『SAS スペシャル・アナスタシア・サービス』読了
『SAS スペシャル・アナスタシア・サービス』(鳥居羊/HJ文庫)読了。
なんでもない平凡な日常を、妹とともに謳歌していた主人公が、突然やってきた戦闘美少女たちによって非日常に叩き込まれるのだった、と言うあまりにもありがち極まるあらすじでありながらも、この作品が特異性を保持している点は、やはりアナスタシアたちバトルヒロインたちの戦闘員的な描写に軍事的知識を駆使して説得力を持たせているところなんだろう。作者の愛が、戦闘美少女とミリタリーへ等量に注がれていることもあって、美少女いっぱいのハーレムラブコメと、(知識の乏しい僕にとっては)特殊部隊ものとしてのリアリティの双方を、かなりのレベルで保持しているように思った。主人公の成長を主軸にして双方を結び付けているので、当初僕が思っていた以上に物語のカタルシスを生み出しているように思う。もっとも双方を成り立たせようとするあまり、どちらも中途半端になっていて、ファンタジーさを強調してしまっている感じはあるのだけど(いくらなんでも素人の主人公がいきなり実践なんて無理だろ、とか)、それを含めても大変面白かった。
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