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2007.10.10

『ドラッケンフェルズ』読了

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ドラッケンフェルズ』(ジャック・ヨーヴィル/HJ文庫G)読了。

キム・ニューマンがジャック・ヨーヴィル名義で書いたウォーハンマー小説が待望の復刻版で登場!世の吸血鬼小説愛好家の垂涎の品が誰にでも読めるようになったとは良い時代になったものだなあ…。かく言う僕も前から読みたいと思いつつ、どこに行っても見つからないことに悔し涙を幾度かみ殺したことか…。そんな日々ともおさらばだ!喜びいさんで読む。読んだ。ちょうおもろい。

一万年以上を生きた大魔法使いドラッケンフェルズ。彼を討伐するためにオストランド選帝侯の子息、オスヴァルト公太子は幾人の仲間と共に戦いを挑む。かの魔城を進みながら、一人また一人と脱落していく仲間たち。600年以上を生きた吸血鬼、ジュヌヴィエーヌと共にドラッケンフェルズと相対したオスヴァルトは、ついに邪悪なる魔法使いを打ち倒したのだった…。それから25年。かの英雄譚を演劇として上映するため、一人の天才役者が見出される。オスヴァルトとかつての仲間たちの再会もつかの間、演劇の上演会場に一向は向かう。そこはかのドラッケンフェルズ城…。そこで待ち受ける怪異とは…。

と言う話なんだけど、とにかく全編に漂う妖異と邪悪に満ちた雰囲気がたまらねえ!ドラッケンフェルズ城に向かう一行に、不吉な影を幻視しつつ、演劇を上演する過程で起こっていく凄惨な猟奇事件。あきらかに人知を超えた恐怖が立ち込める空間の、恐怖に満ちた美が見える。恐ろしいのに目が離せないとはこのことか。その恐怖と謎に、脚本家にして役者であるデトレフ・ジーベックと、吸血令嬢ジュヌヴィエーヌが挑むホラーサスペンスファンタジーともいえる内容になっている。ジュヌヴィエーヌが非常に萌えるのは当然としても、その闇の祖母メリッサがすげえな…。永遠の12歳のおばあちゃんて…。なんたる人外ロリ。作者のセンスは素晴らしいですね(アホ)。

そんなことはどうでも良くは無いんですが、とにかく、ダークファンタジーの世界で演劇を主題にしたホラーを書いてしまうこの作者って、本当に良い意味で変態だと思った。かつての英雄譚が、物語がすすむにつれておぞましい真実が明らかになっていく過程がいやらしくも美しい。見えないもの、正体の知れないものと言うものが真に恐ろしいものなのだということが良く分かりますな。キム・ニューマンの語り口はやっぱり上手いや。ダークホラーが好きな人や吸血鬼小説が好きな人は是非どうぞ。わりとライトノベル的にも評価が出来ると思います(表紙は怖いが)。

ただ登場人物紹介でネタバレしているのはどうかと…。もうちょっと気を使って欲しいぜ、と思った。

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 先日漸くベルベットビーストを読み終えた所で、ジャック・ヨーヴィル=キム・ニューマン先生のウォーハンマー三部作の最初、『ドラッケンフェルズ』の感想をば。読み終えてから最... [続きを読む]

受信: 2007.10.31 01:52

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