『青年のための読書クラブ』読了

『青年のための読書クラブ』(桜庭一樹/新潮社)読了。
こいつはキテるなあ…。これって要するに”異形化”した『マリア様がみてる』だと思うんだけど。『マリア様がみてる』では意図的に省かれた少女たちの楽園の暗部。楽園から追放された、あるいは楽園を拒否した人々が引き起こす動乱の有様を描く。あまりに美しく、あるいはあまりにも醜く、楽園で生きるには、砂糖菓子のみで生きるにはあまりにも実弾に親しむ少女たちは、ただ楽園にあるだけで閉ざされた世界に波紋を投げかける。繰り返される比喩に彩られた異形の少女たちの、繊細と言うにはあまりにも暴力的なものを秘めた感情の揺らぎが、たびたび世界を揺るがし、そして世界に取り込まれ、彼女たちは打ち折れてしまう。自らを束縛するものから解き放たれようとした少女は石を持て追われる。世界はかくも強固なものなのだ。ただ彼女たちが為した足跡は、秘めやかに、淡々と記録が残され、読書クラブの中だけで語り継がれるのだ。100年目のあの日、”世界”が終わるそのときまで。終わった”世界”で、彼女たちの一瞬の衝動は、解き放たれ、あるべき人々の元へ戻るのだった。
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