終わり。

それで終わらせても全然問題ないような気がしてきた。パターン化されているとの意見もあるだろうが、それでつまらなかったのかね?ん?(誰に言っているんだ)面白きことは良きことなり、の精神に則れば、同じことの繰り返しであろうとも、丹念に、そして丁寧に積み重ねていくことにより、様式化された美と快楽が生まれてくる。この作品はそろそろその領域にたどり着きつつあるような気がしてきた。なーんて言うのは戯言以外何者でもないんだけど、ラブコメなんてものはそんなもんだ。今回は主人公カップルのお邪魔虫的存在が登場して、二人の関係をもう一度見つめなおさせる展開になるんだけど、雨降って地固まる、の言葉通りの展開で決着するであった…と書くと単純な話ではあるけれど、その過程にサディズムとマゾヒズムと近親相姦的異常な家族愛と同性愛的関係と服飾倒錯的志向とコスプレ的欲望がスパイス(と言うには強すぎるが…)となって、報復絶頂と言うしかない展開に。なんかコスプレが一番まともに見えるところがこの作品のすごいところですよね。ありえません。

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2007.11.22

PCが壊れていた時期に何をやっていたかってーと

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『ゴッドオブウォー』をやってた(公式はこっち)。

筋骨隆々のハゲマッチョスパルタ兵士が敵をぶっ殺し女を犯し一般市民も虐殺したり(北米版)あげくの果てに神にまで喧嘩を売る話。スパルタ兵士は世界最強の戦士っすよ!(『300』に毒された発想)そこに圧倒的なグラフィックと疾走感に満ちたスタイリッシュアクションが融合したちょう傑作。いやマジで。神話的と言う言葉がピタリとはまる、おそらく空前絶後のアクションゲームだろうなあ。こんな傑作を見逃していたとは…アメリカ人すげー。

あとクレイトスさんマジ自重。残虐にして冷酷な狂戦士というか、ほんまケダモノやわこの人…。でも反面自分の犯した許されざる罪に苦しむところもあって、そこらへんが萌えポイントですよね。ギャップ萌えみたいな。ごめん嘘。まあクレイトスさんが男の中の男と言うか(脳内)抱かれたい男ランキングの王者であることはあえて明言する必要もないことであります。それにしても玄田哲章は衰えを知らんな…。

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『“探し屋”クロニクル 7/7のイチロと星喰いゾンビーズ』を読んだ…んだけど

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“探し屋”クロニクル 7/7のイチロと星喰いゾンビーズ』(羽谷ユウスケ/ガガガ文庫)を読んだ。読んだんだが…なんか良くわかんねえなあ。七重人格の主人公が星食いと呼ばれる存在に関わったり、探し屋と呼ばれる退魔師みたいな人が戦ったりする話なんだけど、正直、主人公が全然物語と関係なくね?いや、世の中には群像劇と言う手法もあるし、主人公が物語に関わらなくても別に良いんだけど(その場合、狂言回しと呼ばれるのだろうが、それはともかく)、星食いも探し屋も同じ世界観に属しているのに対して、主人公の方が明らかに”世界観から浮いている”にも関わらず、作品内で主要な行動を起こすのは主人公であるあたりが良く分からない…。主人公はあくまで多重人格者であるだけで一般人であって(まあその根幹にはもしかしたら秘密があるのかもしれないんだけどさ)、最後まで”探し屋”たちの世界観に馴染もうとしないんだよな…。日常と非日常の境目をどう描くかと言うのは学園異能ももちろんのこと、ライトノベル的なフォーマットにおいては重要なテーマではあるように思っているのだけど、この作品では、日常と非日常の間にそもそも垣根が無いというところがポイントなのかなあ、とか思ったけど、たぶん気のせい。なんだろうなあ…これ…。

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こんなん買ったんです

1.『GANTZ(22)』 奥浩哉 集英社
2.『超人ロック 凍てついた星座(1)』 聖悠紀 少年画報社
3.『ルー=ガルー 忌避すべき狼(2)』 原作:京極夏彦 作画:樋口彰彦 徳間書店

1.は主人公交代で加藤君が主役の大阪編。いやー、加藤は本当にナチュラルに格好良いね。玄野ほどに超人的な能力は持たないけど、逆にそこがいい。2.は超人ロックの新作。なんつーか一番萌えるのがロックの変身後の少女姿と言うのがもう…。3.しかしこれ面白いなあ…。絵も魅力的なんだけど、お話の作り方がね、たまらん。しかし、漫画の中で形状認識異常者と言われても…非常に複雑な気持ちになるんですが…。

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2007.11.21

『にこは神様に○○される?』読了

51s3cp6hblにこは神様に○○される?』(荒川工/ガガガ文庫)読了。

小説には場面描写が絶対に必要だ、などと言うのはまったくの幻想であり、すべての場面を会話劇だけで進行させるというのもそれはそれで立派な小説技法であることは言うまでも無いのだが、翻って荒川工を見るに、まさしくこの作家の特徴は、過剰に自意識を抱えた主人公の自爆的ノリツッコミを基調としたボケとツッコミのみで形作られており、非常に先鋭的であると感心した。面白さに枝葉(無駄とも言ってもいい)が無く、文章のリズムに意識的であるとも言えるな。物語ってのは、描写を積み重ねて濃く煮詰めていく方法論もあるけど、いらないものをどんどん消していく、いわば引き算の面白さというものもあるのだ、と言うことを思い起こさせてくれた。ボケにボケを重ねていく暴走タイプの作風でありながら作者の制御下にあるような(きちんとキレ芸として成立している)ところにもライトノベル作家としてオンリーワンのセンスを感じるなあ。

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2007.11.19

皇国の守護者を終わらせた要因があるのだとすれば、そんなものは死に絶えればいいのに

『皇国の守護者』(漫画版)が打ち切りを食らったと知ったときの感想。

1.『理由あって冬に出る』 似鳥鶏 創元推理文庫
2.『Ordinary±』 高橋慶太郎 小学館
3.『皇国の守護者(5)』 原作:佐藤大輔 漫画:伊藤悠 集英社
4.『サイレントラヴァーズⅢ 作戦名<大蛇>』 吉村夜 富士見ファンタジア文庫
5.『クジラのソラ04』 瀬尾つかさ 富士見ファンタジア文庫

いろいろ言いたいことはあるんだけどまあいいや。南無南無。ところで『Ordinary±』を書いていたころの高橋慶太郎の絵って普通に萌えねえ?(いや、萌えねえ?って言われても)今よりも一般受けのする絵だったんだな…。

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2007.11.18

『ROOM NO.1301(9) シーナはヒロイック!』を読んだ

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ROOM NO.1301(9) シーナはヒロイック!』(新井輝/角川ミステリー文庫)読了。

シーナ&バケッツが順調に動き出している中で、ついに健一の女神(断言)こと綾さんにスポットが当たってきた。今まで出番は少なかったけれども、この人は健一の岐路に必ず関わってくるということは間違いないと思っていたので意外性は無い。けれども、シーナ編が終わる前に来るとは思わなかったかも。早くね?それとともにシーナこと日奈の方にも動きがあって、日奈に対して友情として相対して来た健一の立場も揺らいで来るようです。まあぶっちゃけた話、次の巻あたりでやられちゃうんだろうなー(うるせえ)。”その後”の話を見るに、結果的に健一が泥を被る形になるみたいだけど…。まあ彼の場合、行動だけを見るとまぎれも無い最低野郎なんで責められるのも致し方ないところはあるんだが。しかし、僕は健一はとても誠実な男だと思う。彼は流されているな気じゃなくて、すべて自分の意思で行動しているわけだから(逆に最低なような気もするが…)。まあ、今更の話ではある。

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2007.11.17

『有頂天家族』はアニメになっても面白そう

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有頂天家族』(森見登見彦/幻冬舎)読了。

森見登見彦が描く化けダヌキ一家の話。例よって現実と隣り合う幻想世界を描いているんだけど、主人公が化けダヌキ一家の三男であることもあり、幻想よりのお話なのかも。もちろん天狗も出ます。しかし、幻想の担い手であるはずの主人公たちも、森見登見彦の手にかかればのほほんお気楽ケセラセラになってしまうのであった。任侠道に生きた偉大なる父の面影を偲びつつ、思い思いに受け止めていく一家のてんやわんやの物語を、京都と言う町の、現実と幻想が入り乱れる不可思議な猥雑さをからめてにぎやかに、そして愛情深く描く。毎日がお祭り騒ぎみたいで、厳しい現実もありながらも、それでも決してお互いの手を離さない家族の愛。そんな姿に好感と憧れを抱かずにはいられない。森見登見彦一流の”駄目人間”への屈折した愛情(かなあ?)も健在で、どうしようもない駄目な人すらどこか憎めない。「面白きことは良きことなり!」まこと、まことにそれ真理よなあ。

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『福音の少年』を三冊まとめて読んだ

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福音の少年 魔法使いの弟子』『福音の少年 闇の王子』『福音の少年 虹のウロボロス』(加地尚武/徳間デュアル文庫)読了。

昔にぺんぎん書房版を読んだんだけど、大分印象が違うような…。インヴォルブド・ピープルについてこんなに伏線を貼っていたっけ?まあ、そんなことは瑣末なことではあるんだけど。ともあれ、偽史としてのファンタジー世界を構築していくその発想が、僕には非常に好ましく思うのだ。どういうことかと言うと、この作品世界は、われわれの世界の在る歴史の一点において魔法がもたらされたらと言うIFを元に、社会、経済、政治がいかように変容していくのか、と言う点をきちんと踏まえていると言うことだ。技術的な側面を描写することはあるけれども、歴史そのものを意識して描いているケースは、実はそれほど多くないように僕は思うので、その意味では非常に稀有な作品であり、きちんと評価していく必要があると思う。

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買った読んだ

1.『絶対可憐チルドレン(11)』 椎名高志 小学館
2.『エア・ギア(19)』 大暮維人 講談社
3.『お茶をにごす。(2)』 西森博之 小学館
4.『戦塵外史(4) 豪兵伝』 花田一三六 GA文庫
5.『暗黒は我を蔽う 夜の騎士』 朝松健 GA文庫
6.『神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・リフレクター』 大迫純一 GA文庫

1と2はいつものヤツと言うことで3もいつものやつなんだけど姉崎部長がやっぱかわええなあ。4は今までざ・スニーカー連載分で文庫未収録作品がついに文庫化。10年越しの快挙か…角川め。5.マジカルシティナイトもついに完結。12年目にしてようやくか。いや、感慨深い…と言うほどでもないが。マジか。6.ポリフィニカのスピンオフ。どんどん物語世界が広がっていくなあ。こういうことはどんどんやって言って欲しいけど、作者への負担はすごいことになっているんでは。体を壊さないといいのだが。

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2007.11.16

『遠まわりする雛』読了

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遠まわりする雛』(米澤穂信/角川書店)読了。

古典部シリーズの最新作は短編集になっている。けれどこの本における本当の主役は”時間”そのものだ。あるいは主人公たちが共有するなにか。そこには、主人公が持つ探偵としての”知”の力は、実はほとんど役に立たない。彼は目の前の事件を解決することが出来ても、そこに生じた形の無いなにかを捕らえることは出来ないのだ。それは探偵の敗北か?そうかもしれない。知性の限界か?そうかもしれない。ならば感情を称揚せよと?そうではない。ただそれは…”何か”だ。結局、米澤穂信は、”それ”そのものについては何一つ口にしていない。折木奉太郎が千反田えるとかかわり、その好奇心に振り回され、ときに苦く、あるいは甘い”時間”。彼女を持て余し、遠ざけようと小細工を弄し、結果として生まれる”引っ掛かり”。その引っ掛かりを、”時間”が育む。少しずつ。少しずつ。確実に。その過程。その結果。そこに確実にある”何か”…。それでも米澤穂信は描かない。その核心を。その周囲を固く敷き詰めつつ、”何か”を浮かび上がらせる。それは彼女の横顔だ。自分が生まれ、そして死ぬはずの世界を見つめる彼女の横顔。向けられる視線。交わらない視線。そこにはすれ違いがあって。けれども肩を並べることは出来るのかも知れず。だから折木奉太郎は千反田えるを見つめるのだ。

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2007.11.15

『不気味で素朴な囲われた世界』読了

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不気味で素朴な囲われた世界』(西尾維新/講談社ノベルス)読了。

おーおーおー。なるほど。面白い。と言うか西尾維新らしい。作者特有のどこまでも”リアル”を拒否した書き割りめいた世界観を逆手にとって、”囲われた世界”を演出するあたり上手いといえばいいのか卑怯と言えばいいのか迷うところだけど、こういうことを平然とやっちゃうところが西尾維新だなあ。なんか屁理屈っぽいけど…まあ作品としては筋が通っている。なんだかんだと言っても、西尾維新は”理”と言うものを重視していて、(作者の)論理に合わないことをしないあたりに不思議と律儀な印象を受けた。

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書き忘れ

やっぱりあった。

1.『日常(1)(2)』 あらいけいいち 角川書店
2.『ジョン平とぼくと(4) ジョン平とぼくときみ』 大西科学 GA文庫
3.『バレット・バトラーズ 虎は弾丸のごとく疾駆する』 東出祐一郎 ガガガ文庫
4.『書剣恩讐録(1)(2)』 金庸 徳間書店
5.『インフィニティブレード(1)』 KEN キルタイムコミュニケーション

1はそこかしこで評判の作品。これはなかなか美しい作品だと思う。不条理さを不条理なまま描くと言うのは存外難しいものですよね。2.とりあえずGA文庫編集部は”でかしたッ!”と賞賛したい。これを続けてくれるとはなあ。ところで他の新刊がみつからんぞGA文庫。3.個人的には東出祐一郎はあまり好きではないのだけど、小説家としてのそれは未知数なので買った。まー端的に言うと美しくないんだよな。無論それ自体は欠点でもなんでもないんだけど。4.実は金庸の作品の内、このデビュー作を読んでいなかったので買った。まあ、金庸もまだ(比較すると)面白くない作品も書いていたときもあったんだ、という当たり前のことに気がつきますな。いや、普通に面白いんだけどね、これ。ただこれ以降の作品が超絶に面白すぎるのがいけない。まだまだ振り切れてないね、金庸先生。5.いま一番ホットな漫画雑誌はコミックヴァルキリーであると何度も言っているけど、これを読むと改めて確信する。目の大きいいかにもアニメ絵美少女が腹を掻っ捌き目を潰され手足がちぎれ臓物を撒き散らす有様を見ていると、一体この作者は何と戦っているのかと心配になってくる…。いや、本当にこれはすごいな。

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2007.11.14

一応

復帰した。

まだ本調子ではないものの(仕事がどうこうと言うよりモチベーションの問題か)、元のペースで更新を再開の予定。まあどこまで続くか分からないけれども。

とりあえず買ったもの。順番がわりといい加減だけど気にしなーい。

ひょっとしたら他に漏れがあるかも。

1.『流血女神伝 喪の女王(8)』 須賀しのぶ コバルト文庫
2.『-推定魔法少女- 桜ish(2)加速連鎖は恋心』 一肇 角川スニーカー文庫
3.『円環少女(6) 太陽がくだけるとき』 長谷敏司 角川スニーカー文庫
4.『レンズと悪魔(5)魔神陥落』 六塚光 角川スニーカー文庫
5.『オイレンシュピーゲル(1)Blue Murder』 冲方丁 角川スニーカー文庫
6.『彩雲国物語 隣の百合は白』 雪乃紗衣 角川ビーンズ文庫
7.『スプライトシュピーゲル(3) いかづちの日と自由の朝』 冲方丁 富士見ファンタジア文庫
8.『バッカーノ!2002【B side】 Blood Sabbath』 成田良悟 電撃文庫
9.『さよならピアノソナタ』 杉井光 電撃文庫
10.『ツァラトゥストラヘの階段』 土橋真二郎 電撃文庫
11.『永遠の戦士コルム1 剣の騎士』 マイケル・ムアコック ハヤカワ文庫SF
12.『柳生薔薇剣』 荒山徹  朝日新聞社
13.『柳生百合剣』 荒山徹  朝日新聞社
14.『柳生大戦争』 荒山徹 新潮社
15.『げこげこ―水上悟志短編集』 水上悟志 少年画報社
16.『散人左道(1)(2)』 水上悟志 少年画報社
17.『一角獣・多角獣』 シオドア・スタージョン 早川書房
18.『NARUTO(40)』 岸本斉史 集英社
19.『アイシールド21(27)』 原作:稲垣理一郎 作画:村田雄介 集英社
20.『CYNTHIA_THE_MISSION(6)(7)』 高遠るい 一迅社
21.『トライガンマキシマム(13)』 内藤泰弘 少年画報社
22.『HELLSING(9)』 平野耕太 少年画報社
23.『ヒャッコ(2)』 カトウハルアキ ソフトバンククリエイティブ
24.『のだめカンタービレ(19)』 二ノ宮知子 講談社

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2007.11.13

直ったー

ようやくPC回復。パソコンが無いと暇で暇でしょうがなかった自分にちょっとショックだった。まあ睡眠をきちんと取れたので体調は良くなったのだが。と言うか、PCに触らない方があきらかに体調がいい…。まあいいか。

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2007.11.05

マシントラブル

先週、突然パソコンの調子が悪くなって、なにもしていないのにシャットダウンと再起動をするようなってしまい、とうとうまともに動かなくなってしまった。とりあえず修理に出すことにしたけど、暫くは不便なままになりそうだ。とりあえず、今日は実家のパソコンを使用中。仕事も忙しくなったこともあるし、もうちょっと休眠しています。

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