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2007.08.30

『流血女神伝 喪の女王7』読了

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流血女神伝 喪の女王7』(須賀しのぶ/コバルト文庫)読了。

ルトヴィア、ユリ・スカナ、エティカヤの三国を巡る不穏な動向は留まるところを知らず。良きにつけ悪しきにつけ物語は怒涛の如き勢いで動き出していると言って良いでしょう。内政がぼろぼろの状態のままルトヴィアではドミトリアス、グラーシカが、長年のすれ違い末についに(吹っ切れたグラーシカの想いの力もあり)協力して(とも言い切れないが)、全力でルトヴィアの建て直しに注力し、ようやくその手ごたえをつかみ始めている。エティカヤでは覇道を突き進まんとするバルアンの策謀はいよいよ持って非情さを増し、ルトヴィアの崩壊を望んでいる。ユリ・スカナではザカリア宗教国家としての歩みつつもバルアンと手を取り合いながらその裏ではその牙を研いでいる。まさに三国間の緊張状態はもはやギリギリのところまで着ており、あとは爆発することを待つのみだ。一方、己を利用するものすべてから解き放たれようとするカリエはついにその精神の有り様を見定め、目的に向けて動き出す。ただセーディラに平和な一時を与えんがため、親しみを覚え始めたユリ・スカナ女王ネフィシカへの感情も振り切りひた走る。次の最終巻に向けて、彼女の戦いがどのような結末を迎えるのか楽しみにしたい。一方で次巻でこの3国の物語が決着がつくとはとても思えないほどに状況は錯綜しており、また、カリエの次の世代が芽吹き始めている。フィンルにスゥラン、もちろんセーディラにアフレイム。彼ら彼女ら自身にも、本人にはなんら責の無い運命が課せられており、さまざまな苦難が待ち受けていることは避けられないところである。カリエの物語は次で一幕となるのかもしれないが、この世界にはまだまだ語るべきものが残っている、否、作者は残している。新たな物語に向かうその時をお待ちしております。

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