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2007.09.29

『鉄球姫エミリー』読了

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鉄球姫エミリー』(八薙玉造/スーパーダッシュ文庫)読了。

こ、これはヒドイ…(良い意味で)。パッケージのライトノベル振りに反して中身は殺戮と鮮血とエロス(主に下ネタの方)と悲劇に満ち溢れたゴイスでギャランドウ(ギリギリと言う意味。誤用)な有様である!つまりそれって最高ってこと!?うん、最悪!!(爽やかな笑顔で)

主人公のエミリー姫からしてもう、こいつは良い暴君になるぜえ…クックックと含み笑いをしてしまう感じで、良い感じに鬱屈していやがる。ま、確かに悪人と言うわけではないんだけど、基本的に差別主義者で快楽主義者な者だから、平民を愚民などと平然と吐き捨てるし、自分のために他人が死ぬことも当然だと思っているし(つまり命の価値に差をつけているわけ)、もう超暴君の素質ありまくり。しかし、側近の人間にとっては、実のところそれほど悪い人間でもなくて、むしろ親しみのある人物として描かれているところが良いんじゃないかと思ったよ。人間は、善と悪、それぞれ同じように備えており、公正な平和主義者が大量殺戮をすることもあるし、血に飢えた覇王が善政を敷くこともある。完全な善人もいないけど、真実の悪人もいないという、そういうことですね。

ええ、話が逸れたけど、そういう自己中心的ではあるが、美質もまた持つエミリー姫が主人公だと、ああ、貴種流離譚であり、人の上に立つものとして成長していく話になるのかと思ったわけですよ。普通そう思うよなあ。ま、確かにそれは間違ってはいないわけだけど…いやーなんだこりゃ。姫の政治的立場を巡って超人的戦士たちのバトルをかますのは別にかまわないんだけど、そこから始まる殺って殺られて殺りかえすと言う血で血を洗う泥沼の戦闘!すごいインパクトですなこれ。強烈な存在感を発揮するキャラクターであっても容赦なくぶち殺し、忠実な騎士、可憐なメイドでさえ拷問し、虐殺される。刺客もまた後には引けない事情があって、なりふり構わず戦いを挑むと。どう考えてもそのバトルとそれにともなう残酷物語が主眼ですわな(まあ主人公も成長しているようなしないような…)。

たまらんにゃあ(変態ですね)。

いやー、オレさあ。血と憎悪で敷き詰められた泥沼のバトルが大好きなんだけど(ぶっちゃけ過ぎ)、これはなかなか容赦が無くてよいと思うんですよ。萌えキャラを容赦なく消費するあたりは西尾維新的な感じもあるけど、こっちは身体的な欠損と抽象化していない(痛みのある)赤い血が迸っているところがポイントかもしれねえなあ、とか思った。

まーなんだ。そんなに会話が面白くないとか(下ネタが多すぎる、っつーか。ジジイマジでうぜえ)、キャラがわざとらしいとか(後で殺すためにキャラ立てしているのが丸分かり)、欠点はたらふく掃いて捨てるほどあるんだけど、作者がやりたいことを一切合切をぶち込んでいる非常に趣味的な熱意があって(趣味も極まりすぎな鎧の設定とかむーざんむざんな展開とか)、その点がヒドイ(良い意味で)と言わざるを得ない。いやー新人はこれぐらいわけのわからん熱狂があると頼もしいですなあ。落ち着かないで、これからも趣味を極めて言って欲しいものでありまする。ビバ!

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とりあえずHJ文庫に言いたい

で・か・し・た!

ジャック・ヨーヴィル(キム・ニューマン)のドラッケンフェルズを復刻+新訳を出すとは…。出てくる本がことごとく撲の嗜好にヒットすることも併せて、僕の中でHJ文庫株がうなぎ上りである。まさにバブル。崩壊するときが恐ろしいくらいだ。

1.『ドラッケンフェルズ』 ジャック・ヨーヴィル HJ文庫G
2.『吸血鬼ジュヌヴィエーヴ』 ジャック・ヨーヴィル HJ文庫G
3.『ベルベットビースト』 ジャック・ヨーヴィル HJ文庫G
4.『たま◇なま あなたは死にますか?』 冬樹忍 HJ文庫
5.『フリージア(9)』 松本次郎 小学館

1~3のジャック・ヨーヴィルはちまちまと読んでいくことにする。4の『たま◇なま』は読んでいるんだけど、1巻とは大分雰囲気が変わったな。何しろ人間と言うものをテーマにしているわけだから、変容していくのは避けられないことなのかもしれんなぁ。今回は”死”と言うものについて、および”個の存在”の話っぽい。5.いやあ…主人公の眼鏡男子、叶くんが、前巻に引き続いて成長をしているなあ…。たぶん、その気分の悪さと言うものはおそらく”罪の意識”と呼ばれるものですよ、叶くん。妄想に逃避せずに、現実に立ち向かいつつ、飄々と行動する姿が普通に格好良い…。松本次郎の作品でこんな主人公がこんな成長を遂げるとこになろうとは…ってまだ途中だからどんなオチになるかわかったもんじゃねえな(ヒデエ言い草だなおい)(だって松本次郎だぜ?)(…まあな)。

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2007.09.28

『パラケルススの娘(7) ラーオ博士のサーカス』読了

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パラケルススの娘(7) ラーオ博士のサーカス』(五代ゆう/MF文庫J)読了。

すわ新たなヒロインの登場か?と思わせておいてこの表紙はフェイクかよ!まあ女の子を表紙においておくのはライトノベルの手法の一つではあるんだけど…さすがに本編にあまり関係がないのはどうかと思うぜ。そんな今回のパラケルススの娘は、実はかの有名な作品へのオマージュに溢れた作品。ついで、と言っちゃあなんだが、クリスティーナとレギーネがどのような背景を持っているのかが少しずつ明らかになったり、遼太郎くんが今後のキーマンとなっていく立ち位置が明確になったりとわりと話が動いていた。相変わらずヒロインズは魅力的だし遼太郎くんはなかなかに少年らしいひたむきな勇敢さと騎士道精神(彼の行動原理は、主君でも大義のためでも家のためでもなく、ただ弱いものを守ろうというところなんかは明らかに騎士道精神だよな…。武士道じゃねえのか…)を発揮していて萌え度が高いです。あとクリスティーナはツンデレと言うことが判明しましたね(心の底からどうでもいい)。それぞれの見せ場も多くあって、なんと言うか、五代ゆうも普通に面白いライトノベルを書いているんだなあ、と改めて感心したりもするのだった。そろそろまとめに入りそうな気もするなあ。

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2007.09.27

『堕ちた天使と金色の悪魔』読了

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堕ちた天使と金色の悪魔』(浦賀和宏/講談社ノベルス)読了。

非常に変則的かつ癖が強いながらも、主人公である八木剛士の成長物語になっていることにマジで驚愕した。浦賀和宏らしい10代のどん詰まりの青春を送る八木が、松浦純菜と出会うことによって他者と交流する喜びを知り、交流したらしたで高校生男子らしい性欲とか独占欲に満ち溢れた葛藤にさらされながらも、結局は気になる女の子のヒーローとして行動し、事実ヒーローとして成し遂げる過程をこの巻まできちんと描いているんだもんなあ…。前々巻で、ついに己を虐げる社会へのルサンチマンを爆発させるにいたり、世界に対して一矢報いたことで、己の外見に対するコンプレックスも払拭し、ますます人間的に成長しつつあるところも頼もしい。と言っても、その成長は己の力への自負と、周囲への侮蔑によるものであって、また思想的にも瀧教師の思想の受け売りだったりするあたり、やたらとリアルな高校生っぽくて良い。成長物語も、浦賀和宏が書くとここまで痛々しくなってしまうのだなあ。でもそこには痛々しくもありながらも、確かに自分なりに成長しようと言う姿があって、どこか懐かしく、胸を打たれるものがたしかにあると思うのだ。

ところで坂下ハルって、明らかに長門的な無口で無感情系のヒロインを狙ってねえ?まあ浦賀和宏が涼宮ハルヒの憂鬱を観ていても(or読んでいても)全然意外でもないんだけど。ここまで露骨にやってくれるとは…そこに痺れる憧れるぅ!

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2007.09.26

絶賛残業中

先行きが見えねえなあ…。いつになったら終わるんだよこれ…。しかも別の仕事も押し付けられるし…自分でやれ。

1.『ユーベルブラッド(6)』 塩野干支郎次 スクウェアエニックス
2.『ブロッケンブラッドⅡ』 塩野干支郎次 少年画報社

……いや、この2作を並べてみると、あまりの作風の違いに愕然としますな。塩野干支郎次って作風の幅が広いなあ…無駄に。いや本当にどういう方向性の違いだよ。方やシリアスなアクションファンタジー、方や不条理コメディ。それでいてどちらも塩野干支郎次らしい細部に手を抜かない生真面目が支配しており、間違いなく同作家の手になるものと分かると言う…。すごいよな、これ。

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2007.09.25

買ったものとか。

えーと体調が良くないので今日のところは買ったものだけ。

1.『ロッキン・ホース・バレリーナ』 大槻ケンヂ 角川文庫
2.『ばいばい、アースⅠ 理由<ことわり>の少女』 冲方丁 角川文庫
3.『ルー=ガルー 忌避すべき狼(1)』 原作:京極夏彦 漫画:樋口彰彦 徳間書店

1はひさしぶりの大槻ケンヂ。最近はあまり読んでいなかったけど、この人の小説って撲好きなんです。バカで青臭い青春の迫力がすごい。2はとにかくみんな何も言わずに読め!と言いたい。これを読まずして冲方丁を語ろうなんざ不心得者も甚だしい、といろいろと喧嘩を売ってみる。冲方丁のフルスピードでノンブレーキの若き熱狂に満ちた作品だ。ハイデガーの『空間と時間』を読んでチャンバラアクションを思いつくなんて常人の発想じゃねえよな。3.京極夏彦原作の少女武侠アクションのコミカライズ。なんか萌え系と言うわけでもないんだけど、非常に絵が魅力的。上手いかどうかは判断できないけど、非常に印象的な絵を描くよなー。

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2007.09.24

『扉の外Ⅲ』読了

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扉の外Ⅲ』(土橋真二郎/電撃文庫)読了。

主人公の中山美鈴は、人間が感情で動く生き物だと言うことが今ひとつ理解出来ていないようで、自分の思いのままにならない状況に苛立っているようだけど、このやり方では人は付いてこないよなあ。彼女自身は理性的に、誠意を持って接しているつもりなんだろうけど、人間は理屈では動かないものだし。あまりにも理屈を重視しすぎる彼女のやり方は、常にルールに則って、利害の一致による取引によって論理的に運営していくものでは在るんだけど、それは結局、飴と鞭による人心掌握にしかならなくて、彼女自身の望んでいない恐怖政治に陥ってしまうあたりが皮肉も極まるというものだなー。物語の初期段階から、彼女の方法論では崩壊することは予測できたので、後はその崩壊がどのように起こるのかと言うところだけど、結局、周囲に敵を作ることによって成立させていた共同体ってのは、根本的に閉じていくしかないんだと言うことなのか、自分がやってきたことを他人にもやられてしまうと言うことへの恐れが原因となって終わりなき戦いの螺旋に飲み込まれていくあたりは、まあそれしかないよな、と言う感じだった。最終的な結論として、人間の良心を信じるしかないのだ…と言うことを描いているわけだけど、現時点でそれはあくまでも可能性の薄い希望に過ぎないという気がするのだが。それが出来ないからこのシリーズは終わってしまうわけで…。だが、それでも信じるしかないと言うことなのだろう。絶望的だけど、それを信じることが出来た美鈴は幸福なことかもしれないね。

ところでこの巻でようやく判明したことなんですが、蒼井典子と正樹愛美が仲の悪かった理由って、まさか中山美鈴との三角関係だったこととは…。ものすごいびっくりしたよ。

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意識が朦朧としてきました(酒で)

1.『エマ(9)』 森薫 エンターブレイン
2.『黒博物館 スプリンガルド』 藤田和日郎 小学館
3.『機動戦士ガンダムUC(1) ユニコーンの日(上)(下)』 福井晴敏 角川書店

1.エマシリーズの短編集その2。なんかまだまだエマシリーズで書きたいことがなくならないらしく、脇役たちの小エピソードが続いているのだが、なんか本編とはまったく関係のない人たちがいたような…。2.まったく藤田和日郎はどんだけ漫画が好きなんだ。とにかく面白すぎる。短編や、中篇が無類に上手いよなこの人。3.これはすごい…。読んでいると映像が脳裏に浮かぶぐらいに、もお超ガンダム。福井晴敏には富野監督でも取り付いているのか!?

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2007.09.22

『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2 善意の指針は悪意』読了

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2 善意の指針は悪意』(入間人間/電撃文庫)読了。

相変わらず厭な話だなあ(一応、褒め言葉)。ただ、前回はみーくんと子供たちとか、厭な中にもほのぼのとした部分があったんだけど、今回はかなり徹底して厭な感じの話になっている。ただ、その厭な感じの描写が分かりやすくなりすぎている気がするのが気になったな。手癖で書いていると言うか…。まーちゃんの、いっそ読者である撲が引くほどの壊れた思考(ヤンデレっつーの?)をするのは良いのだけど、新しく出てきた今回のヒロインがちょっとね。読者へ与える影響について、最初に萌えさせて実は…と言うパターンにはまっている印象があった。要するに西尾維新のフォロワー過ぎるんだよなー。1作目はそれでも良いのだけど、そろそろ別の領域にいかないと厳しくなるかも。…撲が。相変わらず悪趣味な話であるので、その点については大変素晴らしいのだけど、自己陶酔と韜晦に満ちた饒舌さに頼りすぎると、それだけでは物語の手段を目的化していることになりかねず、単に悪趣味的なゲテモノで終わってしまう。まあそういう方向性もありといえばありなんだけど…。まさそのあたりは3巻を読んでから考えるとしましょうかね。なんか今回、あまり褒めていないことに気がついたんだけど、別に面白くないといっているわけじゃなくて、前回と同様に面白かったんだけど、前回と同様に悪趣味でありすぎる点が気になるなーと。もうちょっと作者の新しいものを見せてくれると嬉しいのだが…と言う読者の我儘ですはい。

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『悪魔のミカタ666(3) スコルピオン・デスロック(上)』読了

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悪魔のミカタ666(3) スコルピオン・デスロック(上)』(うえお久光/電撃文庫)読了。

運動会編前編です…ってまだ前編かよ!終わらないのか!?と言うわけで赤組も白組も、お互い一歩も譲らずに白熱するデッドヒートのまま、運動会は後半戦に続いていくのであった。参加している人々の思惑は複雑怪奇して持つれあいながらも、運動会そのものはごく平凡にして熱血に進んでいくところがたまらない。お互い勝負に熱くなって、そりゃもう大騒ぎさ!その裏では、冬月日奈を蘇らせることの是非を巡り、譲れない信念をかける駆け引きと衝突がある。運動会の中で、堂島コウは自らの求める望みを幾度と無く試され、揺らがされるところがすごいなー。平凡な日常にこそ、大切な決断をするための理由、いや決断をするためのよすががあるのだということなのだろう。決して揺らがないと誓ったコウは、その誓いこそが揺らぎの原因になっていることに気がついているのかいないのか…。なんとも皮肉なものだなあ。

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意識が朦朧としてきました

1.『カルドセプトⅥ』 かねこしんや 講談社
2.『鉄球姫エミリー』 八薙玉造 スーパーダッシュ文庫
3.『地を駆ける虹』 七位連一 MF文庫J
4.『カラフル』 森絵都 文春文庫
5.『カラマーゾフの兄弟(1)(2)』 ドフトエフスキー 光文社古典新訳文庫
6.『「カラマーゾフの兄弟」続編を空想する』 亀山郁夫 光文社新書

1.久しぶりの新刊。最近は休載が多かったみたいだけど…。ゲームのゴタゴタが影響しているのかしら。2.スーパーダッシュ文庫の大賞受賞らしいのだが、あらすじを読んでみると、おおこれは…作者が何一つブレーキをかけていない感がバリバリしてきますぞ!?イカスぜ!3.えーっと…これは僕の趣味に近いような気がするのだけど、微妙に作者の方向性が僕とは異なるような…。気になったときに買え、と言うことで。4.これはまだ読んだことが無かったんですな。購入しておくべし。5と6は、書店で6を見かけたときに、そういえば『カラマーゾフの兄弟』ってどういう終わり方をしたんだっけ?と考えてしまったのが運の尽き。気になってしょうがないので隣においてあった新訳版を買ってしまった。…これが本屋の罠か。3、4巻は置いていなかったので後で買う。

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2007.09.21

『世界平和は一家団欒のあとに(3) 父、帰る』読了

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世界平和は一家団欒のあとに(3) 父、帰る』(橋本和也/電撃文庫)読了。

正義の味方家族の次なるお話は、今まで留守にしていた父親が帰宅と、異世界からの女の子が家にやってくることから始まる。女の子を守るために少年は父と戦い、父はかけがえの無い家族のために剣を取る。いい感じに無気力で、過去の出来事のためにひねくれている主人公が、超えられない壁を無理矢理こじ開けようと死に物狂いでぶち破ろうと足掻く姿に痺れた。熱血主人公ではなく、ある意味において熱血とはかけ離れたヘタレ兄貴が、実は見えないところで努力していたと言うところもたまらんです。努力は他人に見せるもんじゃなくて、いよいよと言うときになったとき、「オレ、実はこういうことも出来るようになったんだぜ?」とばかりに減らず口を叩くあたり、僕の想定するダンディズムにピタリとはまる。格好いいな、こいつ…。物語としてはシンプルことの上ないのだけど、決して引けない一線と言うものをかけて戦う主人公と親父さんの動機が実に明確で、最後まで揺らがないところが素晴らしいと思う。主人公の父親越えにして初恋のエピソードとして良く出来ているんじゃないかと思いますよ。

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疲労困憊ながらも収穫してきたもの

あー…疲れた…。終わりの見えない上に意義があるのか分からない作業をすると言うのは何より精神的に堪えるなあ…。

1.『史上最強の弟子ケンイチ(26)』 松江名俊 小学館
2.『クロスゲーム(9)』 あだち充 小学館
3.『ハチワンダイバー(4)』 柴田ヨクサル 集英社
4.『剣豪 その流派と名刀』 牧秀彦 光文社新書
5.『パラケルススの娘(7) ラーオ博士のサーカス』 五代ゆう MF文庫J
6.『ねくろま(2)』 平坂読 MF文庫J
7.『ジャイアントロボ 地球の燃え尽きる日(2)』 原作:今川泰宏 漫画:戸田泰成 秋田書店

1.もう26巻まで来たんだなあ…。ケンイチもずいぶん強くなってきて”準達人”クラスが近くなってきたみたいです。しかし、同時発売らしいガイデンがどこにも見つからんぞ…。本当に売っているのか。2.光と東はちと仲が良過ぎるという罠。もはやヒロインが東にしか見えんぞ…。3.雁木の神野が絶頂に至った!引き上げ続けるテンションが凄まじいことになっております。4.ふと好奇心の赴くままに新書を買ったりするんだけど、買った後になんで理由が良く分からん…。数時間前のオレはなぜ剣豪に興味が…。5.五代ゆうの執筆速度は異常だ!数ヶ月に一冊本が出るなんて考えられねえ!6.無事続きが出たことを喜ぶべきなんだろうが、果たして何冊続くのか目下のところ気になりますな。人間の欲望は果てし無い。7.出てくる奴らがこと如く悪人面なのは何かのこだわりなのだろうか…。

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2007.09.20

『鋼の風 <シュタールヴィント> 創世の契約(2)』読了

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鋼の風 <シュタールヴィント> 創世の契約(2)』(花田一三六/Cノベルスファンタジア)読了。

あー、やっぱりこれはいい花田一三六だ。前回のファンタジー世界における一般人の姿を群像劇として描いた作品から一変して、今回は一環してベルネの視点から描いている。龍族による何らかの目的に合致したであるらしいベルネは、その真意を確かめるべく龍族の下へ赴こうとする。そのために彼はある傭兵団に参加することになるのだけど、そこで花田一三六の良いところは、今度はベルネの視点からみた傭兵団のさまざまな活動を、そこで生きるプロフェッショナルたちの姿を、誇りと気概を込めて描いているところだと思うのだ。一見したところ主人公が確定していて、確かに傭兵団の中で少しずつ頭角を現していくベルネの成長物語としても読めるのだけど、実際の主人公は傭兵団そのものであり、そこに生きる人たちそのものであるように思える。冒険ファンタジーの世界において、<日常>を描き続けようとする作者の試みは健在であると言えよう。勇者でも選ばれし者でもない、平凡な傭兵たちの姿を、とてつもなく格好良く描いているところに作者の真骨頂がある。スポットが当たる登場人物のうち、あるものは前線の兵士であったり、あるものは鍛冶師であったり、あるものは伝令であり、またあるものは従軍する娼婦だったりするのだが、そんな彼ら、彼女らの、戦場と言う名の日常にあって、皆、誇りを持って生きていることの美しさを見よ。仕事に対する誇りに支えられているからこそ、どんなに地味で、泥まみれになっていても顔を上げて立っていられるのだ。そういう美しさを、花田一三六は、愚直に愛情を込めて書いているように僕は思うのだった。

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2007.09.19

『敵は海賊・正義の眼』読了

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敵は海賊・正義の眼』(神林長平/ハヤカワ文庫JA)読了。

ものすごく久しぶりに海賊シリーズを読んだ。10年の時の流れにも関わらず、相変わらずの作品だったのはある意味驚異だのう。キャラクターも全然古さを感じないっつーか、少なくともアブロ!(ちなみに物質精神の区別なしに何でも食う悪食の猫型宇宙人。愛嬌など口にしたくともありません。なお作品中最強にして最悪の存在でもある。一応主人公の一人)とかを始めとして、時代を超えたキャラクター性があるような気がするよ。戯言だけど。まあ内容の方は、自由を愛する、と言うよりも不自由を憎悪する海賊王匋冥が、例によって自分を束縛するものをぶち壊してぶち殺しつつ、その裏側ではさらに別の目的を持って策謀しつつとある女性に愛を語ると言うお話である…あれ?海賊課の話はどこ行った?いや、この匋冥は作品としてはそれほど表に出てこなくて、あくまで海賊課の刑事であるラテルたちが匋冥を追うというストーリーなんだけど、あまりにも彼の存在感が強烈過ぎて、他の登場人物たちの影が薄くなりすぎですよ!この海賊王は、明らかに悪人ではあるんだけど、独自の美学と良心で行動するダークヒーローとしての側面が強烈で、読めば読むほどにかっちょええ。ラテルたちでさえ、彼の犯罪を憎みこそすれ、彼自身を憎悪していると言うわけではないあたり、もはや善悪を超越した存在であると言えるなあ。もはや奴に対抗できるのはアブロだけだ!頑張れアブロ!ラジェンドラ(宇宙船)も忘れちゃいやん。

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2007.09.17

『彩雲国物語 白虹は天をめざす』読了

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彩雲国物語 白虹は天をめざす』(角川ビーンズ文庫/雪乃紗衣)読了。

組織の立場に縛られて動けない秀麗が、その枠の中でどのように動くか、あるいはその枠を越えて動けるかと言う境目のところかな。今まで秀麗は良くも悪くも超法規的な特権を享受してきたわけだけど、その特権の届かないところで自らの居場所を自らの力で確立しようと苦闘するという行動力と発想力は敬服。葵長官に正面からやりあおうなんて、よくそんな恐ろしいことが出来るなあ…。一方、縹家と藍家がフィクサーとしてたくらむ陰謀はまだまだ始まったばかりのようで、今回はようやく王が自らを王として規定し、秀麗を追いかける事をやめるという重要な決断を行ったことで、またしても大きく状況は動きそう。今までは何かあったら王をやめそうな感じだったけど、これからはなにが何でも王座にかじりついてでも義務を果たそうとする立場を明らかにしたわけですし。逆に秀麗がその事実に動揺するあたり、まあ追うものと追われるものの関係だなあ。まあこの関係が冷えきってしまっては物語が動かなくなってしまうので最後まで揺れ動いては行くにしても、振り回される方は大変ですな。

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買ったものなど

1.『今日の早川さん』 COCO 早川書房
2.『神曲奏界ポリフォニカ アニバーサリー・ホワイト』 高殿円 GA文庫
3.『パンプキンシザーズ(8)』 岩永亮太郎 講談社
4.『バット・チューニング』 飯野文彦 早川書房
5.『さらば、愛しき鉤爪』 エリック・ガルシア ヴィレッジ・ブックス
6.『隣の家の少女』 ジャック・ケッチャム 扶桑社ミステリー

1.は、ようやく購入できた。まあ、その…なんで僕の周りにはこういうお姉さんがいなかったのだ!と言うことを声を大にして言いたい。2.白の短編集らしいんだけど、まあ後で読む。3.これも後で。4.飯野文彦がいつの間にかモダン・ホラーの旗手と呼ばれていたとは知らなかった…。確かに異形コレクションに良く書いていたけど。下級生のノベライズをやっていた時代はいずこぞや。5.そういえば『ジャバウォッキー』の3巻を買うのを忘れていたな…。『ジャバウォッキー』から手繰ってこの作品を購入したというのに…。これも本末転倒と言うのだろうか。6.ハイ、すいません。まだ読んでいませんでした。いつか読もうと思っていたものの、今頃になってようやく読もうと言う気になれた。

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2007.09.16

『ドラゴンキラーあります』『ドラゴンキラーいっぱいあります』読了

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ドラゴンキラーあります』『ドラゴンキラーいっぱいあります』(海原育人/C・ノベルスファンタジア)読了。

評判がよかったので読んでみた。おもろい。なんかユーモアファンタジーの王道って感じです。キャラ設定だけ見るとアメリカのポップファンタジーだと言われても信じてしまいそうになる(やや誇張的表現)。主人公のココとヒロイン(?)のリリィの間が交わされる軽口及び罵詈雑言の軽快さと、根本の部分ではお互いを信頼し合っている関係などはまさしくバディものの物語。恋愛感情と言う方向には向かわないところが作者は分かってやってるよなあ。もっとも、男女間のバディものの場合、恋愛と言うほどしつこくなく、親友よりもほんのちょっと深い関係が望ましい(僕のこだわり。文句あっか)ので、今後、もう少し関係が変わっていくとうれしいのだけど。まあ1巻から2巻に進んでいくにつれて、当初、世慣れたココが力関係的に上位に立っていたところが、迷いを振り切りつつあるリリィに逆転され、言い換えれば尻に敷かれつつあるので、そのあたりも興味深くはあります。さらに言えば擬似家族ものの側面もあって、二人の間にはアルマと言う少女の存在があり、彼女を中心に家族的な親愛関係が生み出されていくところも面白くて、少しずつ父性に目覚めていくココや、最初から過保護な母親状態のリリィがいて、ホームコメディ的な要素もある。2巻のラストでまた家族が増えてしまったりして女所帯と言うか一見ココのハーレム状態でありながら、一向にココに性的な感情が生まれてこない関係などを見ると、この集団の関係はまさしく家族としか形容出来ませんね。あるいは、戦争によって深く傷ついたココが、擬似的な家族関係を経て、傷を乗り越えていく姿を描くこともこの物語の目的だったりするのかもしれない、と思った。
…いや、まあ、考えすぎかもな。

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2007.09.15

『めいたん メイドVS名探偵』読了

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めいたん メイドVS名探偵』(樺薫/ガガガ文庫)読了。

ちょーおもろい。ジャンル的にはハートフルヴィクトリア朝ご家庭コメディ萌えもサスペンスもあるよ!?な感じ。メイドと言う実に今時の題材をとりながら、実に以外とメイドを真面目に書いている。シゾウ婦人が語るところのメイド道なるものは一見悪ふざけのように見えながら、実にギリギリのところで人間的な理性および倫理と言うものに添っているために普遍性がある。まあ切腹はともかくして…。くそ、これだからかわしまりのボイスで喋る人はッ!まあそれはおいておいて(未読の人置いてきぼり)、萌えにも逃げず、物語そのものは人間の愛憎を軸に人間同士の葛藤と摩擦から生み出されているところが僕は好きです。モラルが高いといいますか。バカも極めれば格好良い、と言うには作者が頭が良過ぎるところがあって、それは欠点ではなくて骨太な土台の強固さが感じられる。いや、この作者はクレバーで、自分が書くものをきちんと制御下においてあるところがすごいな。ちょーおもろい(二度も言うな)。

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2007.09.14

買ったものとかなんとか

1.『あしたの弱音』 タイム涼介 エンターブレイン
2.『アベックパンチ(1)』 タイム涼介 エンターブレイン
3.『スクールランブル(18)』 小林尽 講談社
4.『神曲奏界ポリフォニカ アニバーサリー・ホワイト』 高殿円 GA文庫

1と2はここで大絶賛されているものだからちょっと気になったので買ってみた。いや、最初にこの記事を読んだ時はちょっと褒め過ぎじゃね?とか思っていた時代が僕にもありました。コミックビームでも全然目立たない作品だったような気がしていたのだが(無論まともには読んだことがない)…。と言うわけで今月号のコミックビームの『アベックパンチ』を読んでみた(立ち読みで)。最初の数ページは絵も台詞回しも泥臭いなあと思っていたのだけど、10ページを過ぎるころからクスりと笑え始め、最後の数ページにいたっては笑いどころか感動すら覚えた。わずか一話でここまで評価が変動する漫画も久しぶりだぜ。あまりにも『アベックパンチ』が面白かったもので『あしたの弱音』も買ってきて今読んでいるんだけSUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!
3と4は…あー今は何も言葉が出てこんなあ…。

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買ったものとか

以下戯言。

あちこちに話題沸騰中のこのエントリは、言いたいことはすごく分かるし、言いたくなる気持ちもわかるんだけど、まあ難しい話だよなあと思う。別に大人の事情とかの話じゃなくて、渾身の作品と言っても、結局それは読者である自分が判断をした主観的なものなので、厳密に言って本当に渾身の作品なのか判断できない。同じ本でも読むタイミングと読者の知識量でも全然受け取り方が変わって来ますからねえ…。

例えば、僕は『スレイヤーズ』って、ずいぶん昔に10巻ぐらいまで読んだ時点でどうしようもないゴミだと判断していて、それっきり放り捨てていたんですね。またああいうライトファンタジーに対する嫌悪感というのも根深く持っていて、ここ数年までファンタジーと言えばハイファンタジー以外認めん!と断言していたんですけど、最近になって読み直してみると、これがものすごく技巧的に高度なことをやっていることが分かるんですよ。ハイファンタジー的な世界設定と、サスペンスを基調にしてアクションを融合していて、それを平易な文章で描いていると言う点とか。これはどう考えても片手間で出来る内容じゃない、かなりの力作であると判断せざるを得なくて、表層のライトさに囚われて嫌悪していた昔の僕の目は節穴だったと言うことを深く納得したものです。

そんな人間が、この小説は魂がこもっていないなんて判断できるわけねーしなー、と言う、ごく個人的な話です。


今日買ったもの。

1.『墜ちた天使と金色の悪魔』 浦賀和宏 講談社ノベルス

この『松浦純菜』シリーズは、正直なところあまりにも作者が本気すぎて読むたびに死にそうになります。なんと言うか、その、どうしようもない…。世の中、こんな負の方向に力作ばかりあっても困るので、ほどほどに肩の力がぬけた作品もあっていいんじゃないでしょうか。毒にも薬にもならないと言う言い方もあるけど、毒にならないだけいいじゃん。これ、劇薬だぜ。

しかし、”渾身の作品”と言うのは、その、読者としても読むのが死ぬほど疲れるなあ…。

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2007.09.12

『ひぐらしのなく頃に 第一話鬼隠し編(上)』読了

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ひぐらしのなく頃に 第一話鬼隠し編(上)』(竜騎士07/講談社BOX)読了。

んんー…。買ってしまったのはやはり気の迷いだったか。基本的にゲームと内容は変わらないので、音楽と絵が付いていないだけ損をしたような気になってしまう。けっこう文章はいじっているみたいだけど、読んでいて印象が変わるほどでもないので、よほど拘りのある人でなければゲームをやった方がいいかな。と言うわけで特に言うべきことはありません。大体、文章だけしかないのに、ゲーム本編よりも割高になるってのは一体どういうことなのよ?ゲームを買えば、お話も3本+αでお得だぜ。講談社は相変わらずすごい商売をしているな…。と言うわけで下巻は買わなくてもいいかなー。

あー作品としては、もう何も言うことは無いよ。この頃は、ひぐらしがどのような展開をするのかが全然読めなくて、わくわくしながらやったもので、その時の気持ちを思い出すノスタルジーアイテムとしてはそれなりに価値はある、かもしれないな。そんだけー。

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『戦う司書と虚言者の宴』読了

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戦う司書と虚言者の宴』(山形石雄/スーパーダッシュ文庫)読了。

神溺教団との戦いも終わり、平和を謳歌するパンドーラ図書館では、記念パーティーが開かれている。宴もたけなわの中、一人浮かない顔をするのはハミュッツ・メセタ。自分を殺してくれる相手のことを思い悩む。…『彼女』は何を仕掛けてくるのだろう?

と言うわけで新章開幕とあいなりました。「魔女」オリビアが再びハミュッツ・メセタに戦いを挑む過程を、パーティーの最中に振り返ると言う非常にサスペンスフルな趣向で描いている。ハミュッツを唯一「敗北」させたオリビアが、ハミュッツに仕掛けた罠とは?と言うところが中心になっているわけでだけど、やはり山形石雄の描きぬくところの「想いは、誰かに繋がっているのだ」と言うことがビシビシ伝わってくるところが面白かった。オリビアにとって最優先にすることは、抵抗の意思を決して失うこと無く、この世の誰かに伝えることだったのだ。それこそが彼女の戦いそのもの。受け継ぎ、誰かに伝えると言うこと。これは、ただ一人で強すぎるハミュッツには到底想像も出来ない戦いであろうし、そこが彼女の敗北になるのだろうな。”彼”が受け継いだその想いをどのように向き合っていくのか、非常に楽しみなところである。

まあそれはそれとして。しかし、ヤンクゥはフェイクか…。すっかり騙されたぜチクショウ。まあ途中からこれは無理だなーとは思っていたのだけど。彼は忍耐がたりないぜ。あと、ミンスが楽園管理者となったみんなに愛される地元密着型神溺教団の草の根運動には爆笑した。なんと言うフレンドリーさ…素晴らしい。ミンスの見事な回答ですな。

まあ、あとは…○○○か。現時点ではなんとも言えないところなんだけど、要するにこの物語は神が読む本そのものなんだ、と言うことなんだろうけど、ちょっとメタ的な要素も出てくるのか。さて、どうなるのか…まだまだ読めないぜ。

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2007.09.11

買ったもの

1.『世界平和は一家団欒のあとに(3) 父、帰る』 橋本和也 電撃文庫
2.『悪魔のミカタ666(3) スコルピオン・デスロック(上)』 うえお久光 電撃文庫
3.『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん2 善意の指針は悪意』 入間人間 電撃文庫
4.『扉の外Ⅲ』 土橋真二郎 電撃文庫
5.『さらば愛しき大久保町』 田中哲弥 ハヤカワ文庫JA
6.『めいたん メイドVS名探偵』 樺薫 ガガガ文庫

1.なんかこの作品、ものすごく好きなんだよな…。馴染む、っていうか。僕が拘っているところにピタリとはまる。そんな心地よさがある。2.なんかうえお久光フルスロットル。戦いに”勝つ”こととは何なのかをひたすら突き詰めているなあ。なんか、コウと洋平って戦いのフィールドが異なり始めているような気が…。3.まあ西尾維新フォロアーと言ういやらしい言い方がしっくりくるんですな。事件と動機の間にある種のねじれがあって、そのつなぎ方の奇抜さにまさしく西尾維新的なものがある。4.作者の当初の予定通りに終わった、のかな?実際にゴールにたどり着いてしまっては興醒めもはなはだしいので、おそらくこの終わり方でよかったのだろう。5.しまった、2巻目をまだ読んでないや。どこにやったかな。先に読むかな。6.買ったことをうっかり失念していた。なんかすげーエッジが効いていそうで買ってみた。なんか僕が好きそうな…タイトルだったんですよ。メイドVS名探偵だぜ?

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『タネローンを求めて ブラス城年代記3』読了

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タネローンを求めて ブラス城年代記3』(マイケル・ムアコック/創元推理文庫)読了。

ホークムーン・サーガの最終巻にして永遠の戦士の最後の戦い…らしいのだが、エルリック新三部作を読んでしまったあとでは何をバカな、と言いたくなってしまう。まあ、永遠の戦士たちは時間と空間と次元を超えて戦いを続けているので、このブラス城年代記3の次元に位置する<百万世界の合>の瞬間が最後の戦いである、と言うことなのだろう。…まあそのわりにはエレコーゼ・サーガで、すでにエレコーゼは<百万世界の合>を潜り抜けているわけだが…。いや、あのエレコーゼは、このエレコーゼとは別人だからな…。それに、あらゆる永遠の戦士たちの「最後の戦い」こそが<百万世界の合>に位置しているらしいので、永遠の戦士たちの数だけ<百万世界の合>があるともいえるのか…。結論、良く分からんです。まあ並行世界は無限に等しく数があるわけですから、結局、永遠の戦士たちの戦いは永遠に終わらないわけですな。

ともあれ、『タネローンを求めて』はエルリック・サーガの『白き狼の息子』と対のお話になっていて、この『タネローンを求めて』内において、ある根源的邪悪と戦う過程で宇宙の天秤が破壊されてしまうのだが、『白き狼の息子』において、エルリックは天秤=聖杯を蘇らせることによって、宇宙を形作る概念を生み出すのであった…と言うことになるのかな。そういえば、『白き狼の息子』でも最終的に”剣”を天秤に捧げていたな…あれはそういうことだったのか、と読んでいない人には全然わからない事をつぶやいてみたりする。

えーと、『タネローンを求めて』のみに言及するのであれば、ホークムーンが一応主人公になっているものの、コルム、エレコーゼ、エルリックの永遠の戦士たちが登場し、上方世界の神々とはまた異なる外宇宙からの侵略者(まあこのあたりの概念は、もう想像することも難しくなってきているのだが…)と戦うと言う永遠の戦士たちの中でも最大限のスケールにあたるバトルが繰り広げられる。4戦士および彼らが率いる戦士たちは、一人また一人と打ち倒される死闘の中、敵の首魁にもとへひた走る。このあたりの展開では、戦士たちの能力がまるっきり伝奇小説のそれで、山風忍法帖めいた特殊能力バトルが繰り広げられている。まあ、山風先生ほど洗練されているわけじゃないけど、ファンタジー小説においてこんな事をやってしまったムアコックはやっぱりイギリスにおける山風的存在なんだと言うことを強い確信を得た次第である。絶対、伝奇作家だってこの人。改めて思うに、この個性的な登場人物たちがゴミのようにバッサリとぶっ殺されることがムアコックの場合よくあるわけですが、その乾いた手つきが伝奇作家のそれなんだよなあ。永遠の戦士なんていう、自分の著作すべては並行世界を舞台にしており、主人公はすべて永遠の戦士の転生なのだ、なんている思いついてしまったもん勝ち早い者勝ちなアイディアをぶちまけるわ、思いついたアイディアはとにかく使ってみなくては気がすまないわ(もうムアコック世界観は何でもありだな…)でもう大変だぜ!自作をファックし過ぎだ。・・・話がそれた。ともあれ最大の戦いを繰り広げた後、そもそも永遠の戦士たちの宿命の結末を見るのだった。エレコーゼはついに死を得ることが出来、ホークムーンは戦いの螺旋から降り、平和を勝ち得て、まさしく圧巻の大団円であります。まあ、素直にそう納得して良いものか疑問なのだが…。あくまでも、<百万世界の合>が終わったと言うだけで、それは最終戦争と言うわけでもないんだよな…。その後の世界ってどうなっているのかねえ(別シリーズの物語に移行するというだけかもしれんなあ…)。

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2007.09.08

『薔薇色にチェリースカ』読了

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薔薇色にチェリースカ』(海原零/スーパーダッシュ文庫)読了。

…これは一体なんなんだろう…。なんか非常に説明しづらい…。学園もの、のようにも思える。実は伝奇もののような気もする。もしかしたら巨大学園の陰謀、みたいな話なのかもしれない。それらすべてであるようなごちゃごちゃした感じはいかにも伝奇脳っぽくていいのだが、しかしそれはこの作品の奇妙な感覚とはちょっとずれていて、なんというかその、現実とどこと無く地続きのような世界で、現実とは思えないような環境で、僕には良く理解出来ない人たちが繰り広げる、まあバトル?みたいな?ストーリーなのだった。そう、書きながらなんとなく分かってきたのだけど、僕はこの作品にまったく、えーとなんだ、リアリティ?違うな、共感、が一番近いのだけど、それを感じないのである。絶妙なまでに僕の想定する伝奇的な装飾と作者の持っているセンスが異なっており、良し悪しを判断する以前に、ものすごいありえなさ…と言うと否定的な言い方になってしまうのですこし違うんだけど、違和感を感じてしまう…のだが、いやいや…これもちょっと違うかな…。違和感ではなくて、まったく僕の想定している世界と違う、僕が想像出来ない方向への想像力の働かせ方が、この作者の根底あるように思う。どこが、と言われると非常に困るところで、なんでこんなに僕の想定外の物語になるのか全然分からないのだけど、例えば全体に漂うゴシックな雰囲気とか、極端に走り勝ちでエゴイズムの極みみたいな登場人物たちとか、一騎打ちと言う時代がかった様式を素直に受け入れる文化形態とか、とにかく世界観に僕の現実からかけ離れているような不思議な非現実感があって、非常に興味深い作品だった。おそらく、僕の中には絶対に無い世界なんだろう、と思う。僕の中の現実感、と言う言葉も非常に抽象的で嫌なんだけど、そういうものとまったく噛み合わないので、面白いのかどうかすら上手く言えないのだが、少なくとも読んでいる最中は、新鮮な気持ちと不思議にはぐらかされる感覚と、物語の上手さでつるつると読めてしまう快感で、まったく退屈をしなかったことを考えると、やっぱり面白かったのかもしれない。そんな言い方でしか出来ないのだけど、まあ、現時点ではこれが精一杯なところだ。2巻が出たらもうちょっとこの不思議な読後感について考えて見ます。気力があれば。こんなまとまりの無い文章を書くだけでもわりと疲れる。自分でも何を書いたのか良く分からん。

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2007.09.06

『108年目の初恋。』読了

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108年目の初恋。』(末永外徒/ファミ通文庫)読了。

これはなかなかに良いラブ小説なんじゃないかと思ったですよ。なんと言っても主人公が中学一年生でこの間まで小学生のガキ(失礼)でしなかくて、恋愛と言うものが今ひとつ理解していないところや、逆に女の子はマセていて、主人公に対する気持ちにゆれていたりして、その温度差がやたらとリアルだった。もちろん少年は物語が進むにつれて性に目覚めていったりするんんだけど、そんなところがもう最高!少年が新しい世界に足を踏み入れていって、どきどきわくわくしていく過程が描かれているところが新鮮だった。いやーライトノベル的な恋愛描写で、”性”と言うものに着目したところが偉いというか見事でした。まあヒロインの女の子の付喪神としての存在意義は正直良く分からなかったのだが…。なにか読み方を間違えているのだろうか…。ところでこれ、続きがあるらしいんだけど、これ以上何を書こうって言うの?この先に語るべきものなんてあんのか?

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買ったもの

1.『みなみけ(4)』 桜庭コハル 講談社
2.『クロスブレイド(2)』 原作:イダタツヒコ 漫画:士貴智志 講談社
3.『Y十M(8) 柳生忍法帖』 原作:山田風太郎 漫画:せがわまさき 講談社
4.『アイシールド21(26)』 原作:稲垣理一郎 漫画:村田雄介 集英社
5.『スティール・ボール・ラン』 荒木飛呂彦 集英社
6.『秘曲笑傲江湖(4) 天魔復活す』 金庸 徳間文庫

1.みなみさんの家の日常をたんたんと描いた作品と言う説明は間違っていはいないのだが、そんな日常を波乱万丈の物語に読み替えると言うのは人生の達人的なスキルが必要なわけでとにかくスゲエぜ。2.なんかイダタツヒコ分があまり感じられないぞ。士貴智志の漫画になっているような気がする。面白いけど。3.堀の女たちのためにあっけなく、笑みを浮かべながら死んでいくお坊様たちの姿は凄絶という言葉しか浮かばない。原作の乾いた筆致を見事に漫画的に語りなおしているところに痺れる。4.裏の裏の裏はやっぱり裏だったと言うどんでん返しの見事さよ。こいつらなら確かにやってくれる、と言う見せ方が上手すぎるぜ。5.だ、だれか荒木飛呂彦を止めろーッ!「なじるように呼び捨てにしてッ!」と言うのも大概だけど、「圧迫祭り」という言霊は想像の埒外だった。本気で眩暈を覚えたぞ。6.ようやくその病を治すための吸星大法を身につけ、天下無敵の武術を(望まずして)身に着けてしまった令狐冲だったが、そのためにかつての師、友、愛する女性にすら憎まれ恨まれるとは報われねえ。破門されてもなお彼らを裏切ることが出来ない彼の不器用さに涙が出てくる。もはや味方は儀琳ちゃんだけだ!あと、本来ならば君子と呼ばれる人が総出で主人公を陥れているのに、なぜか助けてくれるのが悪人(それも人殺しも強盗も厭わない悪人。悪党じゃなくて悪人)ばかりと言う逆転がすげーよな。金庸先生は善悪の彼岸すら軽がると飛び越えておられるのか…。どんだけー。

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『月光のカルネヴァーレ~白銀のカリアティードⅡ~』読了

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月光のカルネヴァーレ~白銀のカリアティードⅡ~』(J・さいろー/ガガガ文庫)読了。

あらあらあら、これは素晴らしいんじゃない?冒頭からしてペルラ嬢の超悪趣味、超極悪な拷問シーンから始まるあたりにJ・さいろーの素晴らしいセンスが垣間見れるのだけど、それはそれとして、原作でも扱われてきたピノキオのモチーフを作者なりに消化している感じがあって好ましい。まあ作中ではピノキオのピの字も出てきやしないんだけど(人はそれを妄想とも言う)(うるさいな)、ノヴェラが記憶と魂について繰り返し対話を求めようとアレッシオやフォーラに縋り付くさまは正直胸キュン(おかしいな…オレはショタではなかったはずだが…)。

答えの出ない答えを求めて、己の苦しみを飲み込もうと言う姿が愛おしい。アレッシオもまた自らの野望と情愛の葛藤に苛まれ、人狼と人形との殺戮の宴に巻き込まれる。ただ苛まれ、虐げられる「弾丸」の子供たちは、その苦役のままに押しつぶされる。人狼の男は殺戮に酔い、人形師の男は滑稽な素振りで首を掻き切る。ひとたびの救いと意義を見出すことが慰めになるのだろうか?魂の所在を求めた人形の躯は何も語らずただ夢見るのみなのだ。

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2007.09.05

『ミステリクロノ』読了

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ミステリクロノ』(久住四季/電撃文庫)読了。

この作品は、あらゆるライトノベル設定をミステリ的ガジェットに奉仕するためだけに構築しており、その意味では非常に潔い作品なんだけど、その一方でキャラクター小説としてもなかなかの力作であると感じる。つらいことや苦しいことをすべて”無かったこと”にしようとするヒロイン、真里亜は、終わり無い日常の繰り返しを求めるオタクの心象そのものであり(こういう言い回しはいやらしいよね。使うけど)、彼女が自らを不快にさせるものから逃げずに立ち向かおうとするまでを描いた点はきちんと評価するべきではないかと思う。ただ、彼女が立ち向かうことが出来るようになるまでの過程が、主人公との交流だけであり、それ以上のドラスティックな出来事が無かったことについては、これはリアルと取るべきか、物足りないと言ってしまうべきか迷うところだ。これで十分な気もするし、より派手な展開を求める自分もいる…。まあ今後どうなるか分からないし、保留にしておくか。話は変わるが、”時間”をテーマにしたアイテムと言うのは、自分の人生に悔いが残っている人ほどに強烈な誘惑をもたらすもので、読み手によってこの作品の評価が変わって来るような気もする。単なるガジェットと取るか、果てない夢ととるかによって、この作品における犯人と主人公の壮絶な葛藤の受け取り方も変わってくるだろう。やり直したくてもやり直せないと知ったときが本当の絶望なのだ、と言うことを、この犯人は知ってしまったのだ。一方、ヒロインの真里亜は、まだ自分の足で歩き始めたばかり。彼女は、犯人が何故そのような行為をしたのかまったく理解できていない。何も持たず、これから得るばかりの彼女の始まりは、いささか手荒くはあるものの、未知なるものに囲まれ光り輝いている。彼女の絶望の誘惑はこれから生まれるのだ。ともに歩くべき主人公はすでに、希望を求めながら絶望にも引かれ、彼女のそばにいつまでいられるか分からない。彼らの運命は、まさしく時間だけが知るところなのだろう。

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2007.09.03

『魔女を忘れてる』読了

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魔女を忘れてる』(小林めぐみ/富士見書房)読了。

これはまた良い感じに不快な話。どういう類いの不快さかと言うと、残酷な展開と言うわけではなく、どこにもいけないまたはどこに行っても逃げられない感じの閉塞した不快感に満ち溢れた作品。子供時代は後になって思い起こせば美しい思い出のように思えるけど、実際にはそんな都合の良いものじゃなくて、無知で無邪気であるがゆえに残酷な悪意に満ちているもの。彼らが子供時代の罪を思い出したとき、彼らは過去に復讐されるのだ。罪悪感と恐れに直面する事を強いられるという底意地の悪さ。そして、最終的に明かされる”悪意”の所在。ひたすらに不快で、厭な物語でありました。例によってミステリとしての出来映えについてはなんとも言えないのだけど(推理しない読者ですからー)、物語が進むにつれて現実と幻想の境界があやうく揺らいでいく描写は一読の価値はあり。なかなか”魔女”の存在がはっきり表われて来ないのも品が良くて僕は好きですし、最後までまったくカタルシスをもたらさないように徹底しているところも美しい。これは人間が直視したくない不愉快さがあるとすれば、それは過去の罪であり、無自覚の悪意であるということを現しているのだろう。世界は悪意で満ちている。人はそれを自覚していないだけなのだ。

あーキモチワルイね。

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2007.09.02

『優しい煉獄』読了

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優しい煉獄』(森岡浩之/徳間デュアル文庫)読了。

森岡浩之のライトハードボイルド。お洒落と言うよりは泥臭く、格好良いというよりはコミカルさが強調されている作品ではあるけれども、決めるべきときはきちんと決めるあたりに安心感がありますな。もっとも、森岡浩之は会話が非常に面白い作家だと思っているのだけど、今回はその辺のユーモア感覚があまり出てこないような気もした。まあちょっととぼけたキャラクターとかなかなか楽しい。ブティックの話とかやたらとエロいのも素晴らしいですね(マジでか)。まあ、今読むと、バーチャルリアリティ的なアイディアとしてはそんなに目新しくも無くなってしまった感じはあるので、ちょっとインパクトには欠けてしまっているような感じだけど…。まあ気楽に読めていいんじゃないでしょうか。

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買ったもの

1.『螺旋のプリンセス(1) ぼくと自転車の騎士』 椎野美由貴 角川スニーカー文庫
2.『GENTE(1)』 オノ・ナツメ 大田出版
3.『彩雲国物語 白虹は点をめざす白虹は天をめざす』 角川ビーンズ文庫
4.『さらいや五葉 第三集』 オノ・ナツメ 小学館
5.『エンシェント・ミスティ』 原作:虚淵玄 作画:中村哲也 メディアワークス
6.『ウニバーサル・スタジオ』 北野勇作 ハヤカワ文庫JA
7.『”文学少女”と慟哭の巡礼者』 野村美月 ファミ通文庫
8.『火星の長城 レヴェレーション・スペース(1)』 アレステア・レナルズ ハヤカワ文庫SF
9.『ドラゴンキラーあります』 海原育人 C・ノベルスファンタジア
10.『ドラゴンキラーいっぱいあります』 海原育人 C・ノベルスファンタジア
11.『イミシテルインシテミル』 米澤穂信 文藝春秋

いろいろと。
1.バイトでウィザードは、やっぱりアレで終わったん?逃げたな…。2.まさかあのシリーズの続編が出るとはなあ。3.秀麗…成長したねえ…。(2007/9/4)修正しました…。4.オノ・ナツメですな。男たちの友情があまりもせくしーでござる。5.え!?一巻で終わりなの!?続きも読みたいなあ…。6.…いや北野勇作だし…。と言いつつまた積読が増えていくのであった。7.文学少女もいよいよクライマックスっぽい。このテンションを維持していって欲しいですな。8.あれ…ずいぶん薄いような気がする(気のせいです)。9と10.面白いと言う話を聞いた買った。読んだ。おもろいなあ…。11.ふー、思わず本屋を探し回ってしまったよ。全然みつからねー。(2007/9/2)ふーようやく修正。はずかちー。

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『永遠の戦士エルリック(7) 白き狼の息子』読了

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永遠の戦士エルリック(7) 白き狼の息子』(マイケル・ムアコック/ハヤカワ文庫SF)読了。

なんかずっと積んでいた本をようやく読んだ。びっくりした。エルリックの孫娘(血は繋がらないが)にあたるウーナッハを主人公とし、祖母、ウーナの双子の弟であるオンリックがようやく登場。もちろん我らがエルリックも登場し、長きにして束の間の千年の夢の最後が描かれる。相変わらずゲイナーやクロスターハイム等、天秤を我が物としようとする悪役たちも登場して、最後(っぽい)戦いが始まるのだった。とはいえ、エターナルチャンピン・サーガはどんどん複雑さを増していて、このシリーズの世界観としては、転生するだけじゃなくて並行世界、ひいては内的および外的世界が繋がっていたりと、複雑怪奇な世界観が生み出されています。今回はホークムーン・サーガの並行世界にウーナッハがやってきて、本来のホークムーンとは別の結末を迎えるホークムーンの姿がある。これは一体…と呆然としてしまうのだが、それがさらに天秤に至るや…えーと、結局、ホークムーン・サーガで破壊された天秤を、今回の冒険で復活させたと言うことになるのか?で、最後に唐突に出てきたホークムーンとエレコーゼは、世界のバランスの修正しようとする意思とか?いや、もう何がなにやら…。永遠の戦士の使命には、本当に終わりがあるのか?天秤の破壊ですら終わりでは無いんじゃないのか…。うーん、このあたりをもうちょっと詳しく考察してみても面白いかもしれないなあ。面倒なのでやらないけれど。

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2007.09.01

懐かしくも新鮮なおはなし

朝、目を覚ますまで観に行こうなんて全然考えていなかったのだけど、ゴーストがとりあえず初日で一回観とけとささやくので『エヴァンゲリオンヱヴァンゲリヲン新劇場版・序』を鑑賞してきた。

始まった当初。どこかで観た映像、どこかで聞いた台詞が続く。絵と声は全部書き直して取り直したと言う話だと聞いていたのだけど、確かに絵は綺麗なんだけど構図がそのままなので、『エヴァ』にそっくりな何か、と言う印象だった。

でも、何故だろう。いつか観たソレとまったく同じストーリー、同じ演技でありながら、物語が語られるにつれてその違和感が無くなって行く。いや、もしかしたら無くなるのではなく…受け取り方が変わっただけなのだろう。

TVアニメとして『エヴァ』が放映されていたあの頃。僕はまだ10代の学生だった。シンジ君とさして変わらない年齢で、当然、僕はシンジ君の視点でものを見ていた。作品を受け取っていた。彼の身の置き所の無さに共感し、恐怖にも似た焦燥と、周囲への暴力的な激情。そんなものを身近に感じていた。

今の僕は、それなりに社会的な生活がある。バタバタとしながら暮らしている。そんな僕は(ある程度はそうなるんじゃないかと思ってはいたのだけど)シンジ君よりもミサトや、あるいはゲンドウにこそ共感を親愛を感じるのだ。大人たちがいっぱいいっぱいで行動している姿、それに翻弄される子供たち。以前は見えなかった関係が、今ではずいぶんと良く分かる。エヴァって言うのは、いわゆるセカイ系のはしりのような言い方をされることが多いけれど、実は、シンジ君の”セカイ”を包括する形で、大人たちの、社会的な”世界”が描かれている作品であり、記号的な単純化とは、むしろ対極に位置する方向性を持っているのだということがはっきりと理解できたのだった。

以下、雑感ゆえ格納。

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『とらドラ5!』読了

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とらドラ5!』(竹宮ゆゆこ/電撃文庫)読了。

今回は学園祭編。お祭りと言う非日常ってのはなんとなくわくわくさせられるもので(まあ、僕は現実のお祭りではエスケープするタイプだったけどそれはまあいい)、竹宮ゆゆこはそのお祭り騒ぎに浮き立つ興奮をきちんと描いているところは偉いね。それはそれとしても、相変わらず竹宮ゆゆこ主人公ってのは強くて意地っ張りな女の子が傷ついているところに、息せき切って駆けつけるところに正しくヒーロー性があるんだと言うことを改めて思った。誰かが悩んで苦しんでいるときに、手を伸ばして引っ張り上げるのまさしくヒーローで、今回の竜児は(もちろん実乃梨も)実に正しい事を選択している。必要な時に必要な行為が出来るなんて、それはなんて素晴らしいことなんだろう、と不覚にも少し感動してしまうのだった。目つきが悪いだけで、それ以外の点では(大体においては)平凡な少年であるところの竜児がまぎれもなくヒーローであるのは、まさしくその点にあるのだろう。たいしたものだよ、本当に。実乃梨も惚れるよこれは。

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