『世界平和は一家団欒のあとに(3) 父、帰る』読了

『世界平和は一家団欒のあとに(3) 父、帰る』(橋本和也/電撃文庫)読了。
正義の味方家族の次なるお話は、今まで留守にしていた父親が帰宅と、異世界からの女の子が家にやってくることから始まる。女の子を守るために少年は父と戦い、父はかけがえの無い家族のために剣を取る。いい感じに無気力で、過去の出来事のためにひねくれている主人公が、超えられない壁を無理矢理こじ開けようと死に物狂いでぶち破ろうと足掻く姿に痺れた。熱血主人公ではなく、ある意味において熱血とはかけ離れたヘタレ兄貴が、実は見えないところで努力していたと言うところもたまらんです。努力は他人に見せるもんじゃなくて、いよいよと言うときになったとき、「オレ、実はこういうことも出来るようになったんだぜ?」とばかりに減らず口を叩くあたり、僕の想定するダンディズムにピタリとはまる。格好いいな、こいつ…。物語としてはシンプルことの上ないのだけど、決して引けない一線と言うものをかけて戦う主人公と親父さんの動機が実に明確で、最後まで揺らがないところが素晴らしいと思う。主人公の父親越えにして初恋のエピソードとして良く出来ているんじゃないかと思いますよ。
| 固定リンク



コメント