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2007.10.31

『暗黒は我を蔽う 鏡影都市』読了

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暗黒は我を蔽う 鏡影都市』(朝松健/GA文庫)読了。

マジカル・シティのナイトである鈴木勉こと通称ベンが活躍するオカルトアクションの新シリーズ第二弾。今回は”向こう側”(マジカルシティで言う現実世界に近いところ)に行くことになったベンがこれまたなんやかやと活躍する話。相棒である女忍者トベラを追うベンだけど、正直、トベラのキャラクターがうろ覚えになっている。前シリーズの、しかもラス前にしか出てこなかったしなあ…。ベンが自己言及的に「失われてはじめて分かる愛しさ」(うろ覚え)とかなんとか言い出すし、作者のフォローもぞんざいになってきた…。まあベンの正体もだんだん分かってきたわけだけど、結局ベンは”向こう側”でもないまた別のオカルトが存在する日本出身で、メア市長と取引してマジカルシティの住人になったと言うことで良いわけ?で、マジカルシティに来る契機になった書類の内容が、多元世界の存亡に関わる何かであって、その内容を巡ってベンが狙われていると。しかし、そうすると”向こう側”と言うのも別段科学文明と言うわけでもないし、なんかいきなり話が飛躍してきた感じ。まあ、これくらいの脱線は伝奇小説の基本だし、問題なーい問題ない。つーか、血の色のコートにサングラスの男って、別に並行世界のベンと言うわけではなかったのね。前回思わせぶりに出てきたのはなんだったんだ…。

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2007.10.29

『薔薇のマリア verⅢ 君在りし日の夢はつかの間に』読了

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薔薇のマリア verⅢ 君在りし日の夢はつかの間に』(十文字青/角川スニーカー文庫)読了。

今回はアジアン編。と言ってもアジアンが物語の中心になることはなく、彼がリーダーを務めるクラン「昼飯時」のメンバーを視点人物として、さまざまな角度からアジアンを描写していこうと言う手法だ。アジアンに対する昼飯時メンバーの時にストレート、時に複雑な感情と、さまざまな事件が生き生きと描かれている。みんな仲が悪いけど信頼し合っていると言う非常に幸福な関係の描写と、みんなの中心にいながらも孤独の内に自らを秘め隠しているアジアンの対比が切なくも哀しい。自分には決して手に入れることの出来ない空間を、一歩引いたところで愛おしげに見守りつつ、決して踏み込まない。アジアンのそんな不器用で悲しい一面が見える一作であります。

…しかし、マリアの前と比べると本当に別人だなアジアン…。

以下各話感想。

「切情編。」
クラン結成話。わりとおなじみなぺティに加えて昼飯時の主要メンバーの顔見せ話か。しかもクラニィって”あの”…。とりあえずダリエロはものすごいツンデレと言うことを理解した。もう内心デレデレなので見てらんない。ご馳走様でした。…チンピラで殺人鬼だけどな。

「事情編。」
クラニィが主人公のハードボイルド小説。もう、”汚れた町をゆく騎士”を地で行っとる…。この世に正義などと言うものが無く、納得できないことばかり起こるのならば、自分自身が納得をいくように行動するクラニィは超ハードボイルド野郎ですな。惚れた。

「有情編。」
友情と愛情のすれ違いをロマンティックでありながらもビターに描いた一品。いや、なんつー…。これは普通の意味で恋愛小説として面白くねえか?しかも、大人の恋愛と言う感じで、お互いに相手の気持ちは分かっているからこそ、核心に迫らないように駆け引きをしていく言葉が実に切ない話だった。切ないのは主にベティのほうだったけど。これは女性が読むとベティに感情移入するんだろうなあ。

「恋情編。」
昼飯時のいろいろなメンバーが登場してアジアンこと黒様やらあじゅりゃんにラブラブでドタバタなコメディ何だけどアジアンがどこにもいない空回りを楽しむ話。異様に個性的なメンバーが登場しつつ、時間が古株メンバーのその後を描写しているあたりがステッキーではあるまいか。知らんわボケ。とにかく登場人物が多いのにやたらとキャラクターが非常に魅力的なのが素晴らしい。ナツコが「姉と男とどっちをとるか、という選択を迫られたら、ナツコは迷わず姉をとる」と一文とか、それまで騒がしくて自己中心的な迷惑娘の印象だったナツコのイメージがガラリと変わるしなあ。

「余情編。」
…………あー。まー。これは、なあ…。これは2巻のあのシーン。決定された結末なんだな。改めて感じる。惜しい人を亡くした。

「純情編。」
verⅢの締めくくりにして、本編4巻につながるシーン。自分を押し殺してクランを守ろうと一人で重荷を抱え込むアジアンに対して、アジアン自身もまたクランの一員であると言うこと、否、アジアンこそがクランそのものであり、クランと言う一つのつながりに身をゆだねても良いのだという結末。張り詰めて、今にも途切れそうだったアジアンがついに許されたのだなあ。とにかくアジアンが愛い奴すぎる。あと昼飯時の人たちって本当にアジアンのこと好きなのな。

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本当か嘘かは分からないが

どこにもニュースが出ていないので本当なのかも良く分からないのだが、山手線でハロウィンパーティがあったらしい。

http://www.tanteifile.com/newswatch/2007/10/28_01/index.html
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1048512.html

ざざっと(2chを中心に)眺めてみるといろいろな意見が出ているのだが、やはり公共の迷惑になると言うことで実施者に対する怒りの声も上がっているのだけど、併せてJRの弱腰対応にも批判がちらほらある。まあ、これはようするに「日本には日本のルールがあって、そこにテメーら毛唐の文化を持ち込むんじゃねえクソが」と言う感情論と「外人って何を考えているのか分からないしわからないものは怖いし怖い」と言う異物への拒否感(つーのも単純すぎる言い方だけど)の相克がある根底にあるだろうなあとか思った。日本人の外国人への態度は複雑なので、その怒りの表し方も必然的に首謀者ではなく、被害者であるJRに向かうように屈折したりもするのだろうか。

まあ、僕のことです。

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オレの決意なんてこんなもの

昨日の事。

最近寝不足が続いているため、今日こそは早く寝るぞ、と気合を入れてベットにもぐったところ(この時点で何か間違えていることに気がついていない)、なかなか睡魔が訪れることも無く、仕方が無いので眠れるまで本でも読もうと思い沢村凛の『黄金の王 白銀の王』を読み始めたところ、これが超絶に面白くてたまらず最後まで読んでしまい、結局またしても睡眠不足の呈を為してしまった。我ながらこのバカヤロウ。

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2007.10.28

『悪魔のミカタ666(4) スコルピオン・デスロック(下)』を読んだ

02920608悪魔のミカタ666(4) スコルピオン・デスロック(下)
』(うえお久光/電撃文庫)を読んだ。

作品前半における体育祭クライマックスのハイテンションバトルも凄まじかったのだが、ラストの展開はさらにものすごかった。堂島コウに勝つために、葉切洋平が打ち出した一手は、確かに彼の圧倒的不利な状況下をひっくり返すためにはヤツしかいないというのは理屈として以上に実感として理解出来るのだが、しかし、まったく予想も付かない方向だったなあ。いや、手段としての可能性は考えていたけど、洋平がそういう選択をするとは思わなかった。自分自身の信念を貫くためには、時に自分の信念を裏切ることさえも恐れない意思と覚悟と言うことなんだろうけど、グレイテストオリオン自体が変質したことも含めて、まだ洋平の真意は不明だなあ。不明と言えばアトリとベルゼバブの隠された意図が浮上してきたところも気にかかる。結局、体育祭やあるいはITそのものがブラフの可能性もあるわけか…。またしても前提条件がひっくり返されるのかもしれない。おっかねえ話だなあ。

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『サイコスタッフ』についてメモ

『サイコスタッフ』(水上悟志/芳文社)が良かった。

帯のコピーが「告白してくれたあの子は宇宙人で、僕を戦争に誘いに来た。」と言うところから想定されるセカイ系への道筋を、水上悟志は決して取らない。

むしろ、”世界を救う”と言う行為の是非はともかくとして、とりあえず学生は勉強しなくてはいけないし、ご飯も食べないといけない、と言う。

あと、努力と才能って言うのはよく比較されるんだけど、努力ってのは自分のためにするもので、才能ってのは他人のためにある(べき)ものなんじゃないか、とか一瞬思った。戯言戯言。でも、努力は現実と自分の橋渡しをするためのものなんだよなあ、とか。結局、自分が実感を感じることが出来るのは、自分で得たものだけ。

いわゆるセカイ系に共通する”現実感の無さ”と言うのは、主人公が努力して得たものが無いからなんだろうな。すべては才能、あるいは偶然に選ばれてしまったに左右されてしまう。

努力は過程だが才能は手段、と言い換ることも出来るのかもしれない。

そんな事を考えた。

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買ったものとか

1.『輝く断片』 シオドア・スタージョン 奇想コレクション
2.『ふたりジャネット』 テリー・ビッスン 奇想コレクション
3.『えむえむっ!』 松野秋鳴 MF文庫J
4.『ゼロの使い魔外伝 タバサの冒険(2)』 ヤマグチノボル MF文庫J
5.『ギャルゴ!!!!!-地方都市伝説大全-』 比嘉智康 MF文庫J
6.『ドアーズ(1)』 神坂一 角川スニーカー文庫
7.『<本の姫>は謳う(1)』 多崎礼 C☆NOVELSファンタジア
8.『ようこそ女たちの王国へ』 ウェン・スペンサー ハヤカワ文庫SF
9.『時砂の王』 小川一水 ハヤカワ文庫JA
10.『黄金の王 白銀の王』 沢村凛 幻冬舎
11.『惑星のさみだれ(4)』 水上悟志 少年画報社
12.『サイコスタッフ』 水上悟志 芳文社
13.『ばいばい、アース(2) 懐疑者と鍵』 冲方丁 角川文庫

多すぎるのでコメントは省略。

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2007.10.27

『バッカーノ!2002【A saide】』読了

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バッカーノ!2002【A saide】』(成田良悟/電撃文庫)読了。

相変わらずサービス精神旺盛な内容だった。1934編とどこまでリンクしてくるのか見えてこないが、1934の登場人物の子孫たちが、わんさか出てきて楽しそう。ファンの期待を裏切らないですな。相変わらずのドタバタとさまざまな登場人物が現れて好き勝手に行動している。成田良悟って、基本的にやっていることは毎回同じではあるし、話のつなぎ方もものすごく強引なんだけど、そういうところが気にかからない豪腕が作者の良いところ。だけどまだ前編のせいかそこまでドライブがかかっていないかな。言ってもしょうがないことなんだけど(なんだかんだで全部読んでいるし)、成田良悟にはいつも何かが足りないと言うか…読んでいてイラっと来るときがあって。もうちょっとナチュラルに事件の推移を描けないのか、と言う不満と言うか。もうちょっとサスペンスフルな盛り上げ方を追求してくれるともっと良くなるのになあ…とか思った。まあ趣味のレベルだけど。そういやファンの期待を裏切らないと言えば、1934ではいつまで経っても付かず離れずのカップだったフィーロとエニスが、すっかりラブラブ夫婦になっているのは、時の流れを感じさせなくも無いが、それにしたって60年以上経っているのに、いまだにうぶな新婚さん状態なのは一体どんなバカップルだと言うのか。手が遅すぎるわ!…まあいい。

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2007.10.23

『撲殺天使ドクロちゃん(10)』読了

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撲殺天使ドクロちゃん(10)』(おかゆまさき/電撃文庫)読了。

ドクロちゃんもとうとう最終巻か…。ドラえもんのごとくいつまでも終わらない永遠のドタバタが続くかと思いきや、きちんと物語を畳んだことにまずは賞賛を捧げたい。一巻を読んだ時は、きちんと物語を書ける作家とは思っていなくて、センスだけで書いていると思っていたのだけど、3、4巻あたりから、けっこう物語的にはまっとうなものを持っている作家であると言うことが分かってきて、作者の評価がひっくり返ったのも今では良い思い出です。物語が進むにつれて、主人公とヒロインが主人公とヒロインとして機能してくるんだもんなあ…と書いて思うがそれって当たり前のことじゃねーのか。つくづく最先端を行っていたんだな…。

肝心の中身の方は、現代学園異能っぽい展開を徹底的にドクロちゃん的に脱力させつつ、根っこの部分は完璧にシリアスに展開していくと言う超高度な技法を駆使していて痺れる。状況はどうしようもなくくだらないのに、当人たちはどこまでも大真面目で熱血しているあたり、もうお前ら客観的にものを見てみろとつっこみを入れたくなりつつも、実にシュールでドクロちゃん的な楽しさがあった。

なんとも、『ドクロちゃん』の前に『ドクロちゃん』はなく、『ドクロちゃん』の後ろにも『ドクロちゃん』は無くと言った風情で、実にユニークな作品であります。お疲れ様でした。次回作にも期待したいところだけど、正直この人、ドクロちゃん以外のものが書けるのかどうか未知数なので、戦々恐々しながら次回作を待つことにいたします。ドクロちゃん2とかだったらどうしよう。

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『キノの旅(11)』読了

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キノの旅(11)』(時雨沢恵一/電撃文庫)読了。

実は僕はこの作品ってあんまりベタで読む気は無くて、作者がこの作品でどんな事を訴えたいのかということには興味が無かったりする。と言うか作者もあんまり何かを訴えようという気は無いんじゃないかと言う感じがする。印象だが。普通にエンターテインメントとして読めばいいと思う。などといきなり意味不明な事を言い出してみた。

それはともかくとして、相変わらず面白い。この作品はいろいろな意味で押しつけがましさが無くって、曖昧な部分を曖昧なまま読者に投げ込んでくるところが好ましいと思う。前からそういう作品だったけど、今回は短い話が多いので、とりわけそう思う。状況だけでん、と放り出して、後は読者が解釈してくれればいいというようなユルさが楽しい。昔の『キノの旅』は”作者の主張したいこと”が強すぎて、生硬さが目立ってしまうところがあったのだけど、近作ではどこにでもある素材をちょっと捻った視点で捕らえていて、良い意味で手が抜けていると思う。それが、どの作品もどこかに暗さを持ちながらも、敢えて残した曖昧な部分がその暗さを和らげているので、軽やかと言って良い読後感があるように思うのだった。

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2007.10.22

買ったもの

1.『マップス ネクストシート(2)』 長谷川裕一 ソフトバンク
2.『ZETMAN(8)』 桂正和 集英社
3.『ブラックラグーン(7)』 広江礼威 小学館
4.『ヨルムンガンド(3)』 高橋慶太郎 小学館
5.『おれはキャプテン(15)』 コージィ城倉 講談社
6.『WORKING!!(4)』 高津カリノ スクウェアエニックス
7.『御剣はるか危機一髪!(1)』 かぢばあたる キルタイムコミュニケーション
8.『GUNNER QUEEN 復讐の女王陛下(1)』 R-Ex キルタイムコミュニケーション
9.『ハコイリ』 Cuvie 秋田書店
10.『つばめ 陽だまり少女紀行』 松本規之 徳間書店

今回は漫画ばっかり。
1.は、かの名作『マップス』の続編第二巻。いまのところ状況に流されてばかりで今一つ作品にドライブがかかってこないのだけど、ようやく当面の敵が現れたので、足がかりのようなものが出来てきたような気もする。2.桂正和のアメコミヒーロー好きが炸裂しているシリーズの八巻。相変わらず物語の進行は緩やか。(造詣的にも物語的にも)細部に対する作者のこだわりを素晴らしい。このペースでこれからもやってください。3.まあいつもの。戦うメイドさんがいっぱい出てきてもえもえですよ!ちなみにもえは燃えると書きます。正確には焼かれます。4.相変わらず台詞がかっこいいな。このネームセンスはマジでクール。5.なんか…試合とは関係のないところで異様に面白いことになっている…。6.ほのぼの。本当だって。オレだってたまにはなんにも考えないでほのぼのしたいんだよう。7、8、9.について。ところで今一番アグレッシブかつ先鋭的かつで時代の最先端を行っている漫画雑誌と言えば、チャンピオンREDかコミックヴァルキリーのどちらかになるであろうと言うことは常識ですが、どちらも共通するところは女体とぱんつと臓物と暴力しかないということですね。そう、漫画的快楽とは、突き詰めればエロスとタナトスに収斂していくのだ、と言う真理をきわめて原理的に追求しているのである。と言うわけでこの三作はそういう話でございます。女体と流血が同じレベルでサービスされているところがすげーよな。まあ9はエロスに振られた作品なんでちょっと違うんだが。ってかこれはエロ漫画じゃねーか。10.物語的な起伏は一切ないけど、美少女と大自然があれば他に何もいらないんだぜ、と言う作者の主張が垣間見えるようだ…妄想だが。

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2007.10.21

ご冥福をお祈りいたします

打海文三(作家に対してなんと呼べばいいのか、いつも迷う。氏はちょっと突き放した感じがあるし、先生はなんかアレだし、さんというのもちょっと知り合いみたいだもんなあ。なのでそのまま)が亡くなっていたことを知る。それほど熱心な読者というわけでもなかったけれど、ハルピンホテルは好きな作品だっただけに寂しさのようなものを少しだけ感じた。

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『我が家のお稲荷さま。(7)』読了

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我が家のお稲荷さま。(7)』(柴村仁/電撃文庫)読了。

なんか久しぶりに読んだような気がする…と言うことを前にも書いたような気がする…。>確認してみたら6巻でも同じことを書いていた。10ヶ月ぶりか…いや別にたいして長いわけでもないよなあ?なんでこんなに久しぶりな気がするのか不思議だ…。

で、10ヶ月ぶりの新刊は短編集だった。どの話も良い意味で小粒と言うかローカルと言うか、ほのぼの神様たちとのゆるゆるの日常を過ごすと言う話ばかりで癒されますなあ。あまりにもローカル過ぎて、このシリーズのストーリーが全然思い出せないのが困ったものであるが…。いや、そもそもこのシリーズに中核となるストーリーは無いんだっけ?それすら覚えていねえんだけど、まあそれが全然欠点にならないと言うのもすごい話だよなあ。おかげで全然書くことが思いつかないのだけど、まあ、透は相変わらず悟りきったスーパー小学生だなあとか、昇は人間妖怪神様に無差別にもてまくる男だなあとか、昇とクーの関係は不思議だなあとか、佐倉はいつもラブラブしいなあとか、まあそんな感じですな。本当に明確なストーリーが何一つなくって、キャラクターの反応の掛け合いだけで話を進めていくんだな…。まあそれはそれで一つの方向性ではあるんだけど、変な作品だなあと思いました。アニメ化も決まったみたいだけど、掛け合いだけで楽しい作品なんで、確かに13話ぐらいでまとめるのには向いているのかもしれないなー。

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2007.10.20

いつものことだけど

待って待って待ち続けて一体何を待っているのかすら忘れかけていた例のアレが出ますよ。押井守の娘婿もずいぶんと待たせてくれたものだが出版してくれるという一点だけで何一つ問題など無いことは当然である。

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『ベルベットビースト』読了

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ベルベットビースト』(ジャック・ヨーヴィル/HJ文庫G)読了。

しかし、キム・ニューマンはどんだけオカルトと殺人鬼が好きなんだろうか…。今回は切り裂きジャックと狼男を相手に貴族とダーティーハリー(いや本当だ。嘘じゃない)と霊媒が事件の謎を解くと言うわけの分からん話になっております。霧の都ならぬ帝都アルトドルフで起こる女性ばかりを狙った凄惨な猟奇殺人事件の謎を解く物語と、貴族制打倒を目指す革命集団の活動を背景に、その他、数多くの登場人物たちがそれぞれ勝手に動き回りつつ物語は次から次へその様相を変化させていく。ビーストと呼ばれる殺人鬼を追う主人公たちが見出したその正体とは…。と言う話で、要するにいろいろなオカルト的な要素もひたすらぶち込んでパロディやら小ネタを大量に仕込んだ作品。まあ要するに鋼屋ジンみたいな作風を思い起こしていただければよろしいでしょう(マジでか)(マジです)。

今回主人公となるのはかつて混沌の騎士に弟を奪われ、10年をかけてその探求に費やした筋金入りの勇者、フォン・メクレンベルク男爵。彼が、破天荒な一匹狼刑事…じゃねえ警備兵と、霊媒師、正義感に燃える若き警備兵と共に殺人鬼を追う痛快なエンターテインメントとしても読めるんだけど、もう作者のオカルトと殺人鬼への愛が溢れて、否、溢れすぎて全編を漂う血塗られ、グロテスクな豪華絢爛な暗黒物語が楽しめる。エログロに満ちたストーリーに、そこはキム・ニューマン、虐げられたものたちの愛と哀しみ、革命の熱狂と裏腹の残酷さ、愚かしさ。人間のさまざまな側面を存分に描きぬいた群像劇ともなっている。ラストシーンのやりきれなさも美しく、どこまで行っても人間は愚かで哀しく、愛おしいものと思わせる。混沌に満ちた世界の中で、それでも愛し、憎むのは人間そのもので、それは姿形がどんなに変容していたとしても、すべては人間の心そのものがあらゆる悲劇と、その裏腹の気高きものをも生み出していくのだろう。

ひどく悪趣味で残酷で濃密で、奇妙な気品に満ちた作品だった。

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2007.10.19

『永遠の戦士フォン・ベック 軍犬と世界の痛み』読了

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永遠の戦士フォン・ベック 軍犬と世界の痛み』(マイケル・ムアコック/ハヤカワ文庫SF)読了。

とても端整なファンタジー小説でした。聖杯の探索行に旅立った主人公が異界に足を踏み入れて繰り広げる冒険するという話なんだけど、なんかもーお約束っつーか古き良きファンタジー。でもすごく面白い。なんだろうなー。別に新鮮さもそれほど感じないんだけど、奇妙に爽やかで美しい。ちょっと後半に入るとバタバタとしてしまうのが惜しいのだけど、ハラハラわくわくの冒険行を存分に楽しませてもらった。物語としては、魔王ルシファーに見込まれてしまったがゆえに、”癒し”なるこの世に存在するかどうかも分からないものを探しに行かなくてはならないフォン・ベックの苦難が続くのだけど、結局、世界を癒すものと言うのは、人それぞれが自分に見出していかなくてはならないと言う終わり方が美しかった。教訓的では無い落とし方なんだけど、きちんと主人公自身に救いが齎されているところがとても清々しい。フォン・ベックは自分なりの答えを見出しているのだなあ。ところでこの作品は、実はエルリック新三部作の前日譚としての側面も持っているので、本当は先にこっちを読むべきなんだよなー。クロスターハイムが一体どのような役割を持った存在なのか、これを読んでようやく分かったぜ。それであんなにルシファーに拘っていたのか。でも、ここでフォン・ベックの活躍の結果、クロスターハイムには絶対に救いは齎されないんだよな…。哀れ。

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2007.10.18

なんかオレ…ガガガ文庫的ななにかを愛しているとしか思えんな…

1.『フェッセンデンの宇宙』 エドモンド・ハミルトン 奇想コレクション
2.『鉄塔 武蔵野線』 銀林みのる ソフトバンク文庫
3.『暗黒は我を蔽う 鏡影都市』 朝松健 GA文庫
4.『神曲奏界ポリフォニカ ペイシェント・ブラック』 大迫純一 GA文庫
5.『にこは神様に○○(ナニ)される?』 荒川工 ガガガ文庫
6.『”探し屋”クロニクル 7/7のイチロと星食いゾンビーズ』 羽谷ユウスケ
7.『RIGHT×LIGHT ~空っぽの手品師と半透明な飛行少女~』 ツカサ ガガガ文庫
8.『魔法先生ネギま!(20)』 赤松健 講談社

1.は見かけたのでつい買ってしまった。いや、これもネタとストーリーは大体分かっているんだけど、実は読んだことが無かったという…。まだまだだな、オレ。2.ソフトバンク文庫…あなたは日本一素晴らしいソフトバンクだ!(意味不明)『鉄塔 武蔵野線』のしかも完全版ですよ。読みたいと思ってから幾年。どこにも売っていないまま、むなしさだけが募る日々であった…。それももう終わり。すぐに読む。3.一応、マジカルシティナイトを終わらせようとはしているみたいだな…。ここまできたら完結まで付き合います。4.そういやこれも感想を書いてねえなあ。とても面白いんだけど、なかなかその面白さを語ろうとすると面倒で…(やる気なし)。5.荒川先生、あんたいきなりなにをやっているとですか。まあいいんだけど。6と7.いやーヤバイ匂いはぷんぷんするのだけどつい買ってしまった。ガガガ文庫は常にアグレッシブすぎる作品(オレ様的な意味で)ばかり出てくるので、悪い意味で個性的なんだけど、常に前だけを見る姿勢は素晴らしい…ような気がしないでもない。8.アーニャ編…で良いのでしょうか?まあとにかくいつものやつです。

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『機動戦士ガンダムUC(1) ユニコーンの日(上)(下)』読了

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機動戦士ガンダムUC(1) ユニコーンの日(上)(下)』(福井晴敏/角川書店)読了。これは素晴らしいガンダムだ。

『逆襲のシャア』から三年後の時代に、ラプラスと呼ばれる存在を巡り人類の存亡をかけた戦いが始まる…と描くとなんかガンダムじゃないような気がする…。主人公とヒロイン(あのお方です)もまさしくラピュタ的なボーイミーツガールに、軍事的な駆け引きと世界的危機状況を舞台にした福井晴敏らしい小説ではあるんだけど、それは同時にこの上もなく”ガンダム”以外何者でもないと言う点に、福井のガンダム的ななにかを継承した世代であると言うことを実感する。いやもう、読んでいてこれはもうガンダム以外なにものでもないありません。主人公の動機、ヒロインとの出会い、”ガンダム”と主人公の出会い。純度100%のガンダムですな。これは、福井がガンダムを良く研究していると言うよりも、この作家は基本的に何を書いてもガンダムになっているだけだと言うことでもありのだなあ、と言うことを強く実感するのだった(まあターンAガンダムのノベライズ『天には繭、地には果実』から思っていたことなんだけど)。はっきり言って、今、アニメでやっているアレよりもはるかにこっちの方がガンダムなので、古いガンダムファンはこれを読みながら00の悪口でも言おうぜ!ミ○バ様萌えーとかやっちゃうよ?(やっちゃうよじゃねえ)

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2007.10.17

どうでもいいんだけど

ジブリは『有頂天家族』をアニメ化すればいいんじゃね?

…『平成狸合戦』とかぶるから駄目か…。

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『火星の長城 レヴェレーション・スペース(1)』読了

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火星の長城 レヴェレーション・スペース(1)』(アレステア・レナルズ/ハヤカワ文庫SF)読了。

これは、ちょおおもろい、といってもいいのではないでしょうか<なにがどう面白いのかをきちんと説明できなくなっているところに深刻な言語感覚の枯渇化がいかに進行しているかの確かな証左である。気をつけるべし<うるせえなあ。なんかそんな感じしか感想が出てこねーんだよ。などどいきなり自分の別人格と会話を始めてしまったりしたけれどもそれは本題ではない。個人的な感覚だと、アレステア・レナルズといえば重厚長大思弁的ライトSF(???)を書く人であると思っていたのだけど、この短編集については枝葉がばっさりと落とされ、シンプルながらも力強い物語が描かれている。スペースオペラだったり、サスペンスだったり、ロマンスだったりとジャンルは多様なのだけど、それぞれに共通しているものは、基本的にすごく”ベタ”であるという点である。だけど、それは欠点と言うものではまったく無い。語られている物語は非常に単純なものではあるのだけど、どれもレナルズの上品かつ軽やかな語り口の魅力によって、波乱万丈でどきどきわくわくさせられるエンターテインメントとなっているし、未来世界のアイディアや設定など、レナルズの宇宙史を構築する細部の描き方が非常にビジュアル的にも美しく、感動的でさえある。絶賛してしまったが、本当にそれぐらい面白いのだからしょうがない。しょうがないったらしょうがないのだ。
以下各話感想。

「火星の長城」
これはまさに”火星の長城”の視覚的な美しさを堪能する作品であると思う。主人公がやってきたときの青く朽ち果てた”長城”の格好良さはたまらんものがある。映像で見たい。だれかCGとかでやってくれないないかなあ…。あとレナルズの宇宙史において重要な役割を果たす”連接脳派”と呼ばれる人類の異端者(ある種の極地)の存在を分かりやすく説明してくれる話でもあるのが嬉しい。そうか、こういう人たちだったのか…。攻殻機動隊の世界を、さらに群体化を推し進めた人たちなんだなー。あとどうでも良いんですが、ガリアナが女性だってことに全然気がつかなかった…。

「氷河」
「火星の長城」の続き。ここからさらに未訳の長編に続くらしい。クラバインとガリアナが主要キャラクターになるのかー。それはともかく今作は、なんと驚愕のサスペンスミステリ。太陽系を脱出した連接脳派たちがある無人の星に立ち寄ったとき、遥か昔に漂着した宇宙船を発見する。そこでは搭乗員たちが何らかの理由で死に絶えていた…というわけで、誰が何のために殺したのか?と言うミステリなんだけど、最後に明らかになるSFらしい動機が楽しい。やっぱSFミステリというのはこうでないとな。

「エウロパのスパイ」
これはもう本当にタイトルどうりスパイ物。あるスパイが任務を達成するべく都市に潜入するのだけど、さまざまな思惑と裏切りが行きかい、状況がころころとひっくり返る。最後に主人公が陥った状況とは…というビターな味わいであります。

「ウェザー」
なんだこの超ベタベタなラブロマンスは…。連接脳派とウルトラ族と言うある種の対極の人類に属する男女がであって、さまざまな誤解に翻弄されながらも交流を深めていく、と言う読み方をしてしまうと本当にロミオとジュリエットだな…。しかし、そんなロマンスストーリーに、連接脳派エンジン(しかしレナルズのネーミングセンスって、そのまんまだな…)と言うSFガジェットをからめたり、過去の確執と和解を描いているところなど、単なる甘さだけではない感動がある。

「ダイヤモンドの犬」
これはとても面白いなあ。異星人の残した”塔”に挑む幾人の男女の結末を描くわけだけど、”塔”が出す問題に回答していくことで探索を進めていくシーンがなんともグロテスクと言うかなんと言うか…。問題を間違えることは死を意味するというその塔を探索していくために、肉体を機械に置き換え、脳に加速剤を打ち込んでいくと言うのは、なにか形容しがたいおぞましさがあるよなあ。主人公を誘う悪魔的な人物であるローランドの思惑が少しずつ明らかになっていくにつれて、その不条理感にも似たおぞましさは頂点に達する。最悪だ!最悪過ぎるぞこいつ!!なにより最悪なのは、”塔”の不条理さにまったく理由がないところだよなあ…。まあ理由があっては不条理にならんわけだから作品としては一貫しているのだが。ラストシーンのやりきれない感じもまさしくこの作品らしいと思う。あー本当にもう…素晴らしいなあ(変態ですね)。

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2007.10.16

あーなんかどうにもならなくなってきた

忙しくて余裕が無い上にこういうときほどつまらないミスを重ねてしまっていろいろグロッキー。あーエネルギーの残量がすでにゼロじゃよ…。とりあえず、『有頂天家族』を読みつつ、ゆるゆると生きることにする。

1.『千の足を持つ男 怪物ホラー傑作選』 シオドア・スタージョン、アヴラム・デイヴィッドスン他 創元推理文庫

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2007.10.13

『SAS スペシャル・アナスタシア・サービス(2)』読了

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SAS スペシャル・アナスタシア・サービス(2)』(鳥居羊/HJ文庫)読了。

戦闘美少女と国家的陰謀とアクションとラブコメが等量に描かれている点が新し…くもないような気もするけど、何故か斬新に感じられるのは何故なのか…。たぶんベタベタでうれしはずかしのラブー(知能低下中)展開のほのぼのぶりと、必ずしもライトノベル的な方向には行かない、一定のリアリズム(ミリタリー的なもの)が奇妙な形で融合しているためではないかと思ったりもするんだけど、まあ、そんなことはどうでもいいよな。ともあれ、主人公が自分を守る少女との関係を深めていくと言う意味では、十全に好ましい作品でもあるのだけど、その交流の描き方があざとく感じられない抑制があるところもよろしい。主人公が好感の持てる少年で、自分の無力さを拒否し、強くなろうとしていくまっすぐさがあって、読者が感情移入しやすい点も窓口を広くしているんじゃないでしょうか。新しい事実も発覚して、人間関係もだんだんに確立してきたところもあるので、これからどうなるか期待といったところかな。

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絶不調継続

んあー。動かん。動けん。肉体的、精神的に限界ギリギリっつーか振り切っているっつーか。なんか考えないといかんなこれ。

1.『秘曲笑傲江湖(5) 少林寺襲撃』 金庸 徳間文庫
2.『ROOM NO.1301(9) シーナはヒロイック!』 新井輝 富士見ミステリー文庫

書き忘れていたもの。
1.この主人公は、剣術については天下無敵だが、素手だとヘボいあたりが妙に人情味のある主人公だと思う。女にもだらしが無いけど、それは情が深いことにもつながる人間的な器の大きさがあるんだよなー。2.いよいよシーナ編もクライマックスか…。踏み出してしまえば二度と元通りの関係にはなれない、そんな決断を彼女はした。後日談では関係が修復しているように見えるけど、しかし、それは決定的なところで変化してしまっている。そういう部分に、新井輝の非凡さがあるように思う。

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2007.10.12

『吸血鬼ジュヌヴィエーヴ』読了

02920675
吸血鬼ジュヌヴィエーヴ』(ジャック・ヨーヴィル/HJ文庫G)読了。

我らが吸血ヒロインたるジュヌヴィエーヴを主人公とした中篇集。いやいや、このジュヌヴィエーヌは金髪ゴスロリ(妄想)のたおやかな令嬢にして淫蕩な娼婦であり勇敢な戦士でもある言う設定からしてもライトノベルヒロインとしても極めてスペックが高いと思うのだがいかがですか?ごめん、ちょっと嘘ついた。吸血鬼と言う原典が持つ淫靡的な要素を持ち合わせつつ、他者への情愛というものを強く持ち続け、はかなき人間との相違に葛藤する。そんな人外ヒロインである彼女が、前作『ドラッケンフェルズ』での事件の後、恋人であるデトレフ・ジーベックなどさまざまな人間と出会い、その愛と欲望、美と醜悪、善と悪に向き合っていく3編の物語が語られていく。また作者の怪奇小説への深い愛情が感じられるガジェットが奔放に用いられており、とても暗く、そして豪華な物語紡がれる。

各話感想。

「流血劇」
恋人であるデトレフ・ジーベックとともに暮らしているジュヌヴィエーヌたちに、かつて打ち倒したはずのドラッケンフェルズの残した”意思”が迫ると言うお話。正体不明の”人間に取り憑くもの”が日常を送る人間を恐怖に陥れると言う設定はホラー小説の王道と言うところなんだけど、さらに『オペラ座の怪人』と『ジキルとハイド』の世界をぶち込んでしまうことで良く分からん化学変化が起きています。ちょっと作者…こんな古典の傑作をB級ホラーで装飾してしまうなんて……素晴らしいじゃないか!!古典をファックしすぎですよ、と言うつっこみがどうでも良くなるぐらいに、作者が好きなように書いているのが良く分かる快作であります。

「永遠の闇の家」
これは不条理劇でありますな。なんの説明もなしに始まる舞台設定に、矛盾する描写、一貫しないストーリー、役割が混乱していく登場人物、確かなものが何一つないまま、ただただ読者は理解不能な状況に翻弄されるしかないと言う話し。最初に意味不明な状況があったとしても、本を投げ出すのをグッとこらえて登場人物を把握することがまず持って肝要か。混乱し、錯綜していく物語が最後にきちんとオチがつくんだけど、これがまたメタメタな話で…。アンタも好きねえ…。ところでこの作品の元ネタがたしかなんかあったんだけど思い出せない…。解説読めばわかると思うんだけど、この本がどこかに行ってしまった…。あれー?

「ユニコーンの角」
これは、一応ジュヌヴィエーヌが主人公ではあるけれども、実質的にはある貴族の家庭における愛憎劇を描いたサスペンスもの。ユニコーンが出てくるあたり、わりとファンタジー的なガジェットも使われているんだけど、これは実質サイコサスペンスだよな…。殺人鬼と化した犯人が全員をみなごろしにする前に吸血鬼が事件を解決すると言うわけですね(つまらん)。ユニコーン狩りにまつわる不吉な伝説の背景にある、からみもつれた人間関係。もうドロドロのぐちゃぐちゃですわ。事件が解決した後も、結局、”犯人”と”被害者”の間にある愛とも憎悪とも友情ともつかない謎めいた関係が垣間見えるだけなのも良くて、不思議な余韻があった。

ああ、面白かったーと言う感じで読み終わったのだが、なんかこれ、『ベルベット・ビースト』よりも時系列は後の話らしいですね。なんで順番が違うんだ…。そうすると、「ユニコーンの角」がジュヌヴィエーヌの最後の物語になってしまうのか…。なんか勿体ない気がするなあ。続きは出たりしないのかしら(『ドラキュラ紀元』はともかく)。

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2007.10.11

積読をひたすら増やす日々

本が全然読めてねーなー…。ようするにライトノベル以外の本はいつになったら読了出来るんだと言うことなんだが。あーあ。

1.『遠まわりする雛』 米澤穂信 角川書店
2.『学校怪談(7)』 高橋葉介 秋田書店文庫
3.『福音の少年 魔法使いの弟子』 加地尚武 徳間デュアル文庫
4.『福音の少年 闇の王子』 加地尚武 徳間デュアル文庫
5.『福音の少年 虹のウロボロス』 加地尚武 徳間デュアル文庫
6.『不気味で素朴な囲われた世界』 西尾維新 講談社ノベルス

1は古典部シリーズの短編集。とてもとても良いものです。2もいつものやつ。しかし、どうも秋田書店の刊行ペースは良く分からない…。3から5は、以前、ぺんぎん書房から刊行されていたシリーズ。この三冊でちょうどぺんぎん書房版の一巻にあたるので、キリが良いので購入。いやーこれは実にたいした作品だと思いますよ。もっといろいろな人に読まれると良いのだが。6は西尾維新の新刊。西尾維新の世界では、良く自分の世界を言葉で規定しようとされるのだけど、実際には定義すること自体で自らの世界を縛り付けているとも取れる。おそらく、西尾維新の作品において、もっとも絶望的な点はそこにあるのだろう、とか思う。

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2007.10.10

『ドラッケンフェルズ』読了

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ドラッケンフェルズ』(ジャック・ヨーヴィル/HJ文庫G)読了。

キム・ニューマンがジャック・ヨーヴィル名義で書いたウォーハンマー小説が待望の復刻版で登場!世の吸血鬼小説愛好家の垂涎の品が誰にでも読めるようになったとは良い時代になったものだなあ…。かく言う僕も前から読みたいと思いつつ、どこに行っても見つからないことに悔し涙を幾度かみ殺したことか…。そんな日々ともおさらばだ!喜びいさんで読む。読んだ。ちょうおもろい。

一万年以上を生きた大魔法使いドラッケンフェルズ。彼を討伐するためにオストランド選帝侯の子息、オスヴァルト公太子は幾人の仲間と共に戦いを挑む。かの魔城を進みながら、一人また一人と脱落していく仲間たち。600年以上を生きた吸血鬼、ジュヌヴィエーヌと共にドラッケンフェルズと相対したオスヴァルトは、ついに邪悪なる魔法使いを打ち倒したのだった…。それから25年。かの英雄譚を演劇として上映するため、一人の天才役者が見出される。オスヴァルトとかつての仲間たちの再会もつかの間、演劇の上演会場に一向は向かう。そこはかのドラッケンフェルズ城…。そこで待ち受ける怪異とは…。

と言う話なんだけど、とにかく全編に漂う妖異と邪悪に満ちた雰囲気がたまらねえ!ドラッケンフェルズ城に向かう一行に、不吉な影を幻視しつつ、演劇を上演する過程で起こっていく凄惨な猟奇事件。あきらかに人知を超えた恐怖が立ち込める空間の、恐怖に満ちた美が見える。恐ろしいのに目が離せないとはこのことか。その恐怖と謎に、脚本家にして役者であるデトレフ・ジーベックと、吸血令嬢ジュヌヴィエーヌが挑むホラーサスペンスファンタジーともいえる内容になっている。ジュヌヴィエーヌが非常に萌えるのは当然としても、その闇の祖母メリッサがすげえな…。永遠の12歳のおばあちゃんて…。なんたる人外ロリ。作者のセンスは素晴らしいですね(アホ)。

そんなことはどうでも良くは無いんですが、とにかく、ダークファンタジーの世界で演劇を主題にしたホラーを書いてしまうこの作者って、本当に良い意味で変態だと思った。かつての英雄譚が、物語がすすむにつれておぞましい真実が明らかになっていく過程がいやらしくも美しい。見えないもの、正体の知れないものと言うものが真に恐ろしいものなのだということが良く分かりますな。キム・ニューマンの語り口はやっぱり上手いや。ダークホラーが好きな人や吸血鬼小説が好きな人は是非どうぞ。わりとライトノベル的にも評価が出来ると思います(表紙は怖いが)。

ただ登場人物紹介でネタバレしているのはどうかと…。もうちょっと気を使って欲しいぜ、と思った。

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2007.10.08

体調不良で連休を完全に潰してしまった…

なんか気力が尽きてしまった…。3日間ぼーっと過ごしてしまったなあ。と思いきや、突然思い立って自転車を買って、20キロぐらい走ったりする。途中でなんとなく河を眺めてみたり。あー夕日が綺麗だなあ。

なんかもー、終わってる。オレ。

1.『キミキス(2)』 東雲太郎 白泉社
2.『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD(3)』 原作:佐藤大輔 漫画:佐藤ショウジ 角川書店
3.『サムライうさぎ(2)』 福島鉄平 集英社
4.『魔人探偵脳噛ネウロ(13)』 松井優征 集英社
5.『銀魂(20)』 空知英秋 集英社
6.『クレイモア(13)』 八木教広 集英社
7.『我が家のお稲荷さま。』 柴村仁 電撃文庫
8.『バッカーノ!2002【A saide】』 成田良悟 電撃文庫
9.『キノの旅(11)』 時雨沢恵一 電撃文庫
10.『撲殺天使ドクロちゃん(10)』 おかゆまさき 電撃文庫
11.『悪魔のミカタ666(4) スコルピオン・デスロック(下)』 うえお久光 電撃文庫

えっと…まだ完全には回復していないので、コメントは差し控えます。まあ電撃文庫からはアニメ化必死だな、とか。もう鉄砲を撃ちまくってあたればラッキー、みたいな。まあ別にどうでもいいか。あと『悪魔のミカタ666』はSUGEEEEEEとか。これは…すげえ。正直なところ、もっと評価されてもいいような気がするな。

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2007.10.06

いろいろな意味で限界

買ったものとか本の感想とか書くことはあるんだけど、メンタルおよびフィジカル両面において限界。眠い。疲れた。と言うわけでおやすみなさい。

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2007.10.05

『マリア様がみてる 薔薇の花かんむり』読了

02920610
マリア様がみてる 薔薇の花かんむり』(今野緒雪/コバルト文庫)読了。

帯でネタバレしているんだけど、前巻の時点でこの結果は目に見えていたので特に問題はなさそうですな。そもそも、ここまで引っ張ったわりにはロザリオの受け渡しはあっさりと終わっていて、あーすでに二人の間では気持ち的には完全に繋がりあっているんだなーとか思った。祐巳もすごく大人になったねえ…。祥子さんもすっかりどっしりと落ち着いてしまって、お祖母ちゃん的ポジションに収まってしまっていて、頼もしいのだけどなにか物足りない…。もうちょっとほら、なんかその、アレがないんでしょうか。…ああ、いや、別にさもしい読者の卑俗な望みでございます(卑屈)。まあ、あっさり妹問題にケリがついたあと、早速、二人の姉妹としての生活が始まっていくなかで、変わらないようでいて変わってしまった関係をどのように再構築していくのかと言う点が主眼になってきたのは予想通りではあったけど、ずいぶん早かったような気もする。二人の蜜月は長くは続かないのね…と言うほどでもないか。今のところ、二人とも鉄壁の関係っぽいしな。どのように乗り越えていくのか、これからもゆるゆると追わせていただきます。

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2007.10.03

こんなの買った

と言ってもこれだけだが。

1.『薔薇のマリア verⅢ 君在りし日の夢はつかの間に』 十文字青 角川スニーカー文庫

発売されていることに今日気がついたので買うたった。今回はアジアン編かー。マリアローズだけじゃなくて、他の脇役にもスポットが当たっていくと、作品世界の幅が広がってきて魅力が増すなあ。とはいえ、10人いれば10人の悩みがあるわけだから、まったく違う物語を10人分語らなければいけなくなるわけだから、単に中短編だからといって、作者への負担はさぞや大きいことだろうに…。よくもここまでバラエティに富んだ物語が描けるものだなあ…。

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『たま◇なま あなたは死にますか?』読了

02920669
たま◇なま あなたは死にますか?』(冬樹忍/HJ文庫)読了。

前回に比べると、ヒロインの由宇のデレ具合が強烈になってきて、まるで別の作品のように思える。それは実のところキャラクター的には正しくて、由宇のと言うヒロインは知性体としてはともかく、人間としては未成熟過ぎるので、死の恐怖(それは別離の恐怖でもある)からくる透への依存心に揺れることによって、透は”共に在る”と言うことへの答えを出していくことになる展開は見事だった。ただ、前回では異種間の”コミュニケーション”が主眼になっていたのに対して、今回は同種の”ディスコミュニケーション”がテーマとなっているため、二人の会話はいつまで経っても核心に迫らず、延々とすれ違いを続けていく。透は由宇の恐怖の正体がつかめず、あるいは気がつかず、由宇は自らの恐怖を誰かに共有しようともせず、自らの内部で恐怖を育てていく。その関係は、前回の奇妙な、それでいて噛み合った対話の心地よさと比べて、非常にイライラさせられるし読んでいて快くは無い。前回と同様のものを求めようとすると肩透かしを食らうだろう。だがしかし、前回、結局対話しつつも決定的にお互いを理解しあうことが出来なかった二人が、ようやく”生きる”ことについて共有するベースを持つことが出来たということでもある。それは二人はお互いに一歩歩み寄ったと言うことなのだ。それはとても素晴らしいことなのではないだろうか。

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買ったもの

1.『よつばと!(7)』 あずまきよひこ メディアワークス
2.『21世紀少年(下)』 浦沢直樹 小学館
3.『盗まれた街』 ジャック・ファニイ ハヤカワ文庫SF
4.『マリア様がみてる 薔薇の花のかんむり』 今野緒雪 コバルト文庫
5.『SAS(2)』 鳥居羊 HJ文庫
6.『有頂天家族』 森見登見彦 幻冬舎

えっと1と2は恒例っつーか出ているのなら買わざるを得ないものであり義務。選択の余地は無いのだった。3は新装版がでていたので思わず買ってしまった。恐ろしく有名な作品なので、あらすじやネタは大体分かっているのに実は読んだことがなかったもので…。良くあることですね。4は…まあようやくと言うか…。祐巳の妹問題に決着が付くらしいですよおにいさん(誰だ)。5は買い忘れ。まあなんだ。特殊部隊ものでラブコメってのは、確かに意外と無かったもののような気がしないでもないです。6は出ていることにまったく気がついていませんでした。いかんなあ。

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2007.10.02

『地を駆ける虹』読了

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地を駆ける虹』(七位連一/MF文庫J)読了。

これは素晴らしいんじゃないだろうか。…悪い意味で(は?)。まあその…面白いか面白くないかで言えば非常につまらないのだが(うわ、言っちまいやがった)、主人公の駄目人間描写が微に入り細に渡って徹底的に描きぬいているところが凄まじかった。正直に言うと、ほとんど感動的とさえ言えるほどの詳細な描写で、エンターテインメントとしては明らかにバランスがおかしいと言うか狂っているのだけど、ただただ主人公の駄目さにおける圧倒的リアリティの前には、そのような部分は些事に過ぎない。努力もせずに法螺ばかりを吹く怠怠惰、そのくせ自分自身が可哀想な人間だと自己憐憫に浸り、妹と言う自分のひた向きに信じる少女に依存する主人公の姿は、誰がどう見たってどうしようもないほどに人間のくずそのものなのだけど、ある種の人間にとっては、決して客観視できるものではない恐怖にも似たなにかが宿っているように思う。これ、自分の事を書いているんじゃないとしたら、天才かなにかだよな…きっと。まあ、逆に言うとそれだけの作品でもあるので、エンタメ嗜好の方は読むのにご注意を。ただし、作者の情念とか人生とか、そういうホンモノを味わいたい方は読んでみてもいいんじゃないでしょうか。オレは…そうだなあ…。結局、イヤボーンで決着してしまったあたりには、正直なところ呆れるところもあるんだけど(主人公、結局努力をしてねえぞ…)、ここから本当の英雄になろうとする主人公を描けたとしたら(作者が描けるとしたら)すごいことになる…ような気もするので、3巻ぐらいまでは読んでみようかなあ…。

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2007.10.01

『ねくろま。(2)』読了

02910670
ねくろま。(2)』(平坂読/MF文庫J)読了。

いや、これは素晴らしい。もちろん良い意味で(?)。ヒロインを幸せにしたいと願う主人公の動機はまっとうなんだけど、一度失ったものを取り戻そうと言う行為はまさしく神の領域に挑もうと言う行為であり、そこから生まれる問題(能力的なものと倫理的なもの)に意外と言っては失礼なのだけど自覚的に描いていると感じた。平坂読は作家としては割合、倫理感が強くて、誰かを幸福にすることと、そして自分も幸福になろうとすることを常に描いている作家であるのだけど、さまざまな理由(それは大抵の場合、自己の内にあるものなのが平坂読作品の主人公の特徴だと思う)でその幸福が成し遂げられないと言う困難を、共に描いている作家なのだと言うことを、今回、強く感じるのだった(主人公がわりと素直なタイプなのも影響しているのかもしれない。比較的にだけど)。主人公が持つ幸せになろうと言う意思は、決して自己犠牲的なものではなく、自分自身が満たされようと言う行為と直結しているので、非常に健全なものだ。だからこそ、目的そのものは悲劇的な題材であろうとも、作品そのものはお気楽なライトノベルとして成立しているのだと思うのだった。

あーラブコメ要素とかエロスの部分については…ま、このあたりは作者の含羞っつーか、照れ隠し部分でしょうね。この人はあんまり自分の素をさらけ出すことが苦手なタイプで、ハイテンションなギャグとエロでごまかさなくては、真剣は自分のテーマを書けないタイプだと思う。あるいは単に売れ線を狙っているだけかもしれないけど(そうだとすると完璧に失敗しているけれども)。ヤマグチノボルも同じようなタイプだけど、平坂読の方が、よりヒネクレ度合いは大きいよなあ。真剣に行きたいのに恥ずかしくて素直になれない、見たいな。ハイハイ、ツンデレツンデレ。

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買ったものです

1.『永遠の戦士フォン・ベック 軍犬と世界の痛み』 マイケル・ムアコック ハヤカワ文庫SF
2.『夏のあらし!(2)』 小林尽 講談社
3.『かわいいあなた』 乙ひより 一迅社
4.『史上最強のガイデン』 松江名俊 小学館
5.『ジャバウォッキー(3)』 久正人 講談社

1.は大分前の買ったのを書き忘れていた。いかんいかん。2.ようやく見つかった。本当にどこにも売っていなかったなあ…ネットって便利だぜ。3.『百合姫』連載漫画。ちょっぴりビターな味わいの少女マンガの系譜だよなあ。4.ようやく見つかったその2。これも全然売っているのを見かけなかったんだが…。ともあれ買えたので良かったことである(変な日本語…)。5.これまたようやく見つかったその3。なんでこれ売っていないんだろう…。ともあれ、相変わらずスゲエ絵が展開されておるなあ。すげーセンスだぜ。

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