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2007.09.24

『扉の外Ⅲ』読了

02908577
扉の外Ⅲ』(土橋真二郎/電撃文庫)読了。

主人公の中山美鈴は、人間が感情で動く生き物だと言うことが今ひとつ理解出来ていないようで、自分の思いのままにならない状況に苛立っているようだけど、このやり方では人は付いてこないよなあ。彼女自身は理性的に、誠意を持って接しているつもりなんだろうけど、人間は理屈では動かないものだし。あまりにも理屈を重視しすぎる彼女のやり方は、常にルールに則って、利害の一致による取引によって論理的に運営していくものでは在るんだけど、それは結局、飴と鞭による人心掌握にしかならなくて、彼女自身の望んでいない恐怖政治に陥ってしまうあたりが皮肉も極まるというものだなー。物語の初期段階から、彼女の方法論では崩壊することは予測できたので、後はその崩壊がどのように起こるのかと言うところだけど、結局、周囲に敵を作ることによって成立させていた共同体ってのは、根本的に閉じていくしかないんだと言うことなのか、自分がやってきたことを他人にもやられてしまうと言うことへの恐れが原因となって終わりなき戦いの螺旋に飲み込まれていくあたりは、まあそれしかないよな、と言う感じだった。最終的な結論として、人間の良心を信じるしかないのだ…と言うことを描いているわけだけど、現時点でそれはあくまでも可能性の薄い希望に過ぎないという気がするのだが。それが出来ないからこのシリーズは終わってしまうわけで…。だが、それでも信じるしかないと言うことなのだろう。絶望的だけど、それを信じることが出来た美鈴は幸福なことかもしれないね。

ところでこの巻でようやく判明したことなんですが、蒼井典子と正樹愛美が仲の悪かった理由って、まさか中山美鈴との三角関係だったこととは…。ものすごいびっくりしたよ。

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