『彩雲国物語 白虹は天をめざす』読了
『彩雲国物語 白虹は天をめざす』(角川ビーンズ文庫/雪乃紗衣)読了。
組織の立場に縛られて動けない秀麗が、その枠の中でどのように動くか、あるいはその枠を越えて動けるかと言う境目のところかな。今まで秀麗は良くも悪くも超法規的な特権を享受してきたわけだけど、その特権の届かないところで自らの居場所を自らの力で確立しようと苦闘するという行動力と発想力は敬服。葵長官に正面からやりあおうなんて、よくそんな恐ろしいことが出来るなあ…。一方、縹家と藍家がフィクサーとしてたくらむ陰謀はまだまだ始まったばかりのようで、今回はようやく王が自らを王として規定し、秀麗を追いかける事をやめるという重要な決断を行ったことで、またしても大きく状況は動きそう。今までは何かあったら王をやめそうな感じだったけど、これからはなにが何でも王座にかじりついてでも義務を果たそうとする立場を明らかにしたわけですし。逆に秀麗がその事実に動揺するあたり、まあ追うものと追われるものの関係だなあ。まあこの関係が冷えきってしまっては物語が動かなくなってしまうので最後まで揺れ動いては行くにしても、振り回される方は大変ですな。
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