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2007.09.11

『タネローンを求めて ブラス城年代記3』読了

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タネローンを求めて ブラス城年代記3』(マイケル・ムアコック/創元推理文庫)読了。

ホークムーン・サーガの最終巻にして永遠の戦士の最後の戦い…らしいのだが、エルリック新三部作を読んでしまったあとでは何をバカな、と言いたくなってしまう。まあ、永遠の戦士たちは時間と空間と次元を超えて戦いを続けているので、このブラス城年代記3の次元に位置する<百万世界の合>の瞬間が最後の戦いである、と言うことなのだろう。…まあそのわりにはエレコーゼ・サーガで、すでにエレコーゼは<百万世界の合>を潜り抜けているわけだが…。いや、あのエレコーゼは、このエレコーゼとは別人だからな…。それに、あらゆる永遠の戦士たちの「最後の戦い」こそが<百万世界の合>に位置しているらしいので、永遠の戦士たちの数だけ<百万世界の合>があるともいえるのか…。結論、良く分からんです。まあ並行世界は無限に等しく数があるわけですから、結局、永遠の戦士たちの戦いは永遠に終わらないわけですな。

ともあれ、『タネローンを求めて』はエルリック・サーガの『白き狼の息子』と対のお話になっていて、この『タネローンを求めて』内において、ある根源的邪悪と戦う過程で宇宙の天秤が破壊されてしまうのだが、『白き狼の息子』において、エルリックは天秤=聖杯を蘇らせることによって、宇宙を形作る概念を生み出すのであった…と言うことになるのかな。そういえば、『白き狼の息子』でも最終的に”剣”を天秤に捧げていたな…あれはそういうことだったのか、と読んでいない人には全然わからない事をつぶやいてみたりする。

えーと、『タネローンを求めて』のみに言及するのであれば、ホークムーンが一応主人公になっているものの、コルム、エレコーゼ、エルリックの永遠の戦士たちが登場し、上方世界の神々とはまた異なる外宇宙からの侵略者(まあこのあたりの概念は、もう想像することも難しくなってきているのだが…)と戦うと言う永遠の戦士たちの中でも最大限のスケールにあたるバトルが繰り広げられる。4戦士および彼らが率いる戦士たちは、一人また一人と打ち倒される死闘の中、敵の首魁にもとへひた走る。このあたりの展開では、戦士たちの能力がまるっきり伝奇小説のそれで、山風忍法帖めいた特殊能力バトルが繰り広げられている。まあ、山風先生ほど洗練されているわけじゃないけど、ファンタジー小説においてこんな事をやってしまったムアコックはやっぱりイギリスにおける山風的存在なんだと言うことを強い確信を得た次第である。絶対、伝奇作家だってこの人。改めて思うに、この個性的な登場人物たちがゴミのようにバッサリとぶっ殺されることがムアコックの場合よくあるわけですが、その乾いた手つきが伝奇作家のそれなんだよなあ。永遠の戦士なんていう、自分の著作すべては並行世界を舞台にしており、主人公はすべて永遠の戦士の転生なのだ、なんている思いついてしまったもん勝ち早い者勝ちなアイディアをぶちまけるわ、思いついたアイディアはとにかく使ってみなくては気がすまないわ(もうムアコック世界観は何でもありだな…)でもう大変だぜ!自作をファックし過ぎだ。・・・話がそれた。ともあれ最大の戦いを繰り広げた後、そもそも永遠の戦士たちの宿命の結末を見るのだった。エレコーゼはついに死を得ることが出来、ホークムーンは戦いの螺旋から降り、平和を勝ち得て、まさしく圧巻の大団円であります。まあ、素直にそう納得して良いものか疑問なのだが…。あくまでも、<百万世界の合>が終わったと言うだけで、それは最終戦争と言うわけでもないんだよな…。その後の世界ってどうなっているのかねえ(別シリーズの物語に移行するというだけかもしれんなあ…)。

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